JPH05112109A - 重荷重用空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

重荷重用空気入りラジアルタイヤ

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JPH05112109A
JPH05112109A JP3272613A JP27261391A JPH05112109A JP H05112109 A JPH05112109 A JP H05112109A JP 3272613 A JP3272613 A JP 3272613A JP 27261391 A JP27261391 A JP 27261391A JP H05112109 A JPH05112109 A JP H05112109A
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JP
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bead
bead core
layer
tire
carcass
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JP3272613A
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Inventor
Eiichiro Yamane
英一郎 山根
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 部材使用量を最小限に止めてビード部の軽量
を維持しつつ、ビード部の耐久性を向上することであ
る。 【構成】 一層以上の繊維コード層を、ビードコアー断
面の最大幅位置を通るタイヤ回転軸への垂線で囲まれる
ビードベース側範囲全域から、ビードコアー断面の最大
高さ位置迄の範囲内でカーカスの外面に沿うよう配置し
たビード強化層を備えた重荷重用空気入りラジアルタイ
ヤ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、使用部材を最小限に抑
え、軽量にしてビード耐久性を向上させた、中型ないし
大型のトラック、バス及びトラクター、トレーラー用空
気入りラジアルタイヤに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般的に、トラック、バス用ラジアルタ
イヤの故障はトレッド補強のベルト端部のセパレーショ
ンまたはビード部に於けるカーカス折り返し端部ないし
補強層端部いずれかの端部のセパレーションに大別され
る。これら故障のうち特に過荷重の使用条件ないし長寿
命の使用条件の下ではしばしばビード部の故障が発生し
問題となる。
【0003】従来、これらビード部故障に対し各種の改
善策が提案されてきた。例えば、その一として、ビード
部のみを採り上げた断面を図5に例示するように、ビー
ド補強層(以下これら従来の補強層をチェーファーと記
す)としてスチールコードを補強材としたいわゆる巻き
上げワイヤーチェーファーと、ナイロンコードを補強材
としたいわゆるナイロンチェーファーのそれぞれの層を
組み合わせたコンビネーション型チェーファーが提案さ
れている。
【0004】更に、その二は、コンビネーション型チェ
ーファーの改良として図3のごとく、カーカス本体から
折り返し部に亙り、一層の巻き上げワイヤーチェーファ
ーを配してビード部補強とした構造が提案された。
【0005】その三として、タイヤの軽量化要請及び低
コスト化に対応すべく図4に示されるビード補強方法が
提案されている。即ち、ワイヤーチェーファーはビード
コアーの外側近傍からカーカスの折り返し部に沿っての
み配置されている構造である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記その一の
ビード補強構造は多くの部材を要する事から、生産性や
経済性の問題に加えビード部の高温化による耐久性の限
界を招き、更には、ナイロンチェーファーのコードに繰
り返し圧縮歪みが不可避的に加えられ該コードがしばし
ば早期に破断する問題が生じる等、コスト高に見合う耐
久性が得られないという問題があった。
【0007】前記その二のビード補強構造は、前記その
一の故障対策としてはほぼ十分な性能を示したが、タイ
ヤのコスト高は否めず、更に近年、タイヤの軽量化が市
場要求として高まる一方であり、これらの点で該構造の
タイヤは問題があった。
【0008】前記その三のビード補強構造は、確かに簡
素化された軽量ビード部であって、近年の市場要求に沿
ったタイヤであるが、僅かな過荷重であっても、また、
たとえ標準荷重であってもトレッドの長寿命条件の下で
長距離走行を余儀なくされた場合、やはりビード部に故
障を生じる問題があった。
【0009】本発明は、上記諸問題を同時に解決すべく
なされたものであり、中・大型トラック、バス並びにト
ラクター・トレーラー用タイヤに関し、市場要請に応え
るビード部の軽量化、低コストを維持しつつ、トレッド
の長寿命走行条件の下でもビード部に故障を生じない構
造を提案するものである。
【0010】
【問題点を解決するための手段】本発明は、一対のビー
ドコアーにトロイド状に跨るカーカス本体部とビードコ
アーの回りを内側から外側に向かって折り返され径方向
外側に延びる折り返し部とからなるスチールコード補強
の少なくも一プライのラジアルカーカスと、ビードコア
ー外側近傍からほぼ折り返し部に沿って延在するスチー
ルコード補強のチェーファーとを備えた空気入りラジア
ルタイヤにして、一層以上の繊維コード層を、ビードコ
アー断面の最大幅位置を通るタイヤ回転軸への垂線で囲
まれるビードベース側範囲全域から、ビードコアー断面
の最大径位置迄の範囲内で、ビードコアーを取り巻くラ
ジアルカーカスの外面にほぼ沿うよう配置してなるビー
ド強化層を備えた重荷重用空気入りラジアルタイヤであ
る。
【0011】さて、本発明を図1および図2に従い詳述
する。即ち、本発明になるタイヤは、図1で、一対のビ
ードコアー3にトロイド状をなして跨るカーカス本体部
1aと、カーカス本体部から連なりビードコアー3の回
りを内側から外側に向かって折り返され径方向外側に延
びる折り返し部1b からなるスチールコード補強のラジ
アルカーカス1と、ラジアルカーカス1の径方向外側に
順次、複数のスチールコード補強層からなるベルト部5
とトレッドコム層6を備え、トレッドゴム層6の両端縁
からビード部4近傍までサイドゴム層7が形成されてい
る。更に、ビード部4にはビードコアー3の外側近傍か
らカーカス折り返し部1b にほぼ沿うようにワイヤーチ
ェーファー2が配置され、尚且つ、少なくもタイヤのビ
ードベース8とビードコアー3の間でビードコアーを取
り巻くカーカスの外面にほぼ沿うように繊維コード補強
の一層以上(図では二層)のビード強化層BLが挿入配
置されてなる点に特徴を有す。
【0012】ここで、本発明の特徴を図1のビード部4
の拡大断面図である図2で詳述すれば、ビードコアー3
の径方向外側でカーカス本体部1a に沿って硬スティフ
ナー10と軟スティフナー11が、ワイヤーチェーファ
ー2と折り返し部1b の端部に応力緩和ゴム層12がそ
れぞれ配置されている。ここで、前記ビ−ド強化層BL
(図では二層をそれぞれ破線で示した)は、少なくも、
ビードコアー3の断面の最大幅位置を通りタイヤ回転軸
Aに対する垂線V1 、V2 で囲まれる範囲Rの全域に収
めるを可とし、更に、ビード強化層の孤でみた最大配置
幅は該層の両側端縁がビードコアー3の最大径を通りタ
イヤ回転軸Aに平行な線P−Pと接する迄とすることが
望ましい。図2では該層の両側端縁が範囲Rの全域を超
え前記P−P迄は至らない中間の位置に収められた例で
ある。また、図2は該層の一方の端縁がワイヤーチェー
ファー2の端縁と突き合わせ状とされているが、これに
拘泥するものではなく、ワイヤーチェーファー径方向内
方端部の内側ないし外側と重ね合わせて良いのは勿論で
ある。9は通例のゴムチェーファー層である。
【0013】ここで、ビード強化層はゴム被覆された有
機繊維コード、例えば、ナイロンコード、ポリエステル
コード、アラミド繊維コード、レイヨンコード等が好適
であり、なかんずくナイロンコード、ポリエステルコー
ドが好適である。さらに無機繊維コード、例えば、ガラ
ス繊維コード、炭素繊維コードを用いても可とする。前
記コードを強化層として効果あらしめるには、コードの
傾斜角度を図1で示すタイヤ赤道面E−Eと平行でビー
ドコアー中心を含む面に対し20°から50°の範囲と
するのが好ましく、35°から45°とすれば更に好ま
しい。また、コード一本当たりの引っ張り弾性率は10
0kgf/mm2から700kgf/mm2 の範囲とす
るのが好適である。尚且つ、ビード強化層は一層以上三
層以下が望ましく、複数層用いる場合は互いに隣接する
層のコードが相互に交差するよう積層するのが好まし
い。この際、該複数層の端縁を必ずしも一致させる必要
はなく、相互にずらしても良い。
【0014】
【作用】発明者は、図4に示すワイヤーチェーファー2
2を擁する補強構造が僅かな過荷重であるにも拘わら
ず、何故トレッドの長寿命走行条件でカーカスの折り返
し部1b の端部ないし該端部に近接したワイヤーチェー
ファー22の端部にもクラック故障やセパレーション故
障を生じるかを、各種の実験を通じ考究した結果、以下
の結論を得るに至った。
【0015】即ち、前記チェーファー22の構造を備え
たタイヤと図3に示すワイヤーチェーファー32の補強
構造になるタイヤの、それぞれのビードコアー3の挙動
に着目し実験を進めた結果、両者に顕著な差異を見いだ
した。その差異を図6に示す。図6は、X軸に図7に示
すビードコアーの断面中心D点のタイヤ回転軸方向の位
置(mm)を、Z軸に同じくD点のタイヤ径方向の位置
(mm)をとり、両タイヤの内圧ゼロの状態を始点にし
て標準空気圧充填時、次いで標準荷重時における両タイ
ヤのビードコアーD点のX方向、Z方向の位置を測定
し、プロットしたグラフである。尚、白抜きのプロット
は新品時、黒抜きのプロットは後述のビード耐久性比較
テストの試験条件で4000Km走行後のそれぞれの位
置である。また、図6の座標(mm)は図7のリムフラ
ンジFの垂直部分とビードベース8との交点を0とした
ときの値である。
【0016】図6において、D1 、D2 、D3 は図3の
ワイヤーチェーファー32を備えたビードコアー3の前
記位置を示し、D1 ′、D2 ′、D3 ′は図4のワイヤ
ーチェーファー22を備えた同様位置を示す。尚、走行
後のプロット符号には( )を付し区別した。D1 、D
1 ′は標準リムにそれぞれのタイヤを装着し一旦空気圧
を充填し、ビード部をリムに十分フィットさせた後空気
圧をゼロとした状態のビードコアーD点の位置を、
2 、D2 ′は標準空気圧充填時のそれぞれのD点位置
を、D3 、D3 ′は標準荷重を加えた際のほぼ荷重直下
の同様位置をプロットしたものである。尚、走行後も同
じである。
【0017】図6から明らかなように、図3、図4のビ
ード構造におけるビードコアーの軸方向変位量にはさし
たる差異は認められないが、空気圧充填時もさることな
がら、特に荷重時に於ける径方向外側、内側へのビード
コアー変位量は、図3のビード構造に対し図4のビード
構造が遥かに大きく、該変位量の比はほぼ二倍に及ぶ結
果を得た。
【0018】更に、図6にみられるごとく、両ビード構
造ともD点位置の走行後の径時変化が大きいが、これは
走行に伴うゴムのクリープにより生じたものである。ビ
ードコアーの径方向位置変化量は図3、図4のビード構
造で著しい差異が認められ、図3のビードコアーに対し
図のビードコアーの径方向クリープ量が約3倍にも及ぶ
ことが判る。
【0019】上記実験結果から、D2 、D2 ′について
は、空気圧充填によりカーカス本体1a のスチールコー
ドに大きな張力が作用し、完全非伸長性とは言えないビ
ードコアーの径が強制的に拡張された事を意味し、
3 、D3 ′では、径方向外側への強制変位がトレッド
への負荷荷重を通じて解除され、尚且つ、径方向内側に
強制圧縮変位された事を意味する。またこの解除、強制
圧縮変位の分は荷重を受けていない部分、特に荷重直下
の180°位置付近を最大としてビードコアーが更に径
方向外側への変位を増加させている事をも示唆している
との知見が得られた。
【0020】前記実験結果の解析から、発明者は、カー
カスの折り返し部1bの端部もビードコアー3に追随し
同時に径方向への変位を余儀なくされる結果、図4のワ
イヤーチェーファー22のビード部構造になる折り返し
部の端部は、図3のそれよりより大きな剪断歪み・応力
振幅を繰り返し受ける事となり、更には、接着処理され
ていないスチールコード切断端面の縁にはより大きな引
っ張り応力と圧縮応力をも受け、ついには該切断端面近
傍のゴムに疲労破壊によるクラックが生じ、折り返し部
のより大きな剪断応力の下で該部分に、より早期のセパ
レーションが発生しビード故障に至ることを確かめた。
【0021】更に同時に、走行に伴うゴムのより大きな
クリープにより生じるビードコアー位置の径方向径時変
化量が図4のビード部構造の折り返し部の端部にも及
び、該端部にもより大きなクリープ歪を生じさせ、これ
が該端部の早期セパレーションを加速している事をも確
かめた。
【0022】図1、図2に従う本発明によれば、ワイヤ
ーチェーファー2を図4に示す従来タイヤのそれとほぼ
同様としたまま、ビードコアー中心を含みタイヤ赤道面
E−Eと平行な面に対し20°から50°の傾斜角度を
なす繊維コード補強になる幅の狭い一層以上のビード強
化層BLを、少なくも図2に示す範囲Rの全域に配置す
ることで、ビードコアー3の径方向内側のカーラスプラ
イとビードベース部8の間の圧縮剛性を高め、荷重負荷
時の径方向変位量を抑制し、少なくも、ビードコアー3
の径方向内側変位を図6のD3 ′プロット位置からD3
と同等レベル迄抑制、改善することが可能となった。
【0023】また、図示はしていないが、同時に荷重直
下の180°位置近傍のビードコアーの径方向外側変位
量の大幅な減少が得られ、更に、走行によるビードコア
ー位置の径方向径時変化量が抑制される事は明白であ
る。かくすれば、ビードコアー3の径方向変位振幅に伴
うカーカス折り返し部1b のスチールコード端部に加え
られる歪み・応力振幅とクリープ歪も同時に減少させ得
る事が可能となり、折り返し部のセパレーションに起因
するビード故障を軽減し得る。尚、ビードコアー3の内
圧時から荷重時の径方向変位量(変位振幅)と折り返し
部の端部の剪断歪みの関係グラフを図9に例示する。図
からビードコアー変位約0.7mmから剪断歪みは急速
に増加することが分かる。
【0024】ここで、ビード強化層BLを、少なくも図
2のタイヤ回転軸への垂線V1 とV2 で区画される範囲
R全域に亙って配置するとしたのは、該範囲R内にあっ
ても、全域に満たない、より狭い幅のコード層では荷重
時のビードコアー径方向変位抑制が不十分であり、更
に、製造時における強化層の適正配置が困難になる等の
不具合が生じるからである。また、強化層BLの最大配
置幅をビードコアーの最大径を通るタイヤ回転軸Aに平
行な線P−Pと接する位置迄としたのは、該位置を超え
て強化層を配置しても、ビードコアーの径方向変位抑制
は飽和し、徒に重量の増加とコスト高を招き不所望だか
らである。尚且つ、単に重量、コストの増加のみに止ま
らず、荷重付加時に大変形を受ける領域に強化層端部が
存在することとなり、該端部にセパレーションを生じる
等の好ましくない結果をもたらすからである。またビー
ド強化層を三層以下としたのは、四層以上ではビードコ
アーの内径が増大し過ぎる結果、ビードコアーの径方向
内側の剛性を低下させ、反って径方向変位が増加するの
で不所望である。
【0025】更に、ビード強化層に有機または無機の繊
維コードを用いるのは、スチールコードではビードコア
ー近傍で好ましい位置に納めるのが製造上困難だからで
あり、コード一本の引っ張り弾性率を100kgf/mm
2 以上700kgf/mm2 以下の範囲としたのは、10
0kgf/mm2 未満では、ビードコアーの径方向変位を
抑制するに十分な剛性を得ることができない点で不具合
があり、700kgf/mm2 を超えると、コード径が太
くなり過ぎ、重量が増大するので不所望だからである。
また、該コードのタイヤ赤道面E−Eと平行でビードコ
アー断面中心を含む面に対する傾斜角度を20°から5
0°の範囲を好適としたのは、20°未満では強化層の
コード間隔が大きく乱れ、強化層として十分機能しない
点で不適であり、50°を超えると強化層としての剛性
が不足し効果が期待されないからである。
【0026】
【実施例】トラック、バス用タイヤでサイズ10.00
R20であり、基本構成は図1および図2に従う。図に
於いて、ラジアルカーカス1の補強のスチールコードは
破断荷重132kgf /本であり、折り返し部1b にほぼ
沿って、打ち込み数27.5本/5cmで破断荷重92
kgf /本、引っ張り弾性率16000kgf /mm2 (一本
当たり)のスチールコード補強になるワイヤーチェーフ
ァー2を配した。ビードベース8から折り返し部1b ま
での高さHt は67mm、ワイヤーチェーファー2の径
方向外端の高さHc1は54mm、内端の高さHc2は8m
mとした。また、このスチールコードの傾斜角度は、H
c1とHc2の中間点を通る仮想円の接線に対し20°から
45°の範囲とするのが好ましく、本実施例では30°
とした。
【0027】ビードコアー3は一本の19番線ワイヤー
でほぼ六角形状として構成されており、同じく、該コア
ーの最大径を通るP−Pまでの高さHb は16mmであ
り、また、該コアーの最大幅(Rと同一)は12.3m
mであった。尚、ビードコアー3に接しカーカス本体1
a と折り返し部1b の間に硬度75から90までの硬ス
ティフナー(本例では83)を、これに接し径方向外側
に延びる硬度45から60までの軟スティフナー(本例
では57)を配し、折り返し部とワイヤーチェーファー
の両外端部には硬度65から80迄(本例では73)の
応力緩和ゴム層12を備える。
【0028】本発明にかかわるビード強化層BLはそれ
ぞれの端縁をほぼ揃えた二層構造とし、一方の端縁は他
方の端縁とほぼ同一高さとしてワイヤーチェーファーの
内端とほぼ突き合わせ状とし、図のRの範囲を超えるが
線P−Pより径方向内側に止めて、カーカスの外面にほ
ぼ沿うよう配置した。尚、該強化層の弧の長さは20m
mであった。強化層BLは一本当たりの引っ張り弾性率
300kgf/mm2 のナイロンコードで補強されてお
り、その打ち込み数は32.9本/5cmである。ま
た、該ナイロンコードの前記傾斜角度は38°の交差構
造とした。
【0029】実施例の効果を確認すべく、図3に従う従
来例1及び、図4に従う従来例2のタイヤを準備した。
従来例1のタイヤは、ワイヤーチェーファー32の配置
のみ実施例と異なり、サイズ、構造、材料全て実施例と
同一とした。ワイヤーチェーファー32は構成部材を実
施例と同一としたが、折り返し部1b からカーカス本体
部1a に沿うよう折り返され、その内側端のビードベー
スからの高さHc3を37mmとした。図のHt ,Hc1
実施例と同一である。また従来例2は実施例からビード
強化層BLを除いたタイヤで他は全て実施例と同一とし
た。
【0030】まず、実施例のビードコアーの断面中心D
の変位のグラフを従来例2と重ねて図8のD1 ″、
2 ″、D3 ″として示す。これより実施例の該変位は
大幅に改善され、ビード部耐久性の顕著な改善が期待さ
れる。次いで、室内でビード耐久性の比較テストを以下
の条件で実施した。即ち、各タイヤを標準リム20×
7.5Vに装着し、内圧を9kgf/cm2 とし、荷重
4900kgf(標準荷重の200%)を負荷して直径
3mのドラムに押し付け、ドラムの表面速度50km/
hでタイヤを走行させた。評価はカーカス折り返し端部
にセパレーションが発生するまでの走行距離を以て行
い、従来例2を100とした指数で表せば、実施例は1
15、従来例1は115であった。尚、従来例1は市場
でのビード問題は無く、本発明に従う実施例は十分なビ
ード部耐久性を達成している。
【0031】更に、前記三種のタイヤ重量を比較すれ
ば、実施例は48.32kgw、従来例1は48.16
kgw、従来例2は48.78kgwであった。この点
においても本発明は市場要求に見合う軽量化が達成され
ている。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、軽量と低コストを維持
しつつ、かつ、生産性を大きく損なうことなく、顕著な
ビード部の耐久性向上を達成し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従うタイヤの構成説明断面図である。
【図2】本発明に従うタイヤのビード部の構成説明断面
図である。
【図3】従来タイヤのビード部の構成説明断面図であ
る。
【図4】従来タイヤの他の例のビード部の構成説明断面
図である。
【図5】従来タイヤの更に他の例のビード部の構成説明
断面図である。
【図6】従来タイヤのビードコアーのタイヤ軸方向と径
方向変位との関係を示すグラフである。
【図7】リム組みしたタイヤのビードコアーの座標の説
明図である。
【図8】本発明に従うタイヤと従来タイヤそれぞれのビ
ードコアーのタイヤ軸方向と径方向変位との関係を示す
グラフである。
【図9】ビードコアーの径方向変位と折り返し部端部の
剪断歪みの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 ラジアルカーカス 2 ワイヤーチェーファー 3 ビードコアー 4 ビード部 5 ベルト部 6 トレッドゴム層 7 サイドゴム層 8 ビードベース 9 ゴムチェーファー層 10 硬スティフナー 11 軟スティフナー BL ビード強化層 R V1 とV2 間距離 P−P ビードコアー最大径を通りタイヤ回転軸と平行
な線 D ビードコアーの中心

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対のビードコアーにトロイド状に跨る
    カーカス本体部とビードコアーの回りを内側から外側に
    向かって折り返され径方向外側に延びる折り返し部とか
    らなるスチールコード補強の少なくも一プライのラジア
    ルカーカスと、ビードコアー外側近傍からほぼ折り返し
    部に沿って延在するスチールコード補強のチェーファー
    とを備えた空気入りラジアルタイヤにして、 一層以上の繊維コード層を、ビードコアー断面の最大幅
    位置を通るタイヤ回転軸への垂線で囲まれるビードベー
    ス側範囲全域から、ビードコアー断面の最大径位置迄の
    範囲内で、ビードコアーを取り巻くラジアルカーカスの
    外面にほぼ沿うよう配置してなるビード強化層を備えた
    重荷重用空気入りラジアルタイヤ。
JP3272613A 1991-10-21 1991-10-21 重荷重用空気入りラジアルタイヤ Pending JPH05112109A (ja)

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