JPH05111768A - 溶接線位置検出装置 - Google Patents

溶接線位置検出装置

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JPH05111768A
JPH05111768A JP27268291A JP27268291A JPH05111768A JP H05111768 A JPH05111768 A JP H05111768A JP 27268291 A JP27268291 A JP 27268291A JP 27268291 A JP27268291 A JP 27268291A JP H05111768 A JPH05111768 A JP H05111768A
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welding line
probe
detection
work
detector
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JP27268291A
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Yasuhiro Matsumoto
泰弘 松本
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Original Assignee
Toshiba Corp
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  • Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】ワークの材料やワークとプローブとの間隔に関
係なく、また、溶接線検出器の検出範囲外に溶接線がず
れても、安定して溶接線のプローブの検出感度方向の位
置を検出でき、多品種少量生産にも対応することのでき
る溶接線位置検出装置を得ること。 【構成】プローブ3が溶接線2からずれたときに二つの
コイル22A,22Bのインピーダンスの変化から、溶接線
2のずれの方向と量を示す信号を出力するセンサアンプ
23と、このセンサアンプ23からの出力信号が入力され、
この出力信号の極性と大きさでアクチュエータ5を駆動
して可動部7を介してプローブ3を溶接線の上部に補正
するコントローラ10を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶接装置に取り付けら
れてワークの溶接線の位置を検出する溶接線位置検出装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の溶接線位置検出装置が組み込まれ
た溶接装置を示す図7において、溶接装置の図示しない
架台には、主方向駆動用のアクチュエータ15Aが、この
アクチュエータ15Aの出力軸15Cを溶接対象物(以下、
ワークという)1の上方に且つ、このワーク1の面及び
ワーク1の溶接線2と平行にして取り付けられている。
このうち、出力軸15Cには、略L字形の移動テーブル13
の基部の図示しないナット部が螺合し、このナット部の
上面には、出力軸15Cが溶接線2の上方まで延びた修正
方向駆動用のアクチュエータ15Bが取り付けられてい
る。出力軸15Cの先端は、図示しない架台から垂設され
た溶接トーチ14に収納された図示しないピニオンと噛み
合っている。
【0003】一方、移動テーブル13の先端の下面には、
逆L字形のプローブ3が検出感度方向yを溶接線2と直
交する矢印Bで示す修正方向と平行で、溶接トーチ14よ
りも矢印Aで示す主方向の前方(注;図7において右方
向)となるように移動ベース13に取り付けられている。
さらに、このプローブ3の出力信号が入力されるセンサ
アンプ23が別に設置され、このセンサアンプ23の検出信
号を取り込み、その検出信号から得られる溶接線2の位
置信号で、溶接トーチ14が溶接線2の上を倣うようにア
クチュエータ15A,15Bを駆動する機能(以後、遅れ倣
い機能と呼ぶ)を備えたコントローラ16が設けられてい
る。
【0004】このように構成された溶接装置において、
ワーク1を溶接するときには、まず、溶接線2が主方向
Aとほぼ平行になるようにワーク1を溶接装置に固定す
る。次に、倣いコントローラ16を操作して、プローブ3
が溶接線2の始端(注;図7においては左端)となるよ
うに機構部12を動作させ、次いで、倣いコントローラ16
の遅れ倣い機能を作動して、溶接トーチ14が溶接線2の
上を倣うように機構部12を動作させる。このとき、倣い
コントローラ16は、溶接トーチ14とプローブ3の距離を
考慮し、溶接トーチ14が溶接線2の上にあるときだけ図
示しない溶接熱源(注;例えば炭酸ガスレーザ発振器)
を動作させる。
【0005】ところで、このような溶接装置では、図8
に示すような差動渦電流式の溶接線位置検出器が広く使
われている。この溶接線位置検出器20のプローブ3に
は、二つの同じコイル22A,22Bを備え、センサアンプ
23は、交流電流信号φを発生する発振部24と、この発振
部24が発生した交流電流信号φをコイル22A,22Bに供
給し、そのときこのコイル22A,22Bの両端に発生する
電圧α,βが入力され、その差を増幅して誤差信号δを
発生する差動増幅部25と、誤差信号δから交流電流信号
φの成分を検波して検波信号θを出力する位相検波部26
と、検波信号θから交流電流信号φの周波数成分とノイ
ズ成分を除いて直流の検出信号εを出力するフィルタ部
27とで構成されている。
【0006】溶接線位置検出器20の作用を、図8と図9
で説明する。まず、図9(a) のように、ワーク1とプロ
ーブ3の問隔がΔZ0で、溶接線2がコイル22A,22B
の中間にあるときには、コイル22A,22Bのインピーダ
ンスは同じで、コイル22A,22Bの電圧α,βには差が
ない。すなわち、このときの誤差信号δの値をδa、検
波信号θの値をθa、検出信号εの値をεaとすると、 δa=0、θa=0 となり、その結果、 εa=0 となる。
【0007】次に、溶接線2はコイル22A,22Bの中間
にあるが、図9(b) のように、ワーク1とプローブ3と
の間隔がΔZ0からΔZ1と狭くなったときや、図9
(c) のようにΔZ2と広くなったときも、図9(a) のと
きと同様にコイル22A,22Bのインピーダンスは同じで
ある。すなわち、図9(b) のときの検出信号εの値をε
b、図9(c) のときの検出信号εの値をεcとすると、 εb=εc=εa=0 となる。このように、溶接線2がコイル22A,22Bの中
間にあるときは、ワーク1とプローブ3の間隔に関係な
く検出信号εは0になる。このコイル22A,22Bの中間
の、ワーク1とプローブ3の間隔に関係なく検出信号ε
が零になる位置がプローブ3の検出中心である。
【0008】次に、ワーク1とプローブ3の間隔は一定
で、溶接線2が検出中心からずれたときを説明する。図
9(b) のように、溶接線2がコイル22Aの方にずれたと
きには、コイル22A,22Bのインピーダンスに差が生じ
るので、コイル22A,22Bの電圧α,βにも差が生じ
る。この差は、ずれ量の値ΔY1に比例する。すなわ
ち、このときの検出信号εの値をεd、比例定数Kの値
をK0とすると、 εd=K0ΔY1 となる。
【0009】一方、図9(e) のように、溶接線2がコイ
ル22Bの方にずれたときも、図9(d) のときと同様に、
検出信号εはずれ量ΔY2に比例する。すなわち、この
ときの検出信号εの値をεeとすると、 εe=K0ΔY2 となるが、コイル22A,22Bのインピーダンスの大小関
係が図9(d) のときとは逆となるので、検出信号εeの
極性も逆になる。このように、差動過電流式の溶接線位
置検出器は、検出中心からずれた方向とその値を検出す
る。そこで、コイル22A,22Bの配置方向をプローブ3
の検出感度方向yと呼び、コイル22Aの方向に溶接線2
がずれたときの検出信号εの極性をプラスとし、コイル
22Bの方向に溶接線2がずれたときの検出信号εの極性
をマイナスとする。
【0010】更に溶接線2がずれ、更にワーク1とプロ
ーブ3の間隔も変化したときについて説明する。そのう
ち、図9(d) から図9(f) のように、溶接線2のずれは
ΔY1で変化なく、ワーク1とプローブ3の間隔がΔZ
0からΔZ1と狭くなったときを考える。このときに
は、溶接線2がコイル22A,22Bのインピーダンスに及
ぼす影響力が図9(d) のときよりも大きくなり、比例定
数Kも図9(d) のときより大きくなる。すなわち、この
ときの比例定数Kの値をK1、検出信号εの値をεfと
すると、 εf=K1ΔY1、|εf|>|εd| となる。
【0011】逆に図9(g) のように、ワーク1とプロー
ブ3の間隔がΔZ2と広くなったとき、溶接線2がコイ
ル22A,22Bのインピーダンスに及ぼす影響力が小さく
なり、比例定数Kは(d) のときよりも小さくなる。すな
わち、このときの比例定数Kの値をK2、検出信号εの
値をεgとすると、 εg=K2ΔY1、|εg|<|εd| となる。なお、更に、ワーク1の材料が変ると透磁率も
異なるので、溶接線2がコイル22A,22Bのインピーダ
ンスに及ぼす影響力も変り、その結果比例定数Kも変
る。
【0012】溶接線位置検出器の溶接線2のずれ量に対
する検出信号εの関係(以後、検出特性と呼ぶ)の代表
例を図10に示す。ワーク1とプローブ3との間隔ΔZが
一定であれば、溶接線検出器の検出信号εはずれ量ΔY
に比例し、ワーク1とプローブ3との間隔ΔZが小さい
ほど比例定数Kは大きくなる。また、ワーク1の材料に
よっても、上述したように比例定数Kが変化する。さら
に、溶接線位置検出器の検出特性は、検出中心を中心に
検出範囲内で比例関係を示す。
【0013】したがって、上述した溶接線位置検出器を
従来の溶接装置に適用するときには、まず、溶接線の最
大ずれ量を考慮して溶接線が常に検出範囲内に入るよう
にワークを固定し、このワークとプローブとの間隔を一
定に保ち、ワークとプローブとの間隔やワークの材料ご
とに比例定数を求めて倣いコントローラに記憶させ、比
例定数と検出信号で溶接線のずれ量を算出し、溶接トー
チの位置を制御していた。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
差動過流式の溶接線検出器を使った溶接線位置検出装置
においては、ワークとプローブの間隔を一定にして、ワ
ークの材料や、ワークとプローブの間隔が変ったときに
は、比例定数を求め直して変えなければならないので、
加工中にワークとプローブの間隔が変るときや多品種少
量生産には、段取り時間が増えて対応できないだけでな
く、もし、溶接線が検出範囲を越えて大きくずれると、
溶接線の位置が検出できなくなるので、溶接品質が低下
するおそれもある。そこで、本発明の目的は、ワークの
材料やワークとプローブとの間隔に関係なく、また、溶
接線検出器の検出範囲外に溶接線がずれても、安定して
溶接線のプローブの検出感度方向の位置を検出でき、従
来の溶接装置に適用可能で、多品種少量生産にも対応す
ることのできる溶接線位置検出装置を得ることである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の溶接線位置検出
装置は、アクチュエータを固定する基部に対して一方向
に移動する可動部と、アクチュエータの駆動力を可動部
に伝達する駆動力伝達機構と、基部に対する可動部の位
置基準の位置を検出する位置検出器を備えた移動機構
と、可動部の移動方向と検出感度方向が一致し、且つ、
可動部の位置基準と検出中心を一致させて可動部に取り
付けられ、溶接線のずれによる磁気的変化を検出するプ
ローブと、このプローブの信号でこのプローブの検出中
心からの溶接線のずれ量に応じた検出信号を出力するセ
ンサアンプで構成された溶接線検出器と、この溶接線検
出器のセンサアンプの検出信号でアクチュエータを駆動
して可動部の位置基準の位置を制御するコントローラと
で構成したことを特徴とする。
【0016】
【作用】プローブが溶接線からずれたときには、プロー
ブの内部に隣設された二つのコイルのインピーダンスの
変化から、センサアンプが溶接線のずれ量と方向を示す
信号をコントローラに出力し、このコントローラは、検
出信号の大きさと極性からアクチュエータを駆動して、
プローブを溶接線上に補正する。
【0017】
【実施例】以下、本発明の溶接線位置検出装置の一実施
例を図面を参照して説明する。本発明による溶接線位置
検出装置は、図1に示すように、アクチュエータ5を固
定する基部4と、この基部4に対して一方向に移動可能
な可動部7と、アクチュエータ5の駆動力を可動部7に
伝達する駆動力伝達機構6と、基部4に対する可動部7
の位置基準7Bの位置を検出する位置検出器9を備えた
移動機構4と、溶接線のずれで生じる磁気的変化を検出
するために隣接して配置された二つのコイル22A,22B
を備え、可動部7の移動方向7Aと検出感度方向21Bが
一致し、且つ、可動部7の位置基準7Bと検出中心21A
が一致するように可動部7に取り付けられたプローブ3
と、二つのコイル22A,22Bのインピーダンスの変化か
らプローブ3の検出中心21Aからの溶接線2のずれ量Y
に応じた検出信号εを出力するセンサアンプ23とプロー
ブ3とで構成された差動電流式の溶接線検出器20と、溶
接線検出器20のセンサアンプ23の検出信号εをもとに、
移動機構4のアクチュエータ5を駆動して可動部7の位
置基準7Bが溶接線2と一致するように、可動部7の位
置を制御するコントローラ10で大略構成されている。
【0018】本溶接線位置検出装置を従来の溶接装置に
適用する場合は、図2に示すように、修正方向Bと移動
方向Aが平行となるように基部8を移動ベース13に取り
付け、センサアンプ23の代わりに位置検出器9の出力を
倣いコントローラ16に入力に接続する。
【0019】このうち、移動機構4は、図1に示すよう
に、略Ω字状のベース13に取り付けられ出力軸5Aがベ
ース13から前方に突き出たアクチュエータ5と、このア
クチュエータ5の回転軸5Aとボールスクリュー6Bを
連結するカップリング6Aとボールスクリュー6Bの回
転動作を直進動作に変えるボールナット6Cからなる駆
動力伝達機構6と、ボールナット6Cに取り付けられて
アクチュエータ5と駆動力伝達機構6で直進移動可能な
可動部7と、アクチュエータ4と可動部7を案内する2
本のガイド8A,8Bとこれらのガイド8A,8Bとボ
ールスクリュー6Bを所定の位置に支持して可動部7の
移動方向7Aを定めるフレーム8Cからなる基部8と、
アクチュエータ5の出力軸5Aに取り付けられて基部8
に対する可動部7の位置基準7Bの位置Y1を検出する
位置検出器9を備えている。
【0020】プローブ21は、可動部7の下面に固定さ
れ、内部には従来と同じく二つのコイル22A,22Bを備
え、これら二つのコイル22A,22Bの中間はワーク1と
プローブ3の間隔ΔZに関係なくセンサアンプ23の検出
信号εが零となる検出中心21Aとなっている。そして、
可動部7の移動方向7Aと検出感度方向21Bが一致し、
且つ、可動部7の可動基準7Bとプローブ3の検出中心
21Aが一致するように可動部7に取り付けられている。
【0021】センサアンプ23は、交流信号φを発生する
発振部41と、この発振部41が発生する交流信号φをコイ
ル22A,22Bに供給し、そのときコイル22A,22Bが発
生する電圧α,βの差を増幅して誤差信号cを発生する
差動増幅部25と、交流信号φと誤差信号cから溶接線2
のずれによる成分である検波信号dを出力する位相検波
部26と、検波信号dから交流信号φの周波数成分とノイ
ズ成分を除いた検出信号εを出力するフィルタ部27を備
えている。
【0022】次に、このように構成された溶接線検出装
置の作用を図1を用いて説明する。この溶接線検出装置
では、コントローラ10は、溶接線検出器20の検出信号ε
を入力Iとして入力し、この入力Iに応じた出力Uを出
力して移動機構4の可動部7を移動して、入力Iが0に
なるように可動部7の位置基準7Bの位置Y1を制御す
る。
【0023】まず、移動機構4とコントローラ10の作用
について説明する。コントローラ10に信号が入力される
と、このコントローラ10は、入力Iの極性と同じでこの
入力Iの大きさに応じた出力Uを出力する。すると、こ
の出力Uは、アクチュエータ5に入力され運動に変換さ
れる。その運動は、駆動力伝達機構6によって可動部7
を直進させる運動に変換されて可動部7は一方向に移動
する。このときの移動方向は、コントローラ10の入力I
の極性と一致する。つまり、コントローラ10の入力Iの
極性がプラスなら、可動部7は移動方向7Aのプラス方
向に移動し、入力Iがマイナスなら、可動部7はマイナ
スの方向に移動する。また、コントローラ10の入力Iが
ある値を示しているうちは、可動部7は移動しつづけ
る。このとき、可動部7の基準位置7Bの位置Y1は、
位置検出器9で検出できる。
【0024】一方、溶接線検出器20の検出信号εは、溶
接線2と検出中心21Aが一致すると、ワーク1とプロー
ブ3の間隔ΔZに関係なく零となる。また、溶接線2と
検出中心21Aが一致しないときは、ワーク1とプローブ
3の間隔ΔZとワーク1の材料と検出中心21Aからの溶
接線2のずれ量ΔYに応じた溶接線2のずれ方向と同じ
極性の零でない値を出力する。
【0025】そこで、コントローラ10の入力Iに溶接線
検出器20のセンサアンプ23の検出信号εを入力すると、
以下のように溶接線2の位置Yを検出することができ
る。まず、溶接線2が可動部7の位置基準7B、つま
り、プローブ3の検出中心21Aを通る位置にあるとき
は、ワーク1とプローブ3の間隔ΔZが変っても、溶接
線検出器の20のセンサアンプ23の検出信号εは零なの
で、コントローラ10の出力Uは零となり、移動機構4の
可動部7は移動せず、可動部7の基準位置7Bの位置Y
1と溶接線2の位置Yが一致していることから、位置検
出器9で溶接線2の位置YがY0であることが検出でき
る。
【0026】次に、溶接線2が可動部7の位置基準7B
を通る位置からΔYずれた位置へ移動したときを説明す
る。このとき、溶接線検出器の20のセンサアンプ23の検
出信号εは、ワーク1とプローブ3の間隔ΔZとワーク
1の材料と検出中心21Aからの溶接線2のずれ量ΔYに
応じたずれ方向と同じ極性の零でない値を示す。する
と、コントローラ10の出力Uは、検出信号εの値と同じ
極性の値を出力し、可動部7は、溶接線2のずれ方向と
同じ方向、すなわち、ずれ量ΔYが減少する方向へ移動
する。すると、検出信号εは減少していき、やがて可動
部7はセンサアンプ23の検出信号εが零となる位置、す
なわち、プローブ3の検出中心21Aが溶接線2と一致す
る位置で停止する。そして、可動部7の基準位置7Bと
プローブ3の検出中心21Aは一致しているので、位置検
出器9により溶接線2の位置を検出できる。
【0027】また、ワーク1の材料が変ったときも、溶
接線2がプローブ3の検出中心21Aにあるとき、溶接線
検出器20の検出信号εが零となるので、上記と同じ作用
で溶接線の位置Yを検出できる。さらに、プローブ3の
検出中心21Aの位置が常に溶接線2の近くにあるので、
溶接線検出器20の検出範囲を超える大きな溶接線2の位
置ずれにも対応できる。
【0028】本溶接線位置検出装置は、図2に示すよう
に、従来の溶接装置に適用することで、従来の技術で説
明したと同様に作用し、このとき、溶接線位置検出装置
の作用で、ワーク1とプローブ3の間隔やワーク1の材
料、溶接線検出器20の検出範囲などを考慮する必要がな
いので、溶接線検出器20の取付け調整やワーク1の段取
り替えなどの時間を短縮でき、多品種少量生産にも対応
できる。
【0029】本発明の作用を図1〜図5を用いて更に説
明する。まず、溶接線2が可動部7の位置基準7B、す
なわち、プローブ3の検出中心21Aにあって、ワーク1
とプローブ3の間隔ΔZが変ったときを図1と図3で説
明する。溶接線2が図3の実線で示すように、可動部7
の位置基準7Bを通る位置Y0で、且つ、ワーク1とプ
ローブ3の間隔がΔZ0のとき、コイル22A,22Bのイ
ンピーダンスに差はないので、センサアンプ23の検出信
号εの値は零で、コントローラ10の入力Iの値も零なの
で、コントローラ10の出力Uの値も零となり、可動部7
は移動しない。したがって、位置検出器9で溶接線2の
位置Yは図3に示すY0と検出される。
【0030】この状態から図3の2点破線で示すよう
に、ワーク1とプローブ3の間隔だけがΔZ0からΔZ
1へ狭くなったときは、コイル22A,22Bのインピーダ
ンスは同じで検出信号εの値は零なので、実線のときと
同様に可動部7は移動せず、位置検出器9で溶接線の位
置Yは図3に示すY0と検出できる。また、逆に、ワー
ク1とプローブ3の間隔が広くなったときも、同じ作用
で可動部7は移動せず、位置検出器9で溶接線2の位置
Yが検出できる。
【0031】次に、溶接線がずれたときを図1と図4で
説明する。溶接線2が図4の実線で示すように、可動部
7の位置基準7B、すなわち、プローブ3の検出中心21
Aを通る位置Y0で、且つ、ワーク1とプローブ3の間
隔はΔZ0の状態から、2点破線で示すようにワーク1
とプローブ3の間隔ΔZはΔZ0で一定で、検出感度方
向21Bのプラス方向にΔY1ずれた位置Y1へ移動した
ときを説明する。このときは、コイル22A,22Bのイン
ピーダンスのバランスが崩れ、図1に示すセンサアンプ
23の検出信号εは、ワーク1とプローブ3も間隔ΔZ0
と溶接線2のずれ量ΔY1に応じたプラスの値ε1を出
力する。すると、コントローラ10は、検出信号εの値ε
1に応じたプラスの値U1を出力し、図4に示す可動部
7は移動方向7Aのプラス方向へ移動する。すると、図
1に示すセンサアンプの検出信号εの値が減少し、コン
トローラ10の出力Uの値も減り、やがて、図4の2点破
線で示すように、ワーク1とプローブ3の間隔がΔZ0
で検出信号εが0となる位置、すなわち、可動部7がΔ
Y1移動してプローブ3の検出中心21Aが溶接線2を通
る位置、すなわち、可動部7の位置基準7Bが溶接線2
を通る位置で可動部7は停止する。このとき、溶接部2
は、可動部7の位置基準7Bを通っているので、位置検
出器9で溶接線2の位置YがY0からΔY1ずれたY1
にあることを検出できる。
【0032】一方、溶接線2がマイナスの方向にずれた
ときは、センサアンプ23の検出信号εはマイナスの値と
なるので、可動部7は移動方向7Aのマイナス方向に移
動し、やがてプラス方向にずれたときと同様に、可動部
7の位置基準7Bが溶接線2を通る位置で可動部7は停
止し、位置検出器9で溶接線2の位置Yを検出できる。
【0033】さらに溶接線2がずれ、且つ、ワーク1と
プローブ3の間隔が変化したときについて図1と図5で
説明する。先ず、溶接線2が図5の実線で示すように、
溶接線2が可動部7の位置基準7Bを通り、且つ、ワー
ク1とプローブ3の間隔がΔZ0の状態から、2点鎖線
で示すように溶接線2がプラス方向にΔY1ずれ、且
つ、ワーク1とプローブ3の間隔がΔZ0より狭いΔZ
1の状態に変化したとする。このとき、図1に示すセン
サアンプ23の検出信号εは、図5に示すワーク1とプロ
ーブ3の間隔ΔZ1と溶接線2のずれ量ΔY1に応じた
プラスの値ε11を出力する。
【0034】すると、コントローラ10は、検出信号εの
値ε11に応じた値U11を出力し、可動部7は図5に示す
移動方向7Aのプラス方向へ移動し、図4のときと同様
に、やがて検出信号εが0となる位置、すなわち、図5
の2点破線で示すように、可動部7は、ΔY1移動して
プローブの検出中心21Aが溶接線2を通る位置、すなわ
ち、可動部7の位置基準7Bが溶接線2を通る位置で停
止する。このとき、可動部7の位置基準7Bは溶接線2
を通っているので、位置検出器9で溶接線の位置YはY
1と検出できる。
【0035】次に、溶接線2がマイナス方向にずれた
り、ワーク1とプローブ3の間隔が広くなったときを説
明する。まず、図4の2点破線の状態の検出信号εの値
ε1と、図5の2点破線の状態の検出信号εの値ε11を
比べると、ずれ量はΔY1で同じだが、ワーク1とプロ
ーブ3の間隔が狭くなり、コイル22A,22Bのインピー
ダンスに及ぼす溶接線2の影響が増えるので、比例定数
Kも増えてε11>ε1となっている。しかし、図4と図
5のいずれのときでも、可動部7は溶接線検出器20とコ
ントローラ10の作用で、検出信号εが零になるまで検出
信号εの極性と同じ方向に移動し続けるので、検出信号
εの値が零となる位置、すなわち、可動部7がΔY1移
動してプローブ3の検出中心21Aが溶接線2を通る位置
で停止している。そのことにより、溶接線2の位置Y
は、位置検出器9で可動部7の位置基準7Bの位置Y1
で検出できる。つまり、比例定数Kには関係なく、検出
信号εの極性だけが本実施例の作用に関係し、ワーク1
とプローブ3との間隔が逆に増えたときでも、溶接線2
の位置Yは位置検出器9で検出できる。また、溶接線2
がマイナス方向にずれたときも、ワーク1とプローブ3
の間隔Zが一定で溶接線2がマイナス方向にずれたとき
と上記の作用で、溶接線の位置Yと位置検出器9で検出
できる。さらに、ワーク1の材料が変って比例定数Kが
変化したときでも、上記作用で溶接線2の位置Yが位置
検出器9で検出でき、またプローブ3の検出中心21Aの
位置が常に溶接線2の近くにあるので、溶接線検出器20
の検出範囲よりも大きな溶接線2の位置ずれにも対応で
きる。
【0036】本溶接線位置装置は、図2に示すように、
従来の溶接装置11に適用することで、従来の技術で説明
したのと同様に作用する。このとき、上述したように、
溶接線位置検出装置は、ワーク1とプローブ3の間隔や
ワーク1の材料、溶接線検出器20の検出範囲に一切関係
なく安定して溶接線2の位置Yを検出できるので、溶接
線検出器20の取付調整やワーク1の段取り替えなどのと
きの位置精度が粗くてもよいので、作業時間を短縮で
き、多品種少量生産にも対応可能となる。
【0037】したがって、このような溶接線検出装置に
おいては、可動部7は、溶接線検出器20とコントローラ
10の作用により、検出信号εが零になるまで検出信号ε
の極性と同じ移動方向yに可動部7を移動し続けるた
め、検出信号εの値が零となる位置、すなわち、可動部
7がΔY1移動してプローブ3の検出中心21Aが溶接線
2を通る位置で停止し、溶接線2の位置Yは位置検出器
9が出力する可動部7の位置基準7Bの位置Y1で検出
しているので、ワーク1の材質や、ワーク1とプローブ
3との間隔で比例定数Kが変化しても溶接線の位置を検
出できる。
【0038】また、溶接線2が検出中心21Aを通るとき
に検出信号εが零となる性質を使って可動部7の位置基
準7Bの位置Y1がコントローラ10で制御され、プロー
ブ3の検出中心21Aの位置が常に溶接線2の近くにある
ため、溶接線検出器20の検出範囲よりも大きな溶接線2
の位置ずれにも対応できる。
【0039】さらに、本溶接線位置検出装置は溶接線2
の位置Yを安定して出力するため、従来の溶接装置10に
簡単に適用でき、適用した場合はワーク1とプローブ3
の問隔やワーク1の材質やワーク1の固定などを意識す
る必要がないため、溶接線検出器20の段取りやワーク1
の段取り替えなどの時間を短縮でき、多種少量生産にも
対応可能となる。
【0040】なお、可動部7へアクチュエータ5の駆動
力を伝達する駆動力伝達機構6を、カップリング6Aと
ボールスクリュー6Bとボールナット6Cの代わりに図
6に示すように歯付きベルト6B1とプーリー6A1,
6C1を使用しても同様の効果が得られる。
【0041】本溶接線位置検出装置は、図2に示すよう
に、従来の溶接装置に適用することで従来の技術で説明
したのと同様に作用し、このとき、溶接線位置検出装置
3の作用で、ワーク1とプローブ3の間隔やワーク1の
材料、溶接線検出器20の検出範囲などを意識する必要が
ないので、溶接線検出器20の取付けや調整とワーク1の
段取り替えなどの時間を短縮でき、多品種少量生産にも
対応することができる。
【0042】
【発明の効果】以上、本発明によれば、アクチュエータ
を固定する基部に対して一方向に移動可能な可動部と、
アクチュエータの駆動力を可動部に伝達する駆動力伝達
機構と、基部に対する可動部の位置を検出する位置検出
器を備えた移動機構と、可動部の移動方向と検出感度方
向が一致し、且つ、可動部の位置基準と検出中心が一致
するように可動部に取り付けられ、溶接線のずれによる
磁気的変化を検出するプローブと、このプローブの信号
からこのプローブの検出中心からの溶接線のずれ量に応
じた検出信号を出力するセンサアンプで構成された溶接
線検出器と、この溶接線検出器のセンサアンプの検出信
号でアクチュエータを駆動して可動部の基準位置を制御
するコントローラで溶接線位置検出装置を構成すること
で、プローブが溶接線からずれたときは、プローブの内
部に隣設された二つのコイルのインピーダンスの変化か
ら、センサアンプが溶接線のずれ量と方向を示す信号を
コントローラに出力し、このコントローラでアクチュエ
ータを駆動して、プローブの位置を溶接線上に補正した
ので、ワークの材料やワークとプローブとの間隔に関係
なく、また、溶接線が溶接線検出器の検出範囲の外にず
れても、安定して溶接線のプローブの検出感度方向の位
置を検出することができ、従来の溶接装置に適用できる
だけでなく、多品種少量生産にも対応することのできる
溶接線位置検出装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の溶接線位置検出装置の一実施例を示す
図。
【図2】本発明の溶接線位置検出装置が従来の溶接装置
に適用された状態を示す図。
【図3】本発明の溶接線位置検出装置のプローブの高さ
が変化したときの作用を示す斜視図。
【図4】本発明の溶接線位置検出装置のプローブが溶接
線とずれたときの作用を示す斜視図。
【図5】本発明の溶接線位置検出装置のプローブの高さ
と溶接線との位置がずれたときの作用を示す斜視図。
【図6】本発明の溶接線位置検出装置の他の実施例を示
す斜視図。
【図7】従来の溶接線位置検出装置の一例を示す斜視
図。
【図8】従来の溶接線位置検出器の一例を示すブロック
図。
【図9】従来の溶接線位置検出器の作用を示す説明図。
【図10】従来の溶接線位置検出器の検出特性を示すグ
ラフ。
【符号の説明】
1…ワーク、2…溶接線、3…プローブ、4…移動機
構、5…アクチュエータ、6…駆動力伝達機構、7…可
動部、8…基部、9…位置検出器、10…コントローラ。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクチュエータを固定する基部に対して
    一方向に移動する可動部と、前記アクチュエータの駆動
    力を前記可動部に伝達する駆動力伝達機構と、前記基部
    に対する前記可動部の位置基準の位置を検出する位置検
    出器を備えた移動機構と、前記可動部の移動方向と検出
    感度方向が一致し、且つ、前記可動部の位置基準と検出
    中心を一致させて前記可動部に取り付けられ、溶接線の
    ずれによる磁気的変化を検出するプローブと、このプロ
    ーブの信号でこのプローブの検出中心からの前記溶接線
    のずれ量に応じた検出信号を出力するセンサアンプで構
    成された溶接線検出器と、この溶接線検出器の前記セン
    サアンプの検出信号で前記アクチュエータを駆動して前
    記可動部の前記位置基準の位置を制御するコントローラ
    とからなる溶接線位置検出装置。
JP27268291A 1991-10-21 1991-10-21 溶接線位置検出装置 Pending JPH05111768A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100889846B1 (ko) * 2008-08-21 2009-03-20 김유찬 용접선 자동 추적장치
CN108406051A (zh) * 2018-05-22 2018-08-17 江苏理工学院 一种焊缝跟踪装置

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