JPH0511128A - プラスチツク光フアイバの熱処理方法およびその装置 - Google Patents

プラスチツク光フアイバの熱処理方法およびその装置

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JPH0511128A
JPH0511128A JP3161836A JP16183691A JPH0511128A JP H0511128 A JPH0511128 A JP H0511128A JP 3161836 A JP3161836 A JP 3161836A JP 16183691 A JP16183691 A JP 16183691A JP H0511128 A JPH0511128 A JP H0511128A
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礼信 前田
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 未延伸プラスチック光ファイバを連続的走
行させて非接触加熱延伸する。延伸プラスチック光ファ
イバを連続的走行させて非接触定長熱処理する。その加
熱延伸あるいは熱処理において、プラスチック光ファイ
バと加熱気体3とを向流接触させ、かつ、熱処理帯域を
なす糸道通路の上下の内面に交互に複数個設置された凸
状部材4、5により、加熱気体3の流線を変換させ、光
ファイバFを上下方向へ交互に複数回横切る流線とす
る。 【効果】 ファイバ長手方向の糸径変動が小さく、均
一性に優れた光ファイバが製造でき、高次加工時のトラ
ブルや高次加工品の欠点の発生を改善できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ファイバ長手方向の糸
径の均一性に優れたプラスチック光ファイバを製造する
ために有効な熱処理方法及びそのための熱処理装置に関
するものである。
【0002】さらに詳しくは、プラスチック光ファイバ
を熱処理する際の加熱流体の流動方法を適正化すること
によりプラスチック光ファイバの糸条長手方向の糸径斑
の抑制を図る熱処理方法及びそのための熱処理装置に関
するものである。
【0003】
【従来の技術】熱可塑性高分子を溶融し成形用口金から
吐出して冷却固化した後、その未延伸繊維を延伸した
り、さらに熱処理したりすることが一般に行なわれる。
その延伸は、例えば、繊維軸方向に高分子鎖を配向さ
せ、機械的性質、特に、可撓性や耐屈曲性等を改良する
ためのように、その目的に適合した特性を付与するため
に行なわれるし、また、延伸後の熱処理は寸法安定性向
上等を目的として行なわれる。
【0004】これら糸条形成過程における延伸や熱処理
は、糸条の太さの均一性を悪化させずに行なうことが重
要であり、そのための工夫が種々行なわれている。
【0005】例えば、ローラの表面材質や形状や回転速
度、加熱用媒体(加熱空気など)の供給方法(その温
度、流量、流動方向等)、ガイド類の材質といったよう
な種々の条件を定常的に制御することにより糸長手方向
の太さの均一化を図る方法がある。この方法は、ポリア
ミド繊維やポリエステル繊維のような一般的な繊維にお
いてはかなり有効であり、それらの最適条件を設定する
ために多くの提案がなされてきている。
【0006】この糸径の均一性は、光通信、光センサ
ー、ライトガイド、装飾等に使用されるプラスチック光
ファイバにおいても極めて重要であり、特に、プラスチ
ック光ファイバを、光コネクタへ挿入したり、光ファイ
バ同士を接合したり、また、ライトガイドや光センサー
用途で接合口金へ挿入したりする場合において、強く要
求される。
【0007】このプラスチック光ファイバは、芯材にポ
リメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリカーボネ
ート等の透明性に優れた重合体を用い、鞘材には芯材よ
りも低屈折率の重合体を用い、一般的には同心円状に2
〜3層複合紡糸され、機械的性質を向上させる目的で延
伸され、必要に応じて寸法安定性を付与する目的で熱処
理された後に巻き取られるという方法によって一般に製
造される(図6)。
【0008】このようなプラスチック光ファイバの溶融
紡糸方法において、ファイバ径の均一性を向上させる手
段としては、例えば、特公昭56−49324号公報に
記載されているように、芯成分と鞘成分との紡糸温度下
における溶融流動指数を適正領域に制御する方法、ま
た、特公平2−24923号公報に記載されているよう
に、ファイバ長さ方向の均一性を得るために計量用ギヤ
ポンプの一次側ポリマ圧力を一定にする方法等が提案さ
れている。
【0009】また、プラスチック光ファイバの溶融紡糸
に次いで実施される延伸、熱処理において、特開昭62
−131206号公報に記載されているように加熱気流
が向流方向に流れる非接触加熱域内で延伸する方法、特
開平2−68503号公報に記載されているようにさら
に非接触加熱延伸域の出口付近で冷却風を吹き込む方
法、また、特開昭63−303304号公報に記載され
ているように非接触加熱延伸域の長さやその加熱延伸域
通過時の速度等の延伸条件を適正化する方法等が提案さ
れている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、プラス
チック光ファイバのファイバ長手方向の均一性は、上述
したような従来の方法では十分に制御することが困難で
あった。
【0011】そこで、本発明は、プラスチック光ファイ
バにおけるファイバ長手方向の糸径斑を十分に抑制する
ことができる熱処理方法およびそのための装置の提供を
主たる目的とする。
【0012】そして、ファイバ長手方向の糸径均一性に
優れたプラスチック光ファイバを得ることにより、高次
加工の際のトラブル発生や欠点のある高次加工品の発生
を抑制すること、さらにまた、プラスチック光ファイバ
の光コネクタへの挿入作業、光ファイバ同士の接合作
業、接合口金への挿入作業等における取扱い性を改善す
ることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】これら目的を達成するた
めに、本発明は次の構成からなる。
【0014】請求項1のプラスチック光ファイバの熱処
理方法は、熱処理帯域内を非接触で走行するプラスチッ
ク光ファイバを加熱気体により熱処理するに際し、前記
熱処理帯域内において加熱気体とプラスチック光ファイ
バとを向流接触させ、かつ、前記熱処理帯域の相対する
内面に複数個設けられた凸状部材により熱処理帯域内の
加熱気体の流線方向を変換させることを特徴とする。
【0015】請求項2のプラスチック光ファイバの熱処
理方法は、請求項1記載の熱処理方法を紡糸されたプラ
スチック光フアイバ未延伸糸の加熱延伸に用いるに際
し、延伸倍率を1.5〜3.0倍とし、かつ、巻取速度
(Vm/分)を5/d<V<30/d2 (d=延伸後プ
ラスチック光ファイバの糸径(mm))とすることを特
徴とする。
【0016】請求項3のプラスチック光ファイバの熱処
理方法は、請求項1記載の熱処理方法を延伸されたプラ
スチック光フアイバの熱処理に用いるに際し、熱処理帯
域の前後に配設されたローラーの周速度比を0.95〜
1.05とすることを特徴とする。
【0017】また、請求項4のプラスチック光ファイバ
用熱処理装置は、走行するプラスチック光フアイバの熱
処理帯域を形成する糸道通路、該糸道通路のプラスチッ
ク光フアイバ出口部分においてプラスチック光ファイバ
の周囲から加熱気体を噴出させる吹出口、前記糸道通路
のプラスチック光フアイバ入口部分において糸道通路内
を向流方向に流れてきた加熱気体を吸入する吸込口、及
び、糸道通路内の相対する面に加熱気体の流れ方向に沿
って交互に設けられた気体流線変換用の凸状部材を備え
てなることを特徴とする。
【0018】以下、本発明を、その一実施態様を示す図
面に基づいて説明する。
【0019】図1及び図2は、本発明の熱処理方法で用
いられる請求項4の熱処理装置を例示する縦断面概略図
である。
【0020】図3は、図1や図2の熱処理装置における
熱処理帯域内の一部を拡大して例示する縦断面概略図で
あり、また、図4は、図3と同様、熱処理帯域内の部分
拡大図で、気体流線変換用の凸状部材の配置の別の実施
態様を示すものである。
【0021】図5は、凸状部材4、5の形状を例示する
斜視図である。
【0022】図1及び図2において、熱処理帯域を形成
する糸道通路は、その周囲が保温用プレートヒーター
1、2によって構成されている。プラスチック光ファイ
バ(図示なし)は、入口13から熱処理帯域内に入り、
出口14から出る。加熱気体3は、出口14の近傍に設
けられた上下の吹出口17、18から噴出されるが、そ
の吹出口には整流のための抵抗板(整風板)やハニカム
あるいはフィルター等を設置していることが好ましい
(図示なし)。
【0023】この加熱気体3は、気体加熱用ヒーター1
6で加熱され、送風ファン15により吹出口17、18
に送られる。この気体加熱用ヒーター16は、図1のよ
うに送風ファン15の後に設けてもよいし、また、図2
のように送風ファン15の前に設けてもよい。
【0024】この加熱気体3の吹出しは、上方または下
方のどちらか一方の吹出口からでもよいし、また、図示
したように上下双方の吹出口からでもよい。なかでも、
上下吹出しの噴出量を調整し、上下双方から噴出させる
ことが、プラスチック光ファイバ(束)の糸揺れを小さ
くする点で有利である。
【0025】吹出口17、18から噴出された加熱気体
3は、加熱帯域の出口14から入口13へと向かう方向
に流れ、つまり、プラスチック光ファイバ(図示なし)
の走行方向に対して向流の方向に流れ、上下の吸込口1
9、20から吸込まれ、加熱用ヒーター16あるいは送
風ファン15へと向かい循環される。循環される加熱気
体3の一部は加熱帯域の入口13あるいは出口14から
漏出するが、逆に、風圧バランスによっていずれかの口
から外気が取込まれ、循環風量としては一定になる。
【0026】熱処理帯域内を流れる加熱気体は、その糸
道通路の相対する内面に設けられた複数個の凸状部材で
流線を交互に変換させられながら蛇行して流れる。
【0027】熱処理帯域を形成する糸道通路は、その内
面の凸状部材で加熱気体の流線を交互に変換させるとい
う点から、断面が四角形の直方体状が好ましく、それら
の各面は若干の凸あるいは凹になっていてもよい。ま
た、相対する内面があれば、他の断面形状であってもよ
く、例えば六角形断面であってもよい。
【0028】次に、熱処理帯域内の一部を拡大して示す
図3や図4、及び図5によって、本発明法における加熱
気体の蛇行した流れ、及び、本発明装置における気体流
線変換用の凸状部材について説明する。
【0029】糸道通路の上部に設けられた保温用プレー
トヒーター1の下面には上部凸状部材4が、糸道通路の
下部に設けられた保温用プレートヒーター2の上面には
下部凸状部材5が、図3や図4に示すように、加熱気体
の流れ方向に沿って交互に配置されている。この凸状部
材4、5は、図3に示すように、上下それぞれ1個ずつ
を交互に配してもよく、また、図4に示すように、上下
それぞれに1個または複数個ずつを交互に配してもよ
い。この凸状部材の配設数は、糸道通路の形態やプラス
チック光ファイバの種類、走行速度等に応じて適宜選定
すればよいが、一般には、2〜20個程度を1個または
複数個ずつ交互に設ければよい。
【0030】この糸道通路内(加熱帯域内)を、プラス
チック光ファイバ(束)Fは図の右方向に走行し、一
方、吹出口から噴出された加熱気体3は、図の左方向に
流れるので、両者は向流接触する。この左方向に流れる
加熱気体3は上下の凸状部材4、5にぶつかってその流
線方向が変えられる。この結果、加熱流体3は、左方向
から進んできたプラスチック光ファイバ(束)Fを、図
の上下方向に交互に横切るような蛇行した流れとなるの
である。
【0031】この凸状部材4、5は、それが配された糸
道通路内面の横幅にわたる長さを有し、風がぶつかって
その流線方向が変えられるような物であればよい。例え
ば、図1〜4及び図5Aに示したような直方体状部材、
図5Bに示したような3角柱状部材、図5Cに示したよ
うに各柱状面が凹となっている柱状部材、5Dに示した
ような逆T字柱状部材、5Eに示したように半円柱状部
材、5Fに示したようにメッシュ状凸部を有する部材が
挙げられる。図示した以外としては、5角柱状部材や各
柱状面が凸となっている柱状部材等が挙げられる。
【0032】この凸状部材の凸部の高さ(h)や設置間
隔(d)は、糸道通路の形状や内面間隔、加熱流体の流
速、光ファイバ(束)の糸径等の条件により適宜決めれ
ばよいが、一般には、その高さ(h)は糸道通路の内面
間隔(A)の0.1〜0.3倍程度、また、その間隔
(上下の凸状部材間の糸道通路長手方向に沿った間隔
d)は糸道通路の全長の0.05〜0.4倍程度とすれ
ばよい。
【0033】実際に用いる場合の凸状部材の断面形状や
寸法等の条件は、加熱帯域の形状、加熱流体の流速、光
ファイバ(束)の糸径等の条件等により最適な物を用い
ればよく、例示した部材形状等には拘束されない。
【0034】この熱処理方法は、加熱延伸する際の熱処
理に適用してもよいし、また、延伸した後の熱処理に適
用してもよい。
【0035】図6は、この熱処理方法が適用されるプラ
スチック光ファイバ製造工程の一例を示す工程全体概略
図である。
【0036】複合溶融紡糸用の成形口金21から吐出さ
れた複数のプラスチック光ファイバ(束)Fは、直交す
る冷却風22により冷却されて固化し、引取りロール2
4に捲回された後、熱処理装置25により加熱されて、
延伸ロール26に捲回される。引取りロール24と延伸
ロール26との速度比により決定される延伸倍率で延伸
され、次いで、必要に応じて寸法安定性を付与するた
め、熱処理装置27により定長熱処理もしくは弛緩熱処
理され、熱処理ロール28に捲回され、ニップロール2
9を介して巻取機に供給され、張力制御用ダンサーロー
ル30により一定張力を保ち、トラバースガイド31で
トラバースされつつボビン32上に巻取られる。
【0037】本発明の熱処理を延伸時の熱処理装置25
に適用する場合には、その際の延伸倍率を1.5〜3.
0倍とすること、さらに、巻取速度(Vm/分)を5/
d<V<30/d2 (d=延伸後プラスチック光ファイ
バの糸径(mm))とすることが、より均一・高度に延
伸され、芯・鞘両成分間の界面不整または界面剥離が無
く、糸径変動が小さく、光伝送性に優れたプラスチック
光ファイバを得るために好ましい。延伸倍率が1.5倍
未満の場合や、巻取速度Vが5/d未満の場合は、耐屈
曲性が劣った光ファイバとなる。逆に、延伸倍率が3.
0倍を越える場合や、巻取速度Vが30/d2 を越える
場合は、糸径変動を抑制する上で好ましくない。
【0038】また、本発明の熱処理を延伸後の熱処理装
置27に適用する場合には、熱処理帯域の前後に配置さ
れたローラー、即ち、図6における延伸ロール26と熱
処理ロール28との周速度比を0.95〜1.05とし
た定長熱処理を行なうことが好ましい。
【0039】
【作用】本発明法により熱処理を行なう場合、熱処理帯
域内で走行するプラスチック光ファイバ(束)Fと向流
接触する加熱気体3は、上下の凸状部材によって流線が
変換され熱処理帯域内を大きく蛇行して流れ、光ファイ
バ(束)Fを上下方向に交互に横切って流れる。このよ
うに走行する光ファイバ(束)Fを交互に横切ることに
よって、光ファイバと加熱気体との間の熱交換が促進さ
れ、光ファイバに十分な熱処理効果を与えることがで
き、しかも、熱処理帯域内の幅方向の温度斑を無くする
ことができる。
【0040】これら作用が相俟って、光ファイバの長手
方向の糸径変動を大幅に減少させることができるのであ
り、特に、加熱帯域において非接触延伸を伴う熱処理に
おいて顕著な効果が発揮される。
【0041】つまり、非接触延伸を行なう前の未延伸光
ファイバにおいては、一般的に計量用ギアポンプの吐出
変動等に由来する正弦波状の糸径変動がある。この未延
伸光ファイバを加熱帯域内に導き、その前後のローラー
の速度差に基づく牽引力により非接触延伸を行なう場
合、発生した延伸応力は、まず、光ファイバの細径部に
応力集中的にかかり、次いで、太径部に伝搬されてい
く。その時の延伸応力が大きいほど光ファイバの太径/
細径の比が大きくなり、つまり、光ファイバの長手方向
の糸径変動が大きくなるのである。本発明の熱処理によ
り、光ファイバと加熱気体との間の熱交換が促進され、
加熱帯域内の温度斑が小さくなると、光ファイバの熱処
理効果が高まり、光ファイバの延伸応力を小さくするこ
とができる。この結果、加熱延伸時において光ファイバ
の太径/細径の比を抑えることができ、光ファイバの長
手方向の糸径変動を抑制でき、糸径均一性の高いプラス
チック光ファイバを得ることができるのである。
【0042】また、本発明による熱処理は、延伸後の熱
処理としても有効であり、この場合も、加熱延伸の場合
と同様に、光ファイバと加熱気体との間の熱交換が促進
されて光ファイバに十分な熱処理効果が与られること、
及び、熱処理帯域内の幅方向の温度斑が無くなることに
より、光ファイバの長手方向の糸径変動が抑制できるも
のと考えられる。
【0043】さらにまた、請求項4の熱処理装置は、光
ファイバを交互に横切るような蛇行した流れを加熱気体
に容易に与えることができる。
【0044】
【実施例】
[実施例1]十分に精製された市販のメタクリル酸メチ
ルにラジカル重合反応開始剤と連鎖移動剤を添加して連
続塊状ラジカル重合し、次いで、1軸のベント型エクス
トルーダからなる脱モノマ機により未反応単量体等を除
去して、重量平均分子量が83000、残存モノマ含有
率が0.24重量%のポリメチルメタクリレートを製造
した。このポリメチルメタクリレートを芯成分として連
続して供給し、市販のポリ弗化ビニリデン/テトラフル
オロメタクリレートを鞘成分として、図6に示した光フ
ァイバ製造工程により、235℃で溶融複合紡糸し、引
取りロール24での糸径が1414μmの未延伸プラス
チック光ファイバを作製した。
【0045】引き続き、この未延伸プラスチック光ファ
イバを、図2及び図3に示す熱風循環式加熱炉へ導入
し、加熱気体の流速10m/秒、温度165℃、延伸倍
率2.0倍で非接触加熱延伸し、さらに、寸法安定性を
持たせる目的で温度170℃の同じ熱風循環式加熱炉へ
導入し、その前後のローラーの周速度比0.995で非
接触定長熱処理を行ない、トルクモーター方式定張力巻
取機により15m/分で巻取り、糸径が1000μmの
延伸プラスチック光ファイバを得た。
【0046】この際、熱風循環式加熱炉の糸道通路は直
方体状であり、その上下の面に横方向にわたって図5A
の形状の凸状部材が設けられた。
【0047】得られた延伸プラスチック光ファイバの糸
径変動幅Rμmをキーエンス(株)製のレーザーダイオ
ード方式外径測定器を用いて測定したところ、糸長15
00mあたり36μmと小さかった。
【0048】[比較例1]前記実施例1で用いた熱風循
環式加熱炉の上下面の凸状部材を外した以外は、上記実
施例1と同様にプラスチック光ファイバを製造した。得
られた光ファイバの糸径変動幅は、糸長1500mあた
り47μmと大きかった。
【0049】
【発明の効果】本発明により熱処理を行なうと、光ファ
イバに十分な熱処理効果を与えることができ、しかも、
熱処理帯域内の幅方向の温度斑を無くすことができるの
で、非接触加熱延伸や非接触熱処理を行なう際の、ファ
イバ長手方向の糸径変動を小さく抑えることができ、糸
径の均一性に優れた光ファイバを形成することができ
る。従って、高次加工時のトラブル発生や高次加工品の
欠点発生を大幅に抑制することができ、また、プラスチ
ック光ファイバを光コネクタへ挿入する作業、ライトガ
イドや光センサ用途での接合口金への挿入作業等におけ
る取扱い性を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いられる請求項4の熱処理装置を例
示する縦断面概略図である。
【図2】本発明で用いられる請求項4の熱処理装置を例
示する縦断面概略図であって、図2とは異なる実施態様
を示す。
【図3】本発明で用いられる熱処理装置における熱処理
帯域内の一部を拡大して例示する縦断面概略図である。
【図4】本発明で用いられる熱処理装置における熱処理
帯域内の一部を拡大して例示する縦断面概略図であっ
て、図3とは異なる実施態様を示す。
【図5】請求項4の熱処理装置で糸道通路の上下面幅方
向に設置される凸状部材の代表例を示す斜視図である。
【図6】本発明の熱処理方法が適用されるプラスチック
光ファイバ製造工程の一例を示す工程全体概略図であ
る。
【符号の説明】
1、2: 糸通通路の周囲をなす部材(保温用プレート
ヒーター) 3: 加熱気体(の流れ方向) 4、5: 凸状部材 F: プラスチック光ファイバ 17、18: 加熱気体の吹出口 19、20: 加熱気体の吸込口

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱処理帯域内を非接触で走行するプラ
    スチック光ファイバを加熱気体により熱処理するに際
    し、前記熱処理帯域内において加熱気体とプラスチック
    光ファイバとを向流接触させ、かつ、前記熱処理帯域の
    相対する内面に複数個設けられた凸状部材により熱処理
    帯域内の加熱気体の流線方向を変換させることを特徴と
    するプラスチック光ファイバの熱処理方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の熱処理方法を紡糸され
    たプラスチック光フアイバ未延伸糸の加熱延伸に用いる
    に際し、延伸倍率を1.5〜3.0倍とし、かつ、巻取
    速度(Vm/分)を5/d<V<30/d2 (d=延伸
    後プラスチック光ファイバの糸径(mm))とすること
    を特徴とするプラスチック光ファイバの熱処理方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の熱処理方法を延伸され
    たプラスチック光フアイバの熱処理に用いるに際し、熱
    処理帯域の前後に配設されたローラーの周速度比を0.
    95〜1.05とすることを特徴とするプラスチック光
    ファイバの熱処理方法。
  4. 【請求項4】 走行するプラスチック光フアイバの熱
    処理帯域を形成する糸道通路、該糸道通路のプラスチッ
    ク光フアイバ出口の近傍においてプラスチック光ファイ
    バの周囲から加熱気体を噴出させる吹出口、前記糸道通
    路のプラスチック光フアイバ入口部分において糸道通路
    内を向流方向に流れてきた加熱気体を吸入する吸込口、
    及び、糸道通路の相対する内面に加熱気体の流れ方向に
    沿って交互に設けられた気体流線変換用の凸状部材を備
    えてなることを特徴とするプラスチック光ファイバ用熱
    処理装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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