JPH05110769A - 画像読取装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 塵埃等の影響により光信号にノイズが発生す
ること、及び光信号の強度が低下することを防止するこ
とが可能な画像読取装置を提供する。 【構成】 ＬＥＤアレー基板６に固定された防塵カバー
は、防塵板20bが開口部４aと反射ミラー７との中間に水
平方向に対して所定の角度θ傾斜させた配置されてお
り、さらに垂直方向から投影してみた場合、少なくとも
反射ミラー７の原稿反射ビームＬ２を反射する領域の上
方をカバーする位置に配置されている。防塵板20bが所
定の角度θ傾斜していることにより、開口部４aから落
下してきた塵埃等は、防塵板20b上に堆積することな
く、反射ミラー７以外の位置に落下する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ファクシミリ装置，複
写機等において光学的に原稿画像を読取る画像読取装置
に関する。

【０００２】

【従来の技術】図５は、従来の画像読取装置の要部の一
例を示す断面図である。

【０００３】１は原稿であり、画像形成面を下方に向け
て搬送ローラ２の対によって挾持された状態で搬送され
る。原稿１は上ガイド板３及び下ガイド板４によってガ
イドされており、下ガイド板４には、所定の位置に光ビ
ームＬ１を画像読取位置Ｓに通過させるための開口部４
aが形成されている。５は画像読取位置Ｓに光ビームＬ
１を出射するＬＥＤ(発光ダイオード)素子、６はＬＥＤ
素子５が載置されるＬＥＤアレー基板である。７は原稿
１が反射した原稿反射光ビームＬ２を対物レンズ８に反
射する反射ミラー、９は対物レンズ８によって集束され
た原稿反射光ビームＬ３を電気信号に変換するＣＣＤ
(固体撮像素子)である。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記構成の画像読取装
置において、反射ミラー７は、下ガイド板４の開口部４
aの下方に配置されている。このため、反射ミラー７上
に原稿１の移動と共に原稿１から発生する紙粉などの塵
埃等10が落下して付着し堆積する。反射ミラー７上の塵
埃等10は、原稿反射光ビームＬ２を乱反射、あるいは吸
収するためＣＣＤ９において検出される光信号のＳ／Ｎ
比と信号強度とを低下させるという問題が発生する。

【０００５】実開昭60−172120号公報においては、上記
の問題を解決するためペーパガイドとミラーとの中間に
ガラス(防塵板)を配置しているが、前記ガラスは面精度
及び透過率が高いことが要求されるため、コストが高い
ものになる。またガラス上に塵埃が堆積してしまった場
合には、その除去は困難であり、さらにガラスに傷が生
じた場合には、傷部において原稿からの反射光が遮られ
るため画像情報が部分的に欠落するという問題が生じ
る。

【０００６】本発明の目的は、塵埃等の影響により光信
号にノイズが発生すること、及び光信号の強度が低下す
ることを防止することが可能な画像読取装置を提供する
ことにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、原稿を照射する光源と、前記原稿からの
反射光を反射するミラーと、光信号を電気信号に変換す
る受光素子部とを備えた画像読取装置において、原稿に
対する走査位置とミラーとの間で、かつ光信号となる原
稿の反射光の光路外に、前記ミラーに塵埃等が付着する
ことを防止するための防塵カバーを配置したことを特徴
とする。

【０００８】さらに、前記防塵カバーの一方の面に、散
乱光を前記走査位置に反射するための光学的に反射率が
高い高反射膜を形成し、さらに他方の面に、散乱光を吸
収することにより前記受光素子によって検出されること
を抑制するための光学的に反射率が低い低反射膜を形成
したことを特徴とする。

【０００９】さらに、前記防塵カバーの前記走査位置に
近接する面を、塵埃等の堆積を防止するため水平方向に
対して傾斜させて設置し、さらに塵埃等を前記ミラー以
外の位置に落下させるように構成したことを特徴とす
る。

【００１０】さらに、前記防塵カバーの一方の面を、前
記光源部から放射された光を反射して前記走査位置に集
光させる形状に形成したことを特徴とする。

【００１１】

【作用】上記の手段によれば、原稿の走査位置とミラー
との間で、かつ光信号となる原稿の反射光の光路外に設
けた防塵カバーによって、画像読取に必要な反射光を遮
断することなくミラーに塵埃等が付着することを防止で
きる。

【００１２】さらに、防塵カバーの一方の面に形成した
高反射膜によって、散乱光の一部を走査位置に照射する
ことができ、かつ他方の面に形成した低反射膜によって
散乱光の一部を吸収して受光素子に検出されることを防
止できる。

【００１３】さらに、走査位置に近接する面を水平方向
に対して傾斜させて設置した防塵カバーによって、防塵
カバーに塵埃等が堆積することを防止でき、かつ塵埃等
をミラー以外に落下させるようにしたことにより、防塵
カバーから落下した塵埃等がミラー部に付着することを
防止できる。

【００１４】さらに、光源から放射された光を反射し走
査位置に集光させる形状に形成された面を備えた防塵カ
バーによって、走査位置方向以外に放射された光を走査
位置に集光させることができる。

【００１５】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。

【００１６】図１は、本発明の一実施例の構成を示す断
面図である。

【００１７】図１において図５に基づいて説明した部材
に対応する部材については、同一符号を付して説明を省
略する。

【００１８】ＬＥＤアレー基板６の背面には防塵カバー
20が固定されており、防塵カバー20は、ＬＥＤアレー基
板６に対しての固定部である固定板20aと、固定板20aに
支持された防塵板20bとから構成されている。防塵カバ
ー20の防塵板20bは、下ガイド板４の開口部４aと反射ミ
ラー７との中間位置に、水平方向に対して所定の角度θ
傾斜させて配置されており、さらに垂直方向から投影し
た場合、少なくとも反射ミラー７の原稿反射光ビームＬ
２を反射する領域と重複する位置に配置されている。

【００１９】防塵カバー20の防塵板20bによって、反射
ミラー７の少なくともＣＣＤ９において、光信号として
検出される原稿反射光光ビームＬ２を反射する領域に、
開口部４aから落下してくる塵埃等が付着して、さらに
堆積することを防止できる。

【００２０】図２は、本実施例の防塵カバーの詳細な構
成を示す断面図である。

【００２１】固定板20aは熱伝導性の高い金属等の材質
から構成されており、ＬＥＤアレー基板６に対しては、
接触面積を大きくするためにそれぞれの面を接触させた
状態で固定されている。

【００２２】防塵板20bの上方の面、つまりＬＥＤ素子
５から出射される光ビームＬ１と対向する面には、光学
的に反射率の高い白色等の色の塗料によって高反射膜20
cが形成されており、また防塵板20bの他方の面には、光
学的に反射率の低い黒色等の塗料によって低反射膜20d
が形成されている。

【００２３】固定板20aの防塵板20bとの接合部には、防
塵板20b上に落下してきた塵埃等を反射ミラー７の以外
の位置に落させるための排出口20eが形成されている。

【００２４】上記構成の防塵カバー20において、固定板
20aを熱伝導性の高い材質で構成し、さらに面間を接触
させた状態でＬＥＤアレー基板６に固定することによ
り、ＬＥＤ素子５が発光時に発生する熱が、ＬＥＤアレ
ー基板６を介して固定板20aに伝導し、固定板20aにおい
て効率よく放熱されるためＬＥＤ素子５の温度上昇を抑
制して熱劣化することを防止できる。

【００２５】また、防塵板20bの光ビームＬ１に対向す
る面に形成された高反射膜20cによって、ＬＥＤ素子５
から放射されて散乱した散乱光の一部が画像読取位置Ｓ
に反射されるため、原稿１への照射光量を増加させるこ
とができ、ＣＣＤ９に検出される光信号の強度を増加さ
せることができる。

【００２６】また、防塵板20bの低反射膜20dによって、
装置内部の散乱光の一部を吸収することができるため、
散乱光をＣＣＤ９が検出することにより発生するノイズ
を抑制することができる。

【００２７】また、防塵板20bを所定の角度θ傾斜させ
て配置したことにより、落下してきた塵埃等を防塵板20
b上において滑落させることができ、さらに固定板20aに
設けた排出口20eによって滑落する塵埃等が堆積するこ
となく排出され、塵埃を反射ミラー７以外の位置に落下
させることができる。このため、装置に悪影響を及ぼす
位置に塵埃等が堆積することを防止できる。

【００２８】図３及び図４は、本実施例の要部の他の例
を示す構成図である。

【００２９】図３は防塵カバー20の防塵板20bには、Ｌ
ＥＤ素子５からの放射光を画像読取装置に集光させるた
めの凹面ミラー21を設置してある。また図４は防塵板20
bには、凹面ミラー21と同様の作用を得るため、反射面
を釼力状に形成した多段ミラー22を設置してある。

【００３０】防塵板20bに設けた凹面ミラー21又は多段
ミラー22によって、ＬＥＤ素子５の放射光を画像読取位
置Ｓに集光させることができ、原稿１に対する照射光量
を増加させることができるので、ＣＣＤ９によって検出
される光信号の強度を増加させることができ、さらに放
射光が散乱光になることを抑制するのでノイズの発生を
抑制することができる。

【００３１】

【発明の効果】以上、説明したように本発明によれば、
防塵カバーによってミラーに塵埃等が付着することを防
止でき、原稿の反射光がミラーに付着した塵埃等によっ
て乱反射することや吸収されることを防止できるので、
光信号中にノイズが発生すること及び信号強度が低下す
ることとを防止でき、さらに防塵カバーの高反射膜によ
って散乱光の一部で原稿画像を照射できるため、光信号
の強度を増加させることができ、他方の面の低反射膜に
よって散乱光の一部を吸収できるため、光信号中にノイ
ズが発生することを抑制でき、さらに走査位置に近接す
る面を傾斜させて設置した防塵カバーによって、防塵カ
バーに塵埃等が堆積することを防止でき、しかも塵埃等
をミラー以外に落下させることにより、落下した塵埃等
がミラーに付着することを防止できるため、悪影響を及
ぼす位置に塵埃等が堆積することを防止でき、さらに放
射光を走査位置に集光させる形状の面を備えた防塵カバ
ーによって、散乱光の発生を抑制したうえで光信号の強
度を増加させることができる画像読取装置を提供でき
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の構成を示す断面図である。

【図２】本実施例の防塵カバーの詳細な構成を示す断面
図である。

【図３】，

【図４】本実施例の要部の他の例を示す構成図である。

【図５】従来の画像読取装置の一例を示す断面図であ
る。

【符号の説明】

１…原稿、 ５…ＬＥＤ素子、 ６…ＬＥＤアレー基
板、 ７…反射ミラー、８…対物レンズ、 ９…ＣＣ
Ｄ、 10…塵埃等、 20…防塵カバー、20a…固定板、
20b…防塵板、 20c…高反射膜、 20d…低反射膜、
20e…排出口、21…凹面ミラー、 22…多段ミラー。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 原稿を照射する光源と、前記原稿からの
   反射光を反射するミラーと、光信号を電気信号に変換す
   る受光素子部とを備えた画像読取装置において、原稿に
   対する走査位置とミラーとの間で、かつ光信号となる原
   稿の反射光の光路外に、前記ミラーに塵埃等が付着する
   ことを防止するための防塵カバーを配置したことを特徴
   とする画像読取装置。
2. 【請求項２】 前記防塵カバーの一方の面に、散乱光を
   前記走査位置に反射するための光学的に反射率が高い高
   反射膜を形成し、さらに他方の面に、散乱光を吸収する
   ことにより前記受光素子によって検出されることを抑制
   するための光学的に反射率が低い低反射膜を形成したこ
   とを特徴とする請求項１の画像読取装置。
3. 【請求項３】 前記防塵カバーの前記走査位置に近接す
   る面を、塵埃等の堆積を防止するため水平方向に対して
   傾斜させて設置し、さらに塵埃等を前記ミラー以外の位
   置に落下させるように構成したことを特徴とする請求項
   １又は請求項２の画像読取装置。
4. 【請求項４】 前記防塵カバーの一方の面を、前記光源
   から放射された光を反射して前記走査位置に集光させる
   形状に形成したことを特徴とする請求項１又は請求項２
   の画像読取装置。