JPH0511053B2 - - Google Patents

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JPH0511053B2
JPH0511053B2 JP62037777A JP3777787A JPH0511053B2 JP H0511053 B2 JPH0511053 B2 JP H0511053B2 JP 62037777 A JP62037777 A JP 62037777A JP 3777787 A JP3777787 A JP 3777787A JP H0511053 B2 JPH0511053 B2 JP H0511053B2
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glass
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tin
infrared reflective
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Koichi Suzuki
Masashi Tada
Takuji Oyama
Hiroyasu Kojima
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Asahi Glass Co Ltd
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  • Surface Treatment Of Glass (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は赤外線反射ガラス、特に自動車の窓ガ
ラスに適した赤外線反射ガラスに関するものであ
る。
[従来の技術] 従来、窓ガラスを通して自動車室内に流入する
太陽光を一部カツトし、自動車室内部の温度上昇
を低減し、冷房負荷を軽減する目的で、あるい
は、直射光を減らすことによつて感覚的に暑さを
低減して快適性を向上させるなどの目的で、赤外
線反射ガラス(ソーラーコントロールガラス)あ
るいは熱線吸収ガラスの採用が検討されてきた。
しかしながら、安全性の面から視認性を確保する
ために可視光透過率70%以上という規格が日本及
び米国にあり、またヨーロツパでは75%以上とい
う規格があるため、要求される特性を満足する赤
外線反射ガラスに被着される膜としては、透明酸
化物膜/Ag膜(膜厚100〜200Å)/透明酸化物
膜の構成に限られていた。(特公昭47−6315号公
報参照)この構成に用いられる透明酸化物膜とし
ては、TiO2,ZrO2,HfO2,SnO2,ZnO,In2O3
あるいはこれらの混合物などからなる膜が知られ
ていた。この構成を用いた場合には、可視光透過
率が80%を超える赤外線反射ガラスも容易に得ら
れる。
しかしながら、このAg膜を用いた系の最大の
欠点は、耐擦傷強度や化学的耐久性が極端に悪い
ことである。大気中に数日間放置するだけで劣化
が始まる。ウエーザーメーター試験や天然バクロ
試験、恒温恒湿試験などでも、1日とたたないう
ちに著しい膜の変質を生ずる。したがつて、この
Ag膜を用いた赤外線反射ガラスは、合せガラス、
または複層ガラスとしてしか用いることができ
ず、自動車の窓ガラス用の場合は通常合せガラス
として用いざるを得ない。
しかしながら、合せガラスとして用いられるの
は、高級車を除いては自動車の場合フロントガラ
スのみであり、特に側面ガラス、リヤガラス用の
赤外線反射ガラスとしては単板であることがコス
ト面から要求されている。このような単板で用い
られる側面ガラスやリヤガラスに使える自動車用
赤外線反射ガラスはこれまでは実現されていなか
つた。
一方、スウエーデンの研究グループの発表した
文献(B.Karlsson,C.G.Ribbing:SPIEVol.324
“Optical Coatings for Energy Effic−iency
and Solar Applications”(1982)p.52〜57)に
より、TiN,ZrN,HfNの薄膜を高屈折率透明
誘電体膜でサンドイツチすることにより、Agな
どの貴金属薄膜を用いた3層系赤外線反射膜に代
わりうる赤外線反射膜が得られる可能性があるこ
とが示唆されていた。しかしながら、彼らのデー
タは、高温CVD法により作成した厚膜のTiN,
ZrN,HfNの光学定数を用いて透明誘電体膜
(n=2.4)/TiN膜、又はZrN膜、又はHfN膜
(膜厚:100Å〜500Å)/透明誘電体膜(n=
2.4)の構成で計算したものである。しかしなが
ら、窒化膜を薄くしていくと、次第にバルクの光
学定数とは異なつてくるので、計算どおりの膜を
作成することはきわめて困難である。
事実、通常のマグネトロンスパツタ法で、作成
したTiN薄膜の光学定数を用いて計算したとこ
ろ、可視域での視感度透過率は最適膜厚の組み合
わせで最大70%であり、試作結果では60%ぐらい
であつた。
次に、本発明者らは、通常のマグネトロンスパ
ツタに高周波プラズマを付加することにより、ス
パツタ圧力を10-3Torrから10-4Torr台に下げた
結果、高品質のTiN膜やZrN膜が得られることを
見い出した。その膜の光学定数は、通常のスパツ
タ膜よりはバルクのそれに近く、高い赤外反射率
を示した。その膜を使用して、TiO2/TiN/
TiO2の膜構成で可視光透過率がどこまで向上す
るか調べたが、実際上65%が限度であつた。文献
(R.P.Howson,M.I.Ridge,K.Suzuki:SPIE
Vol.428“Optical Materials and Process
Technology for Energy Efficiency and Solar
Applications”p.14〜21参照) [発明の解決しようとする問題点] 従来の自動車用高透過赤外線反射ガラス、即ち
ソーラーコントロールガラスは前述のように100
〜200ÅのAg薄膜を透明酸化物膜でサンドイツチ
した構成を有しているので、耐擦傷強度、化学的
な耐久性が著しく悪く、よつて合せガラスや複層
ガラスとしてしか用いることができないという問
題点を有していた。
また、TiN,ZrN,HfNなどの膜を透明酸化
物膜又は誘電体膜でサンドイツチした構成は、こ
れまでの蒸着やスパツタなどで作成した窒化物薄
膜の光学定数が、バルクのそれと大きくかけはな
れているために、理論的には、可視光透過率が70
%以上になるということは知られていたにもかか
わらず、実際には65%というのが、実現されたに
とどまつていた。
[問題点を解決するための手段] 本発明は、前述の問題点を解決すべくなされた
ものであり、本発明は、ガラス基板面に、少なく
とも透明誘電体膜又は透明導電性酸化物膜からな
る第1層を形成し、次いで、窒化膜からなる第2
層を形成し、次いで、透明誘電体膜又は透明導電
酸化物膜からなる第3層を形成することにより、
赤外線反射ガラスを製造する方法であつて、上記
窒化膜は、Zr,Ti及びHfの少なくとも1種を含
む窒素含有合金を主成分とするものであつて、該
窒化膜をアーク蒸着法により形成することを特徴
とする赤外線反射ガラスの製造方法。
第1図は、本発明に係る赤外線反射ガラスの一
部断面図を示したものであり、1はソーダライム
シリケートガラスからなる普通板ガラス、フロー
ト板ガラス、各種色調の熱線吸収ガラス、アルミ
ノシリケートガラス、リシウムアルミノシリケー
トガラス、硼珪酸塩ガラスその他各種ガラスから
選ばれるガラス基板、2は透明誘電体膜又は透明
導電性酸化物膜からなる第1層、3は窒化膜から
なる第2層、4は透明誘電体膜又は透明導電性酸
化物膜からなる第3層を示す。
本発明は、上記した様な3層構成の赤外反射性
膜が形成されるものであるが、場合によつてはガ
ラス基板と赤外反射性膜との間に1層又は複数層
のガラスからのアルカリ成分溶出防止膜や付着性
向上膜やその他各種機能膜を形成してもよいし、
あるいは又上記赤外反射性膜の上層に1層又は複
数層の保護膜や各種機能膜を形成してもよい。
本発明における最も大きな特徴は、窒化膜をア
ーク蒸着法により形成していることにある。文献
(SPIE Vol.324 p.52〜57)に記載されている
TiO2膜/TiN膜/TiO2膜、ZrO2膜/ZrN膜/
ZrO2膜、HfO2膜/HfN膜/HfO2膜の分光特性
は、すべて高温CVD法によつて作成した厚膜
TiN,ZrN,HfNの光学定数を用いて算出した
ものである。したがつて、可視光透過率が70%以
上のものが、得られるように示されているが、こ
れに用いられるTiN,HfN,ZrNの薄い膜で、
バルクに近い高温CVD法で作成した膜の光学定
数を再現することはきわめて困難である。この場
合要求されるのは100〜200Åの膜厚で平坦で、か
つ、バルクの特性に近いことであり、高温CVD
法では、このような膜を実現することは不可能で
ある。即ち、高温CVD法では粒成長しやすいた
め島状構造をとりやすく、連続した薄い平坦性の
優れた膜を作ることはきわめて難しい。また、実
際上、自動車に用いられる光学特性の均一性はき
わめて厳しいので、面内分布が生じやすく、しか
も高温加熱が必要とされるCVD法は適している
とは言えない。
次に考えられるのは、物理的な手法、即ち蒸着
法やスパツタ法やイオンブレーテイング法を用い
ることである。蒸着法は、反応性に乏しく、窒化
膜を形成することはできない。生産性を考えると
最も適しているのが、スパツタ法である。特に、
プレーナーマグネトロンスパツタ法は、建築用赤
外線反射ガラス、自動車用赤外線反射ガラスの生
産に使われており、優れた均一性と生産性を有し
ている。このスパツタ法により窒化膜を形成する
ことは可能である。しかしながら、このスパツタ
法も光学的反応性、エネルギーが不足しており、
十分な特性を有した窒化膜を得ることは困難であ
る。図2に、この方法で試作した中で最もバルク
に近い特性を有すると考えられるスパツタ法によ
るTiN膜(300Å)の光学定数を用いて、計算し
たTiO2膜(屈折率2.3)/TiN膜/TiO2膜(屈折
率2.3)の3層系膜を有したガラスの分光透過率
(Tv値)を示した。これから明らかなように、
300Åの膜の光学定数を有した100ÅのTiN膜の
場合で可視光透過率(Tv)は70%にぎりぎり到
達するが、実際には、実用を考えた場合、70%を
超えることは不可能と言わざるを得ない。
次に文献(SPIE Vol.428 p.14〜21)に示され
る低圧力高周波プラズマ支援DCマグネトロンス
パツタ法の場合について説明する。この方法は、
通常のマグネトロンスパツタ法の基板とターゲツ
トの間に高周波導入用コイルを設け、高周波プラ
ズマを発生させることによつて、スパツタの作業
圧力を2×10-4Torr近傍まで広げたものである。
この方法の特徴は、10-4Torr台で得られるTiN,
ZrN膜などが、金色で高い赤外反射性能を示し、
バルク特性に近くなることにある。したがつて、
この方法で作成した膜を用いることにより、前述
の70%以上の可視光透過率を有する赤外線反射膜
を形成できるはずである。しかしながら、図3に
示すように、65%前後の可視光透過率が得られた
にとどまり、今のところ70%を越えるものは実現
されていない。
アーク蒸着法とは、文献(Proc.IPAT ”85,
Munich 1985 p.205:P.Haffo and D.G.Teer,
文献)などに記載されている手法であり、その特
徴は、蒸発物質及びガスの著しく高いイオン化率
にある。文献によると、100%の金属がイオン化
されるとも言われている。その結果、非常に高い
反応性が得られ、金属と窒素が十分反応し、機械
工具や耐摩耗部品に最適な、優れた接着力と耐摩
耗性を有する緻密な硬い窒化膜(特にTiN)が
得られるとされている。
本発明においては、窒化膜のバルク特性を100
〜200Å前後の薄膜で実現するために上記のアー
ク蒸着法を採用した。
透明誘電体膜又は透明電導性酸化物膜の形成方
法としては、特に規定するものではないが、アー
ク蒸着法との組み合わせが可能なスパツタ法など
が適している。
しかし、より硬い膜が必要な場合には、RFバ
イアススパツタ法や、イオンプレーテイング法な
どを用いてもよいし、また、窒化膜と同じアーク
蒸着法を用いてもかまわない。光学特性面からは
窒化膜の形成方法が問題である。
ここでいうアーク蒸着法は、前記文献の方法の
みではなく、アーク放電を利用して作成した高密
度のプラズマを用いた薄膜形成手段でもかまわな
い。必要なことは、窒化膜を形成する際に著しく
高い密度のプラズマにより金属がほとんどイオン
化あるいは励起化されることが必要なのである。
図4にTiO2膜/ZrN膜/TiO2膜の構成で、
TiO2膜の屈折率2.50、吸収係数0、ZrN膜の屈折
率、吸収係数を高温CVD膜(文献値)の値と仮
定して光学特性(可視光透過率TV、太陽光透過
率TE)を計算した結果を示している。横軸は
TiO2膜厚である。図から明らかなように、ZrN
膜が100Åの場合、TVmax=79%であり、その
時、TE=65%となる。また、ZrN膜が200Åの場
合はTVmax=75%であり、その時TE=54%とな
る。
図5は、TiO2膜の屈折率が2.3の場合であり、
ZrN膜が100ÅのときはTV=79%となり、そのと
きTE=66%、ZrN膜が200Åのときは、TVmax=
74%であり、そのときTE=53%となる。
図2は、TiO2膜/スパツタ法により形成した
TiN膜/TiO2膜の3層構成について、中間の
TiN膜でCVD法によるTiN膜の場合と比較して、
TV値のTiO2膜厚依存性を示している。図から明
らかなようにZrN膜100Åで、TVmax=71%であ
り、バルクに近いTiN膜を使つた場合とTVmax
に大きな違いがあることがわかる。よつて、従来
のスパツタ法を使うかぎりにおいてはTV>70%
を達成すことはきわめて難しいと言わざるを得な
い。
[作用] 本発明による赤外線反射ガラスの透明誘電体膜
又は透明導電性酸化物膜/窒化膜/透明誘電体膜
又は透明導電性酸化物膜の三層構成において、第
2層の窒化膜は赤外線反射機能を受け持つもので
あり、できるだけバルク特性に近いことが必要と
される。バルクに近い窒化物薄膜は、高い赤外反
射率を示し、かつ適度な可視光透過率を有する。
その膜厚は必要とされるTV値にもよるが70〜400
Åの範囲から選択される。特に、自動車用窓とし
て要求されるTV≧70%以上を得るためには、100
〜300Åが適当である。アーク蒸着法は上記のよ
うなバルクに近い窒化膜を70〜400Åの厚さで作
ることを可能にする。これは、前にも述べたよう
に、蒸発物質及び反応ガスのほぼ100%がイオン
化あるいは活性化されるために、高い反応性か
つ、高密度、高硬度の膜が実現できる。
一方、第1層及び第3層の透明誘電体膜又は透
明導電性酸化物膜は窒化膜の可視域での反射防止
機能を受け持つ。必要とされる屈折率は高いほど
望ましく、通常、2.0〜2.5の範囲で選択される。
もちろん、この範囲外でも使用可能である。その
厚みは、屈折率、必要とされる分光特性から決め
られ、通常250〜700Åの範囲が適当である。特に
自動車用窓として要求されるTV≧70%以上を得
るためには300〜600Åが適当である。具体的な材
料としては、TiO2,ZrO2,HfO2,Ta2O5、ダイ
ヤモンドカーボン、c−BN、などの透明誘電体
膜が、又透明導電膜としてはSnO2,In2O3,ZnO
などが適している。その製法は規定するものでは
ないが、生産性のすぐれたスパツタ法やそれを改
良したRFバイアススパツタ法、イオンブレーテ
イング法あるいはアーク蒸着法などが適してい
る。
本発明による赤外線反射ガラスは、高透過率で
かつ、すぐれた耐久性を有することから、種々の
用途に用いることができる。特に単板として用い
ることができる。又、自動車以外の車両用窓ガラ
スや建築用赤外線反射ガラスやその他高い可視光
透過率を維持したまま、太陽光をカツトしたい用
途に最適である。
また、本発明はガラスを基板としているが、プ
ラスチツクの上に上記した3層構成の赤外線反射
膜にコートしたプラスチツクフイルムにも本発明
と同じ要領で作成可能である。
[実施例] 実施例 1 ガラス基板をスパツタ装置の真空槽にセツト
し、1×10-6Torrまで排気した。次に酸素ガス
を真空槽内に導入し、圧力を1.7×10-3Torrとし、
亜鉛ターゲツトを高周波マグネトロンスパツタし
て、基板上に第一層としてZnOの膜を形成した。
このときの膜厚は約500Åとなるようにした。次
にこのガラスをアーク蒸着装置にセツトし、1×
10-5Torrまで排気した。次に窒素ガスを真空槽
内に導入し、圧力を2×10-3Torrとし、Tiをア
ークターゲツトとして、アーク放電を開始させ、
アーク蒸着法によりTiN膜をZnO膜の上に形成し
た。このときのアーク電流値は40Aであり、所定
時間コートし、膜厚は100Åになるようにした。
次いで第1層と同じ条件でZnOの第3層を約500
Å形成した。
こうして得られた試料の分光透過率、反射率を
図6a,bに示す。可視域での透過率の最高値は
75%を示しており、近赤外域では激減している。
このことから高い可視光透過率と有効な太陽光遮
断性能を有していることがわかる。このとき可視
光透過率は74%、太陽光透過率は56%、膜面側反
射率5.0%という性能が得られ、かつ、ウエザー
メーター600hr、恒温恒湿テスト(60℃95%RH)
1週間でもまつたく変化は見られず、Ag膜系に
比べて著しく耐久性の優れた赤外線反射膜が得ら
れた。
図7はスパツタ法によるZnO膜/アーク蒸着法
によるTiN膜/スパツタ法によるZnO膜/ガラス
基板においてZnO膜の膜厚を変えたときの分光特
性を示している。このことから、可視光透過率を
最大にするZnO膜の最適膜厚が存在することがわ
かる。
第8図はアーク蒸着法によるTiN膜の膜厚を
変えた場合のTiN単層膜の分光特性を示してい
る。
実施例 2 ガラス基板をスパツタ装置にセツトし、1×
10-6Torrまで排気した。次に酸素ガスを導入し、
圧力を3×10-3Torrとし、Tiターゲツトを用い
て、反応性DCマグネトロンスパツタ法により、
TiO2膜を500Å形成した。次いで、このガラス基
板をアーク蒸着装置にセツトし、1×10-5Torr
まで排気したのち、窒素ガスを導入し、圧力を5
×10-3Torrとした、Zrをアークターゲツトとし
て、アーク放電を開始させ、アーク蒸着法によ
り、ZrN膜をTiO2膜の上に形成した。このとき
のアーク電流値は60Aであり、所定時間コート
し、膜厚は100Åぐらいになるようにした。次い
で第1層と同じ要領で、TiO2膜の第3層を約500
Å形成した。
こうして得られた試料の分光透過率、反射率を
図9に示す。可視域の透過率の最高値は76%を示
している。このとき、視感透過率TVは73%、太
陽エネルギー透過率TEは48%である。これらの
膜は、耐久性や強度にすぐれ、ウエザーメーター
600hr、恒温恒湿テスト(60℃95%RH)1週間
でもまつたく外観には変化は見られず、すぐれた
特性を示した。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明による赤外線反射ガラスの膜構
成を示す図である。図2は、RFプラズマ支援低
圧力DCマグネトロンスパツタ法で作成したTiO
膜/TiN膜/TiO2膜/ガラス基板の分光特性を
示す図である。図3は、TiO2膜/スパツタ法に
よるTiN膜/TiO2膜のTV値のTiO2膜の膜厚依存
性を、TiO2膜/CVD法によるTiN膜/TiO2膜、
及びTiO2膜/CVD法によるZrN膜/TiO2膜の場
合と比較して示した図である。図4は、TiO2
の屈折率が2.5の場合のTiO2膜/CVD法による
ZrN膜/TiO2膜のTV,TEのTiO2膜の膜厚依存性
を示す図である。図5はTiO2膜の屈折率が2.3の
場合のTiO2膜/CVD法によるZrN膜/TiO2膜の
TV,TEのTiO2膜の膜厚依存性を示す図である。
第6図は、試作したスパツタ法によるZnO膜/ア
ーク法によるTiN膜/スパツタ法によるZnO膜の
分光特性を示す。a,b,c,dは測定場所によ
る違いである。図7は、スパツタ法によるZnO
膜/アーク蒸着法によるTiN膜/スパツタ法に
よるZnO膜において、ZnO膜の膜厚を変えた場合
の分光特性を示す図である。図8は、膜厚の異な
るアークTiN膜の分光特性を示す図である。図
9は、試作したスパツタ法によるTiO2膜/アー
ク蒸着法によるZrN膜/スパツタ法によるTiO2
膜の分光特性を示す図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 ガラス基板面に、少なくとも透明誘電体膜又
    は透明導電性酸化物膜からなる第1層を形成し、
    次いで、窒化膜からなる第2層を形成し、次い
    で、透明誘電体膜又は透明導電酸化物膜からなる
    第3層を形成することにより、赤外線反射ガラス
    を製造する方法であつて、上記窒化膜は、Zr,
    Ti及びHfの少なくとも1種を含む窒素含有合金
    を主成分とするものであつて、該窒化膜をアーク
    蒸着法により形成することを特徴とする赤外線反
    射ガラスの製造方法。
JP3777787A 1987-02-23 1987-02-23 赤外線反射ガラスの製造方法 Granted JPS63206332A (ja)

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ION PLATING WITH AND ARC SOURCE=1986 *
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