JPH05108165A - 制振位置決め制御方式 - Google Patents

制振位置決め制御方式

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JPH05108165A
JPH05108165A JP3263979A JP26397991A JPH05108165A JP H05108165 A JPH05108165 A JP H05108165A JP 3263979 A JP3263979 A JP 3263979A JP 26397991 A JP26397991 A JP 26397991A JP H05108165 A JPH05108165 A JP H05108165A
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浩治 冨田
Shukaku Kura
修郭 久良
Hirotaka Morita
裕隆 森田
Hisao Osono
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 1軸または複数軸を有し、各軸が低剛性負荷
(5)をもち、かつ位置フィードバックによって制御さ
れるアクチュエータにより駆動されるロボットマニピュ
レータの位置決め制御方式において、低剛性負荷(5)
の固有の振動周期と同じか2以上の整数倍の周期をもつ
矩形状の波形の信号、または、基本速度指令パターン
と、その基本速度指令パターンを低剛性負荷(5)の固
有振動周期の1/2の奇数倍だけずらしたパターンとを
合成した波形の信号を速度指令として出力するパターン
発生器(1)を設ける。 【効果】 低剛性負荷をもつサーボ系において、位置決
め時間を遅くすることなく、負荷の振動を抑えることが
できる。ロボットマニピュレータの制御のみならず、割
り出しテーブル等の位置決め制御を主として用いられる
自動化装置の位置決め時間を従来法に比し、大幅に高速
化できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ロボットのように低剛
性負荷をもつ位置決めサーボ系において、特に高速位置
決めおよび制振を実現できる制御方式に関する。
【0002】
【従来の技術】低剛性負荷をもつ位置決めサーボ系の制
御において、高速位置決めをさせるため指令時間を短縮
すると、負荷に大きな加速度が加わり、そのために負荷
が振動し、その振動が残留する。その対策として、指令
値をフィルタを通すことも行われるが、位置決め時間が
長くなる。たとえば、フィルタとしては図8に示すよう
に矩形波をいれたら台形波になるようなものが使用され
ていた。このような従来技術では、位置決めを速くしよ
うとすると、負荷が振動し、逆に振動を抑えようとする
と位置決めが遅くなるという問題があった。かかる問題
を解決するものとして、特公昭60−29121号公報
において提案されたものがある。これは、位置決め制御
対象物を等加速または等減速区間を設けて位置決め制御
する場合、等加速または等減速区間において等加速また
は等減速する時間を制御対象物の固有振動周期T0 の整
数倍の時間nT0 に等しくするようにした位置決め制御
方法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記の特公
昭60−29121号公報に記載された方法は、制御系
が明確でなく、簡単には実現できないという問題があ
り、また全位置決め時間を周期Tの2倍より短くでき
ず、短距離を高速で動かすことに十分効果がないという
問題があった。そこで本発明が解決すべき課題は、低剛
性負荷をもつサーボ系において、位置決めを十分に速
く、かつ振動を効果的に抑えることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】この課題を解決する第1
の手段は、1軸または複数軸を有し、各軸が低剛性負荷
をもち、かつ位置フィードバックによって制御されるア
クチュエータにより駆動されるロボットマニピュレータ
の位置決め制御方式において、速度指令として、低剛性
負荷の固有の振動周期と同一もしくは2以上の整数倍の
周期をもつ矩形状の波形の信号を出力することである。
【0005】また第2の手段は、1軸または複数軸を有
し、各軸が低剛性負荷をもち、かつ位置フィードバック
によって制御されるアクチュエータにより駆動されるロ
ボットマニピュレータの位置決め制御方式において、速
度指令として、基本速度指令パターンと、その基本速度
指令パターンを低剛性負荷の固有振動周期の1/2の奇
数倍だけずらしたパターンとを合成した波形の信号を出
力することである。
【0006】
【作用】本願の第1の発明においては、図7のブロック
図で表されるように、低剛性負荷5をもつ位置決めサー
ボ系において、入力として負荷の固有振動周期の整数倍
で終えるような速度一定指令を入れる。つまり、図7で
入力R(t) は R(t) = v=一定 0≦t≦Tn (n=1,2,・・・) 0 nT<t ・・・(1) を指令として入れる。(T=2π/ωn ) 低剛性負荷5の振動をみるためにθ≡y−xとすると θ”+2ζωn θ’+ωn 2 θ=−x”(t) ・・・(2) となる。また制御系を1次形、つまり x”+Kp x’=Kp R(t) ・・・(3) と表現できるとしている。ここでζ=0とすると、 θ”+ωn 2 θ=−x”(t) ・・・(4) また、制御系への入力が(1)式で表されるものである
ため、x”(t) は x”(t) = A1 exp(-Kpt) 0≦t≦Tn A2 exp(-Kp(t-nT)) nT<t ・・・(5) A1 ≡vKp ,A2 ≡vKp(−1+exp(-KpnT)) ・・・(6) となる。
【0007】一般に、x”=Ai exp(-Kp t)のとき
(2)式の解θ(t) ,θ’(t) は、初期値(θ(0) ,
θ’(0) =(θ0 ,θ’0 ) とすると、 θ(t) ={Ai/(Kp 2+ωn 2)}・{Ri cos(ωnt+φ)−exp(-Kpt)} θ’(t)=−{Ai/(Kp 2+ωn 2)}・{Riωnsin(ωnt+φ)−Kp exp(-Kpt)} ・・・(7) ここで Ri =√〔{((Kp 2+ωn 2)/Ai0+1}2+(1/ωn 2) {((Kp 2+ωn 2)/Ai) θ’0 −Kp2〕 ・・・(8) φ= tan-1〔{(1/ωn)θ’−(Kp/ωn)(Ai/(Kp 2+ωn 2))} /{θ0(Kp 2+ωn 2)+Ai}〕 ・・・(9) cosφ=(1/Ri){θ0(Kp 2+ωn 2)+Ai}, sinφ=−(1/Ri){(1/ωn)θ’−(Kp/ωn)(Ai/(Kp 2+ωn 2))} ・・・(10)
【0008】故に、(7)式よりθ0 =θ’0 =0のと
きt=nTでは(7),(8)式よりsin(ωnnT)=0,
cos(ωnnT)=1、また(10)式よりcosφ=Ai
i,sinφ=−(Kp/ωn)(Ai/Ri) なので θ(nT)={Ai/(Kp 2+ωn 2)}・〔1−exp(-Kpt)〕 θ’(nT)=−{Kp Ai/(Kp 2+ωn 2)}・〔1−exp(-Kpt)〕 ・・・(11) この結果を利用すると、t>nTでは、(8)式より
振動項の半径Rは R2 ={((Kp 2+ωn 2)/A2) θ(nT)+1}2 +(1/ωn 2){((Kp 2+ωn 2)/A2) θ’(nT)−Kp2 ={(A1/A2)(1−exp(-KpnT)+1}2 +(1/ωn 2){−Kp(A1/A2)(1−exp(-KpnT)−Kp2 ・・・(12) ここでexp(-KpnT)=0と仮定すると、A2 =−A1
ので、(12)式より R=0 ・・・(13) となる。したがって、t>nT以降は(7),(8),
(9),(13)式より θ(t) ={A1/(Kp 2+ωn 2)}−exp(-Kp(t-nT)) θ’(t)=−{Kp A1/(Kp 2+ωn 2)}exp(-Kp(t-nT))=−Kp θ(t) ・・・(14) (14)式よりθ(t) ,θ’(t) はt>nTにおいては
振動成分がなくなり、tとともに指数的にθ(t) →0,
θ’(t)→0となる。以上のように、図7の入力とし
て周期Tの整数値で終わるようなステップ入力を入れる
と、指令修了後、振動成分がなくなり、速やかに位置決
めが行われる。
【0009】次に、本願の第2の発明においては、第7
図のブロック図で表されるように、低剛性負荷をもつ位
置決めサーボ系において、入力として負荷の固有振動周
期の1/2の奇数倍だけずらした2つのパターンを合成
して入れる。つまり、入力 R(t)=v(t)+v(t−m・T /2) (m=2n+1, n=0, 1, 2, ・・・) (v(t)は任意の関数、Tは負荷の固有振動周期=2π/ωn) ・・・(21) を指令として入れる。低剛性負荷の変位y(t)と制御系
からの出力x(t)の差をθ(t)=y(t)−x(t)とすると、 θ”(t)+2ζωnθ’(t) +ωn 2θ(t) =ωn 2F(t) ・・・(22) F(t)=−(1/ωn 2)x”(t) ・・・(23) ζ:減衰係数、ωn :固有振動数 を考えると振動の様子が調べられる。いま、ζ=0とお
けるとし、式を簡単にするためにt=t′/ ωn とす
ると、(22)式は θ”(t′) +θ(t′) =F(t′) ・・・(24) となる。なお、以降t′=tと置く。ただし、時間スケ
ールを変えることによりT/2はπとなる。指令R(t)
においてvをステップ入力の集まりと考えると(図6参
照)、次の式が導かれる。
【0010】
【数1】
【0011】考えている制御系(図7)は線形であるの
で、 Ri(t)=vi(ui(t)+ui(t・π・m)) ・・・(26) なる入力(図4b)に対するアームの変位をyi(t),制
御系からの出力をxi(t)とすると、R(t) を入力したと
きのθ(t) =y(t) −x(t) は、
【0012】
【数2】
【0013】となる。すると、θi(t) ,θi’(t)は、
θi(0)=θi’(0) =0とすると、 (i) 0≦t<ti のとき θi(t)=0,θi’(t)=0 ・・・(28) (ii) ti ≦t≦ti+π・mのとき θi(t)=R0 cos(t−ti+φ0)+F0(t−ti) θi’(t)=−R0 sin(t−ti+φ0)+F0(t−ti) ・・・(29) R0 =√(F0(0)2+F0 ’(0)2) ・・・(30) cosφ0 =F0(0)/R0 ,sin φ0 =−F0(0)/R0 ・・・(31) F0(t)=−{viKp/(Kp 2+ωn 2)}exp((-Kp/ωn)t) ・・・(32) (iii) ti +π・m<tのとき θi(t)=R1 cos(t−mπ−ti+φ1)+F1(t−ti−π・m) θi’(t)=−R1 sin(t−mπ−ti+φ1)+F1(t−ti−π・m) ・・・(33) R1=√((θi(ti−mπ)−F1(0))2+(θi’(ti−mπ)−F1’(0)2) ・・・(34) cosφ1={θ1(ti+πm)−F1(ti+πm+0)}/R1 , sinφ1=−{θ1(ti+πm)−F1(ti+πm+0)}/R1 ・・・(35) F1(t)=−{viKp/(Kp 2+ωn 2)} ・(1−exp(-Kp/ωn)πm exp((-Kp/ωn)t)) ・・・(36) ここでθi(t),θi’(t)はt=ti+π・mで連続で
あり、(29)式より θi(ti+mπ)=R0 cos(mπ+φ0)+F0(mπ) =−R0 cos(φ0)+F0(mπ) =−F0(0)+F0(mπ) ・・・(37) θi’(ti+mπ)=−R0 sin(mπ+φ0)+F0 ’(mπ) =R0 sin(φ0)+F0 ’(mπ) =−F0 ’(0)+F0 ’(mπ) ・・・(38) (36)式より F1’(t)=F0’(t)−F’(m π)exp((-Kp/ωn)t) ・・・(39) (36),(37),(38),(39)式を(34)
式に代入して、 R1 =√{(2F0(mπ))2+(2F’(m π))2} ・・・(40) ここでF0(mπ)≒0,F0’(mπ)≒0ならば ・・・(41) R1 ≒0 ・・・(42) となる。したがって(33)式より θi(t) =F1(t−ti−mπ) θi’(t) =F1 ’(t−ti−mπ) となり、F1(t)は(36)式で表されるから、θi(t),
θi’(t)は振動しなくなる。したがって、θi(t)の重ね
合わせとして(27)式で表されるθ(t)も、tM+1<t
においては、振動成分がなくなる。つまり制振されたこ
とになる。またこの方法は、フィルタに通さないので、
位置決め時間が長くなることもない。なお(41)式の
条件は exp(-(Kp/ωn)πm)=exp(-Kp(T/2)m)≒0 ・・・(43) であり、この範囲において制振作用がある。
【0014】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。図1は本願の第1の発明を実施するためのブロ
ック図(第1実施例)である。図において1はパターン
作成器、2,4は積分器、3は増幅器、5は低剛性負荷
を示している。このブロック図において、位置指令が加
えられると、パターン発生器1によって長さがnTのス
テップ速度指令が作られる。図2はそのパターンを表し
ている(n=1の場合)。パターン作成器1より出力さ
れた速度指令は、積分器2,増幅器3,積分器4を通っ
たあと、位置指令として出力され、位置フィードバック
系へ入力される。その結果、負荷とサーボ系出力との差
θ(t) とθ’(t) は図3に示したような位相空間上の動
きとなり、t>T以降は振動がなくなり、(θ,θ’)
=(0,0)へ向かう。パターン作成器1は、ソフトウ
エアサーボでは位置指令値をx0 とするとv=x0 /T
n(n=1,2,・・・)とするvを計算するプログラ
ムを作るだけで簡単に実現可能である。
【0015】次に本願の第2の発明の実施例(第2実施
例)について説明する。前記の第1実施例では、指令の
形が矩形状に限定されるため加減速が急激になり、十分
な効果が得られない場合があるが、第2の発明の実施例
ではこの点を改善している。図1において、位置指令が
与えられると、パターン作成器1によって1/2・T・
m(m=1,3,5・・・)ずらしたパターン2つを合
成したパターンが速度指令として作成される。そのパタ
ーンの例として図4(a),(b),(c)などがあ
る。それぞれ図4(d),(e),(f)の基本パター
ンをT/2ずらしたパターンを合成したものである。パ
ターン作成器1より出力された速度指令は、積分器2,
増幅器3,積分器4を通った後、位置指令として出力さ
れ、位置制御系へ入力される。その結果、低剛性負荷5
は指令が終わった時間で振動しなくなる。たとえば図4
(a)の波形を入力したときは図5のような出力とな
る。パターン作成器1はハード的に作ってもソフトウエ
アで計算してもよい。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
低剛性負荷をもつサーボ系において、位置決め時間を遅
くすることなく、負荷の振動を抑えることができる。ロ
ボットマニピュレータの制御のみならず、割り出しテー
ブル等の位置決め制御に主として用いられる自動化装置
の位置決め時間を従来法に比し、大幅に高速化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を実施する制御系の一例を示すブロッ
ク図である。
【図2】 図1のパターン作成器より出力されるパター
ンの例を示す波形図である。
【図3】 図2のパターンに対する出力の動きを示す位
相面図である。
【図4】 図1のパターン作成器より出力されるパター
ンの各例を示す波形図である。
【図5】 図4(a)のパターンに対する出力θの図で
ある。
【図6】 入力をステップ信号の集まりと考えた場合の
例を示す波形図である。
【図7】 低剛性負荷をもつ位置決めサーボ系のブロッ
ク図である。
【図8】 従来の制振制御でよく使われるフィルタの入
力と出力の関係を示す図である。
【符号の説明】
1 パターン作成器、2,4 積分器、3 増幅器、5
低剛性負荷
フロントページの続き (72)発明者 大薗 久男 福岡県北九州市八幡西区黒崎城石2番1号 株式会社安川電機内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1軸または複数軸を有し、各軸が低剛性
    負荷をもち、かつ位置フィードバックによって制御され
    るアクチュエータにより駆動されるロボットマニピュレ
    ータの位置決め制御方式において、速度指令として、低
    剛性負荷の固有の振動周期と同一もしくは2以上の整数
    倍の周期をもつ矩形状の波形の信号を出力することを特
    徴とする制振位置決め制御方式。
  2. 【請求項2】 1軸または複数軸を有し、各軸が低剛性
    負荷をもち、かつ位置フィードバックによって制御され
    るアクチュエータにより駆動されるロボットマニピュレ
    ータの位置決め制御方式において、速度指令として、基
    本速度指令パターンと、その基本速度指令パターンを低
    剛性負荷の固有振動周期の1/2の奇数倍だけずらした
    パターンとを合成した波形の信号を出力することを特徴
    とする制振位置決め制御方式。
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