JPH05107866A - 帯電装置 - Google Patents

帯電装置

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JPH05107866A
JPH05107866A JP14938391A JP14938391A JPH05107866A JP H05107866 A JPH05107866 A JP H05107866A JP 14938391 A JP14938391 A JP 14938391A JP 14938391 A JP14938391 A JP 14938391A JP H05107866 A JPH05107866 A JP H05107866A
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discharge
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Tsutomu Sugimoto
本 勉 杉
Noriaki Yamazaki
崎 憲 明 山
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Abstract

(57)【要約】 【目的】放電特性が均一でかつ絶縁破壊に強い帯電装置
を提供することを目的とする。 【構成】本発明の帯電装置は、絶縁性基板に薄膜の半導
電性層が蒸着形成され電荷受容体に対向して配置する半
導電性電極と、この半導電性電極の放電領域から離れた
領域に形成され半導電性電極に電圧を印加する為の電気
的接続部とを備え、半導電性電極は半導電性電極が電荷
受容体との間の間隙に応じた均一放電特性から定まる抵
抗値を有していものである。この半導電性電極の抵抗値
は、好ましくは、絶縁性基板上での厚さ1μm以下の体
積抵抗で106〜1013Ω・cmがよい。このような構
成により電子伝導性材料の組成が均一になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】この発明は電子写真プロセスを応
用した複写機やプリンタ等の電子写真装置に適用するこ
とのできる帯電装置に関し、特に帯電装置およびこの帯
電装置電極の構造に関するものである。
【従来の技術】複写機のような電子写真装置には、一般
にコロトロン帯電装置が使用されている。この様なコロ
トロン帯電装置は、一側に開口を有したシールドケース
の両端部に絶縁ブロックが設けられ、この絶縁ブロック
の間でかつ上記シールドケースのほぼ中央に放電ワイヤ
ーが張設される構造を有し、この放電ワイヤーには40
00〜8000v程度の高電圧が印加され、それにより
感光体などの電荷受容体との間にコロナ放電によるイオ
ンを発生させ、この発生したイオンにより電荷受容体を
帯電するようになっている。上記放電ワイヤーを囲むシ
ールドケースは、放電ワイヤーとの間に一定の空間的距
離を維持することにより、放電ワイヤーの表面に形成さ
れた電界を強く、かつ安定化させるものである。しかし
ながら、上記コロトロン帯電装置は、次のような欠点を
有している。まず、機械的強度の低い細い放電ワイヤー
を張設するため、放電による振動などによりワイヤーが
切れやすく、また、放電ワイヤーとシールドケースとの
間で火花放電の問題があるため、放電ワイヤーとシール
ドケースとを近づけてコロトロンの形を小さくすること
が難しい。これは、両者を近づけることにより、空間イ
ンピーダンスが低くなり、電流が制御できなくなるから
である。さらに、放電時に電荷受容体以外のシールドケ
ースにも電流が流れてしまうためコロトロン帯電装置に
必要な電流が増大する結果、大型の高圧電源を要して高
価になると共に、放電電流の増大によりオゾン発生量も
多くなって、必要以上に周囲環境を汚染するという不都
合もある。上述の不都合を解決するため、図11に示さ
れるように、本出願人は特開昭62−296174号公
報において、帯電電極として半導電性板状電極1を採用
し、この半導電性板状電極1を電荷受容体3に近接させ
る形式の帯電装置を提案している。この帯電装置によれ
ば、シールドケース等の構成が不要なため装置を小型に
することができ、また半導電性板状電極の抵抗が電極1
と電荷受容体の空隙での放電電流を制御するため、火花
放電やアーク放電に至ることなく、半導電性板状電極を
電荷受容体に近接させて安定したコロナ放電を実現する
ことができる。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】上記の半導電性板状電
極を採用した帯電装置では、電圧印加部を取付けるため
放電電極としては比較的厚い予形成された半導電性樹
脂、セラミックス等の板状材料が使用されている。しか
しながら、半導電性板状電極に導電性フィラーを分散さ
せた半導電性樹脂を用いた場合、分散特性により電極の
抵抗が不均一になりやすい。また、半導電性板状電極に
イオン伝導による半導電性樹脂を用いた場合、使用時間
とともに電気抵抗が平均的にも部分的にも高くなる問題
がある。半導電性板状電極に板状セラミックスを用いた
場合は、高温で焼成して作る板状セラミックスの平面性
が悪く電極の抵抗が不均一になりやすい。上記帯電装置
では、比較的厚い放電電極を使用し背面から電圧を印加
しているため、上述した電極抵抗の不均一が固体電極に
よる部分的電圧降下を一層大なものとし、結果的に放電
電極の放電特性を不均一なものとすることがあった。さ
らに、電極抵抗が不均一の放電電極は、高電圧時、絶縁
破壊が生じやすいという不具合もあった。この発明の目
的は、上記の従来の帯電装置が有する不具合を改善する
ものであり、放電特性が均一でかつ絶縁破壊に強い帯電
装置を提供することにある。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明の帯電装置は、絶
縁性基板に薄膜の半導電性層が放電電極として薄膜形成
され電荷受容体に対向して配置する半導電性電極と、こ
の半導電性電極の放電領域から離れた領域に形成され半
導電性電極に電圧を印加する為の電気的接続部とを備
え、半導電性電極は半導電性電極が電荷受容体との間の
間隙に応じた均一放電特性から定まる抵抗値を有してい
るものである。多くの場合、蒸着形成されたは、電荷受
容体の帯電領域の面と半導電性電極の面とが平行になる
よう絶縁性基板で支持される。さらに、半導電性電極を
例えば長手方向に見た場合、この長手方向のいずれの箇
所においても、電荷受容体にたいする半導電性電極の制
御抵抗が等しくなるように、半導電性電極の電気的接続
部は、半導電性電極の長手方向に沿って伸びていること
が好ましい。半導電性電極と電荷受容体との間の放電
は、両者の間の電圧と距離とによることが知られてい
る。電極に本発明の半導電性電極を採用する際、半導電
性電極が絶縁性基板と干渉しないことは当然であるが、
半導電性電極と電荷受容体との間に異常放電の起きない
ことも重要である。このため、半導電性電極の電気的接
続部は半導電性電極の放電領域から離れた領域に形成さ
れている。この半導電性電極の抵抗値は、好ましくは、
絶縁性基板上での厚さ1μm以下の体積抵抗で106
1013Ω・cmがよい。
【作用】半導電性層を放電電極として薄膜形成したため
場所的に抵抗値が均一な放電電極を得ることができる。
また、薄膜端部の非放電領域から電圧を印加する構成と
したので、半導電性電極に電圧を印加する為の電気的接
続部に異常放電がおこることもない。このため、本発明
の帯電装置によれば、非常に均一な放電特性が実現でき
る。
【0004】
【実施例】以下、図面により本発明を、詳細に説明す
る。図1は、この発明による帯電装置の構成を示す基本
原理図である。厚さが1μm以下で体積固有抵抗が10
6〜1013Ωcmであるる高電気抵抗体の薄膜放電電極
1が、ガラス等の絶縁性基板5に蒸着形成されている。
薄膜放電電極1の抵抗値は、電荷受容体との間の空隙に
より定まる均一放電領域内の値であることが必要であ
る。図2は、電荷受容体との間の空隙が所定の場合にお
ける均一放電領域を示す線図であり、下側が均一放電領
域である。矢印A方向に移動する電荷受容体3との最近
接部分から離れた薄膜放電電極1の端には、薄膜放電電
極1に電圧を印加するための接続電極2が設けられ、接
続電極2は絶縁皮膜6で被覆されている。接続電極2
は、高圧電源4に接続され、上記薄膜電極1に電圧を印
加する。電荷受容体3は上記薄膜電極2の表面と1mm
以下の空隙を介して対向し、例えば導体基板上光導電層
を形成し、該基板に接地されており、薄膜電極1との間
で次のようにコロナ放電がなされる。すなわち薄膜電極
1に金属電極2を介して電圧が印加されると、薄膜電極
1と電荷受容体3との間の空隙で空気のイオン化が起こ
り、電極2に電源4の負極性側が接続されていれば、−
のイオンまたは電子が電荷受容体3側へ流れこれを帯電
し、+のイオンは薄膜電極1側へ到達して中和される。
薄膜電極1は抵抗が大きいため放電は安定し、火花放電
に至ることはない。また、薄膜電極1の電気抵抗体値を
均一放電領域内の値に調節したことにより、矢印A方向
に移動する電荷受容体3と薄膜電極1との間の空隙の放
電領域全域において過大な電流が流れるのを防止するこ
とができ、電荷受容体3に対し、均一な帯電が可能であ
る。
【0005】図3は、図1の薄膜電極1と電荷受容体3
との位置関係をしめす線図である。薄膜電極1の電極中
心が感光体ドラムとの空隙長が最小になる位置にある。
放電開始電圧は空隙長にほぼ比例することが実験により
わかっており、空隙長の分布を放電開始電圧の分布に置
き換えて図示すると図4の40で表すことができ、電極
電圧がこの曲線40の上方にある場合に放電が起きるこ
とになる。放電が起きると同時に感光体ドラムの表面電
位が放電開始電圧の分布に沿って上昇し、平板電極中心
(位置0)で最大値になるので、平板電極中心(位置
0)以降は放電は起こらない。したがって、平板電極と
電荷受容体ドラムの間で放電が起きる領域は、電極電
圧、及び放電電極と電荷受容体間の最小空隙長によって
決まり、印加電圧−2KV、放電電極と電荷受容体ドラ
ム間の最小空隙長200μm、電荷受容体ドラムの直径
が84mmという条件では約4mmであった。電圧印加
電極を、この放電領域にかからない所に形成することに
よって、薄膜半導体電極が絶縁破壊することを防止でき
る。これは、電圧印加電極が引き起こす異常放電を抑制
するためである。薄膜半導体電極自身、抵抗が均一で絶
縁破壊に強いのことと併せて本発明の帯電装置の耐絶縁
破壊性を高めている。電圧印加電極が放電領域にかから
ないような位置としては、図5のように薄膜半導体電極
の下や図6のように放電電極の側面であっても同じよう
に絶縁破壊することを防止できる。
【0006】図7は、本発明における帯電装置の放電電
極の作製方法をしめす製造プロセスの工程図である。こ
れを順に説明すると、20は厚さ1.1mmのガラス基
板である。次に(2)のように、このガラス基板の表面
に厚さ0.1μmの薄膜電極層21を全面に蒸着形成し
た。この薄膜電極は、プラズマ化学蒸着(CVD)やス
パッタリングにより形成したもので、例えば、金属酸化
物、金属窒化物、不純物をドープしたアモルファスシリ
コン等の体積固有抵抗が106〜1013Ωcmの安定し
た高抵抗体からなる。本実施例では、燐をドープし抵抗
を調整したアモルファスシリコン層をプラズマ化学蒸着
(CVD)によって形成した。次に(3)のように、電
圧印加電極のパターンが表面に露出するようにマスキン
グを施し、(4)のように、真空蒸着により厚さ1μm
のAl電圧印加電極22をアモルファスシリコン層21
の上に所定の本数を等間隔で形成した。さらに(5)の
ように、電圧印加電極が端部になるようにガラス切りに
よって所定の本数に切断し放電電極を作製した。図8に
示すような構成の電子写真装置において図7に示す製造
プロセスで用意した本発明の電極の放電テストを施し
た。図7の工程によって作製した放電電極10を電荷受
容体(感光体)3aと約200μmの空隙を介して対向
するように絶縁された支持体に固定し、除電ランプ13
で表面電位を整えたのち表面電位センサー11および、
表面電位計12で感光体の帯電特性をテストした。本発
明の帯電装置10に直流電源4より−2KVの電場を印
加したところ、電荷受容体(感光体)3aの表面電位は
一様に約−700Vとなった。一方、図11に示した例
を同じように電荷受容体(感光体)3aと約200μm
の空隙を介して対向させ、直流電源4より電場を印加し
たところ、−700Vの表面電位を得るためには約−4
KVの電場が必要であった。したがって、本発明により
放電電極による電圧降下が約−2KV低減され、低電圧
で帯電できることが実証できた。
【0007】図9は、この発明による帯電装置用いた電
子写真プロセスを説明する一例の構成を示す図である。
10は電荷受容体(感光体)3aを帯電させるための本
発明による帯電装置であり、これにより電荷受容体(感
光体)3aを所定電位に帯電された後、原稿台31上に
置かれた原稿30が照明ランプ32により露光され、レ
ンズ33を通して電荷受容体3aに画像が投影されるこ
とにより、静電潜像が形成される。この静電潜像に現像
器34により現像剤を付着させて可視像を形成させる。
用紙カセット35から送られた用紙36を電荷受容体
(感光体)に重ね、転写用帯電装置37でイオンを与え
ることにより現像剤が用紙に転写される。続いて剥離用
帯電装置38で用紙の電荷を除電して用紙を電荷受容体
から剥離する。現像剤は定着装置39で用紙に定着さ
れ、複写画像となる。この発明による帯電装置の放電特
性が極めて均一である結果、良好な複写画像が得られる
ことが確認できた。
【0008】
【実験例】図8に示すような構成の装置を用いて、本発
明の長時間の信頼性試験を行った。この時、電荷受容体
へ流れ込む電流は電源4側で一定になるように制御し
た。その結果図10に示されるように、図11の従来例
による電極では感光体の劣化等によって、100時間の
経過時点で必要印加電圧が−4KVから−6KVまで上
昇し放電電極の絶縁破壊が起きてしまったのに対して、
本発明における構成の電極では、必要印加電圧が−2K
Vのままほとんど上昇せず絶縁破壊も起きなかった。こ
のため、本発明における構成の電極では、放電特性の均
一性に優れると同時に耐久性にも優れることが判明し
た。
【発明の効果】この発明によれば、半導電性層を放電電
極として蒸着形成したため場所的に抵抗値が均一な放電
電極を得ることができ、半導電性電極の非放電領域から
電圧を印加する構成としたので、半導電性電極の電気的
接続部に異常放電を起こすことなく半導電性電極に電圧
を印加できるため、帯電装置の放電特性が極めて均一で
あり、被帯電対象を均一帯電させることができるという
効果を有する。また、場所的に抵抗値が均一な半導電性
放電電極を持つ帯電装置は、絶縁破壊に強く長寿命であ
るという利点もある。
【0009】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の帯電装置の原理を説明する構成図であ
る。
【図2】本発明の帯電装置についてとりうる電極抵抗値
の範囲を示すための線図である。
【図3】本発明の放電電極と感光体間との空隙を説明す
るための線図である。
【図4】本発明の放電電極と感光体間の放電開始電圧を
示すためのグラフである。
【図5】本発明の他の実施例の説明図である。
【図6】本発明のさらに他の実施例の説明図である。
【図7】本発明の帯電装置の製造工程を説明する図であ
る。
【図8】本発明の放電電極の帯電試験装置を示すための
線図である。
【図9】本発明の放電電極を用いた電子写真プロセスを
説明するための線図である。
【図10】本発明と従来型の印加電圧の変化を比較した
グラフである。
【図11】従来の帯電装置の概略を示すための構成図で
ある。 1...帯電電極、2...接続電極、3...電荷受
容体。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年10月13日
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は電子写真プロセスを応
用した複写機やプリンタ等の電子写真装置に適用するこ
とのできる帯電装置に関し、特に帯電装置およびこの帯
電装置電極の構造に関するものである。
【従来の技術】複写機のような電子写真装置には、一般
にコロトロン帯電装置が使用されている。この様なコロ
トロン帯電装置は、一側に開口を有したシールドケース
の両端部に絶縁ブロックが設けられ、この絶縁ブロック
の間でかつ上記シールドケースのほぼ中央に放電ワイヤ
ーが張設される構造を有し、この放電ワイヤーには40
00〜8000v程度の高電圧が印加され、それにより
感光体などの電荷受容体との間にコロナ放電によるイオ
ンを発生させ、この発生したイオンにより電荷受容体を
帯電するようになっている。上記放電ワイヤーを囲むシ
ールドケースは、放電ワイヤーとの間に一定の空間的距
離を維持することにより、放電ワイヤーの表面に形成さ
れた電界を強く、かつ安定化させるものである。しかし
ながら、上記コロトロン帯電装置は、次のような欠点を
有している。まず、機械的強度の低い細い放電ワイヤー
を張設するため、放電による振動などによりワイヤーが
切れやすく、また、放電ワイヤーとシールドケースとの
間で火花放電の問題があるため、放電ワイヤーとシール
ドケースとを近づけてコロトロンの形を小さくすること
が難しい。これは、両者を近づけることにより、空間イ
ンピーダンスが低くなり、電流が制御できなくなるから
である。さらに、放電時に電荷受容体以外のシールドケ
ースにも電流が流れてしまうためコロトロン帯電装置に
必要な電流が増大する結果、大型の高圧電源を要して高
価になると共に、放電電流の増大によりオゾン発生量も
多くなって、必要以上に周囲環境を汚染するという不都
合もある。上述の不都合を解決するため、図11に示さ
れるように、本出願人は特開昭62−296174号公
報において、帯電電極として半導電性板状電極1を採用
し、この半導電性板状電極1を電荷受容体3に近接させ
る形式の帯電装置を提案している。この帯電装置によれ
ば、シールドケース等の構成が不要なため装置を小型に
することができ、また半導電性板状電極の抵抗が電極1
と電荷受容体の空隙での放電電流を制御するため、火花
放電やアーク放電に至ることなく、半導電性板状電極を
電荷受容体に近接させて安定したコロナ放電を実現する
ことができる。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】上記の半導電性板状電
極を採用した帯電装置では、電圧印加部を取付けるため
放電電極としては比較的厚い予形成された半導電性樹
脂、セラミックス等の板状材料が使用されている。しか
しながら、半導電性板状電極に導電性フィラーを分散さ
せた半導電性樹脂を用いた場合、分散特性により電極の
抵抗が不均一になりやすい。また、半導電性板状電極に
イオン伝導による半導電性樹脂を用いた場合、使用時間
とともに電気抵抗が平均的にも部分的にも高くなる問題
がある。半導電性板状電極に板状セラミックスを用いた
場合は、高温で焼成して作る板状セラミックスの平面性
が悪く電極の抵抗が不均一になりやすい。上記帯電装置
では、比較的厚い放電電極を使用し背面から電圧を印加
しているため、上述した電極抵抗の不均一が固体電極に
よる部分的電圧降下を一層大なものとし、結果的に放電
電極の放電特性を不均一なものとすることがあった。さ
らに、電極抵抗が不均一の放電電極は、高電圧時、絶縁
破壊が生じやすいという不具合もあった。この発明の目
的は、上記の従来の帯電装置が有する不具合を改善する
ものであり、放電特性が均一でかつ絶縁破壊に強い帯電
装置を提供することにある。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明の帯電装置は、絶
縁性基板に薄膜の半導電性層が放電電極として薄膜形成
され電荷受容体に対向して配置する半導電性電極と、こ
の半導電性電極の放電領域から離れた領域に形成され半
導電性電極に電圧を印加する為の電気的接続部とを備
え、半導電性電極は半導電性電極が電荷受容体との間の
間隙に応じた均一放電特性から定まる抵抗値を有してい
るものである。多くの場合、蒸着形成されたは、電荷受
容体の帯電領域の面と半導電性電極の面とが平行になる
よう絶縁性基板で支持される。さらに、半導電性電極を
例えば長手方向に見た場合、この長手方向のいずれの箇
所においても、電荷受容体にたいする半導電性電極の制
御抵抗が等しくなるように、半導電性電極の電気的接続
部は、半導電性電極の長手方向に沿って伸びていること
が好ましい。半導電性電極と電荷受容体との間の放電
は、両者の間の電圧と距離とによることが知られてい
る。電極に本発明の半導電性電極を採用する際、半導電
性電極が絶縁性基板と干渉しないことは当然であるが、
半導電性電極と電荷受容体との間に異常放電の起きない
ことも重要である。このため、半導電性電極の電気的接
続部は半導電性電極の放電領域から離れた領域に形成さ
れている。この半導電性電極の抵抗値は、好ましくは、
絶縁性基板上での厚さ1μm以下の体積抵抗で106
1013 Ω・cmがよい。
【作用】半導電性層を放電電極として薄膜形成したため
場所的に抵抗値が均一な放電電極を得ることができる。
また、薄膜端部の非放電領域から電圧を印加する構成と
したので、半導電性電極に電圧を印加する為の電気的接
続部に異常放電がおこることもない。このため、本発明
の帯電装置によれば、非常に均一な放電特性が実現でき
る。
【0004】
【実施例】以下、図面により本発明を、詳細に説明す
る。図1は、この発明による帯電装置の構成を示す基本
原理図である。厚さが1μm以下で体積固有抵抗が10
6 〜1013 Ωcmであるる高電気抵抗体の薄膜放電電極
1が、ガラス等の絶縁性基板5に蒸着形成されている。
薄膜放電電極1の抵抗値は、電荷受容体との間の空隙に
より定まる均一放電領域内の値であることが必要であ
る。図2は、電荷受容体との間の空隙が所定の場合にお
ける均一放電領域を示す線図であり、下側が均一放電領
域である。矢印A方向に移動する電荷受容体3との最近
接部分から離れた薄膜放電電極1の端には、薄膜放電電
極1に電圧を印加するための接続電極2が設けられ、接
続電極2は絶縁皮膜6で被覆されている。接続電極2
は、高圧電源4に接続され、上記薄膜電極1に電圧を印
加する。電荷受容体3は上記薄膜電極2の表面と1mm
以下の空隙を介して対向し、例えば導体基板上光導電層
を形成し、該基板に接地されており、薄膜電極1との間
で次のようにコロナ放電がなされる。すなわち薄膜電極
1に金属電極2を介して電圧が印加されると、薄膜電極
1と電荷受容体3との間の空隙で空気のイオン化が起こ
り、電極2に電源4の負極性側が接続されていれば、−
のイオンまたは電子が電荷受容体3側へ流れこれを帯電
し、+のイオンは薄膜電極1側へ到達して中和される。
薄膜電極1は抵抗が大きいため放電は安定し、火花放電
に至ることはない。また、薄膜電極1の電気抵抗体値を
均一放電領域内の値に調節したことにより、矢印A方向
に移動する電荷受容体3と薄膜電極1との間の空隙の放
電領域全域において過大な電流が流れるのを防止するこ
とができ、電荷受容体3に対し、均一な帯電が可能であ
る。
【0005】図3は、図1の薄膜電極1と電荷受容体3
との位置関係をしめす線図である。薄膜電極1の電極中
心が感光体ドラムとの空隙長が最小になる位置にある。
放電開始電圧は空隙長にほぼ比例することが実験により
わかっており、空隙長の分布を放電開始電圧の分布に置
き換えて図示すると図4の40で表すことができ、電極
電圧がこの曲線40の上方にある場合に放電が起きるこ
とになる。放電が起きると同時に感光体ドラムの表面電
位が放電開始電圧の分布に沿って上昇し、平板電極中心
(位置0)で最大値になるので、平板電極中心(位置
0)以降は放電は起こらない。したがって、平板電極と
電荷受容体ドラムの間で放電が起きる領域は、電極電
圧、及び放電電極と電荷受容体間の最小空隙長によって
決まり、印加電圧−2KV、放電電極と電荷受容体ドラ
ム間の最小空隙長200μm、電荷受容体ドラムの直径
が84mmという条件では約4mmであった。電圧印加
電極を、この放電領域にかからない所に形成することに
よって、薄膜半導体電極が絶縁破壊することを防止でき
る。これは、電圧印加電極が引き起こす異常放電を抑制
するためである。薄膜半導体電極自身、抵抗が均一で絶
縁破壊に強いのことと併せて本発明の帯電装置の耐絶縁
破壊性を高めている。電圧印加電極が放電領域にかから
ないような位置としては、図5のように薄膜半導体電極
の下や図6のように放電電極の側面であっても同じよう
に絶縁破壊することを防止できる。
【0006】図7は、本発明における帯電装置の放電電
極の作製方法をしめす製造プロセスの工程図である。こ
れを順に説明すると、20は厚さ1.1mmのガラス基
板である。次に(2)のように、このガラス基板の表面
に厚さ0.1μmの薄膜電極層21を全面に蒸着形成し
た。この薄膜電極は、プラズマ化学蒸着(CVD)やス
パッタリングにより形成したもので、例えば、金属酸化
物、金属窒化物、不純物をドープしたアモルファスシリ
コン等の体積固有抵抗が106 〜1013 Ωcmの安定し
た高抵抗体からなる。本実施例では、燐をドープし抵抗
を調整したアモルファスシリコン層をプラズマ化学蒸着
(CVD)によって形成した。次に(3)のように、電
圧印加電極のパターンが表面に露出するようにマスキン
グを施し、(4)のように、真空蒸着により厚さ1μm
のAl電圧印加電極22をアモルファスシリコン層21
の上に所定の本数を等間隔で形成した。さらに(5)の
ように、電圧印加電極が端部になるようにガラス切りに
よって所定の本数に切断し放電電極を作製した。図8に
示すような構成の電子写真装置において図7に示す製造
プロセスで用意した本発明の電極の放電テストを施し
た。図7の工程によって作製した放電電極10を電荷受
容体(感光体)3aと約200μmの空隙を介して対向
するように絶縁された支持体に固定し、除電ランプ13
で表面電位を整えたのち表面電位センサー11および、
表面電位計12で感光体の帯電特性をテストした。本発
明の帯電装置10に直流電源4より−2KVの電場を印
加したところ、電荷受容体(感光体)3aの表面電位は
一様に約−700Vとなった。一方、図11に示した例
を同じように電荷受容体(感光体)3aと約200μm
の空隙を介して対向させ、直流電源4より電場を印加し
たところ、−700Vの表面電位を得るためには約−4
KVの電場が必要であった。したがって、本発明により
放電電極による電圧降下が約−2KV低減され、低電圧
で帯電できることが実証できた。
【0007】図9は、この発明による帯電装置用いた電
子写真プロセスを説明する一例の構成を示す図である。
10は電荷受容体(感光体)3aを帯電させるための本
発明による帯電装置であり、これにより電荷受容体(感
光体)3aを所定電位に帯電された後、原稿台31上に
置かれた原稿30が照明ランプ32により露光され、レ
ンズ33を通して電荷受容体3aに画像が投影されるこ
とにより、静電潜像が形成される。この静電潜像に現像
器34により現像剤を付着させて可視像を形成させる。
用紙カセット35から送られた用紙36を電荷受容体
(感光体)に重ね、転写用帯電装置37でイオンを与え
ることにより現像剤が用紙に転写される。続いて剥離用
帯電装置38で用紙の電荷を除電して用紙を電荷受容体
から剥離する。現像剤は定着装置39で用紙に定着さ
れ、複写画像となる。この発明による帯電装置の放電特
性が極めて均一である結果、良好な複写画像が得られる
ことが確認できた。
【0008】
【実験例】図8に示すような構成の装置を用いて、本発
明の長時間の信頼性試験を行った。この時、電荷受容体
へ流れ込む電流は電源4側で一定になるように制御し
た。その結果図10に示されるように、図11の従来例
による電極では感光体の劣化等によって、100時間の
経過時点で必要印加電圧が−4KVから−6KVまで上
昇し放電電極の絶縁破壊が起きてしまったのに対して、
本発明における構成の電極では、必要印加電圧が−2K
Vのままほとんど上昇せず絶縁破壊も起きなかった。こ
のため、本発明における構成の電極では、放電特性の均
一性に優れると同時に耐久性にも優れることが判明し
た。
【発明の効果】この発明によれば、半導電性層を放電電
極として蒸着形成したため場所的に抵抗値が均一な放電
電極を得ることができ、半導電性電極の非放電領域から
電圧を印加する構成としたので、半導電性電極の電気的
接続部に異常放電を起こすことなく半導電性電極に電圧
を印加できるため、帯電装置の放電特性が極めて均一で
あり、被帯電対象を均一帯電させることができるという
効果を有する。また、場所的に抵抗値が均一な半導電性
放電電極を持つ帯電装置は、絶縁破壊に強く長寿命であ
るという利点もある。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項】電荷受容体に対向して配置し放電によって前
    記電荷受容体の帯電を行う帯電装置において、放電電極
    として絶縁性基板に薄膜の半導電性層を薄膜形成し、こ
    の半導電性電極に電圧を印加する為の電気的接続部を前
    記半導電性電極の放電領域から離れた領域に形成し、前
    記半導電性電極は前記半導電性電極が前記電荷受容体と
    の間隙に応じた均一放電特性から定まる抵抗値を有して
    いることを特徴とする帯電装置。 【0001】
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08160639A (ja) * 1994-12-07 1996-06-21 Canon Inc 電子写真感光体及び電子写真装置
US5860046A (en) * 1996-07-09 1999-01-12 Minolta Co., Ltd. Charging method and charging device

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02256077A (ja) * 1988-12-28 1990-10-16 Ricoh Co Ltd 放電部材とこの放電部材を用いた荷電装置

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