JPH05106683A - 除振装置 - Google Patents

除振装置

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JPH05106683A
JPH05106683A JP3267863A JP26786391A JPH05106683A JP H05106683 A JPH05106683 A JP H05106683A JP 3267863 A JP3267863 A JP 3267863A JP 26786391 A JP26786391 A JP 26786391A JP H05106683 A JPH05106683 A JP H05106683A
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JP
Japan
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vibration
pendulum
shock absorbing
vibration isolator
frequency
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JP3267863A
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English (en)
Inventor
Akira Sakurai
明 桜井
Yoshio Inoue
喜雄 井上
Manabu Hisada
学 久田
Masahiro Tomita
正博 冨田
Tsutomu Oi
勉 多井
Kazuhiko Nishida
和彦 西田
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 トラック等の搬送手段からその搬送物への振
動伝達を効果的に抑制し、上記搬送物を振動から安全に
保護する。 【構成】 フレーム62に対し、振り子棒66や振り子
台68等からなる振り子部材が揺動可能に構成された除
振装置60。その振動倍率が1以下となる振動数(すな
わち振り子の固有振動数fo の√2倍の振動数√2fo
)が搬送手段において最大の振動加速度が発生する最
小の振動数ft よりも小さくなるように、上記振り子部
材の振り子長さlを設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、クライオスタットをは
じめとする各種機器等をトラック等で搬送する際に用い
られる除振装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、超電導マグネットが核磁気共鳴分
析装置(MRS装置)や医療診断用各磁気共鳴コンピュ
ータ断層撮影装置(MRI装置)等に応用されるに伴
い、上記超電導マグネットを液体ヘリウムで冷却するた
めのクライオスタット等の開発が急速に進められてい
る。このクライオスタットでは、一般に、真空容器内に
液体ヘリウム槽が収容されるとともに、この液体ヘリウ
ム槽から上方に延設された首管の上端部が上記真空容器
に固定されている。このため、上記液体ヘリウム槽は上
記首管の上端部を支点にして宙吊りの状態となってお
り、振動に対しては非常に弱い構造となっている。
【0003】このようなクライオスタットを始めとす
る、耐振動性の低い精密機器等を輸送する場合、この機
器等を輸送用トラック等の搬送手段にそのまま載せたの
では、この機器等に直接振動が伝わり、機器等を破損に
至らせるおそれがある。
【0004】そこで従来は、上記クライオスタット等の
一部を施工して補強を行い、その固有振動数を輸送用ト
ラック等の固有振動数よりも十分に大きくした状態で搬
送するといったことが行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のような補強のた
めの施工を行う場合、機器の種類によっては、その施工
が困難であったり、上記施工、及び施工後の機器の立ち
上げに膨大な時間を要したりすることがある。例えば上
記クライオスタットの場合には、補強のための施工を行
う際に液体ヘリウム槽内を一旦大気温度まで昇温し、か
つ真空容器を大気圧まで昇圧しなければならないので、
逆に輸送後は、上記真空容器内を大気圧から再び真空排
気し、かつ液体ヘリウム槽内の超電導マグネット12を
常温から液体ヘリウムにより極低温状態まで冷却しなけ
れば使用を開始することができず、その立ち上げに膨大
な時間を要することになる。このため、このようなクラ
イオスタット等の補強をほとんど行わずに、その搬送を
行うことを可能にするための除振手段の出現が強く要望
されている。
【0006】なお、現在までには、精密機器等を振動か
ら保護するための除振台なるものが開発されるに至って
いるが、このような除振台は一般に数μm程度の振幅を
もつ振動を取り除くためのものであり、荷台が数cm程
度も変位する輸送用トラックに上記クライオスタット等
の機器を載せる場合に適用することは極めて困難であ
る。
【0007】本発明は、このような事情に鑑み、トラッ
ク等の搬送手段からその搬送物に振動が伝達されるのを
効果的に抑制し、これにより、上記搬送物を安全に搬送
することを可能にする除振装置を提供することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、搬送手段にお
いてその最大振動加速度が生じる最小の振動数ft より
も高い固有振動数をもつ搬送物を上記搬送手段により搬
送する際に用いられる除振装置であって、上記搬送手段
に載置される除振装置本体と、この除振装置本体に水平
軸回りに揺動可能に吊り下げられ、上記搬送物が載置さ
れる振り子部材とを備えるとともに、この振り子部材の
振り子長さlを、次の数2に示す式を満足する値に設定
したものである(請求項1)。
【0009】
【数2】
【0010】さらに、上記振り子部材と除振装置本体と
の間に衝撃吸収手段を介在させるとともに、この衝撃吸
収手段を、振り子部材の静止位置からの変位が大きくな
るほどバネ定数が大きくなるように構成することによ
り、後述のようなより優れた効果が得られる(請求項
2)。ここで、上記衝撃吸収手段としては、除振装置本
体に向かうに従って断面積の大きくなる形状の衝撃吸収
材を備えたものや(請求項3)、上記振り子部材から除
振装置本体へ向かう方向の寸法が互いに異なる複数の衝
撃吸収材を備えたもの(請求項4)等が好適である。
【0011】
【作用】まず、請求項1記載の構成によれば、上記数2
の式を満足させるように振り子長さlを設定し、これに
よって振り子部材の固有振動数を十分低く抑えることに
より、全ての振動数領域にわたって、搬送手段から搬送
物への振動伝達を効果的に抑制することができる。
【0012】その理由を説明する。まず、上記のような
振り子式除振装置は図6のようなモデルで簡略的に表す
ことができる。図において、Mは振り子部材や搬送物を
含めた揺動部分の総質量、xは揺動部分の変位、kは振
り子部材の変位を規制するための衝撃吸収手段が配され
た場合のこの衝撃吸収手段のバネ定数、lは振り子長さ
である。このようなモデルで表される振り子部材の固有
振動数fo は次の数3に示す式で表される。
【0013】
【数3】
【0014】ここで、上記衝撃吸収手段が配されていな
い場合、あるいは振り子部材の変位が極めて微小で衝撃
吸収手段と接触していない場合には上記式においてk=
0となり、よって固有振動数fo は次の数4で示され
る。
【0015】
【数4】
【0016】一方、このような振り子式除振装置をはじ
めとする各種除振装置の特性は共通して図7に示すよう
なグラフで表される。このグラフにおいて「振動倍率」
とは、除振装置本体が載置される搬送手段の載置部の振
動の振幅に対する、除振装置の振り子部材の振幅の比率
を意味する。すなわち、この振動倍率が1を超える場合
には振動が増幅され、逆に1未満である場合には除振が
行われていることを示す。
【0017】ここで、上記グラフから明らかなように、
低振動数領域では除振装置によって振動が増幅され、振
り子部材の固有振動数fo においてピークを迎えるが、
この固有振動数fo の√2倍の振動数√2fo 以上の高
振動数領域においては、振動数が高いほど効果的に除振
されることとなる。
【0018】これに対し、トラックをはじめとして現在
用いられている搬送手段の特性は共通しておおよそ図8
のグラフで表される。すなわち、振動数が約2Hz以下
の領域では、振動数と振動加速度とがほぼ比例し、振動
数が約2Hz以上の領域では振動加速度は最大値で一定
する。従って、搬送物の固有振動数がこの2Hzよりも
大きい場合(例えば10Hzの場合)には、振動数が2
Hz以上の領域で上記除振装置による振動倍率が1以下
となるように設定すれば十分であり、振動数が2Hz以
下の領域では、なるべく振動加速度が小さな領域で(す
なわちなるべく小さな振動数の領域で)振動倍率のピー
クを迎えさせることが望ましい。
【0019】よって、上記(数2)に示す条件を満足さ
せる、すなわち、振動数√2fo が搬送手段において振
動加速度の最大値が得られる最小の振動数ft (図8の
例では2Hz)以下となるように振り子長さlを設定す
ることにより、全ての振動数領域にわたって搬送物の安
全性を確保することが可能であり、特に、上記振動数f
t よりも大きな搬送物の固有振動数fo において小さな
振動倍率(すなわち大きな除振率)を得ることができる
のである。
【0020】以上の説明は、衝撃吸収手段が配されてい
ない場合、あるいは振り子部材の変位が微小で衝撃吸収
手段と接触していない場合を前提に行ったが、搬送手段
が発進して振り子部材が揺れ始めると、衝撃吸収手段が
振り子部材と除振装置本体とで挾まれる状態になり、こ
れにより前記(数3)の式においてk>0となって、そ
の分固有振動数fo が上昇することになる。
【0021】しかしながら、請求項2記載のように、上
記衝撃吸収手段を振り子部材の静止位置からの変位が大
きくなるほどバネ定数が大きくなるように構成した装置
においては、上記衝撃吸収手段が軽く挾まれた程度で
は、この衝撃吸収手段は僅かなバネ定数kしかもたず、
よって通常の搬送状態では固有振動数foの上昇を微小
に抑えることができる。しかも、急ブレーキや急カーブ
で振り子部材が慣性力により大きく変位した場合には、
この変位が大きくなるほど上記衝撃吸収手段のバネ定数
が大きくなる、すなわち衝撃吸収手段が振り子部材の変
位を阻止する力が強くなるため、振り子部材と除振装置
本体とが直接的に衝突することが防がれる。
【0022】
【実施例】本発明の一実施例を図1〜図5に基づいて説
明する。
【0023】図5は、本発明装置を利用して搬送される
搬送物の一例としてクライオスタット10を示したもの
である。このクライオスタット10は、超電導マグネッ
ト12及び液体ヘリウム13を収容するドーナツ状の液
体ヘリウム槽14、ドーナツ状輻射熱シールド板16、
ドーナツ状液体窒素槽18、及び真空容器20を備え、
中央に試料挿入用の中空部11が形成されるとともに、
液体ヘリウム槽14が輻射熱シールド板16内に、輻射
熱シールド板16が液体窒素槽18の内周部に、液体窒
素槽18が真空容器20内にそれぞれ収容され、液体窒
素槽18の外周部に形成された容器内に液体窒素19が
収容されている。
【0024】上記液体ヘリウム槽14及び液体窒素槽1
8の上部からは首管14a,18aがそれぞれ上方に延
設され、これら首管14a,18aと対応して真空容器
20の上部にも管部21,22が延設されており、上記
首管14a,18aが各管部21,22内に挿入された
状態で首管14a,18aの上端部が管部21,22の
上端部に溶接で固定されることにより、液体ヘリウム槽
14は真空容器20内で首管14aの上端との接合部2
7を支点にして宙吊り状態で支持されている。また、輻
射熱シールド板16及び液体窒素槽18の上端部は上記
首管14aの中腹部に固定されている。首管14aは液
体ヘリウム槽14内で蒸発したヘリウムガスを大気に放
出し、同様に首管18aは液体窒素槽18内で蒸発した
窒素ガスを大気に放出するものであり、各首管14a,
18aは比較的熱伝達率の低いステンレス鋼等で形成さ
れるとともに、その断面積は極力小さく設定され、かつ
上下長さは極力大きく設定されている。
【0025】液体ヘリウム槽14の底部における複数個
所にはナット36が固定され、これに対応する輻射シー
ルド板16の側壁下部にもナット38が固定されてお
り、両ナット36,38に支持棒41の両端が固定され
ることにより、この支持棒41を介して液体ヘリウム槽
14の底部と輻射シールド板16の側壁下部とが連結さ
れている。同様にして、輻射熱シールド板16の底部複
数個所が複数本の支持棒43を介して液体窒素槽16の
側壁下部に連結されており、液体窒素槽18の底部複数
個所が複数本の支持棒42を介して真空容器20の側壁
下部に連結されている。
【0026】上記各支持棒41,42,43の材質とし
ては、熱伝導率が低く、かつある程度の強度を有するも
の、例えばCFRP(炭素繊維強化プラスチック)やG
FRP(ガラス繊維強化プラスチック)、ALFRP
(アルミナ繊維強化プラスチック)等が選ばれている。
【0027】さらに、液体ヘリウム槽14の上面にも、
その複数個所にナット36が固定され、これに対応する
輻射シールド板16の側壁上部にナット38が固定され
ており、両ナット36,38に前記と同様にして支持棒
51の両端部が固定されることにより、この第1の上側
支持棒51を介して上記液体ヘリウム槽14の上面と輻
射シールド板16とが連結されている。同様にして、輻
射シールド板16の上面が支持棒53を介して液体窒素
槽18の側壁上部に連結されており、この液体窒素槽1
8の上面が複数本の支持棒52を介して真空容器20の
側壁上部に固定されている。
【0028】すなわち、上記液体ヘリウム槽14は、上
記各支持棒41〜43,51〜53の伸縮により、その
上端部(真空容器20との接合部)を支点として微小範
囲で揺動可能となっている。具体的に、この図5に示す
構造では、この液体ヘリウム槽14の真空容器20に対
する固有振動数(以下、クライオスタット10の固有振
動数と称する)は10Hz以上となっている。
【0029】次に、本発明の一実施例における除振装置
を図1〜4に基づいて説明する。
【0030】ここに示す除振装置60は、フレーム(除
振装置本体)62を備えている。このフレーム62は、
上下方向に延びる4本の柱62aと、これらの柱62a
の上端部同士及び下端部同士を連結する上枠62b及び
下枠62cとを有し、前後一対(図2では上下一対)の
上枠62b同士の間には、図2に示すような左右一対の
梁62dが設けられている。
【0031】各梁62dの前後部には、自在継手64を
介して振り子棒(振り子部材を構成)66の上端が結合
されており、これら4本の振り子棒66の下端には自在
継手64を介して振り子台68が水平状態で結合されて
いる。すなわち、これら振り子棒66及び振り子台68
からなる振り子部材は、振り子台68が水平状態を保っ
たまま揺動可能となっている。
【0032】さらに、この除振装置60の第1の特徴と
して、上記振り子部材の振り子長さl、すなわち上側の
自在継手64から下側の自在継手64までの寸法が下記
式(数5)を満たすように十分長く設定されている。
【0033】
【数5】
【0034】具体的に、この実施例では、上記クライオ
スタット10を搬送するのに用いられるトラックにおい
て、その振動加速度が最大となる最小の振動数ft は図
8に示すように2Hzであり、よって、振り子長さlは
上記(数5)に示す条件により13cm以上に設定され
ている。
【0035】さらに、この除振装置60の第2の特徴と
して、上記振り子台68の周囲においてこの振り子台6
8に近接する位置には、第1の衝撃吸収材71および第
2の衝撃吸収材72からなる衝撃吸収手段が配設されて
いる。各衝撃吸収材71,72は、一般に振動吸収材と
して用いられる材料、例えばシリコンゲルやシリコンゴ
ム等の弾性材料で形成されており、上記フレーム60に
おける下枠62cの内側面に固定されている。
【0036】図1に示すように、上記第1の衝撃吸収材
71は、全体が柱状をなし、図2に示すように、その平
面形状は略放物線状となっている。そして、この放物線
の頂点部分71aが上記振り子台68の方を向く状態
で、この頂点部分71aの反対側となる面が取付面71
bとして下枠62cの内側面に接合されている。第2の
衝撃吸収材72も、第1の衝撃吸収材71と同等の形状
を有しているが、上記頂点部分71aから取付面71b
までの寸法が第1の衝撃吸収材71よりも小さく設定さ
れている。すなわち、下枠62cから振り子台68へ向
けての突出量は、第1の衝撃吸収材71の方が第2の衝
撃吸収材72よりも大きくなっている。
【0037】なお、この衝撃吸収材の形状は、フレーム
62側に向かうほど断面積の大きくなる形状であればよ
く、図3(a)に示すように三角柱の一角を円弧状にし
たような形状の衝撃吸収材74、図3(b)に示すよう
な円錐台状の衝撃吸収材75、同図(c)に示すような
三角柱状の衝撃吸収材76、同図(d)に示すような台
形柱状の衝撃吸収材77等が適用可能である。
【0038】次に、この除振装置60の作用を説明す
る。
【0039】まず、フレーム62全体を搬送手段の載置
部、例えば輸送用トラックの荷台上に載せるとともに、
振り子台68上に搬送物であるクライオスタット10を
載置する。この時、クライオスタット10の底面と振り
子台68の上面との間にビスカスマウントや液封入マウ
ント等の粘弾性衝撃吸収材70を介在させることによ
り、クライオスタット10の振動抑制効果をより高める
ことが可能である。
【0040】このような状態でトラック等の搬送手段を
走行させると、その荷台からフレーム62に振動が伝達
されるが、ここで、振り子長さlは上記(数5)の式を
満たすように13cmよりも長く設定されているため、
除振装置60による振動倍率が1以下となる境界の振動
数(すなわち振り子の固有振動数fo の√2倍の振動
数)√2fo は、上記搬送手段において振動加速度が最
大となる最小の振動数(具体的には2Hz;図8参照)
よりも小さくなっている。従って、この2Hz以上の振
動数領域では、除振装置60によって除振が効果的に行
われ、クライオスタット10が振動から安全に保護され
る。これに対し、上記振動数√2fo 以下の領域では、
除振装置60によって振動が増幅されるが、この領域は
必ず2Hz以下で、図8に示すように振動加速度がその
最大値よりも小さい領域であるので、クライオスタット
10に大きな振動加速度が与えられることがない。
【0041】すなわち、この除振装置60は、その振り
子の固有振動数fo を故意的に低く設定し、図8に示す
振動加速度が小さい領域で振動倍率のピークを迎えさせ
ることにより全振動数領域において安全性を確保するよ
うにしたものであり、これにより、特に、クライオスタ
ット10の固有振動数に近い領域(本実施例では約10
Hz)で、確実に大きな除振率が得られるようにしてい
るのである。
【0042】さらに、この除振装置60では、振り子台
68の周囲であってこれに近接する位置に衝撃吸収材7
1,72を配し、この衝撃吸収材71,72と振り子台
68との接触で振り子台68の揺動を規制しているの
で、振り子台68が大きく揺れるのを未然に防ぐことが
できる。
【0043】ここで、通常の運転状態、すなわち振り子
台68が微小に揺れる状態では、振り子台68は第2の
衝撃吸収材72よりも突出寸法の大きい第1の衝撃吸収
材71に接触するのみであり、しかも、この第1の衝撃
吸収材71の先端部である、断面積の小さな頂点部分7
1aに接触するのみであるので、衝撃吸収手段全体のバ
ネ定数kは微小にすぎない。従って、前記(数3)の式
に示されるようなバネ定数kの項による振り子固有振動
数fo の増分も僅かであり、よって振り子固有振動数f
o を静止状態とほぼ同様に低い値に保っておくことが可
能である。
【0044】これに対し、搬送手段に急ブレーキがかけ
られ、あるいは搬送手段が急カーブすることにより、上
記振り子台68が慣性力で大きく前後あるいは左右方向
に変位した場合には、上記第1の衝撃吸収材71が振り
子台68に押されて大きく変形してそのバネ定数が高ま
り、さらに、この第1の衝撃吸収材71よりも突出量の
小さい第2の衝撃吸収材72にまで振り子台68が接触
するため、衝撃吸収手段全体のバネ定数kは非常に大き
くなる。換言すれば、衝撃吸収手段が振り子台68の変
位を阻止する力が非常に大きくなり、これにより、振り
子台68とフレーム62とが直接的に接触するのが確実
に防がれる。
【0045】すなわち、この実施例で示した振り子台6
8の変位と衝撃吸収手段のバネ定数との間には図4のよ
うな関係があり、上記変位が大きくなるほど衝撃吸収手
段のバネ定数が大きくなるので、これにより、通常状態
(微小揺動状態)では振り子の固有振動数の増加を抑
え、非常状態(大揺動状態)では振り子台68とフレー
ム62との直接的な衝突を回避することができる。
【0046】なお、本発明はこのような実施例に限定さ
れるものでなく、例として次のような態様をとることも
可能である。
【0047】(1) 上記実施例ではシリコンゴム等からな
る塊状の衝撃吸収材71,72を示したが、その一部を
コイルバネ等の他の衝撃吸収材で代用するようにしても
よい。この場合も、互いに突出寸法の異なる衝撃吸収材
を用いたり、各衝撃吸収材の断面積をフレーム62側に
向かうほど大きくしたりすることにより、上記と同様の
効果を得ることが可能である。
【0048】(2) 上記実施例では、フレーム62の下枠
62cに衝撃吸収材71,72を固定した例を示した
が、これに代え、振り子台62の外周面に衝撃吸収材を
固定し、振り子台62が変位した時に上記衝撃吸収材が
フレーム62側に接触するような構造にしても、上記と
同様の効果を得ることができる。
【0049】(3) 本発明では、除振装置に載置される搬
送物の種類を問わず、上記クライオスタットの他、振動
に弱い精密機器その他の搬送物であって、搬送手段にお
ける最大の振動加速度が得られる最小の振動数ft より
も大きな固有振動数をもつ種々の搬送物に対して適用す
ることが可能である。また、搬送手段も上記トラック等
に限られず、この搬送手段における上記振動数ft に応
じて振り子長さlを設定するようにすればよい。
【0050】
【発明の効果】以上のように本発明は、振り子部材を備
えた除振装置であって、その振動倍率が1以下となる振
動数(すなわち振り子の固有振動数fo の√2倍の振動
数√2fo )が搬送手段において最大の振動加速度が発
生する最小の振動数ft よりも小さくなるように、上記
振り子部材の振り子長さlを設定したものであるので、
全振動数領域において搬送物を搬送手段の振動から安全
に保護することができ、特に、上記搬送物の固有振動数
に近い領域では、搬送手段から搬送物への振動伝達を効
果的に抑制することができる効果がある。
【0051】さらに、請求項2記載の装置では、振り子
部材と除振装置本体との間に衝撃吸収手段を介在させる
とともに、この衝撃吸収手段を、振り子部材の静止位置
からの変位が大きくなるほどバネ定数が大きくなるよう
に構成しているので、この衝撃吸収手段によって上記振
り子部材の揺動が大きくなるのを未然に防ぐことができ
るとともに、通常状態(微小揺動状態)では振り子の固
有振動数の増加を抑え、かつ、非常状態(大揺動状態)
では振り子部材と除振装置本体との直接的な衝突を防ぐ
ことができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における除振装置の正面図で
ある。
【図2】上記除振装置の平面図である。
【図3】(a)(b)(c)(d)は上記除振装置にお
いて適用可能な衝撃吸収材の例を示す斜視図である。
【図4】上記除振装置における振り子台の変位と衝撃吸
収手段のばね定数との関係を示すグラフである。
【図5】上記除振装置に載置されるクライオスタットの
断面正面図である。
【図6】上記除振装置における振り子を簡略化して示し
たモデル図である。
【図7】上記除振装置の振動数に対する振動倍率の特性
を示すグラフである。
【図8】上記除振装置が載置される搬送手段の振動数に
対する振動加速度の特性を示すグラブである。
【符号の説明】
10 クライオスタット(搬送物) 60 除振装置 62 フレーム(除振装置本体) 66 振り子棒(振り子部材を構成) 68 振り子台(振り子部材を構成) 71 第1の衝撃吸収材 72 第2の衝撃吸収材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 多井 勉 神戸市東灘区住吉台2の12−409号 (72)発明者 西田 和彦 神戸市西区美賀多台1−4−1

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 搬送手段においてその最大振動加速度が
    生じる最小の振動数ft よりも高い固有振動数をもつ搬
    送物を上記搬送手段により搬送する際に用いられる除振
    装置であって、上記搬送手段に載置される除振装置本体
    と、この除振装置本体に水平軸回りに揺動可能に吊り下
    げられ、上記搬送物が載置される振り子部材とを備える
    とともに、この振り子部材の振り子長さlを、次の数1
    に示す式を満足する値に設定したことを特徴とする除振
    装置。 【数1】
  2. 【請求項2】 請求項1記載の除振装置において、上記
    振り子部材と除振装置本体との間に衝撃吸収手段を介在
    させるとともに、この衝撃吸収手段を、振り子部材の静
    止位置からの変位が大きくなるほどバネ定数が大きくな
    るように構成したことを特徴とする除振装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の除振装置において、上記
    衝撃吸収手段は、除振装置本体に向かうに従って断面積
    の大きくなる形状の衝撃吸収材を備えていることを特徴
    とする除振装置。
  4. 【請求項4】 請求項2または3記載の除振装置におい
    て、上記衝撃吸収手段は、上記振り子部材から除振装置
    本体へ向かう方向の寸法が互いに異なる複数の衝撃吸収
    材を備えていることを特徴とする除振装置。
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