JPH05106493A - 触媒の劣化判定装置 - Google Patents

触媒の劣化判定装置

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JPH05106493A
JPH05106493A JP3271203A JP27120391A JPH05106493A JP H05106493 A JPH05106493 A JP H05106493A JP 3271203 A JP3271203 A JP 3271203A JP 27120391 A JP27120391 A JP 27120391A JP H05106493 A JPH05106493 A JP H05106493A
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air
sensor
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佐藤  敏彦
Katsuhiro Kumagai
克裕 熊谷
Hiroshi Maruyama
洋 丸山
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 触媒のO2 ストレージ能力の特性を考慮して
正確な触媒の劣化判定を行う。 【構成】 空燃比制御手段M1が空燃比をリーン側に変
化させた時点から、下流側O2 センサRSの出力がリッ
チからリーンに反転するまでの時間TLを第1の時間計
測手段M2で計測するとともに、空燃比をリッチ側に変
化させた時点から、下流側O2 センサRSの出力がリー
ンからリッチに反転するまでの時間TRを第2の時間計
測手段M2で計測し、触媒劣化判別手段M4は前記時間
TLとTRの平均値が所定時間よりも短くなったときに
触媒の劣化判定を行う。前記時間TL,TRをTL→T
Rの順に連続して計測することにより、触媒がO2 およ
びNOX を吸着する時間とCOおよびHCを吸着する時
間の両方が適切に考慮されるため、触媒のO2 ストレー
ジ能力の精密に検出して正確な触媒の劣化判定を行うこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、排気ガスを浄化すべく
エンジンの排気系に設けられた触媒の劣化判定に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】エンジンの排気ガスを浄化する触媒の劣
化を判定する手段として、触媒の上流および下流にO2
センサを設け、エンジンへの供給空燃比を変化させてか
ら下流側O2 センサの出力が理論空燃比に対してリーン
からリッチへ、あるいは理論空燃比に対してリッチから
リーンへ変化するまでの時間を計測する方法(例えば、
特開平2−30915号公報、特開平2−33408号
公報、特開平2−207159号公報参照)、エンジン
の空燃比を変化させてから上流側O2 センサの出力と下
流側O2 センサの出力が理論空燃比に対してリーンから
リッチへ、あるいは理論空燃比に対してリッチからリー
ンへ変化する時間差を計測する方法(特開平2−310
453号公報参照)が知られている。これらO2 センサ
の出力が理論空燃比に対してリーンからリッチへ、ある
いは理論空燃比に対してリッチからリーンへ変化する時
間に基づいて触媒の劣化を判定する手法の殆どは、判定
結果のバラツキを防止すべく、O2 センサの出力が理論
空燃比に対してリーンからリッチへ変化する時間(ある
いは時間差)および出力が理論空燃比に対してリッチか
らリーンへ変化する時間(あるいは時間差)の和あるい
は平均を取って触媒の劣化を判定している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記いずれ
の技術も、O2 センサの出力に基づいて触媒のO2 スト
レージ能力を間接的に測定することにより、その触媒の
劣化を判定している。したがって、触媒のO2ストレー
ジ能力の特性を良く把握して該O2 ストレージ能力を正
確に測定することが、判定結果のバラツキを防止する上
で重要である。
【0004】本発明は前述の事情に鑑みてなされたもの
で、触媒のO2 ストレージ能力をO 2 センサの出力に応
じて計測する手法において、そのO2 ストレージ能力の
特性を考慮して精度の高い触媒の劣化判定を行うことを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は図1のクレーム対応図に示す構成を備え
る。
【0006】すなわち本発明は、触媒を排気系に配した
エンジンの排気浄化システムにおいて、触媒の上流側の
排気通路に設けられ、エンジンの空燃比を検出する上流
側O 2 センサと、触媒の下流側の排気通路に設けられ、
エンジンの空燃比を検出する下流側O2 センサと、上流
側O2センサおよび下流側O2 センサの少なくとも一方
の出力に応じてエンジンの空燃比を調整する空燃比調整
手段と、空燃比調整手段が空燃比を理論空燃比に対して
リッチ側からリーン側に変化させた時から、下流側O2
センサの出力が理論空燃比に対してリッチからリーンに
反転するまでの時間を計測する第1の時間計測手段と、
空燃比調整手段が空燃比を理論空燃比に対してリーン側
からリッチ側に変化させた時から、下流側O2 センサの
出力が理論空燃比に対してリーンからリッチに反転する
までの時間を計測する第2の時間計測手段と、それら計
測された時間の和もしくは平均が所定時間以下の時に触
媒が劣化したと判別する触媒劣化判別手段と、を備えた
触媒の劣化判定装置において、前記触媒劣化判別手段
が、第1の時間計測手段が計測した時間と、その時間に
引き続いて第2の時間計測手段が計測した時間との和も
しくは平均に基づいて触媒の劣化判別を行うように構成
されたことを第1の特徴とする。
【0007】また本発明は、触媒を排気系に配したエン
ジンの排気浄化システムにおいて、触媒の上流側の排気
通路に設けられ、エンジンの空燃比を検出する上流側O
2 センサと、触媒の下流側の排気通路に設けられ、エン
ジンの空燃比を検出する下流側O2 センサと、上流側O
2 センサおよび下流側O2 センサの少なくとも一方の出
力に応じてエンジンの空燃比を調整する空燃比調整手段
と、空燃比調整手段が空燃比を理論空燃比に対してリッ
チ側からリーン側に変化させた後、上流側O2 センサの
出力が理論空燃比に対してリッチからリーンに反転して
から、下流側O 2 センサの出力が理論空燃比に対してリ
ッチからリーンに反転するまでの時間差を計測する第1
の時間計測手段と、空燃比調整手段が空燃比を理論空燃
比に対してリーン側からリッチ側に変化させた後、上流
側O2 センサの出力が理論空燃比に対してリーンからリ
ッチに反転してから、下流側O2 センサの出力が理論空
燃比に対してリーンからリッチに反転するまでの時間差
を計測する第2の時間計測手段と、それら計測された時
間差の和もしくは平均が所定時間以下の時に触媒が劣化
したと判別する触媒劣化判別手段と、を備えた触媒の劣
化判定装置において、前記触媒劣化判別手段が、第1の
時間計測手段が計測した差時間と、その時間差に引き続
いて第2の時間計測手段が計測した差時間との和もしく
は平均に基づいて触媒の劣化判別を行うように構成され
たことを第2の特徴とする。
【0008】
【実施例】以下、本発明の一実施例を添付図面に基づい
て詳述する。
【0009】図2は本発明の触媒の劣化判定装置が適用
される燃料供給制御装置の全体の構成図であり、エンジ
ンEの吸気管1の途中にはスロットルボディ2が設けら
れ、その内部にはスロットル弁3が配されている。スロ
ットル弁3にはスロットル弁開度(θTH)センサ4が連
結されており、当該スロットル弁3の開度θTHに応じた
電気信号を電子制御ユニットUに供給する。
【0010】燃料噴射弁5はエンジンEとスロットル弁
3との間且つ吸気弁6の少し上流側に各気筒毎に設けら
れており、各燃料噴射弁5は図示しない燃料ポンプに接
続されるとともに、電子制御ユニットUに電気的に接続
されて該電子制御ユニットUからの信号により燃料噴射
の開弁時間が制御される。
【0011】一方、スロットル弁3の直ぐ下流には吸気
管内絶対圧力(Pb)センサ7が設けられており、この
絶対圧力センサ7により検出された絶対圧力Pbは電気
信号に変換されて電子制御ユニットUに供給される。ま
た、その下流には吸気温(Ta)センサ8が取り付けら
れており、この吸気温センサ8により検出された吸気温
Taは電気信号に変換されて電子制御ユニットUに供給
される。
【0012】エンジンEの本体に装着された冷却水温
(Tw)センサ9はサーミスタ等から成り、冷却水温T
wを検出して対応する電気信号を電子制御ユニットUに
供給する。エンジン回転数(Ne)センサ10はエンジ
ンEの図示しないカム軸周囲又はクランク軸周囲に取り
付けられており、該クランク軸の所定のクランク角度位
置でパルス(以下「TDC信号パルス」という)を出力
し、電子制御ユニットUに供給する。電子制御ユニット
Uには車速を検出する車速(Vh)センサ11が接続さ
れており、車速Vhを示す電気信号が供給される。
【0013】排気管12における触媒Cの上流位置に
は、排気成分濃度検出器としての上流側O2 センサFS
が装着されるとともに、触媒Cの下流位置には下流側O
2 センサRSが装着され、それぞれ排気ガス中の酸素濃
度を検出してその検出値に応じた電気信号(FVO2,R
O2)が電子制御ユニットUに供給される。また触媒C
にはその温度を検出する触媒温度(TCAT )センサ13
が装着され、検出された触媒温度TCAT に対応する電気
信号は電子制御ユニットUに供給される。
【0014】電子制御ユニットUは各種センサからの入
力信号波形を成形し、電圧レベルを所定レベルに修正
し、アナログ信号値をデジタル信号値に変換する等の機
能を有する入力回路14、中央演算処理回路(以下「C
PU」という)15、CPU15での演算に使用される
各種演算プログラムや各種基準値が記憶されるROM1
6、検出された前記各種エンジンパラメータ信号や演算
結果が一時的に記憶されるRAM17、および前記燃料
噴射弁5に駆動信号を供給する出力回路18等から構成
される。
【0015】CPU15は上述の各種エンジンパラメー
タ信号に基づいて、後述するようにフィードバック制御
領域やフィードバック制御を行わない複数の特定運転領
域(以下「オープンループ制御領域」という)の種々の
エンジン運転状態を判別するとともに、該判別されたエ
ンジン運転状態に応じ、次式(1)に基づき、前記TD
C信号パルスに同期する燃料噴射弁5の燃料噴射時間T
OUTを演算する。
【0016】 TOUT =Ti×KO2×KLS×K1 +K2 ………(1) ここに、Tiは燃料噴射弁5の基本燃料噴射時間であ
り、エンジン回転数Ne及び吸気管内絶対圧Pbに応じ
て決定される。
【0017】KO2はO2 フィードバック補正係数(以
下、単に「補正係数」という)であり、フィードバック
制御時、排気ガス中の酸素濃度に応じて求められ、更に
オープンループ制御領域では各運転領域に応じて設定さ
れる。
【0018】KLSはエンジンEがオープンループ制御領
域のうち、リーン化領域又はフューエルカット領域、す
なわち所定の減速運転領域にあるときに値1.0未満の
所定値(例えば0.95)に設定されるリーン化係数で
ある。
【0019】K1 及びK2 は夫々各種エンジンパラメー
タ信号に応じて演算される補正係数および補正変数であ
り、エンジン運転状態に応じた燃費特性、エンジン加速
特性等の諸特性の最適化が図られるような所定値に決定
される。
【0020】CPU15は上述のようにして求めた燃料
噴射時間TOUT に基づいて燃料噴射弁5を開弁させる駆
動信号を出力回路18を介して燃料噴射弁5に供給す
る。
【0021】図3および図4はエンジンEがフィードバ
ック制御領域および複数のオープンループ制御領域のい
ずれの運転状態にあるかを判別するとともに、判別され
た運転状態に応じて補正係数KO2を設定するプログラム
のフローチャートを示す。本プログラムは、TDC信号
パルスの発生時に、これと同期して実行される。
【0022】まず、ステップ101においてフラグnO2
が値1に等しいか否かを判別する。該フラグnO2は上流
側O2 センサFSおよび下流側O2 センサRSが活性化
状態にあるかを判別するためのもので、前記ステップ1
01の答が(Yes)である場合、すなわち両O2 センサF
S,RSが活性化状態にあると判別されたときには、ス
テップ102で冷却水温Twが所定水温TWO2 より高い
か否かを判別する。この答が(Yes)、すなわちTw>T
WO2 が成立し、エンジンEが暖機を完了しているときに
は、ステップ103でフラグFLGWOT が値1に等しい
か否かを判別する。このフラグFLGWOT は、図示しな
いプログラムにより、エンジンEが供給燃料量を増量す
べき高負荷領域にあると判別されたときに値1にセット
されるものである。
【0023】前記ステップ103の答が(No) 、すなわ
ちエンジンEが前記高負荷領域にないときには、ステッ
プ104でエンジン回転数Neが高回転側の所定回転数
HO P より大きいか否かを判別し、この答が(No) のと
きには更に、ステップ105でエンジン回転数Neが低
回転側の所定回転数NLOP より大きいか否かを判別す
る。この答が(Yes)、すなわちNLOP <Ne≦NHOP
成立するときには、ステップ106でリーン化係数KLS
が値1.0未満であるか否か、すなわちエンジンEが所
定の減速運転領域にあるか否かを判別する。このステッ
プ106の答が(No) のときには、ステップ107でエ
ンジンEがフューエルカットの実行中であるか否かを判
別する。この答が(No) のときには、エンジンEがフィ
ードバック制御領域にあると判別し、更にステップ10
8でエンジン運転状態が触媒Cのモニタを許可する状態
にあるか否かを判別する。この答が(Yes)、すなわちモ
ニタが許可されれば、ステップ109で後述の第2の空
燃比調整手段によって下流側O2 センサRSの出力電圧
RVO2に基づいて前記補正係数KO2を制御するととも
に、触媒Cの劣化をモニタし、本プログラムを終了す
る。
【0024】一方、前記ステップ108の答が(No) 、
すなわち触媒Cのモニタが許可されないときには、ステ
ップ110で前回モニタ中であるか否かを判別する。そ
の答が(No) 、すなわち継続してモニタが行われていな
いときには、ステップ111で後述の第1の空燃比調整
手段によって上流側O2 センサFSと下流側O2 センサ
RSの出力FVO2,RVO2に基づいて前記補正係数KO2
を制御するとともに、補正係数KO2の平均値KREF を算
出して本プログラムを終了する。
【0025】前記ステップ105の答が(No) 、すなわ
ちNe≦NLOP が成立しエンジンEが低回転領域にある
とき、前記ステップ106の答が(Yes)、すなわちエン
ジンEが所定の減速運転領域にあるとき、または前記ス
テップ107の答が(Yes)、すなわちエンジンEがフュ
ーエルカットの実行中であるときにはステップ112に
進む。このステップ112では、当該ループを所定時間
D 継続したか否かを判別し、この答が(No) のときに
は、ステップ113で補正係数KO2を当該ループへ移行
する直前の値にホールドする一方、答が(Yes)のときに
は、ステップ114で補正係数KO2を値1.0に設定し
てオープンループ制御を行い、本プログラムを終了す
る。すなわち、前記ステップ105〜107のいずれか
の条件によってエンジンEがフィードバック制御領域か
らオープンループ制御領域へ移行した場合、補正係数K
O2は、該移行後所定時間tD が経過するまでは該移行直
前のフィードバック制御時に算出された値にホールドさ
れる一方、所定時間tD が経過した後は値1.0に設定
される。
【0026】前記ステップ102の答が(No) 、すなわ
ちエンジンEが暖機を完了していないとき、前記ステッ
プ103の答が(Yes)、すなわちエンジンEが高負荷領
域にあるとき、または前記ステップ104の答が(Ye
s)、すなわちエンジンEが高回転領域にあるときには、
前記ステップ114に進み、オープンループ制御を実行
して本プログラムを終了する。
【0027】前記ステップ101の答が(No) 、すなわ
ち両O2 センサFS,RSが不活性状態にあると判別さ
れたとき、および前記ステップ110の答が(Yes)、す
なわち今回初めてモニタが不許可になったときには、ス
テップ115に進み、エンジンEがアイドル領域にある
か否かを判別する。この判別は、例えばエンジン回転数
Neが所定回転数以下で且つスロットル弁開度θTHが所
定開度以下であるか否かを判別することにより行われ
る。このステップ115の答が(Yes)、すなわちエンジ
ンEがアイドル領域にあるときには、ステップ116で
補正係数KO2をアイドル領域用の平均値KREF0に設定
し、オープンループ制御を実行して本プログラムを終了
する。
【0028】前記ステップ115の答が(No) 、すなわ
ちエンジンEがアイドル領域以外の運転領域(以下「オ
フアイドル領域」という)にあるときには、ステップ1
17に進み、補正係数KO2をオフアイドル領域用の平均
値KREF1に設定する。
【0029】図5および図6は、フィードバック制御時
に図3のステップ111において実行される補正係数K
O2の算出サブルーチンのフローチャートを示す。
【0030】まず、ステップ201で前回の制御がオー
プンループ制御であったか否かを判別し、この答が(Ye
s)のときには、ステップ202で前回の制御で補正係数
O2の値を、図3のステップ113の実行によりホール
ドしたか否かを判別する。この答が(Yes)のときには、
ステップ203で補正係数KO2の値を引き続きホールド
し、後述するステップ223以下の積分制御(I項制
御)を行う。前記ステップ202の答が(No) 、すなわ
ち前回の制御で補正係数KO2の値をホールドしなかった
ときには、ステップ204でエンジンEがアイドル領域
にあるか否かを判別する。この答が(Yes)、すなわちエ
ンジンEがアイドル領域にあるときには、ステップ20
5で補正係数KO2の値をアイドル領域用の平均値KREFO
に設定し、前記ステップ223以下の積分制御を行う。
【0031】前記ステップ204の答が(No) 、すなわ
ちエンジンEがオフアイドル領域にあるときには、ステ
ップ206で前回の制御においてスロットル弁開度θTH
がアイドルスロットル弁開度θIDL より大きかったか否
かを判別する。この答が(Yes)のときには、ステップ2
07で補正係数KO2を、オフアイドル領域用の平均値K
REF1に設定し、前記ステップ223以下の積分制御を行
う。
【0032】前記ステップ206の答が(No) 、すなわ
ち前回の制御においてθTH≦θIDL が成立していたとき
には、更にステップ208で今回のスロットル弁開度θ
THが前記アイドルスロットル弁開度θIDL より大きいか
否かを判別する。この答が(Yes)、すなわち前回θTH
θIDL で今回θTH>θIDL となったときには、ステップ
209で補正係数KO2を、前記オフアイドル領域用の平
均値KREF1とリッチ化所定値CR との積CR ×KREF1
設定し、前記ステップ223以下の積分制御を行う。こ
こに、リッチ化所定値CR は1.0より大きい値に設定
されるものである。
【0033】前記ステップ208の答が(No) 、すなわ
ちθTH≦θIDL が成立するときには、ステップ210で
エンジン冷却水温Twが所定温度TWCL (例えば70°
C)より大きいか否かを判別する。その答が(Yes)、す
なわちTw>TWCL が成立し、したがってエンジン冷却
水温Twが低温域にないときには、前記ステップ205
に進む。
【0034】前記ステップ210の答が(No) 、すなわ
ちTw≦TWCL が成立し、したがってエンジン冷却水温
が低温域にあるときには、ステップ211で補正係数K
O2を、前記アイドル領域用の平均値KREF0とリーン化所
定値CL との積CL ×KREF0に設定し、前記ステップ2
23以下の積分制御を行う。ここに、リーン化所定値C
L は1.0より小さい値に設定されるものである。
【0035】前記ステップ201の答が(No) 、すなわ
ち前回の制御がフィードバック制御であったときには、
ステップ212で前回の制御においてスロットル弁開度
θTHが前記アイドルスロットル弁開度θIDL より大きか
ったか否かを判別する。この答が(No) のときには、ス
テップ213で更に今回のスロットル弁開度θTHが前記
アイドルスロットル弁開度θIDL より大きいか否かを判
別する。その答が(Yes)のときには、前記ステップ20
8の答が(Yes)のときと同様に前記ステップ209に進
み、補正係数KO2を前記オフアイドル領域用の平均値K
REF1とリッチ化所定値CR との積CR ×KREF1に設定す
る。
【0036】前記ステップ212の答が(Yes)、すなわ
ち前回の制御においてθTH>θIDL が成立したとき、ま
たは前記ステップ213の答が(No) 、すなわち今回θ
TH≦θIDL が成立するときには、ステップ214で上流
側O2 センサFSの出力レベルが反転したか否かを判別
する。その答が(No) のときには、ステップ215で後
述の補正項ΔKR ,ΔKL を求め、前記ステップ223
以下の積分制御を行う。
【0037】さて、前記ステップ214の答が(Yes)、
すなわち上流側O2 センサFSの出力レベルが反転した
ときには比例制御(P項制御)を行う。まずステップ2
16で上流側O2 センサFSの出力電圧FVO2が前述し
た基準電圧値VREF より低いか否かを判別し、この答が
(Yes)、すなわちFVO2<VREF が成立するときには、
ステップ217で図19に示す下流側O2 センサRSの
出力電圧RVO2に基づいて補正項PR を検索し、ステッ
プ218で前記補正項PR を補正係数KO2に加算する比
例制御が行われる。一方前記ステップ216の答が(N
o) のときには、同じくステップ219で図19に示す
下流側O2 センサRSの出力電圧RVO2に基づいて補正
項PL を検索し、ステップ220で前記補正項PL を補
正係数KO2から減算する比例制御が行われる。
【0038】前記補正項PR は上流側O2 センサFSの
出力FVO2が理論空燃比に対してリッチからリーンに反
転したときに、前記補正係数KO2をステップ状に増加さ
せて空燃比をリッチ側に移行させるためのもので、その
際に下流側O2 センサRSの出力電圧RVO2が参照さ
れ、その出力電圧RVO2がリッチ側に偏倚している程前
記補正項PR が小さくなり、逆に出力電圧RVO2がリー
ン側に偏倚している程前記補正項PR が大きくなるよう
に設定される。また前記補正項PL は上流側O2 センサ
FSの出力FVO2が理論空燃比に対してリーンからリッ
チに反転したときに、前記補正係数KO2をステップ状に
減少させて空燃比をリーン側に移行させるためのもの
で、その際に下流側O2 センサRSの出力電圧RVO2
参照され、その出力電圧RVO2がリッチ側に偏倚してい
る程前記補正項PL が大きくなり、逆に出力電圧RVO2
がリーン側に偏倚している程前記補正項PL が小さくな
るように設定される。このように、上流側O2 センサF
Sの出力FVO2と下流側O2 センサRSの出力電圧RF
O2の両方に基づいて、補正係数KO2のきめ細かな比例制
御が行われる(図17および図18の通常F/Bモード
参照)。
【0039】次に、ステップ221で前記ステップ21
8または220で設定した補正係数KO2のリミットチェ
ックを行う。すなわち、補正係数KO2が所定の範囲内に
あるか否かをチェックし、該所定の範囲内になければ上
限値又は下限値に補正係数K O2を保持する。そして最後
に、ステップ222で補正係数KO2の平均値KREF を算
出して本プログラムを終了する。
【0040】次に、ステップ223以下の積分制御につ
いて説明する。まずステップ223で上流側O2 センサ
FSの出力電圧FVO2が前記基準電圧値VREF より小さ
いか否かを判別し、この答が(Yes)、すなわちFVO2
REF が成立するときには、ステップ224において本
ステップを実行する毎にカウント数NILに値2を加算
し、ステップ225で前記カウント数NILが所定値NI
に達したか否かを判別する。この答が(No) のときに
は、ステップ226で補正係数KO2をその直前の値に保
持し、また答が(Yes)のときには、ステップ227で補
正係数KO2に前記補正項ΔKR を加算するとともに、ス
テップ228で前記カウント数NILを0にリセットし
て、NILがNI に達する毎に補正係数KO2に所定値ΔK
R を加算する。
【0041】このように、上流側O2 センサFSの出力
電圧FVO2が前記基準電圧値VREF より小さい状態、す
なわち空燃比のリーン状態が継続するときには、補正係
数K O2は前記カウント数NILが所定値NI に達する毎に
所定値ΔKR だけ増加され、空燃比をリッチ化する方向
に制御される。
【0042】一方、前記ステップ223の答が(No) 、
すなわちFVO2≧VREF が成立するときには、ステップ
229において本ステップを実行する毎にカウント数N
IHに値2を加算し、ステップ230で前記カウント数N
IHが所定値NI に達したか否かを判別する。この答が
(No) のときには前記ステップ226を実行して補正係
数KO2をその直前の値に保持し、(Yes)のときには、ス
テップ231で補正係数KO2から前記補正項ΔKL を減
算するとともに、ステップ232で前記カウント数NIH
を0にリッセトし、このカウント数NIHが所定値NI
達する毎に補正係数KO2から所定値ΔKL を減算する。
【0043】このように、上流側O2 センサFSの出力
電圧FVO2が前記基準電圧値VREF 以上の状態、すなわ
ち空燃比のリッチ状態が継続するときには、補正係数K
O2は前記カウント数NIHが所定値NI に達する毎に所定
値ΔKL だけ減少され、空燃比をリーン化する方向に制
御される。
【0044】前記補正項ΔKL ,ΔKR は、図20に示
すように下流側O2 センサRSの出力電圧RVO2を考慮
して決定される。すなわち、前記補正項ΔKR は上流側
2 センサFSの出力FVO2が理論空燃比に対してリッ
チからリーンに反転した後に、前記補正係数KO2を段階
的に増加させて空燃比をリッチ側に移行させるためのも
のであるが、その際に下流側O2 センサRSの出力電圧
RVO2が参照され、その出力電圧RVO2がリッチ側に偏
倚している程前記補正項ΔKR が小さくなり、逆に出力
電圧RVO2がリーン側に偏倚している程前記補正項ΔK
R が大きくなるように設定される。また前記補正項ΔK
L は上流側O2 センサFSの出力FVO2が理論空燃比に
対してリーンからリッチに反転した後に、前記補正係数
O2を段階的に減少させて空燃比をリーン側に移行させ
るためのものであるが、その際に下流側O2 センサRS
の出力電圧RVO2が参照され、その出力電圧RVO2がリ
ッチ側に偏倚している程前記補正項ΔKL が大きくな
り、逆に出力電圧RVO2がリーン側に偏倚している程前
記補正項ΔKL が小さくなるように設定される。このよ
うに、上流側O2 センサFSの出力FVO2と下流側O2
センサRSの出力電圧RFO2の両方を参照することによ
り、補正係数KO2のきめ細かな積分制御が行われる(図
17および図18の通常F/Bモード参照)。
【0045】次に、触媒の劣化モニタについて説明す
る。
【0046】前述のように、図3のフローチャートにお
いて、ステップ108で触媒Cのモニタ許可がなされな
いときには、上流側O2 センサFSの出力電圧FVO2
下流側O2 センサRSの出力電圧RVO2とに基づき、第
1の空燃比調整手段によってフィードバック制御が行わ
れる(図5、図6のフローチャート参照)。一方、前記
ステップ108で触媒Cのモニタが許可されると、ステ
ップ109で触媒Cのモニタモードが実行される。以
下、その内容を図7〜図16のフローチャートを参照し
て詳述する。
【0047】触媒Cの劣化モニタは第2の空燃比調整手
段によって行われるもので、その際に前記第1の空燃比
調整手段によるフィードバック制御が上流側O2 センサ
FSの出力電圧FVO2と下流側O2 センサRSの出力電
圧RVO2の両方に基づいて行われていたのに対し、この
第2の空燃比調整手段によるフィードバック制御は下流
側O2 センサRSの出力電圧RVO2のみに基づいて行わ
れる。そして補正係数KO2を理論空燃比に対してリッチ
側からリーン側にスキップさせるためのスペシャルP項
LSP が発生してから、O2 濃度のリッチ→リーンの反
転が確認されるまでの時間TLが検出されるとともに、
補正係数KO2を理論空燃比に対してリーン側からリッチ
側にスキップさせるためのスペシャルP項PRSP が発生
してから、O2 濃度のリーン→リッチの反転が確認され
るまでの時間TRが検出され、これら時間TL,TRに
基づいて触媒Cの劣化が判定される。
【0048】まず、図7のフローチャートに基づいて触
媒劣化モニタの概略構成を説明し、その後から各ステッ
プのサブルーチンを詳述する。
【0049】図7において、最初にステップ301で触
媒の劣化検出のために前提条件が成立しているか否かが
判別され、その答が(No) の場合には、ステップ302
において、nTL(TL計測回数、すなわち前記時間TL
が計測された合計回数)、n TR(TR計測回数、すなわ
ち前記時間TRが計測された合計回数)、TLSUM (T
L合計値、すなわち複数回計測されたTLの合計時
間)、TRSUM (TR合計値、すなわち複数回計測され
たTRの合計時間)がゼロにセットされる。続いてステ
ップ303で前述の第1の空燃比調整手段によって前述
の通常のフィードバック制御が行われる。なお、触媒C
の劣化モニタ実行中に前提条件を外れた場合には、フィ
ードバック制御の初期値としてKREF が用いられる。
【0050】前記ステップ301の答が(Yes)のとき、
すなわち触媒Cの劣化モニタの前提条件が成立している
ときには、ステップ304で前記TR計測回数nTRが所
定値以上であるかが判別される。ステップ304の答が
(Yes)の場合には、触媒Cの劣化判定のためのデータが
準備されたとして、ステップ305で劣化判定処理Bが
実行され、ステップ306でモニタを終了して通常のフ
ィードバック制御に復帰する。この場合にも、フィード
バック制御の初期値としてKREF が用いられる。
【0051】前記ステップ304の答が(No) の場合に
は、触媒Cの劣化判定のためのデータが準備されていな
いとして、以下のステップ307〜315が実行され
る。すなわち、先ずステップ307でモニタが許可され
てから最初のスペシャルP項P LSP ,PRSP が発生した
かが判別される。モニタが未だスタートしていない場合
には答が(No) となり、ステップ308でモニタスター
ト処理が実行される。一方、前記ステップ307の答が
(Yes)であって既に最初のスペシャルP項PLSP,P
RSP が発生していれば、ステップ309で下流側O2
ンサRSの出力電圧RVO2が反転したかが判別される。
ステップ309の答が(Yes)であれば、ステップ310
でRVO2反転時の処理、すなわちTL計測回数nTLある
いはTR計測回数nTRのインクリメント、リーンディレ
イタイマtLD(RVO2が反転してからスペシャルP項P
LSP を発生させるまでの時間を計測)あるいはリッチデ
ィレイタイマtRD(RVO2が反転してからスペシャルP
項PRSP を発生させるまでの時間を計測)のスタート、
およびスペシャルP項PLSP ,PRSP の発生が実行され
る。
【0052】一方、前記ステップ309の答が(No) の
場合には、ステップ314で劣化判定処理Aが開始さ
れ、続くステップ315の答が(Yes)で正常が確認され
ると、ステップ306に移行してモニタを終了する。一
方、前記ステップ315の答が(No) で正常が確認でき
なければ、ステップ311に移行する。ステップ311
では、モニタが許可されてから一度でも下流側O2 セン
サRSの出力電圧RVO2が反転したか否かが判別され
る。前記ステップ311の答が(No) の場合、すなわち
モニタが許可されてから最初の反転が行われる前であれ
ば、ステップ312でスタート後の反転待ち処理が実行
される一方、ステップ311の答が(Yes)の場合、すな
わちスタート後に1回以上の反転を経た後であれば、ス
テップ313でRVO2反転待ち処理が実行される。これ
らステップ312,313では、いずれも補正係数KO2
に対してスペシャルI項ILSP の加算あるいはスペシャ
ルI項IRSP の減数が行われる。しかしながら、ステッ
プ313で前記時間TL,TRの計測が行われるのに対
し、ステップ312ではその計測が行われない。これ
は、スタート後の反転待ちの継続時間が、モニタが許可
されるタイミングにより左右されるため、前記時間T
L,TRを計測しても無意味であるためである。
【0053】次に、前述の図7のフローチャートにおけ
るステップ301,308,312,313,310,
314,305のサブルーチンを順次詳述する。
【0054】図8は前記図7のフローチャートのステッ
プ301のサブルーチン(モニタ前条件)を示すもの
で、先ずステップ401でモニタ開始のためのエンジン
Eの運転状態が確認される。すなわち、吸気温センサ8
の出力Taが60°C〜100°Cの範囲にあるか、冷
却水温センサ9の出力Twが60°C〜100°Cの範
囲にあるか、エンジン回転数センサ10の出力Neが2
800rpm〜3200rpmの範囲にあるか、吸気管
内絶対圧力センサ7の出力Pbが−350mmHg〜−
250mmHgの範囲にあるか、車速センサ11の出力
Vhが32km/h〜80km/hの範囲にあるか、触
媒温度センサ13の出力TCAT が400°C〜800°
Cの範囲にあるかがチェックされる。続いてステップ4
02で車速が一定状態にあるか、すなわち車速センサ1
1の出力Vhの変動が0.8km/sec以下の状態が
所定時間(例えば2秒)継続したかが判別される。次に
ステップ403でモニタが許可される前の所定時間(例
えば10秒)間フィードバック制御が行われていたかが
判別される。更にステップ404で所定時間(例えば2
秒)経過したかが判別される。
【0055】而して、上記ステップ401〜404の答
が全て(Yes)の場合に、ステップ405でモニタが許可
されて図7のフローチャートのステップ304に移行
し、いずれかの答が(No) の場合に、ステップ406で
モニタが不許可とされて図7のフローチャートのステッ
プ302に移行する。
【0056】図9は前記図7のフローチャートのステッ
プ308のサブルーチン(モニタスタート処理)を示す
もので、先ずステップ501で下流側O2 センサRSの
出力電圧RVO2が基準電圧VREF と比較され、その答が
(Yes)であって出力電圧RV O2が基準電圧VREF を下回
っている場合、すなわち下流側O2 センサRSの検出し
たO2 濃度がリーン状態である場合には、ステップ50
2で補正係数KO2の直前値にスペシャルP項PRSP を加
算する比例制御が行われ、これにより空燃比をリッチ側
にステップ状に増加させる。一方、前記ステップ501
の答が(No) であって出力電圧RVO2が基準電圧VREF
以上である場合、すなわち下流側O2 センサRSの検出
したO2 濃度がリッチ状態である場合には、ステップ5
03で補正係数KO2の直前値からスペシャルP項PLSP
を減算する比例制御が行われ、これにより空燃比をリー
ン側にステップ状に減少させる。
【0057】図10は前記図7のフローチャートのステ
ップ312のサブルーチン(スタート後の反転待ち処
理)を示すもので、このフローは前述の図9のフロー
(モニタスタート処理)の後に引き続いて実行されるも
のである。先ずステップ601で下流側O2 センサRS
の出力電圧RVO2が基準電圧VREF と比較され、その答
が(Yes)であって出力電圧RVO2が基準電圧VREF を下
回っているとき、すなわち下流側O2 センサRSの検出
したO2 濃度がリーン状態であるときには、ステップ6
02で補正係数KO2の直前値にスペシャルI項IRSP
加算する積分制御が行われ、これにより空燃比をリッチ
側に段階的に増加させる。一方、前記ステップ601の
答が(No) であって出力電圧RVO2が基準電圧VREF
上であるとき、すなわち下流側O2 センサRSの検出し
たO2 濃度がリッチ状態であるときには、ステップ60
3で補正係数KO2の直前値からスペシャルI項ILSP
減算する積分制御が行われ、これにより空燃比をリーン
側に段階的に減少させる。
【0058】図11および図12は前記図7のフローチ
ャートのステップ313のサブルーチン(下流側O2
ンサ反転待ち処理)を示すもので、このフローは下流側
2 センサRSの出力電圧RVO2の反転を前程として実
行されるものである。まずステップ701でリッチディ
レイタイマtRDがカウントダウン中であるかタイムアッ
プ後であるかが判別される。リッチディレイタイマtRD
は減算カウンタから構成され、下流側O2 センサRSの
出力電圧RVO2が理論空燃比に対してリーンからリッチ
に反転した瞬間にカウントダウンを開始し、所定の時間
が経過するとタイムアップしてカウント値がゼロとなる
ものである。前記ステップ701の答が(No) でリッチ
ディレイタイマtRDのカウント値がゼロでないとき、す
なわち該リッチディレイタイマtRDがカウントダウン中
であるときには、ステップ702で前述補正係数KO2
直前値にスペシャルI項IRSP を加算する積分制御が行
われ、これにより空燃比をリッチ側に段階的に増加させ
る。
【0059】一方、前記ステップ701の答が(Yes)で
ある場合には、ステップ703で前回リッチディレイタ
イマtRDがカウント値がゼロでないかが判別され、答が
(Yes)であるとき、すなわち今回初めてリッチディレイ
タイマtRDのカウント値がゼロになったときには、ステ
ップ704でTLの計測を開始するとともに、ステップ
705で補正係数KO2からスペシャルP項PLSP を減算
する比例制御を行って空燃比をリーン側にステップ状に
減少させる。また前記ステップ703の答が(No) であ
る場合、すなわちリッチディレイタイマtRDのカウント
値が継続的にゼロである場合には、更にステップ706
でTLの計測中であるかが判別され、答が(Yes)である
場合には、ステップ707で補正係数KO2からスペシャ
ルI項I LSP を減算する積分制御を行って空燃比をリー
ン側に段階的に減少させる。
【0060】続いて、ステップ708で上流側O2 セン
サFSの出力信号FVO2が反転したか否かが判別され、
その答が(Yes)であればステップ709で後述の時間差
DLの計測中であるか否かが判別される。その答が(N
o) であれば、ステップ710で時間差DLの計測が開
始される。
【0061】続くステップ711では、リーンディレイ
タイマtLDがカウント値がゼロであるかが判別され、そ
の答が(No) である場合、すなわち該リーンディレイタ
イマtLDがカウントダウン中である場合には、ステップ
712で補正係数KO2の直前値からスペシャルI項I
LSP を減算する積分制御が行われ、これにより空燃比を
リーン側に段階的に減少させる。
【0062】一方、前記ステップ711の答が(Yes)で
ある場合には、ステップ713で前回リーンディレイタ
イマtLDのカウント値がゼロでないかが判別され、答が
(Yes)である場合、すなわち今回初めてリーンディレイ
タイマtLDのカウント値がゼロになったときには,ステ
ップ714でTRの計測を開始するとともに、ステップ
715で補正係数KO2にスペシャルP項PRSP を加算す
る比例制御を行って空燃比をリッチ側にステップ状に増
加させる。また前記ステップ713の答が(No) である
とき、すなわちリーンディレイタイマtLDのカウント値
が継続的にゼロであるときには、更にステップ716で
TRの計測中であるかが判別され、答が(Yes)である場
合には、ステップ717で補正係数KO2にスペシャルI
項IRSP を加算する積分制御を行って空燃比をリッチ側
に段階的に増加させる。
【0063】続いて、ステップ718で上流側O2 セン
サFSの出力信号FVO2が反転したか否かが判別され、
その答が(Yes)であればステップ719で後述の時間差
DRの計測中であるか否かが判別される。その答が(N
o) であれば、ステップ720で時間差DRの計測が開
始される。
【0064】図13および図14は前記図7のフローチ
ャートのステップ310のサブルーチン(下流側O2
ンサ反転時処理)を示すもので、このフローは下流側O
2 センサRSの反転後に実行されるものである。まず、
ステップ801で前回TLの計測中であったか否かが判
別され、その答が(Yes)であるときには、ステップ80
2でTLの計測を中止し、ステップ803でTL合計値
TLSUM に今回計測したTLを加算するとともに、TL
計測数nTlをインクリメントする。
【0065】続いて、ステップ804で前記図11のス
テップ710において計測を開始した時間差DLの計測
を終了し、ステップ805でDL合計値DLSUM に今回
計測したDLを加算するとともに、DL計測数nDlをイ
ンクリメントする。
【0066】一方、前記ステップ801の答が(No) で
あるとき、すなわち前回TLの計測中でなかったときに
は、ステップ806で前回TRの計測中であったか否か
が判別され、その答が(Yes)であるときには、ステップ
807でTRの計測を中止し、ステップ808でTR合
計値TRSUM に今回計測したTRを加算するとともに、
TR計測数nTRをインクリメントする。
【0067】続いて、ステップ809で前記図12のス
テップ720において計測を開始した時間差DRの計測
を終了し、ステップ810でDR合計値DRSUM に今回
計測したDRを加算するとともに、DL計測数nDRをイ
ンクリメントする。
【0068】そして、ステップ811でnTRが1であっ
て且つステップ812でnTlが0である場合には、ステ
ップ813でTRSUM をゼロにセットする。これは、T
L→TRの順で計測を行うために、若しもTRが最初に
計測された場合にそのTRをキャンセルするためであ
る。
【0069】続いて、ステップ814で下流側O2 セン
サRSの出力電圧RVO2が基準電圧VREF と比較され、
その答が(Yes)であって出力電圧RVO2が基準電圧V
REF を下回っているとき、ステップ815でリーンディ
レイタイマtLDのカウントダウンを開始するとともに、
ステップ816で補正係数KO2の直前値からスペシャル
I項ILSP を減算する積分制御が行われ、これにより空
燃比をリーン側に段階的に減少させる。
【0070】一方、前記ステップ814の答が(No) で
あって出力電圧RVO2が基準電圧V REF 以上であると
き、ステップ817でリッチディレイタイマtRDのカウ
ントダウンを開始するとともに、ステップ818で補正
係数KO2の直前値にスペシャルI項IRSP を加算する積
分制御が行われ、これにより空燃比をリッチ側に段階的
に増加させる。
【0071】図15は図7のステップ314のサブルー
チン(劣化判定処理A)を示すもので、まずステップ1
001でスペシャルP項が発生してから次の反転が無い
まま限界時間tSTRGが経過したか否かが判別される。こ
こで前記限界時間tSTRGと比較される時間Tとして、前
述のTLとTRの平均値(TL+TR)/2が用いられ
る。そして、この平均値(TL+TR)/2が限界時間
STRGよりも長い場合には、触媒CのO2 ストレージ能
力が大であるとされ、前述の劣化判定処理Bを実行する
ことなくステップ1002で触媒Cが良品であると判定
される。尚、限界時間tSTRGの計測については、図17
および図18の表の右欄に記載されている。
【0072】上記劣化判定処理Aで触媒Cが良品である
と判定できる理由は以下の通りである。すなわち、触媒
Cの劣化の程度が小さくてO2 ストレージ能力が高い
程、第2の空燃比調整手段でフィードバック制御を行っ
たときに下流側O2 センサRSの反転周期が延びる。し
たがって、下流側O2 センサRSが反転するまでの時間
TL,TRの平均値が限界時間tSTRGよりも大きけれ
ば、触媒Cが良品であると判定することができる。ま
た、触媒Cが良品であって前記反転周期が長くなると、
ドライバビリティの悪化や排気ガス中の有害物質の増加
が起きることが知られている。したがって、触媒Cが良
品である場合にはモニタモードを即座に中止し、第2の
空燃比調整手段から第1の空燃比調整手段に切り換える
ことにより、前記不都合を回避することができる。
【0073】これを図21のグラフに基づいて説明する
と、ドライバビリティの悪化や排気ガス中の有害物質の
増加を防止し得る限界時間tSTRGを設定し、前記TLと
TRの平均値(TL+TR)/2が限界時間tSTRGを越
えた場合に触媒Cが良品であると判断し、モニタモード
が中止される。このグラフから、前記限界時間tSTRG
用いて触媒Cの良品を的確に識別できることが理解され
る。
【0074】図16は前記図7のフローチャートのステ
ップ305のサブルーチン(劣化判定処理B)を示すも
ので、このフローはTR計測数nTRが所定回数を越えた
ときに実行されるものである。まず、ステップ901で
TL合計値をTL計測数で割った値(TLSUM /nTl
と、TR合計値をTR計測数で割った値(TRSUM /n
TR)の平均値を演算して時間TCHK を求める。
【0075】続いて、ステップS902で前記時間T
CHK が所定値よりも大きいか否かを判別し、その答が
(Yes)であるときには、触媒CのO2 ストレージ能力が
基準を上回っているとし、ステップ903で排気ガス浄
化システムが一応正常であると判定する。一方、前記ス
テップS902の答が(No) であるときには、触媒Cの
2 ストレージ能力が基準を下回っているとし、ステッ
プ904で排気ガス浄化システムが異常であると判定す
る。
【0076】また、ステップ905でDL合計値をDL
計測数で割った値(DLSUM /nDL)と、DR合計値を
DR計測数で割った値(DRSUM /nDR)の平均値を演
算して時間DCHKを求める。
【0077】続いて、ステップS906で前記時間D
CHK が所定値よりも大きいか否かを判別し、その答が
(Yes)であるときには、触媒CのO2 ストレージ能力が
基準を上回っているとし、ステップ907で排気ガス浄
化システムが正常であると判定する。一方、前記ステッ
プS906の答が(No) であるときには、触媒CのO2
ストレージ能力が基準を下回っているとし、ステップ9
08で排気ガス浄化システムが異常であると判定する。
【0078】上記触媒Cの劣化モニタの作用を、図17
および図18のタイムチャートを参照しながら更に説明
する。
【0079】図17の時刻(1)において、エンジンE
の運転状態が所定の条件を満たすと、第1の空燃比調整
手段が第2の空燃比調整手段に切り換えられて触媒Cの
モニタモードに突入する。このとき、実線で示す下流側
2 センサRSの出力電圧RVO2が基準電圧VREF 以下
(リーン状態)であると、スペシャルP項PRSP により
燃料補正係数KO2がステップ状に増加し、それに続いて
領域(2)および領域(4)でスペシャルI項IRSP
より燃料補正係数KO2が段階的に増加する。その途中の
時刻(3)において、下流側O2 センサRSの出力電圧
RVO2が理論空燃比に対してリーンからリッチに反転す
ると、リッチディレイタイマtRDがセットされてカウン
トダウンを開始する。リッチディレイタイマtRDが時刻
(5)においてタイムアップすると、今度はスペシャル
P項PLSP により燃料補正係数K O2がステップ状に減少
し、それに続いて領域(6)および領域(8)でスペシ
ャルI項ILSP により燃料補正係数KO2が段階的に減少
する。そして、前記リッチディレイタイマtLDがタイム
アップした時刻(5)にTLの計測が開始され、そのT
Lの計測は時刻(7)において前記出力電圧RVO2が理
論空燃比に対してリッチからリーンに反転したときに終
了する。同様にして、時刻(9)においてリーンディレ
イタイマtLDがタイムアップしたときに計測を開始した
TRは、出力電圧RVO2が時刻(11)において理論空
燃比に対してリーンからリッチに反転したときに計測を
終了する。尚、領域(2)では、それ以前にリーンディ
レイタイマtLDが作動していないため、TRの計測は行
われない。
【0080】また、破線で示す上流側O2 センサFSの
出力電圧FVO2は実線で示す下流側O2 センサRSの出
力電圧RVO2よりも位相が進んだ状態で推移する。そし
て、上流側O2 センサFSの出力電圧FVO2が理論空燃
比に対してリッチからリーンに反転した瞬間に計測を開
始した時間差DLは、下流側O2 センサRSの出力電圧
RVO2が前記出力電圧FVO2に遅れて理論空燃比に対し
てリッチからリーンに反転するまでの時間に対応すると
ともに、上流側O2 センサFSの出力電圧FV O2が理論
空燃比に対してリーンからリッチに反転した瞬間に計測
を開始した時間差DRは、下流側O2 センサRSの出力
電圧RVO2が前記出力電圧FVO2に遅れて理論空燃比に
対してリーンからリッチに反転するまでの時間に対応す
る。
【0081】図18のタイムチャートは、下流側O2
ンサRSの出力電圧RVO2が基準電圧VREF 以上(リッ
チ状態)のときに触媒Cのモニタモードに突入した例を
示すものである。この例では領域(2)において時間T
Rの計測が行われていないが、これは最初の計測が時間
TLから開始され、それに引き続いて時間TRの計測が
行われるように予めプログラムされているためである
(図13のフローチャートにおけるステップ811〜ス
テップ813照)。したがって、時間TL,TRに計測
中に計測が開始される時間差DL,DRについても、先
ず時間差DLが計測され、それに引き続いて時間差DR
が計測されることになる。図18のタイムチャートにお
けるその他の点については、前述の図17のタイムチャ
ートと実質的に同一である。
【0082】上述のようにして計測された時間TLは、
空燃比をリーン側に移行させるべく燃料補正係数KO2
スペシャルP項PLSP によりステップ状に減少させた瞬
間から、実際に下流側O2 センサRSの出力電圧RVO2
が理論空燃比に対してリッチからリーンに反転するまで
の遅れ時間に相当する。また時間TRは、空燃比をリッ
チ側に移行させるべく燃料補正係数KO2をスペシャルP
項PRSP によりステップ状に増加させた瞬間から、実際
に下流側O2 センサRSの出力電圧RVO2が理論空燃比
に対してリーンからリッチに反転するまでの遅れ時間に
相当する。同様に、時間差DLは、空燃比をリーン側に
移行させたことにより上流側O2 センサFSの出力電圧
FVO2がリッチからリンに反転した瞬間から、下流側O
2 センサRSの出力電圧RVO2が理論空燃比に対してリ
ッチからリーンに反転するまでの遅れ時間に相当する。
また時間TRは、空燃比をリッチ側に移行させたことに
より上流側O2 センサFSの出力電圧FVO2が理論空燃
比に対してリーンからリッチに反転した瞬間から、下流
側O2 センサRSの出力電圧RVO2が理論空燃比に対し
てリーンからリッチに反転するまでの遅れ時間に相当す
る ところで、触媒Cは空燃比がリーン側に移行すると排気
ガス中の酸化ガス(O 2 およびNOX )を取り込む作用
があり、そのO2 およびNOX の取り込みが終了すると
下流側O2 センサRSの出力電圧RVO2は理論空燃比に
対してリッチからリーンに変化する。また触媒Cは空燃
比がリッチ側に移行すると排気ガス中の還元ガス(CO
およびHC)を取り込んで既に取り込んだO2 およびN
X と反応させる作用があり、そのCOおよびHCの取
込みが終了すると下流側O2 センサRSの出力電圧RV
O2は理論空燃比に対してリーンからリッチに変化する。
したがって、前記時間TL,TRの長さ、および時間差
DL,DRの長さは触媒CのO2 ストレージ能力の大き
さに比例することになり、その時間TL,TRあるいは
時間差DL,DRの長さを劣化した触媒C、すなわちO
2 ストレージ能力の低下した触媒Cを判別するためのパ
ラメータとして使用することができる。
【0083】また、時間TLすなわち排気ガス中のO2
およびNOX が完全に触媒Cに取り込まれるまでの時間
と、時間TRすなわち既に取り込まれたO2 およびNO
X が次に取り込まれたCOおよびHCと完全に反応する
までの時間は密接に関連する。したがって最初に計測さ
れた時間TLと、それに続いて計測された時間TRを組
合せ、それらTLとTRの平均値TCHK を用いて触媒C
のO2 ストレージ能力を測定することにより、極めて精
密な触媒Cの劣化判定を行うことができる。同様に、上
流側O2 センサFSの出力電圧FVO2の反転は空燃比の
変化と比較的短い時間遅れをもって連動するため、時間
差DL,DRについても上述と同じことが言える。した
がって、最初に計測された時間差DLと、それに続いて
計測された時間差DRを組合せ、それらDLとDRの平
均値DCHK を用いて触媒CのO2 ストレージ能力を測定
することにより、極めて精密な触媒Cの劣化判定を行う
ことができる。
【0084】図22は連続して計測されたTL1 ,TR
1 ,TL2 ,TR2 ,TL3 ,TR 3 ,…の値とその平
均を示すものである。ここで、規定の順(TL→TRの
順)に連続して計測されたTL1 とTR1 の平均A
1 と、同じく規定の順(TL→TRの順)に連続して計
測されたTL2 とTR2 の平均値A2 は略一致してお
り、精度の高い触媒Cの劣化検出が行なえることを示し
ている。しかしながら、規定の順と異なって(TR→T
Lの順)計測されたTR1 とTL2 の平均値B1 と、同
じく規定の順と異なって(TR→TLの順)計測された
TR2 とTL3 の平均値B2 は上下に大きなバラツキを
持っており、その検出精度が悪化することを示してい
る。時間差DL,DRについても、規定の順(DL→D
Rの順)で計測した時間差DL,DRの平均を用いれ
ば、同様に精度の高い触媒Cの劣化検出を行うことがで
きる。
【0085】尚、触媒Cの劣化を判定する時間とし、前
述のTLとTRの平均値あるいはDLとDRの平均値を
用いる代わりに、規定の順に計測されたTLとTRの和
あるいは規定の順に計測されたDLとDRの和を用いる
ことができる。
【0086】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明は前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の
範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の小設
計変更を行うことが可能である。
【0087】
【発明の効果】以上のように本発明の第1の特徴によれ
ば、第1の時間計測手段が計測した時間、すなわち空燃
比が理論空燃比に対してリッチ側からリーン側に変化し
た時点から下流側O2 センサの出力が理論空燃比に対し
てリッチからリーンに反転するまでの時間と、第2の時
間計測手段が計測した時間、すなわち空燃比が理論空燃
比に対してリーン側からリッチ側に変化した時点から下
流側O2 センサの出力が理論空燃比に対してリーンから
リッチに反転するまでの時間とに基づいて触媒の劣化判
定を行う際に、第1の時間計測手段が計測した時間と、
その時間に引き続いて第2の時間計測手段が計測した時
間との和もしくは平均に基づいて触媒劣化判別手段が触
媒の劣化判定を行っているので、相互に密接に関連する
触媒がO2 およびNOX を吸着する時間と、それに続く
触媒がCOおよびHCを吸着する時間の両方が適切に考
慮される。その結果、触媒のO2 ストレージ能力を精密
に検出して正確な触媒の劣化判定を行うことが可能とな
る。
【0088】また本発明の第2の特徴によれば、第1の
時間計測手段が計測した時間差、すなわち空燃比が理論
空燃比に対してリッチ側からリーン側に変化した後に、
上流側O2 センサの出力が理論空燃比に対してリッチか
らリーンに反転してから下流側O2 センサの出力が理論
空燃比に対してリッチからリーンに反転するまでの時間
差と、第2の時間計測手段が計測した時間差、すなわち
空燃比が理論空燃比に対してリーン側からリッチ側に変
化した後に、上流側O2 センサの出力が理論空燃比に対
してリーンからリッチに反転してから下流側O2 センサ
の出力が理論空燃比に対してリーンからリッチに反転す
るまでの時間差とに基づいて触媒の劣化判定を行う際
に、第1の時間計測手段が計測した時間差と、その時間
差に引き続いて第2の時間計測手段が計測した時間差と
の和もしくは平均に基づいて触媒劣化判別手段が触媒の
劣化判定を行っているので、相互に密接に関連する触媒
がO 2 およびNOX を吸着する時間と、それに続く触媒
がCOおよびHCを吸着する時間の両方が適切に考慮さ
れる。その結果、触媒のO2 ストレージ能力を精密に検
出して正確な触媒の劣化判定を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】クレーム対応図
【図2】燃料供給制御装置の全体構成図
【図3】補正係数KO2を設定するプログラムのフローチ
ャートの第1分図
【図4】補正係数KO2を設定するプログラムのフローチ
ャートの第2分図
【図5】第1の空燃比調整手段のプログラムのフローチ
ャートの第1分図
【図6】第1の空燃比調整手段のプログラムのフローチ
ャートの第2分図
【図7】第2の空燃比調整手段のプログラムのフローチ
ャート
【図8】図7のステップ301のサブルーチンを示すフ
ローチャート
【図9】図7のステップ308のサブルーチンを示すフ
ローチャート
【図10】図7のステップ312のサブルーチンを示す
フローチャート
【図11】図7のステップ313のサブルーチンを示す
フローチャートの第1分図
【図12】図7のステップ313のサブルーチンを示す
フローチャートの第2分図
【図13】図7のステップ310のサブルーチンを示す
フローチャートの第1分図
【図14】図7のステップ310のサブルーチンを示す
フローチャートの第2分図
【図15】図10のステップ314のサブルーチンを示
すフローチャート
【図16】図10のステップ305のサブルーチンを示
すフローチャート
【図17】補正係数KO2の変化を示すタイムチャート
【図18】補正係数KO2の変化を示すタイムチャート
【図19】出力電圧RVO2と補正項RR ,RL の関係を
示すグラフ
【図20】出力電圧RVO2と補正項ΔKR ,ΔKL の関
係を示すグラフ
【図21】触媒浄化率と計測時間Tの関係を示すグラフ
【図22】時間TL,TRとその平均値を示すグラフ
【符号の説明】
M1 空燃比調整手段 M2 第1の時間計測手段 M3 第2の時間計測手段 M4 触媒劣化判別手段 FS 上流側O2 センサ RS 下流側O2 センサ FVO2 上流側O2 センサの出力電圧 RVO2 下流側O2 センサの出力電圧 TL 第1の時間 TR 第2の時間 DL 第1の時間差 DR 第2の時間差 C 触媒 E エンジン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 丸山 洋 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 触媒(C)を排気系に配したエンジン
    (E)の排気浄化システムにおいて、 触媒(C)の上流側の排気通路に設けられ、エンジン
    (E)の空燃比を検出する上流側O2 センサ(FS)
    と、 触媒の(C)下流側の排気通路に設けられ、エンジン
    (E)の空燃比を検出する下流側O2 センサ(RS)
    と、 上流側O2 センサ(FS)および下流側O2 センサ(R
    S)の少なくとも一方の出力(FVO2,RVO2)に応じ
    てエンジン(E)の空燃比を調整する空燃比調整手段
    (M1)と、 空燃比調整手段(M1)が空燃比を理論空燃比に対して
    リッチ側からリーン側に変化させた時から、下流側O2
    センサ(RS)の出力(RVO2)が理論空燃比に対して
    リッチからリーンに反転するまでの時間(TL)を計測
    する第1の時間計測手段(M2)と、 空燃比調整手段(M1)が空燃比を理論空燃比に対して
    リーン側からリッチ側に変化させた時から、下流側O2
    センサ(RS)の出力(RVO2)が理論空燃比に対して
    リーンからリッチに反転するまでの時間(TR)を計測
    する第2の時間計測手段(M3)と、 それら計測された時間(TL,TR)の和もしくは平均
    が所定時間以下の時に触媒(C)が劣化したと判別する
    触媒劣化判別手段(M4)と、を備えた触媒の劣化判定
    装置において、 前記触媒劣化判別手段(M4)が、第1の時間計測手段
    (M2)が計測した時間(TL)と、その時間(TL)
    に引き続いて第2の時間計測手段(M3)が計測した時
    間(TR)との和もしくは平均に基づいて触媒(C)の
    劣化判別を行うように構成されたことを特徴とする、触
    媒の劣化判定装置。
  2. 【請求項2】 触媒(C)を排気系に配したエンジン
    (E)の排気浄化システムにおいて、 触媒(C)の上流側の排気通路に設けられ、エンジン
    (E)の空燃比を検出する上流側O2 センサ(FS)
    と、 触媒の(C)下流側の排気通路に設けられ、エンジン
    (E)の空燃比を検出する下流側O2 センサ(RS)
    と、 上流側O2 センサ(FS)および下流側O2 センサ(R
    S)の少なくとも一方の出力(FVO2,RVO2)に応じ
    てエンジン(E)の空燃比を調整する空燃比調整手段
    (M1)と、 空燃比調整手段(M1)が空燃比を理論空燃比に対して
    リッチ側からリーン側に変化させた後、上流側O2 セン
    サ(FS)の出力(FVO2)が理論空燃比に対してリッ
    チからリーンに反転してから、下流側O2 センサ(R
    S)の出力(RV O2)が理論空燃比に対してリッチから
    リーンに反転するまでの時間差(DL)を計測する第1
    の時間計測手段(M2)と、 空燃比調整手段(M1)が空燃比を理論空燃比に対して
    リーン側からリッチ側に変化させた後、上流側O2 セン
    サ(FS)の出力(FVO2)が理論空燃比に対してリー
    ンからリッチに反転してから、下流側O2 センサ(R
    S)の出力(RV O2)が理論空燃比に対してリーンから
    リッチに反転するまでの時間差(DR)を計測する第2
    の時間計測手段(M3)と、 それら計測された時間差(DL,DR)の和もしくは平
    均が所定時間以下の時に触媒(C)が劣化したと判別す
    る触媒劣化判別手段(M4)と、を備えた触媒の劣化判
    定装置において、 前記触媒劣化判別手段(M4)が、第1の時間計測手段
    (M2)が計測した時間差(DL)と、その時間差(D
    L)に引き続いて第2の時間計測手段(M3)が計測し
    た時間差(DR)との和もしくは平均に基づいて触媒
    (C)の劣化判別を行うように構成されたことを特徴と
    する、触媒の劣化判定装置。
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