JPH05105217A - ベルトコンベヤの保形ローラ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ねじれなどによるベルト側端縁部のローラ隙
間への噛込みを防止する簡単で有効且つ経済的なパイプ
コンベヤの保形ローラ装置を提供する。 【構成】 管状のベルト３を通過させる取付枠１０に円
状に配置したベルト３に外接させた複数個のローラ１
１，…，１６の少なくとも一部をベルト３の中心軸線に
直角な面に対してそれぞれ同一側の側端部１１ａ，…，
１６ａが前方となるように傾斜させるとともに前方の側
端部１１ａ，…，１６ａが隣接するローラ１２，…，１
６，１１の後方側の側端部１２ｂ，…，１６ｂ，１１ｂ
にベルト３中心軸線方向に見て互いに重ならせて配置
し、ローラ１１，…，１６間の周方向の隙間をなくして
ベルト側端縁部の噛込みを防ぐ。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は無端のベルトを管状に丸
めて荷物を封入状態で運搬するようにしたベルトコンベ
ヤにおいて、ベルトを管の形状に維持しながら所定経路
上を案内させる保形ローラ装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】無端のベルトを一方向へ駆動循環させな
がら少なくとも荷物運搬区間で管状に丸めることによっ
て荷物を封入状態で運搬するようにしたベルトコンベヤ
は、一般にパイプコンベヤの呼び名で広く知られてお
り、荷物殊に大量の粉粒物を荷こぼれさせずに運搬する
ことができるとされている。

【０００３】ベルトは設置区間の前後両端でドラムに巻
掛けられて往路と復路とを循環し、後端のドラムに扁平
形状で巻掛けられて荷物運搬区間である往路に進入した
とき案内ローラによって扁平形状から樋形状を経て管状
に変形させられ、往路に適宜間隔で配備した保形ローラ
装置によって管の形状を維持しながら所定経路上を案内
されて先端のドラムへ向かって移動する。荷物は樋状に
変形させられた部分でベルトに載り、先端のドラムで反
転する際にベルトから放出される。

【０００４】保形ローラ装置は、円状に配置した複数個
のローラを管状に丸められたベルトに円周方向ほぼ等間
隔で外接させることにより荷重を支持する働きと管の形
状を維持する働きとを行なうものであり、特公昭４３−
２２６９８号公報、特公平１−４６４０４号公報に開示
されているように複数個のローラはベルトに直交する一
つの平面上に円状に配置されて取付枠に取付けられてい
る。

【０００５】ところが、円周方向に隣り合うローラの間
にはローラの互いの干渉を防ぐため、およびローラを支
持する軸受部片の設置空間を確保するために避けられな
い隙間が存在している。

【０００６】一方、管状に丸められたベルトは適宜間隔
で配備した保形ローラ装置によって規定された経路を移
動するが、その際に縦揺れ、横揺れ、ねじれ、更に振動
をしながら移動し、殊にねじれによってベルト両側端縁
の合せ目がずれたり開いたりしやすい。特に、合せ目の
表側ベルト側端縁が外側方へずれる方向の横揺れやねじ
れ、振動が発生すると、この側端縁が取付枠を通過する
際に隣り合うローラの隙間に噛込んでしまうことがあ
る。図４はその状況を示すものであって、管状に丸めら
れたベルトＢがこれと直交する一つの平面上に円周方向
等間隔で配置したローラＲに内接して移動していると
き、横揺れなどによってその側端縁が隣り合うローラＲ
の隙間に噛込んでいる。

【０００７】このような状態になると、ベルトＢがロー
ラＲの端縁に衝って損傷する、合せ目が開いて荷物をこ
ぼしたり雨水を侵入させたりする、抵抗が増大してベル
ト駆動用原動機に過負荷が作用して故障の原因になる、
などのトラブルを発生する。

【０００８】更に、かなり大重量の荷物を運搬する場合
には保形ローラ装置をかなり短かい間隔で配備する必要
があるばかりか、長距離輸送する場合は多数の保形ロー
ラ装置が設置されることとなるので前記のトラブルが発
生する機会がそれだけ多くなる。

【０００９】そこで、従来の保形ローラ装置に隣接させ
て同様の保形ローラ装置を並設し、この二つの保形ロー
ラ装置のローラを互いの隙間に位置させてベルト中心軸
線方向に見て喰違い状態となるように配置することによ
り、ベルトの合せ目の側端縁の噛込みを防止することが
実公昭６１−２４４９３号公報に開示されているが、取
付枠に複数個のローラが円状に配置されている二つの保
形ローラ装置を各保形ローラ装置のローラが正面から見
て喰違い状態になるように前後に隣接させて並設するの
で構成がきわめて複雑なものとなるばかりか、二つの保
形ローラ装置を並設することは設備費の著しい高騰化を
招き経済的にきわめて不利である。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、無端のベルトを通過させる取付枠に複数個
のローラを配置した保形ローラ装置を少なくとも荷物運
搬区間に適宜間隔で配備し、ベルトをこれらの保形ロー
ラ装置によって管の形状に維持して荷物を封入状態で運
搬するベルトコンベアにおいて、ベルトの合せ目の側端
縁がねじれなどによって隣り合うローラの隙間に噛込む
ことがない簡単で有効且つ経済的な保形ローラ装置がな
かった、という点である。

【００１１】

【課題を解決するための手段】本発明は、無端のベルト
を管状に丸め荷物を封入状態で運搬するため前記ベルト
を通過させる取付枠に前記管状のベルトに外接した複数
個のローラを円状に配置したベルトコンベヤの保形ロー
ラ装置において、前記ローラの少なくとも一部を前記ベ
ルトの中心軸線に直角な面に対してそれぞれ同一側の側
端部が前方となるように傾斜させるとともにこれらの傾
斜させたローラは前方の側端部が隣接するローラの後方
側の側端部にベルト中心軸線方向に見て互いに重ならせ
て配置した、という手段により解決することとし、これ
によりねじれなどによるベルト側端縁のローラ隙間への
噛込みを防止する簡単で有効且つ経済的な保形ローラ装
置を提供する、という目的を達成した。

【００１２】

【作用】管状に丸められたベルトが保形ローラ装置を通
過しながら移動しているとき、一つの保形ローラ装置に
おいてベルトは取付枠の一方の面に円状に配置されたロ
ーラ群に支持される。傾斜させたローラは前方側の側端
部が隣接するローラの後方側の側端部に重ねた状態とさ
れ、この周方向の隙間が存在しない部分をベルトの合せ
目の側端縁と一致させることにより噛込みを生じること
なく通過することとなる。

【００１３】

【実施例】図面を参照して本発明の実施例を説明する
と、図１はベルトコンベヤの全体を概略的に示したもの
であって、設置区間の前後両端に配置された駆動ドラム
１と従動ドラム２とに無端のベルト３が巻掛けられてお
り、このベルト３は前記各ドラム１、２への巻掛け部分
で扁平形状に延展されているが、それ以外の往路部分と
復路部分とではそれぞれの入口部に配置した図示しない
集束用の案内ローラによって樋形状を経て管形状に変形
させられて支持枠４に設けた保形ローラ装置により管形
状を維持して移動し、それぞれの出口部に設けた図示し
ない延展用の案内ローラによって扁平に拡げられる動作
を繰返して循環する。荷物は往路即ち荷物運搬区間の入
口部の樋状に変形した部分でホッパ５から連続的に投入
され、先端の駆動ドラム１で反転する際に放出されて荷
受箱６に入る。

【００１４】支持枠４はベルト３の移動方向へ適宜間隔
で配置され、往路の管部分７および復路の管部分８をそ
れぞれ所定の管形状に維持させるための本発明に係る保
形ローラ装置を上下に具えているが、下方の復路の管部
分８の保形ローラ装置は特公昭４３−２２６９８号公
報、特公平１−４６４０４号公報に示されているように
一平面上に複数個のローラを円状に配置したものであっ
てもよい。

【００１５】図２、図３には本発明による上方の管部分
７を支持する保形ローラ装置の一実施例が示されてい
る。即ち、管部分６を通過させるためその中心軸線を中
心とする開口９を有する板状の取付枠１０が前記中心軸
線に直角の面上に配置されて支持枠８に固定され、取付
枠１０の管部分７の移動方向へ向かって六個のローラ１
１、１２、１３、１４、１５、１６が取付枠１０に固定
されている軸受部片１７、１８、１９、２０、２１、２
２にそれぞれ回転自由に軸支架設されて開口９に沿って
円周方向等間隔で配置されている。

【００１６】また、各ローラ１１、１２、１３、１４、
１５、１６をベルト３の中心軸線に直角な面に対してそ
れぞれ同一側の側端部１１ａ、１２ａ、１３ａ、１４
ａ、１５ａ、１６ａが前方となるように傾斜させるとと
もに側端部１１ａ、１２ａ、１３ａ、１４ａ、１５ａ、
１６ａが互いに隣接するローラ１２、１３、１４、１
５、１６、１１の後方側の側端部１１ｂ、１２ｂ、１３
ｂ、１４ｂ、１５ｂ、１６ｂにベルト３中心軸線方向に
見て互いに重ならせて配置されている。

【００１７】従って、管部分７がねじれなどを生じ、合
せ目の表側の側端縁３ａが外側方へずれたとき、図２に
おけるローラ１１、１２、１３、１４、１５、１６間に
は周方向の隙間が存在しないため側端縁３ａが噛込みを
生じることなくそのまま通過する。

【００１８】本実施例は各ローラ１１、１２、１３、１
４、１５、１６をベルト３の中心軸線に直角な面に対し
て傾斜させる構成であり、この傾きに応じて例えば図２
おいて時計方向の回転力が付与されてねじれることにな
る。従って、各ローラ１１、１２、１３、１４、１５、
１６のベルト３の中心軸線に直角な面に対する傾斜方向
を対称としたもう一つの保形ローラを近接して或いは距
離を隔てて配置することによりベルト３のねじれが打ち
消されることになり、ベルト３をねじれを生じさせるこ
となく移動させることができる。

【００１９】尚、本実施例では各ローラ１１、１２、１
３、１４、１５、１６の傾きを不変とし、一種類の傾き
のものを使用する場合を示したが、各ローラ１１、１
２、１３、１４、１５、１６の傾きを調節可能とし或い
は傾きの異なる複数種類を用いることにより、ベルト３
のねじれの方向ならびに大きさを制御することができ、
例えば、支持ローラ装置やその他の構成部品の制作誤差
や設置時の狂い、或いはベルトやローラなどの偏った磨
耗などに起因するベルト３のねじれを防止または修正す
ることもできる。

【００２０】尚、本実施例では、全てのローラ１１、１
２、１３、１４、１５、１６をベルト３の中心軸線に直
角な面に対してそれぞれ同一側の側端部１１ａ、１２
ａ、１３ａ、１４ａ、１５ａ、１６ａが前方となるよう
に傾斜させるとともに側端部１１ａ、１２ａ、１３ａ、
１４ａ、１５ａ、１６ａが互いに隣接するローラ１２、
１３、１４、１５、１６、１１の後方側の側端部１１
ｂ、１２ｂ、１３ｂ、１４ｂ、１５ｂ、１６ｂにベルト
３の中心軸線方向に見て互いに重ならせて配置されてい
る構成としたが、ベルト３は往路の入口部で両側端縁部
を上方へ曲げて管状に丸められるので合せ目が頂部に位
置することとなる。従って、ベルト３の側端縁３ａが噛
込みを防止するのであれば一般に合せ目が存在する上半
部分に位置するローラ１１、１２、１６についてだけ前
記傾斜ならびに互いに隣接するローラにベルト３の中心
軸線方向に見て互いに重ならせて配置すれば足りる。

【００２１】

【発明の効果】本発明によると、取付枠に円状に配置さ
れている各ローラを前記ベルトの中心軸線に直角な面に
対してそれぞれ同一側の側端部が前方となるように傾斜
させるとともに各ローラは前方の側端部が互いに隣接す
るローラの後方側の側端部にベルト中心軸線方向に見て
互いに重ならせて配置し、各ローラの周方向の隙間が存
在しないので、ねじれなどによってベルトの合せ目の側
端縁が外側方へずれることがあっても噛込みを生じるこ
となく通過する。従って、ベルトの損傷、荷こぼれや雨
水の侵入、過負荷の発生などのトラブルを生じることな
く円滑な荷物輸送が行なえるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】ベルトコンベヤの一例を示す概略側面図であ
る。

【図２】本発明の保形ローラ装置の実施例を示す正面図
である。

【図３】図２に示した実施例における上半部三個のロー
ラの配置状態を示す平面図である。

【図４】図２に示した実施例における下半部三個のロー
ラの配置状態を示す平面図である。

【図５】従来の保形ローラ装置の一例を示す概略正面図
である。

【符号の説明】

３ ベルト ４ 支持枠 １０ 取付枠 １１、１２、１３、１４、１５、１６ ローラ １１ａ、１２ａ、１３ａ、１４ａ、１５ａ、１６ａ 側
端部 １１ｂ、１２ｂ、１３ｂ、１４ｂ、１５ｂ、１６ｂ 側
端部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 無端のベルトを管状に丸め荷物を封入状
   態で運搬するため前記ベルトを通過させる取付枠に前記
   管状のベルトに外接した複数個のローラを円状に配置し
   たベルトコンベヤの保形ローラ装置において、前記ロー
   ラの少なくとも一部を前記ベルトの中心軸線に直角な面
   に対してそれぞれ同一側の側端部が前方となるように傾
   斜させるとともにこれらの傾斜させたローラは前方の側
   端部が隣接するローラの後方側の側端部にベルト中心軸
   線方向に見て互いに重ならせて配置されていることを特
   徴とするベルトコンベヤの保形ローラ装置。