JPH05105049A - ブレーキ制御方法 - Google Patents

ブレーキ制御方法

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JPH05105049A
JPH05105049A JP26497191A JP26497191A JPH05105049A JP H05105049 A JPH05105049 A JP H05105049A JP 26497191 A JP26497191 A JP 26497191A JP 26497191 A JP26497191 A JP 26497191A JP H05105049 A JPH05105049 A JP H05105049A
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Osamu Suzuki
修 鈴木
Atsuro Ota
淳朗 大田
Takushi Matto
卓志 松任
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Abstract

(57)【要約】 【目的】前後輪の接地荷重配分の変化に影響されること
がなく、最適なブレーキ制動を簡単に遂行する。 【構成】自動二輪車Bのフロントサスペンションおよび
リアサスペンション部位に配設されたフロント変位量検
知部12およびリア変位量検知部14により、前輪接地
荷重と後輪接地荷重とが検出された後、この後輪接地荷
重と全重量とから前輪用修正角度が演算され、修正され
た前輪用目標角度が得られる。そして、この修正された
前輪用目標角度に基づいてモジュレータの制御が行われ
るため、ブレーキ制動時に前後輪の接地荷重配分が大き
く変化することを阻止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車輪の接地荷重に基づ
いてブレーキ制動力を演算するブレーキ制御方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】例えば、自動二輪車において、運転者の
レバー操作、ペダル操作により発生されるブレーキ作動
指令を油圧力に変換するマスタシリンダと、車輪のブレ
ーキディスクに制動力を発生させるキャリパーシリンダ
との間にアンチロック用モジュレータが配置され、前後
輪速度信号を入力するとともに、演算されたスリップ率
や車輪加減速度等から前記モジュレータにキャリパ圧力
制御信号を出力してブレーキ制動を行うアンチロック制
御システムが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の制動
時には、前後輪の接地荷重配分が変化し易く、特に前輪
の接地荷重配分が大きくなってしまう。このため、運転
者は、前後輪の接地荷重配分の変化に対応して自動二輪
車をコントロールする必要がある。
【0004】本発明は、この種の問題に鑑みなされたも
のであって、前後輪の接地荷重配分の変化に影響される
ことがなく、最適なブレーキ制動を簡単に遂行すること
が可能なブレーキ制御方法を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、本発明は、走行時における各車輪の接地荷重を得
る過程と、前記得られた接地荷重に基づいて所定の車輪
の制動用補正量を演算する過程と、前記演算された補正
量を含めてブレーキ制動力を求める過程とを備えること
を特徴とする。
【0006】
【作用】本発明に係るブレーキ制御方法では、走行中の
各車輪の接地荷重が得られた後に、この接地荷重に基づ
いて所定の車輪の制動用補正量が演算され、さらにこの
補正量データが他のデータとともに処理されてブレーキ
制動用信号が得られる。このため、前後輪の接地荷重配
分の変化に対応して最適なブレーキ制動力が得られ、特
に制動時に前輪の接地荷重配分が大きくなることを阻止
することができる。
【0007】
【実施例】本発明に係るブレーキ制御方法についてこれ
を実施するための装置との関連において実施例を挙げ、
添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
【0008】図2において、参照符号Bは、本実施例に
係るブレーキ制御方法を実施するための自動二輪車Bを
示し、この自動二輪車Bに車体状態検出装置10とこの
車体状態検出装置10によって制御されるブレーキ制御
装置11、11aとが搭載されている(図1参照)。
【0009】車体状態検出装置10は、前輪Wfのフロ
ントサスペンションの部位に取り付けられたフロント変
位量検知部12と、後輪Wrのリアサスペンションの部
位に取り付けられたリア変位量検知部14と、シート最
後尾の下部側に付設されたコントロールユニット16と
を備える。このフロント変位量検知部12およびリア変
位量検知部14としては、例えば、サスペンションが所
定量圧縮または伸長して変位したことを分圧された電圧
差から検出するポテンショメータが用いられる。なお、
リア変位量検知部14としては、スイングアームのピボ
ット部に設けられるポテンショメータを用いることもで
きる。
【0010】このフロント変位量検知部12およびリア
変位量検知部14からの検知信号がコントロールユニッ
ト16に導入される。コントロールユニット16は、前
輪Wfおよび後輪Wrの近傍に設けられた車速センサ1
8、18aを介して車輪角速度ωを検出し、前記車輪角
速度ωのパルス信号をコントロールユニット16に導入
する。このコントロールユニット16には、図示しない
各種演算回路が配設され、所望の演算および判断を行う
ことができる。
【0011】ブレーキ装置24は、ハンドル26に設け
られたブレーキレバー28によって駆動されるマスタシ
リンダ32と、前輪Wfを制動するキャリパシリンダ3
4を備え、マスタシリンダ32とキャリパシリンダ34
は、ブレーキ制御装置11を介して相互に接続されてい
る。このマスタシリンダ32は、ブレーキレバー28の
作用下に油圧の調節を行って後述するカットバルブに伝
達するものであり、一方、キャリパシリンダ34は、こ
のカットバルブによって制御された油圧に基づいてディ
スクプレート33に制動力を付与するものである。
【0012】前輪Wfのブレーキ制御装置11は、モジ
ュレータを構成する直流モータ20に対する電流を付
勢、滅勢させてこの直流モータ20を駆動制御するため
のモータコントロール部22を備える。このモータコン
トロール部22は、コントロールユニット16と電気的
に接続され、コントロールユニット16から導出された
信号が導入される。直流モータ20の駆動軸にはピニオ
ン36が連結され、このピニオン36にギヤ38が噛合
する。ギヤ38の中心には、クランク軸40が固定され
ており、このクランク軸40にはクランク腕42を介し
てクランクピン44の一端部が連結される。このクラン
クピン44の他端部には、クランク腕46が連結され、
このクランク腕46に、クランクピン44の偏位角度を
検出するポテンショメータ48が連結される。
【0013】クランクピン44の外周には、カムベアリ
ング50が回転自在に装着され、このカムベアリング5
0は、リターンスプリング52を介して上方向に押圧さ
れている。カムベアリング50の上面には、このカムベ
アリング50の偏位作用のもとに上下に進退するエキス
パンダピストン54が当接し、このエキスパンダピスト
ン54の上下運動の作用下にカットバルブ56が開閉さ
れる。カットバルブ56は、カットバルブ収納部58に
上下変位自在に配置されるとともに、このカットバルブ
56の上面には、マスタシリンダ32に連通する入力ポ
ート60が設けられる一方、カットバルブ収納部58と
エキスパンダピストン54の連設部位には、キャリパシ
リンダ34に連通する出力ポート62が設けられてい
る。前記入力ポート60と出力ポート62は、カットバ
ルブ56の外周面に画成された連通孔64を介して連通
している。
【0014】一方、後輪Wrのブレーキ制御装置11a
は、後輪Wrのブレーキペダル29に連結されたマスタ
シリンダ32aと、後輪Wrのディスクプレート33に
連結されたキャリパシリンダ34aとを連通させてお
り、上述したブレーキ制御装置11と同一構成からな
り、その詳細な説明は省略する。
【0015】次に、本実施例に係るブレーキ制御方法に
ついて説明する。
【0016】まず、自動二輪車Bの車輪接地荷重を検出
する場合について説明する。なお、以下に示す各種演算
は、フロント変位量検知部12、リア変位量検知部14
および車速センサ18、18aから出力された信号がコ
ントロールユニット16に導入され、このコントロール
ユニット16内において行われる。
【0017】一般に、サスペンションの変位量Sと車輪
の接地荷重Fとの間には、次のような関係式(1)が成
り立つ。すなわち、 F=f(S)+g(ΔS/Δt) …(1) 但し、f(S)は、車輪接地点における垂直方向のスプ
リングの荷重成分であり、g(ΔS/Δt)は、車輪接
地点における垂直方向の減衰特性による荷重成分を示
す。なお、ΔS/Δtは、サスペンションの変位量の時
間的な変化量である。
【0018】ここで、関数f(S)、g(ΔS/Δt)
の特性は、車両により固有のものであり、予め測定可能
である。その一例が、図3および図4に示されている。
また、サスペンションの変位量Sは、図5に示す変位量
検知部12、14の出力電圧の関数h(V)から求める
ことができる。すなわち、フロントおよびリアサスペン
ションの圧縮または伸長の変位量Sをフロントおよびリ
ア変位量検知部12、14からの出力電圧Vとして検知
し、この出力電圧Vから前後輪における変位量Sを求め
ることができる。続いて、前記変位量Sをもとに、図3
に示す荷重、変位量Sの関係説明図から車輪垂直方向の
スプリングの荷重成分f(S)が決定され、同様に、図
4に示す特性曲線から車輪垂直方向の荷重成分g(ΔS
/Δt)が決定され、両者の和を求めることにより車輪
接地荷重が得られる。
【0019】このようにして、前輪接地荷重WFRと後
輪接地荷重WRRとが検出された後(図6中、ステップ
S1および図7参照)、この前輪接地荷重WFRと後輪
接地荷重WRRとが加算されて全重量WTが演算され
(ステップS2)、この後輪接地荷重WRRと全重量W
Tとから前輪用修正角度(補正量)ΔθTFが演算され
る(ステップS3および図8参照)。ここで、図8中、
α0 は通常走行時の後輪接地荷重分担比率を示し、これ
よりも小さな値の場合、すなわち前輪接地荷重配分が大
の場合に補正が行われる。
【0020】一方、車輪の近傍に設けられた車速センサ
18、18aからの出力により検出された前輪速度VW
−FRと後輪速度VW−RRに基づいてモジュレータを
構成するクランクピン44の目標角度θT−FR、θT
−RRが演算される(図7参照)。この前輪用目標角度
θT−FRと前輪用修正角度ΔθTFとが加算されて修
正された前輪用目標角度θ1T−FRが得られる(ステ
ップS4)。そして、前輪用目標角度θ1T−FRおよ
び後輪用目標角度θT−RRが、それぞれブレーキ制御
装置11、11aを構成する各モータコントロール部2
2に出力される(ステップS5)。
【0021】このブレーキ制御装置11、11aは、通
常制動時において、リターンスプリング52の弾発力に
よってカムベアリング50が上死点に保持され、エキス
パンダピストン54を押し上げた状態に維持されている
(図2の状態)。これにより、カットバルブ56がエキ
スパンダピストン54を介して押し上げられ、入力ポー
ト60、出力ポート62間が連通状態になる。そこで、
ブレーキレバー28が把持されることにより、マスタシ
リンダ32で発生したブレーキ油圧は、通路66を介し
て入力ポート60、連通孔64、出力ポート62、通路
68を通じてキャリパシリンダ34に伝達される。
【0022】次に、前述したように、コントロールユニ
ット16から各モータコントロール部22に前輪用目標
角度θ1T−FRおよび後輪用目標角度θT−RR等の
他の情報に基づいて制御信号が出力されて直流モータ2
0を付勢、滅勢する制御が行われる。直流モータ20を
付勢した場合、この直流モータ20の回転軸(図示せ
ず)が回転駆動されてピニオン36が回転し、このピニ
オン36と噛合するギヤ38およびクランク軸40、ク
ランク腕42を介してクランクピン44が偏位する。こ
のクランクピン44の偏位作用により、カムベアリング
50が上死点から移動し、エキスパンダピストン54に
作用するブレーキ油圧が直流モータ20のトルクに加算
されるように働くため、エキスパンダピストン54が所
定量下降すると、カットバルブ56が連通孔64を閉塞
して入力ポート60、出力ポート62間が遮断される。
エキスパンダピストン54がさらに下降すると、出力ポ
ート62側の体積が増大してキャリパシンダ34に付与
される油圧が減少し、前輪Wfの制動力が減少する。な
お、エキスパンダピストン54の位置は、ポテンショメ
ータ48によってクランク角度として検出され、モータ
コントロール部22に導入されて、直流モータ20の制
御が行われる。
【0023】この場合、本実施例では、前輪接地荷重W
FRと後輪接地荷重WRRとが検出された後、この後輪
接地荷重WRRと全重量WTとから前輪用修正角度Δθ
TFが演算され、修正された前輪用目標角度θ1T−F
Rが得られる。そして、この修正された前輪用目標角度
θ1T−FRに基づいてモジュレータの制御が行われる
ため、ブレーキ制動時に前輪Wfと後輪Wrの接地荷重
配分が大きく変化することを阻止でき、十分な後輪Wr
の接地荷重を確保することが可能となるという効果が得
られる。すなわち、図9に示すように、接地荷重配分の
変化を考慮せずに前輪Wfの車輪速度からキャリパ圧力
を推定した場合では(図中、破線参照)、後輪Wrの接
地荷重分担比率αの変動が大きくなって操縦フィーリン
グが通常走行状態から大きく変化するのに比べ、本実施
例では、αの変動を可及的に低減して通常走行状態の操
縦フィーリングに近似させることができる(図中、実線
参照)。
【0024】なお、本実施例では、前輪接地荷重WFR
と後輪接地荷重WRRとを検出するためのフロント変位
量検知部12とリア変位量検知部14として、サスペン
ションが所定量圧縮または伸長して変位したことを分圧
された電圧差から検出するポテンショメータを使用して
いるが、これに限定されるものではなく、例えば応力セ
ンサ等の種々のセンサを用いることができる。
【0025】
【発明の効果】本発明に係るブレーキ制御方法によれ
ば、以下の効果が得られる。
【0026】走行中の各車輪の接地荷重が得られた後
に、この接地荷重に基づいて所定の車輪の制動用補正量
が演算され、さらにこの補正量データが他のデータとと
もに処理されてブレーキ制動用信号が得られるため、前
後輪の接地荷重配分の変化に対応して最適なブレーキ制
動力が得られ、特に制動時に前輪の接地荷重配分が大き
くなることを阻止することができる。これにより、制動
時における操縦フィーリングの向上を容易に遂行するこ
とが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るブレーキ制御方法を実施するため
の車体状態検出装置とブレーキ制御装置の概略構成図で
ある。
【図2】前記車体状態検出装置とブレーキ制御装置が搭
載された自動二輪車の概略側面図である。
【図3】サスペンションの変位量と荷重との関係説明図
である。
【図4】サスペンションの変位速度と荷重との関係説明
図である。
【図5】変位量検出手段の出力電圧とサスペンション変
位量との関係説明図である。
【図6】前記ブレーキ制御方法のフローチャートであ
る。
【図7】前記ブレーキ制御方法の概略説明図である。
【図8】接地荷重分担比率と補正量との関係図である。
【図9】前輪制動時の本発明方法と従来方法との対応説
明図である。
【符号の説明】
10…車体状態検出装置 11、11a…ブレーキ制御装置 12…フロント変位量検知部 14…リア変位量検知部 16…コントロールユニット 18、18a…車速センサ 20…直流モータ 22…モータコントロール部 24…ブレーキ装置 34、34a…キャリパシリンダ 44…クランプピン 54…エキスパンダピストン

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】走行時における各車輪の接地荷重を得る過
    程と、 前記得られた接地荷重に基づいて所定の車輪の制動用補
    正量を演算する過程と、 前記演算された補正量を含めてブレーキ制動力を求める
    過程とを備えることを特徴とするブレーキ制御方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の方法において、モジュレー
    タを構成しアンチロック制動作動時に出力油圧室の容積
    を増大させるエキスパンダピストンに当接するクランク
    部材の目標角度を演算する過程と、 得られた接地荷重に基づいて前記目標角度の補正量を演
    算する過程とを備えることを特徴とするブレーキ制御方
    法。
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EP92306729A EP0524821B1 (en) 1991-07-23 1992-07-23 System for controlling brakes
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004501828A (ja) * 2000-06-29 2004-01-22 ソシエテ・アノニム・ベランジェ 自動車制動装置
EP2311700A1 (en) * 2009-10-16 2011-04-20 Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha Braking System for Motorcycle
JP2011194994A (ja) * 2010-03-18 2011-10-06 Honda Motor Co Ltd 自動二輪車の制動装置

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