JPH0510373U - 巻糸パツケージの解舒装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 パッケージの小径時においても解舒テンショ
ンが大きくならず、巻管縁部に糸が接触することがない
ようにする。 【構成】 パッケージ４の巻管３端部に、巻管の外径よ
り大径でかつパッケージの解舒開始時のパッケージ外径
より小径のリングガイド８を設け、パッケージ小径時に
解舒される糸の解舒テンションを小さくしながらガイド
するものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、パッケージに巻かれた糸を解舒する際、巻管端部に、解舒される糸 をガイドするリングを設けた巻糸パッケージの解舒装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

パッケージに巻かれた糸を解舒する際、パッケージの軸線の延長線上の所定距 離だけ離れたガイドを通して解舒を行っており、パッケージとガイド間には特に 何も設けることなく大径の状態から巻管表面の糸まですべて同一条件で解舒を行 っていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

このようにパッケージを大径の状態から巻管の表面の糸まで全て同一条件で解 舒する場合には、大径の状態においてはパッケージの糸テンションが小さいので 解舒され易いが、パッケージの糸が解舒されるにつれて小径になっていくと、巻 管の端部に糸が当たりながら解舒されるので、解舒テンションが大きくなり、ま た巻管の端部が摩耗し傷が付きやすく、これにより解舒される糸が切断されるこ とになる。

【０００４】 即ち、パッケージの大径の時はバルーンが大きく解舒され易いので、解舒され る糸のテンションは小さいのに対し、小径になるにつれてバルーンが小さくなり 糸のテンションは大きくなる。

【０００５】 したがって、本考案は、パッケージの小径時においても解舒テンションが大き くならず、巻管縁部に糸が接触することがないようにすることを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記従来のものの欠点を解消するため、パッケージの巻管端部に、 巻管の外径より大径でかつパッケージの解舒開始時のパッケージ外径より小径の リングガイドを設け、パッケージ小径時に解舒される糸をガイドする巻糸パッケ ージの解舒装置に構成したものである。

【０００７】

【作用】

本考案は、上記のように構成したので、パッケージの解舒開始時以降、パッケ ージの大径時においては、解舒される糸は、リングガイドに接することなく解舒 され、小径時には、糸は、リングガイドにガイドされて解舒される結果、パッケ ージ表面からの糸の解舒角が大きくなり、解舒抵抗が少なくなるので、解舒テン ションが減少する。

【０００８】

【実施例】

本考案の実施例を図面に沿って説明する。図１に示すように、巻管支持体１に 嵌挿される中空部２を備えた巻管３には、糸が巻かれてパッケージ４を形成して いる。巻管支持体１の先端にはねじ孔５を設け、このねじ孔５に螺合するねじ部 ６を備えた支持部７をリングガイド８の中央に突設してガイド体１０を構成して いる。ガイド体８の外径Ｒは、巻管３の先端の外径ｄよりも大きく、少なくとも パッケージ４の解舒開始時の先端部の外径Ｄよりも小さく設定される。

【０００９】 リングガイド８は、できる限り巻管３の先端部に近接しうるように支持部７の 長さが設定され、リングガイド８の外周部１１は、曲面をなし滑らかに仕上げ加 工される。また、リングガイドの厚さは１〜３ｍｍ程度とされ、材質は鉄製、あ るいはセラミック製とされる。

【００１０】 このようなリングガイド８の固定手段として、例えば図２に示すように外側に 開放するよう弾力性を付与された複数個のばね部材１２をリングガイド８に固着 しても良い。この場合にはリングガイド着脱式となる。

【００１１】 リングガイドを着脱式とするにはその他の各種の手段が考慮されるが、例えば 図３に示すように、リングガイド１３にゴム製キャップ１４を固着し、このキャ ップ１４を巻管３の先端部に嵌入させても良い。図３に示す実施例においてリン グガイドは円板状ではなく、ドーナツ状としてもよく、リングガイドはこのほか 各種の形状が適宜選択される。

【００１２】 上記各実施例のものにおいても、巻管支持体１にパッケージ４を嵌挿した際に リングガイドを巻管３の先端部に近接して固定する。パッケージの解舒時には最 初パッケージは大径であるので、解舒される糸はリングガイドに当接することな く解舒される。パッケージの大径時には、パッケージから解舒される糸の解舒角 度は大きいので解舒され易く、解舒テンションは小さい。

【００１３】 パッケージの糸の解舒が進むにつれてパッケージは小さくなり、解舒角度が小 さくなり、解舒抵抗が増大してくると、解舒される糸は、一旦リングガイド８の 外周１１に接触しガイドされながら解舒される。したがって解舒角度はこれ以上 小さくなることはなく、逆にそれ以降はパッケージの糸が解舒されてパッケージ が小径になるにつれて解舒角度は大きくなる。したがってパッケージが小径にな っても解舒抵抗は大きくならず、解舒テンションが増大することはない。また紙 管の先端縁部１５に糸が当接することがなくなる。

【００１４】 上記のようなリングガイドはその外径、厚さ、材質等適宜のものを必要に応じ て選択することが可能であり、特に巻管のテーパ角やその外径に応じてリングガ イドの外径は変更される。

【００１５】

【考案の効果】

本考案は、上記のように構成し作用するので、パッケージの解舒が進んで小径 になっても解舒テンションは増大することがなくなり、糸切れを生ずることがな くなる。また解舒される糸が巻管の先端部に当接することがなくなるので、その 接触による糸切れを生じることがなくなり、また巻管先端縁部の摩耗や損傷を生 じることがなくなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１実施例の断面図である。

【図２】本考案の第２実施例の断面図である。

【図３】本考案の第３実施例の断面図である。

【符号の説明】 １ 巻管支持体 ２ 中空部 ３ 巻管 ４ パッケージ ５ ねじ孔 ６ ねじ部 ７ 支持部 ８ リングガイド １１ 外周部

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】パッケージの巻管端部に、巻管の外径より
   大径でかつパッケージの解舒開始時のパッケージ外径よ
   り小径のリングガイドを設けたことを特徴とする巻糸パ
   ッケージの解舒装置。