JPH05103677A - ヒト細胞質ゾルホスホリパーゼa2を発現させるための化合物、ベクターおよび方法 - Google Patents

ヒト細胞質ゾルホスホリパーゼa2を発現させるための化合物、ベクターおよび方法

Info

Publication number
JPH05103677A
JPH05103677A JP4090788A JP9078892A JPH05103677A JP H05103677 A JPH05103677 A JP H05103677A JP 4090788 A JP4090788 A JP 4090788A JP 9078892 A JP9078892 A JP 9078892A JP H05103677 A JPH05103677 A JP H05103677A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cpla
coli
chemical
protein
cells
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP4090788A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0829103B2 (ja
Inventor
Xue-Chiou C Chiou
シユエ−チヨウ・チエン・チヨウ
Jo Ann Hoskins
ジヨー・アン・ホスキンズ
Ruth M Kramer
ルース・マリア・クレイマー
John D Sharp
ジヨン・デイビツド・シヤープ
Donald L White
ドナルド・リー・ホワイト
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eli Lilly and Co
Original Assignee
Eli Lilly and Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Eli Lilly and Co filed Critical Eli Lilly and Co
Publication of JPH05103677A publication Critical patent/JPH05103677A/ja
Publication of JPH0829103B2 publication Critical patent/JPH0829103B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/63Introduction of foreign genetic material using vectors; Vectors; Use of hosts therefor; Regulation of expression
    • C12N15/79Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts
    • C12N15/85Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts for animal cells
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N9/00Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
    • C12N9/14Hydrolases (3)
    • C12N9/16Hydrolases (3) acting on ester bonds (3.1)
    • C12N9/18Carboxylic ester hydrolases (3.1.1)
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Plant Pathology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 細胞質ゾルホスホリパーゼA2(cPLA2)を
コードしている遺伝子、cPLA2を発現させるのに有用
なベクターおよび宿主細胞ならびにcPLA2を発現させ
るための方法が提供される。さらに、化合物をスクリー
ニングしてcPLA2の阻害物質を同定するための方法が
提供される。 【効果】 レセプター媒介のcPLA2活性を特異的な阻
害物質によって調節することに基づいて、喘息、虚血、
関節炎、敗血性発作および皮膚の炎症疾患のための新し
い治療法を導くことができる。特定の疾患状態に関連す
るcPLA2活性の不活性化法または特異的な阻害法は医
学界において大きな用途を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は分子生物学の全般的な分
野に属するものであり、極めて希少なヒト細胞質ゾルホ
スホリパーゼA2(cPLA2)酵素を発現させるために有
用な組換えDNA化合物、ベクターおよび方法を包含す
る。さらに、本発明は化合物をスクリーニングしてcP
LA2の阻害物質を同定するための方法を包含する。
【0002】
【従来の技術】本発明前には、多量のcPLA2を得るた
めの容易な方法は存在しなかった。ヒトcPLA2および
精製法は米国特許出願番号07/573,513に記載
されている。cPLA2と反応する抗体およびcPLA2
単離および同定するための方法は米国特許出願番号07
/663,335に記載されている。cPLA2はそれを
天然に含有する細胞の細胞質において希少であるため、
これらの方法によると最大でも限られた量のcPLA2
か得ることができない。cPLA2の極めてまれな性質を
示すためには、また、本発明が解決する問題を強調する
ためには、ヒト単球セルラインの培養液80リットル中
に存在する全細胞中に100μg以下のcPLA2しか存
在しないことを挙げれば十分である。即ち、本発明はこ
の希少かつ重要な酵素を比較的大量に得ることの困難性
を克服するものである。
【0003】ホスホリパーゼA2(PLA2)は、ホスホグ
リセリドのsn-2-アシルエステル結合の加水分解(等
モル量のリゾリン脂質と遊離脂肪酸とを産する)を触媒
するホスファチド2-アシルヒドロラーゼの一般名であ
る[Dennis,E.A., The Enzymes,Vol.16,Academic Pres
s, New York (1983)]。ホスホリパーゼA2酵素はすべて
の生物種に見い出され、種々の群の酵素から構成され
る。現在までに研究されているホスホリパーゼA2の大
多数は分子量約14kDaであり、それらのアミノ酸配列
は相同性が高い。
【0004】最も豊富かつ広く研究されているPLA2
は分泌型のものである。これらの酵素は細胞内で産生さ
れ、分泌小胞中にパッケージされ、そして後に細胞外環
境に放出され、ここで生物学的物質の消化を助ける。対
照的に、cPLA2はほとんど無いといってよい程に少量
でしか見い出されず、細胞内に残っており、分泌型のも
のとは全く相違する能力において役立っている。これら
細胞内PLA2群の細胞内における濃度が極めて低いこ
とから、これら酵素の十分な研究は妨げられていた[Vad
asおよびPruzanski, Lab.Investigation 55, 4:391 (19
86)]。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特異的な阻害物質によ
ってレセプター媒介のcPLA2活性を調節できることが
所望の目的であり、これは、喘息、虚血、関節炎、敗血
性発作および皮膚の炎症疾患のための新しい治療法を導
くことができる。特定の疾患状態に関連するcPLA2
性の不活性化法または特異的な阻害法は、医学界におい
てその大きな用途を有しているであろう。この目的を達
成するためには、初めに、特定の疾患の発生に関連して
いると推定されるcPLA2を同定し、単離しなければな
らない。これは先に出願された上記の米国特許出願中で
行われ、そして記載されている。本発明は、cPLA2
コードしている遺伝子、cPLA2を発現させるのに有用
なベクターおよび宿主細胞、ならびにcPLA2を発現さ
せるための方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下に示すア
ミノ酸配列:
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】 を有するタンパク質をコードしている組換えDNA配列
を含有するcPLA2遺伝子、ならびにこのDNA配列を
含有するベクターおよび宿主細胞を包含するものであ
る。また、本発明は、cPLA2をコードしている遺伝子
を含有する発現ベクターで細胞を形質転換することから
なるcPLA2遺伝子の使用方法を包含するものである。
本発明の他の態様は、cPLA2発現ベクターで形質転換
した細胞を適当な増殖培地で培養し、該培養された細胞
からcPLA2を単離することからなるcPLA2遺伝子の
使用方法である。さらに、本発明は、この単離したcP
LA2酵素を該cPLA2の酵素活性を阻害しうると推測
される化合物と接触させ、そして該cPLA2の酵素活性
が該化合物によって阻害されるか否かを測定することか
らなる、cPLA2をコードしている遺伝子を用いて薬物
をスクリーニングする方法を包含するものである。
【0007】図1は、pHDCPFの制限部位および機
能地図を示す模式図である。図2は、pHDCPFSの
制限部位および機能地図を示す模式図である。図3は、
pECPLA21の制限部位および機能地図を示す模式
図である。図4は、形質転換および未形質転換の大腸菌
細胞において見い出された酵素活性とタンパク質含量の
関係を示すグラフである。この結果は、本発明のベクタ
ーのいずれかで形質転換された大腸菌細胞が対照細胞に
比べて有意に多くのcPLA2を発現することを明確に示
している。図5は、ベクターpHDCPFSで形質転換
した293細胞の培養物を用いて一時的な発現実験を行
なった結果を示すグラフである。図6および図7は、p
HDCPFSで形質転換したAV12ハムスターセルラ
インのcPLA2活性を示すグラフである。図8は、pH
DCPFSで形質転換した293ヒト腎セルラインのc
PLA2活性を示すグラフである。図9は、pECPLA
22で形質転換した大腸菌の培養物(レーン1)における
cPLA2の発現を、未形質転換の大腸菌培養物(レーン
2)およびヒト単芽球様セルラインから単離した天然のc
PLA2(レーン3)と比較する免疫ブロットの結果を示
す模式図である。
【0008】本発明の中核部分は、天然に見い出される
メッセンジャーRNAから酵素を用いてコピーした、単
離され精製されたヒトcPLA2のcDNAである。この
DNA配列を以下に示す:
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】
【化18】 このDNA配列がコードしているアミノ酸配列は先に挙
げた化10〜化13に示されている。遺伝コードの縮重
に基づいて、同じ長さの多数の他のヌクレオチド配列が
cPLA2酵素をコードしうることは当業者の認識すると
ころであろう。このような配列のすべても、天然の配列
が固有に含んでいる情報の故に、本発明の一部である。
【0009】本発明は全体として、cPLA2をコードし
ているDNA配列、組換えDNAベクター、組換え宿主
細胞、およびその使用方法を包含している。この態様の
それぞれが、特許請求の範囲に記載したDNA配列によ
ってコードされているタンパク質配列により限定され
る。しかし、当業者なら、異種タンパク質が外来の宿主
細胞において発現したときに酵素による消化を受けるこ
とが多いことを認識しているであろう。例えば、セリン
残基の前にあるN-末端のメチオニン残基は原核細胞中
のある種の酵素によって除去されることが多いが、この
ようなものは本発明の範囲内に意図されている。さら
に、本発明は、本発明の説明を助けるために用いた図面
や実施例によって限定されるものではない。
【0010】本明細書の記述においては、組換えDNA
ベクターを単にベクターと記すこともある。この両用語
は2種類のベクター、即ちクローニングおよび発現ベク
ターを包含する。当業者の知るように、クローニングベ
クターは適当な宿主細胞中で複製することができるプラ
スミドである。発現ベクターは、ポリペプチドに転写お
よび翻訳される特定のタンパク質の暗号化配列をプラス
ミド中に含むことができるプラスミドである。この両ベ
クターは、形質転換した細胞だけが選択培地で増殖する
ことを可能にする抗生物質耐性遺伝子などの選択マーカ
ーを含んでいるのが好ましい。
【0011】ある態様では、本発明はcPLA2をコード
しているDNA配列を含有する組換えDNAクローニン
グベクターを提供する。このようなベクターを、cPL
2遺伝子を得るための、それを増殖させるための、他
の有用な組換えDNAベクターを構築するための、この
ベクターを種々の目的に用いるための手段として利用す
ることは当業者なら容易に理解できるであろう。
【0012】他の態様には、これまで極めて希少であっ
たcPLA2酵素を多量に得るのに有用な組換えDNA発
現ベクターが含まれる。本発明のcPLA2をコードして
いるDNA配列が与えられると、当業者は既知の機能要
素を用いて発現ベクターを容易に構築することができる
であろう。以下に4種類の代表的な発現ベクターを挙げ
て本発明のこの態様の説明を助ける。これらベクターは
単に例示の目的で挙げるものであって、いかなる意味に
おいても本発明を限定しようとするものではない。
【0013】2種類の異なる大腸菌株を4つの発現ベク
ターで形質転換し、得られた組換え宿主細胞をブダペス
ト条約の規定もとでノーザン・リージョナル・リサーチ
・ラボラトリーズ(Northern Regional Research Labora
tories;NRRL)に寄託した。それぞれのベクターは
その宿主細胞株において複製するために必要な機能要素
を保持しているので、クローニングベクターを構成して
いる。さらに、これら寄託したベクターの内の2種は原
核性発現ベクターとして機能し、2種は真核性発現ベク
ターとして機能する。各ベクターを次に説明する。
【0014】プラスミドpECPLA21(NRRL受託
番号No.18774)を用いて大腸菌株K12 DH5α
を形質転換した。化14〜化18に示したDNA配列が
このベクターのcPLA2をコードする部分である。ま
た、このベクターは、複製起点配列、テトラサイクリン
耐性付与(tet)配列、誘導可能なプロモーター配列(PL)
を調節する温度感受性リプレッサー(cI857)、およ
び転写終止配列を含んでいる(すべてが大腸菌またはラ
ムダファージに由来する)。プラスミドのこれら機能要
素は、宿主細胞がプラスミドの多数のコピーを複製する
こと、および誘導したときにはcPLA2遺伝子を転写お
よび翻訳することを可能にする。pECPLA21に実
際に使用した配列の代わりに類似の機能を有する他の多
数の配列を置換してよいことは、勿論、当業者の認める
ところであろう。
【0015】プラスミドpECPLA22(NRRL受託
番号No.18775)はpECPLA21と同一であると
考えられる。しかし、これは異なるクローンから得られ
るので、いくつかの塩基対が、特にスプライシング領域
の塩基対がpECPLA21と異なっている可能性があ
る。それでも、pECPLA22はpECPLA21と機
能的に区別することができず、複製起点配列、tet遺伝
子、PL誘導性プロモーター配列を調節するcI857温
度感受性リプレッサーおよび転写終止配列、ならびに化
14〜化18に示すDNA配列を含んでいる。先に記載
した形質転換株を越える発現の利点を得ることを期待し
て、大腸菌の異なる菌株(大腸菌K12と大腸菌Bのハ
イブリッドRR1)をpECPLA22で形質転換した。
今までのところ、形質転換された大腸菌の両菌株は発現
および取扱い性に関しては同等のようである。
【0016】化14〜化18の配列を基に2種類の異な
る真核性発現ベクター(pHDCPFおよびpHDCPF
S)を構築した。pHDCPFが化14〜化18の配列の
3'側にIS10細菌性挿入配列を含有していることを
除き、これらベクターは同一である。IS10挿入配列
がcPLA2のcDNAの3'非暗号領域に存在すると、I
S10を欠く形態に比べてさらに安定な形態になると考
えられるプラスミドが得られる。IS10は周知であり
[Halling,S.M.およびKleckner,N., Cell 28, 155 (198
2)]、DNA中の優先的な9塩基対部位への挿入体であ
る(その2つがcPLA2遺伝子の3'非暗号領域中に存在
する)。IS10がcPLA2の合成レベルに影響するか
否かが確かではなかったので、細菌性発現ベクターpE
CPLA21およびpECPLA22においてはこの挿
入配列を2つの9塩基対部位と共に削除した。しかし、
真核性発現ベクターpHDCPFにはIS10が含まれ
ていた。
【0017】2種類の真核性発現ベクターは同じ前駆体
プラスミドpHDから導いた。従って、pHDCPFおよ
びpHDCPFSの両方に対して等しくpHDの機能要素
を説明し、適用する。pHDベクターは、大腸菌の複製
起点およびアンピシリン耐性を付与する遺伝子(amp)を
含有する。これらの要素は、プラスミドpHDが大腸菌
中でクローニングベクターとして機能するのを可能にす
る。先に記したように、他の多数の配列があるベクター
に同じ性質を付与しうること、およびその環境下で何が
適切であるかに基づいて常法により互いに置換されるこ
とは当業者の知るところである。例えば、本態様は選択
マーカーとしてamp遺伝子に限定されるものではない
が、これは当分野で多数の他の同等のマーカーが周知で
あり、使用されているためである。また、テトラサイク
リンおよびカナマイシン耐性付与遺伝子などの他の抗生
物質耐性付与遺伝子が本発明に適合する。
【0018】さらに、このベクターは、ベクターによっ
て形質転換された真核性クローンの単離を可能にする2
種類の他の選択マーカーを含有している。ハイグロマイ
シン耐性遺伝子(hyg)は、未形質転換細胞の増殖を阻害
する濃度(約200〜400μg/ml)のハイグロマイシ
ンを含む培地で増殖する能力を、ベクターで形質転換さ
れた真核細胞に与える。発現を増幅するためにも用いる
ことができる他の選択マーカーはネズミジヒドロ葉酸還
元酵素(DHFR)遺伝子である。この遺伝子は当分野で
既知であり、約0.5〜130μMのメトトレキセート
に対する耐性に基づいて真核細胞を選択することを可能
にする。
【0019】pHDベクターにおいては、アデノウイル
ス-2主後期プロモーター(MLP)が所望の遺伝子、こ
こではcPLA2を発現させる。当業者なら、MLPの代
わりに機能する他の多数の真核性プロモーターを容易に
想定することができる。その例には、SV40の初期お
よび後期プロモーター、エストロゲン誘導性のニワトリ
卵アルブミン遺伝子プロモーター、インターフェロン遺
伝子のプロモーター、グルココルチコイド誘導性のチロ
シンアミノトランスフェラーゼ遺伝子プロモーター、チ
ミジンキナーゼ遺伝子プロモーター、およびアデノウイ
ルス初期プロモーターが含まれるが、これらに限定はさ
れない。
【0020】本発明の好ましいcPLA2クローニングベ
クターは大腸菌中で機能するベクターである。好ましい
原核性cPLA2ベクターはクローニングおよび発現の両
ベクターとして作動する型のものである。さらに好まし
い原核性cPLA2ベクターはpECPLA21およびpE
CPLA22である。好ましい真核性cPLA2ベクター
は、大腸菌中でクローニングベクターとして機能し、ま
た真核細胞中で発現ベクターとして作動することができ
るベクターである。さらに好ましい真核性cPLA2ベク
ターは、哺乳動物細胞中で発現ベクターとして機能する
という追加の特徴を備えた好ましい型と同じ性質を有し
ている。尚一層好ましい真核性cPLA2ベクターはpH
DCPFおよびpHDCPFSであり、最も好ましいベ
クターはpHDCPFSである。
【0021】本発明の別の態様には、種々の型の組換え
DNA宿主細胞が含まれる。本明細書においては、組換
えDNA宿主細胞を組換え宿主細胞または単に宿主細胞
と呼ぶこともある。組換え宿主細胞とは、そのゲノムが
外来DNAの付加によって変化している細胞である。最
も普通の型の宿主細胞は、異種DNAを含有するベクタ
ーで形質転換された細胞である。宿主細胞は、その細胞
装置をベクターの複製および/またはベクター中のタン
パク質暗号化領域の発現に供することによって2つの目
的を果たす。
【0022】本発明の好ましい宿主細胞は、cPLA2
伝子を含むベクターを含有し、クローニングおよび発現
の両能力を発揮しうる大腸菌細胞である。cPLA2遺伝
子はヒト細胞から単離したので、より好ましい宿主細胞
はcPLA2をコードしているDNA配列を含有する真核
性発現ベクターで形質転換した真核細胞である。さらに
好ましい宿主細胞は、cPLA2遺伝子を含有する真核性
発現ベクターで形質転換した哺乳動物セルラインであ
る。最も好ましい宿主細胞は、pHDCPFまたはpHD
CPFSで形質転換したヒト胚腎セルライン293およ
びpHDCPFまたはpHDCPFSで形質転換したAV
12ハムスターセルラインである。さらに最も好ましい
本発明のcPLA2宿主細胞は、pHDCPFSで形質転
換したヒト胚腎セルライン293およびpHDCPFS
で形質転換したAV12ハムスターセルラインである。
これらの未形質転換セルラインはアメリカン・タイプ・
カルチャー・コレクション(American Type Culture Col
lection;ATCC)の永久保存物である。
【0023】本発明のさらに別の態様は、cPLA2をコ
ードしている遺伝子を用いて細胞を形質転換する方法で
ある。原核および真核性の両細胞に適用しうる多種多様
の形質転換法が存在するが、このような形質転換法は当
分野では常法であるのでここでは説明しない。
【0024】本発明の他の態様は、cPLA2宿主細胞を
用いてcPLA2を発現させる方法である。この態様にお
いては、形質転換された原核性または真核性のいずれか
の宿主細胞を大きな細胞塊が得られるまで適当な培地で
培養する。形質転換した原核細胞の発酵および形質転換
した真核細胞の塊細胞培養は当分野では常法であるの
で、ここでは説明しない。
【0025】この態様の第2の工程は、培養した細胞か
らのcPLA2の単離である。未形質転換哺乳動物セルラ
インからcPLA2を精製するための2つの方法が米国特
許出願番号07/573,513に記載されている。以
下にこれら方法の要約を挙げる。細胞を増殖させ、集め
たら、この培養細胞をプロテアーゼ阻害物質の存在下に
窒素キャビテーションによって溶菌する。この溶菌液か
ら超遠心によって可溶性分画を調製する。得られた細胞
質ゾルタンパク質の溶液はcPLA2を含有しており、こ
れを一連の精製操作にかける。
【0026】細胞溶菌液の可溶性分画を一連のカラムク
ロマトグラフィー操作にかける。アニオン交換クロマト
グラフィーに続いて疎水性相互作用法、分子サイジング
法、そして最後に別の疎水性相互作用法を行なう(cPL
2が樹脂に弱く結合するような条件を用いる)。それぞ
れのカラムは個別に行ない、280nmでの吸光度をモニ
ターしながら溶出液を分画として集める。分画のホスホ
リパーゼA2活性を検定し、次いで、所望の活性を含む
分画を均質なcPLA2溶液が得られるまで次のカラムに
かける。
【0027】抗-cPLA2抗体を用いる免疫アフィニテ
ィー精製法が、上に挙げた一連のクロマトグラフィー法
の代替法である。精製されたタンパク質に指向性の抗血
清またはモノクローナル抗体の作成は当分野で周知であ
り、当業者なら抗-cPLA2抗体を容易に調製すること
ができる。また、このような抗体を用いて免疫アフィニ
ティーマトリックスを作成することおよびこの免疫アフ
ィニティーマトリックスを用いてcPLA2を単離するこ
とも当業者には周知である[Affinity Chromatography P
rinciples & Methods, Pharmacia Fine Chemicals (198
3)を参照]。
【0028】また、本発明はcPLA2をコードしている
遺伝子を用いてある化合物をスクリーニングする方法を
包含する。精製した組換えまたは天然産生のcPLA2
用いることによって、特定の化合物がcPLA2酵素活性
を阻害または遮断しうるか否かを試験することができ
る。後記実施例1に記載の基質溶液に広範囲な濃度の被
験化合物を加えることによって、ある化合物がこの酵素
の活性を阻害または遮断しうるか否かを決定するのは常
法である。
【0029】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明の実施態様の説
明を助け、特許請求の範囲に記載した本発明のcPLA2
をコードしている遺伝子、ベクター、宿主細胞、および
方法を例示する。実施例1 cPLA2酵素活性の検定 1−パルミトイル−2−[14C]アラキドノイル−sn−
グリセロ−3−ホスホコリン([14C]PC)[55mCi/m
mol;NEN Research Productsから入手]およびsn−1,
2−ジオレオイルグリセロール(DG)[Avanti Polar Li
pids, Birmingham, AL]をモル比2:1で含有する超音
波処理リポソーム基質を以下のようにして調製した。[
14C]PC(20nmol、1×106dpm、50μCi/ml、
トルエン/エタノール中)およびDG(10nmol、100
μg/ml、クロロホルム中)を窒素下に乾燥した。Micro
son probeソニケーター[Heat Systems Ultrasonics]を
用いて45秒間隔で4×15秒間、4℃で超音波処理を
行うことにより、脂質を150mM NaCl、50mM H
epes(pH7.5)[検定緩衝液;1ml]中に分散させた。ウ
シ血清アルブミン[実質的に脂肪酸を含まない;水中1
00mg/mlストック(Sigma)から]を終濃度4mg/mlにな
るまで加えた。cPLA2活性の検定を行なう試料を、1
mM CaCl2および1mM 2-MEを含有する検定緩衝液
(総量 0.2ml)中、リポソーム[0.5nmol[14C]PC;
50,000dpm;0.25nmolのDGを含有](50μl)
と共にインキュベートした。インキュベートは37℃で
15分間行い、ドール試薬[10μg/mlのステアリン酸
を含有する40:10:1の2-プロパノール/ヘプタ
ン/0.5M 硫酸](2ml)を添加することによって終了
した。混合した後、ヘプタン(1.2ml)および水(1ml)
を加えた。この混合物を短時間旋回し、この上部の相
を、ヘプタン(2ml)および使用前に130℃で活性化し
たBio-Sil[Bio-Rad Laboratories](150mg)を入れ
た試験管に移した。この試験管を十分に旋回撹拌し、遠
心した(1000×g、5分間)。この上清をシンチレー
ション用バイアルにデカンテーションした。液体シンチ
レーション混液[Ready Protein+;Beckman](10ml)を
添加した後、Beckman液体シンチレーションカウンター
LS7000型を使用して放射活性をカウントした。高
い放射活性のカウント数は酵素活性と相互に関係してい
る。
【0030】実施例2 cPLA2の原核細胞発現 大腸菌K12 DH5α/pECPLA21および大腸菌
K12と大腸菌BのハイブリッドRR1/pECPLA
22は、ノーザン・リージョナル・リサーチ・ラボラト
リーズ(NRRL)にそれぞれ受託番号NRRL B-18
774およびNRRL B-18775のもとで寄託され
ている。この寄託はブダペスト条約に規定に則って為さ
れている。この両菌株は、cPLA2をコードしているc
DNA、テトラサイクリン耐性付与遺伝子、ラムダpL
プロモーターを調節する温度感受性cI857リプレッ
サー、ならびに大腸菌中での転写および翻訳に必要なそ
の他の調節要素を含有する閉環したプラスミドを保持し
ている。大腸菌K12 x 大腸菌B ハイブリッドRR
1/pECPLA22を、10μg/mlテトラサイクリン
を追加したトリプトン・ブロス(TY)中、28℃で一晩
増殖させ、次いでTYブロスで1:10に希釈し、28
℃で60分間撹拌した。最初の増殖期が終わった後、培
養温度を42℃まで高めることによって細胞を6時間誘
導した。この誘導した細胞を1mg/ml(水中の終濃度)の
リソチーム溶液で処理して溶菌し、45秒間隔で15秒
間×6回の超音波処理を行った。形質転換および未形質
転換細胞の溶菌液を調製し、そのタンパク質含有量を測
定した。次いで、実施例1に従ってこの試料のcPLA2
活性を検定した。図4は、それぞれの試料中に見い出さ
れる酵素活性とそのタンパク質含有量の関係を示すもの
である。cPLA2をコードしているDNAを含有しない
大腸菌細胞をネガティブ対照として用いた。この結果
は、本発明のベクターの1つで形質転換された大腸菌細
胞が対照細胞に比べて有意に多いcPLA2を発現するこ
とを明白に示している。
【0031】実施例3 cPLA2の真核細胞発現 cPLA2の一時的な発現をヒト胚腎セルライン293で
行なった。このセルラインはアメリカン・タイプ・カル
チャー・コレクション(ATCC)の永久保存物であり、
受託番号CRL 1573のもとで入手可能である。大
腸菌K12 DH5α/pHDCPFおよび大腸菌K12
DH5α/pHDCPFSは、ノーザン・リージョナル
・リサーチ・ラボラトリーズ(NRRL)にそれぞれ受託
番号NRRL B-18772およびNRRL B-187
73のもとで寄託されている。この寄託はブダペスト条
約に規定に則って為されている。この両菌株は、cPL
2をコードしているcDNA、アンピシリンおよびハイ
グロマイシン耐性付与遺伝子、ジヒドロ葉酸還元酵素遺
伝子、アデノウイルス主後期プロモーター、ならびに真
核細胞中での転写および翻訳に必要なその他の調節要素
を含有する閉環したプラスミドを保持している。
【0032】A.プラスミドの単離 100μg/mlのアンピシリンを含有するDSブロス[1
Lあたりにトリプトン(12g)、酵母エキス(24g)、グ
リセロール(4ml)、0.17M KH2PO4+0.72M
2HPO4(100ml)](0.5L)に大腸菌K12 DH
5α/pHDCPFS細胞を接種し、エアー振盪器中、
37℃で一晩インキュベートした。次いで、この培養物
を取り、Sorvall GSAローター(Dupont Co., Instru
ment Products, Newtown, CT.06470)中、7500rpmで
10分間、4℃において遠心した。この上清を捨て、細
胞ペレットを25%スクロースおよび50mMトリス/
HCl(Sigma;pH8.0)の溶液(14ml)に再懸濁し、次
にこの混合物をオークリッジ(oakridge)管に移した。こ
の溶液に10mg/mlリソチーム溶液(2ml)および0.5
Mエチレンジアミン四酢酸(EDTA;pH8.4)(0.7
5ml)を加え、次いでこれを氷上で15分間インキュベ
ートした。トリトン(Triton)溶菌混合液[3% トリトン
X-100(Sigma)、0.19M EDTA、0.15M ト
リス/HCl(pH8.0)](1.5ml)をこの溶液に加え、
次いで15分間インキュベートした。この溶液を、Sor
vall SS34ローター(Dupont Co., Instrument Produ
cts, Newtown, CT 06470)中、20,000rpmで45分
間、4℃において遠心した。得られたプラスミドDNA
を含む上清を取り、CsCl(20.55g)、1Mトリス/
HCl(pH8.0)(0.28ml)および10mg/ml臭化エチ
ジウム(EtBr)(1.35ml)の溶液と混合した。この混
合物の最終容量を水で27mlにした。この混合物を、2
個のQuick-密封管[Beckman Cat.#342413]中、Ti75
ローター[Beckman Instruments, Inc.]において、45,
000rpmで4日間、20℃において遠心した。プラス
ミドのバンドを2個の新しいQuick-密封管に別々に集
めた。10mg/ml EtBr(150μl)をそれぞれの管に
加え、次にこの管をCsCl/H2O(2回蒸留、脱イオン
水)溶液(密度=1.56g/ml)で満たし、Ti75ロータ
ー中、45,000rpmで24時間、20℃で遠心した。
プラスミドのバンドを集め、等容量の水を加えてCsCl
を希釈した。EtBrを2〜3倍容量の1−ブタノールで
5回抽出した。プラスミドを含む抽出溶液に2.5倍容
量の無水エタノールを加え、これを室温で5〜10分間
インキュベートし、次いでSorvall SS34ローター
中、10,000rpmで10分間遠心した。このDNAペ
レットを乾燥し、次いでTE溶液[1mM EDTA、1
0mMトリス/HCl(pH8.0)](200μl)に溶解し
た。
【0033】B.真核セルライン293のトランスフェ
クション トランスフェクションの1日前に、293細胞を2つの
100cm2培養皿(Falcon #1005)に皿あたり1x106
胞の密度で蒔いた。細胞を、5%CO2の加湿した37
℃のインキュベーター中、10%ウシ胎児血清[Hyclon
e; Ogden, UT]と50mg/mlゲンタマイシン(GIBCO)を追
加したDMEM[ダルベッコの改良イーグル培地;GIBC
O, Grand Island, N.Y.]に蒔き、増殖させた。精製した
pHDCPF DNA(約20μg)を、担体DNAの全く
存在しないリン酸カルシウム トランスフェクション緩
衝液[Wiglerら, P.N.A.S. 76 (1979)を参照]に加えた。
トランスフェクションを37℃で4時間進行させ、次い
でトランスフェクション緩衝液をDMEM(上記のよう
に追加した)と交換し、細胞を3日間増殖させた。
【0034】C.細胞の溶解 トランスフェクションした培養物を洗浄緩衝液[140m
M NaCl、5mM KCl、2mM EDTA、25mM H
EPES (pH7.4)]で1回洗浄し、洗浄緩衝液(10m
l)を加えてこすり落とすことによって培養皿から採取し
た。この細胞(約1x107)を円錐試験管に入れ、遠心
した。1mMフェニルメタンスルホニルフルオリド、1
00μMロイペプチンおよび100μMペプスタチンA
を追加した洗浄緩衝液(1ml)をペレットに加え、出力設
定1で強化マイクロチップを備えたプローブ・ソニケー
ター(W-385型;Heat Systems Ultrasonics)を用い
て細胞を溶解した。45秒間隔で15秒間の超音波処理
を6回繰り返した。次いで、トランスフェクションした
293の溶菌液のcPLA2活性を実施例1のようにして
検定した。このような溶菌液の1つで得られた結果を図
5に示す。この図では、cPLA2活性を溶菌液のタンパ
ク質含有量に対してプロットしている。トランスフェク
ションしていない細胞(その他の点では同じ方法で処理
した)をネガティブ対照として用いた。このグラフは、
トランスフェクションされた細胞がネガティブ対照より
も高いcPLA2活性を有することを明瞭に示している。
この酵素活性の増加は、プラスミドpHDCPFSがcP
LA2を成功裏に発現しうることを示すものである。
【0035】実施例4 cPLA2の安定な真核細胞発現 cPLA2の安定な発現をヒト胚腎セルライン293およ
びAV12ハムスターセルラインで達成した。このAV
12セルラインはATCCの永久保存物であり、受託番
号CRL 9595のもとで入手でき、また、293セ
ルラインもATCCの永久保存物であり、受託番号CR
L 1573のもとで入手できる。cPLA2をコードし
ている遺伝子を含有するプラスミドは実施例3のAに記
載したようにして調製した。プラスミドDNAを初めに
制限酵素FspIによる消化によって直線化し、エタノー
ルで沈澱させたことを除き、実施例3のBに記載したよ
うにして両哺乳動物セルラインをpHDCPFSでトラ
ンスフェクションした。トランスフェクションの後、両
セルラインを別個に培養プレートに蒔き、DMEM中で
3日間増殖させた。次いで、培地を選択培地(上記のよ
うに追加したDMEMに200μg/mlのハイグロマイ
シンを加える)に交換し、直線化したプラスミドDNA
を取込まなかった細胞のすべてを死滅させた。5日後
に、最初に蒔いた細胞の大部分が培養プレートから自然
に分離し、培地を毎週交換することによって除去した
(AV12細胞については毎週2回)。しかし、両セルラ
インからコロニーが成長した。プラスチック製ピペット
の先端を用いてこれらのコロニーを24ウェルのトレイ
(Costar Inc.)に移した。実施例1および3に記載した
ようにしてトランスフェクションしたセルラインを増殖
させ、検定した。この結果を図6〜図8に示した。図6
および図7は8種類の形質転換したAV12セルライン
の結果を示すものであり、図8は1種類の形質転換した
293セルラインの結果を示すものである。ネガティブ
対照は同様に処理した未形質転換セルラインである。こ
れらの結果は、本発明のベクターによる形質転換によっ
てcPLA2を発現する安定なセルラインが得られたこと
を明瞭に示している。現在までに48の形質転換AV1
2および6つの形質転換293セルラインを検定した
が、そのすべてが対照のレベル以上のcPLA2を発現し
た。
【0036】実施例5 ウエスタンブロット分析 天然のcPLA2(米国特許出願番号07/573,513
に記載)と本発明のDNA配列のいずれかを用いて得た
組換えcPLA2の間の免疫学的および電気泳動的な等価
性を、ウエスタンブロット分析によって確かめた。使用
した試料および方法を以下に説明する。試料1 :大腸菌K12 x 大腸菌BのハイブリッドRR
1/pECPLA22細胞(実施例2に記載)を、O.D.
600が1.0になるまで増殖させた。この細胞(1ml)を遠
心し、培地を除去した。このペレットを泳動緩衝液[2
% SDS、30%グリセロール、0.1%ブロモフェノ
ールブルー(Sigma)、6M尿素、および10% 2-メル
カプトエタノールを含有する0.125Mトリス/HCl
(pH6.8)](250μl)に溶解した。試料2 :cPLA2をコードしているプラスミドpECP
LA22を含まない大腸菌K12 x 大腸菌Bのハイブ
リッドRR1細胞を、実施例1に記載したようにして増
殖させ、処理した。試料3 :米国特許出願番号07/573,513に記載
したようにしてヒト単芽球様セルラインU937から単
離した天然のcPLA2(500ng)を泳動緩衝液(30μ
l)と混合した。
【0037】すべての試料を100℃で5分間加熱し、
各試料(30μl)を10% SDSポリアクリルアミドゲ
ル(160x140x1.5mm)の別レーンにおいて泳動
させた。染料がゲルの底に達するまで50mAでゲルを
泳動させた。BioRad Transblot装置を用い、20mM
CAPS緩衝液(pH11;Sigma, C-2632)中、250m
Aで2時間泳動させて、タンパク質をProBlottTMメン
ブラン(Applied Biosystems)に移動させた。タンパク質
が移動した後に、フィルターを取り、これを振動台上の
TBST[0.15M NaCl、0.1% Tween 20、5
0mM トリス/HCl(pH8.0)]中、室温で5分間洗浄
した(3回)。次いで、このブロットを、5%脱脂粉乳(C
arnation)を含むTBS[0.15M NaCl、50mM ト
リス/HCl(pH8.0)]中で3時間ブロックし、次いで
もう一度TBS+3%ウシ血清アルブミン中で3時間ブ
ロックした。次に、このブロットをTBST(100ml)
中で5分間洗浄した(3回)。cPLA2に特異的なモノク
ローナル抗体は米国特許出願番号07/663,335
に記載されている。これら抗体の1つ(3.1)を、本実
施例のcPLA2のブロットをプローブするための1次抗
体として用いた。0.5mg/mlの濃度の1次抗体を、T
BST+0.02%アジ化ナトリウム中、1:570に
希釈した。タンパク質を含むブロットをこの1次抗体溶
液中において4℃で一晩インキュベートし、次いで先に
記したように洗浄した。次いで、このブロットを、TB
ST中に1:5000で希釈した免疫アフィニティー精
製ウサギ抗-マウスIgG抗体[Jackson ImmunoResearch,
Cat.#315-005-045]の溶液中において室温で6時間イン
キュベートすることによって、2次抗体と反応させた。
次に、このブロットを上記のように洗浄し、続いて西洋
ワサビペルオキシダーゼにコンジュゲート化させたヤギ
抗-ウサギIgG[Pel-freeze, Cat.#721307-1]の1:5
00希釈液(TBST)中において4℃で一晩インキュベ
ートした。このブロットを上記のように洗浄し、3%過
酸化水素(300μl)を含む4−クロロナフトール(メタ
ノール中3mg/ml)(8ml);0.1Mリン酸緩衝液(pH
6)(42ml)の溶液中において室温で60分間発色させ
た。このウエスタンブロット分析の結果を図9に示す。
試料1および3中の染色されたバンドは、U937セル
ライン中に見い出される天然のcPLA2が、SDSゲル
泳動させたときには、組換え法によって製造したcPL
2(本発明の特許請求されたDNA配列のいずれかによ
ってコードされている)と同じ移動度を有することを示
している。ネガティブ対照である試料2は、本発明のベ
クターを含有しないとcPLA2が発現されないことを示
している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 pHDCPFの制限部位および機能地図を示
す模式図である。
【図2】 pHDCPFSの制限部位および機能地図を
示す模式図である。
【図3】 pECPLA21の制限部位および機能地図
を示す模式図である。
【図4】 形質転換および未形質転換の大腸菌細胞にお
いて見い出された酵素活性とタンパク質含量の関係を示
すグラフである。
【図5】 ベクターpHDCPFSで形質転換した29
3細胞の培養物を用いて一時的な発現実験を行なった結
果を示すグラフである。
【図6】 pHDCPFSで形質転換したAV12ハム
スターセルラインのcPLA2活性を示すグラフである。
【図7】 pHDCPFSで形質転換したAV12ハム
スターセルラインのcPLA2活性を示すグラフである。
【図8】 pHDCPFSで形質転換した293ヒト腎
セルラインのcPLA2活性を示すグラフである。
【図9】 pECPLA22で形質転換した大腸菌の培
養物(レーン1)におけるcPLA2の発現を、未形質転換
の大腸菌培養物(レーン2)およびヒト単芽球様セルライ
ンから単離した天然のcPLA2(レーン3)と比較する免
疫ブロットの結果を示す模式図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C12N 9/16 D 7823−4B (C12N 1/21 C12R 1:19) (72)発明者 ジヨー・アン・ホスキンズ アメリカ合衆国46256インデイアナ州イン デイアナポリス、ターン・コート8229番 (72)発明者 ルース・マリア・クレイマー アメリカ合衆国46208インデイアナ州イン デイアナポリス、ガバナーズ・ロード3740 番 (72)発明者 ジヨン・デイビツド・シヤープ アメリカ合衆国46226インデイアナ州イン デイアナポリス、ダニエル・ドライブ5304 番 (72)発明者 ドナルド・リー・ホワイト アメリカ合衆国46202インデイアナ州イン デイアナポリス、ナンバー102、インデイ アナ・アベニユー430番

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下に示すアミノ酸配列: 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 を有するタンパク質(細胞質ゾルホスホリパーゼA2)を
    コードしている単離されたDNA配列を含有する遺伝
    子。
  2. 【請求項2】 DNA配列が以下に示すDNA配列: 【化5】 【化6】 【化7】 【化8】 【化9】 である請求項1に記載の遺伝子。
  3. 【請求項3】 受託番号No.18774のもとでノーザ
    ン・リージョナル・リサーチ・ラボラトリーズ(NRR
    L)に寄託されている大腸菌K12 DH5α/pECP
    LA21、受託番号No.18775のもとでNRRLに
    寄託されている大腸菌K12と大腸菌Bのハイブリッド
    RR1/pECPLA22、受託番号No.18772の
    もとでNRRLに寄託されている大腸菌K12 DH5
    α/pHDCPF、および受託番号No.18773のも
    とでNRRLに寄託されている大腸菌K12 DH5α
    /pHDCPFSである、cPLA2をコードしている宿
    主細胞。
  4. 【請求項4】 (a)請求項3に記載の宿主細胞を適当な
    増殖培地で培養して請求項1に記載のタンパク質を産生
    させ; (b)該タンパク質を単離し; (c)該単離したタンパク質を、該タンパク質の酵素活性
    を阻害しうると推測される化合物と接触させ;そして (d)該タンパク質の酵素活性が該化合物によって阻害さ
    れるか否かを測定する; ことからなる、請求項3に記載の宿主細胞を用いて薬物
    をスクリーニングする方法。
JP4090788A 1991-04-17 1992-04-10 ヒト細胞質ゾルホスホリパーゼa2を発現させるための化合物、ベクターおよび方法 Expired - Fee Related JPH0829103B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US68655891A 1991-04-17 1991-04-17
US686558 2003-10-15

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05103677A true JPH05103677A (ja) 1993-04-27
JPH0829103B2 JPH0829103B2 (ja) 1996-03-27

Family

ID=24756805

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4090788A Expired - Fee Related JPH0829103B2 (ja) 1991-04-17 1992-04-10 ヒト細胞質ゾルホスホリパーゼa2を発現させるための化合物、ベクターおよび方法

Country Status (6)

Country Link
US (1) US5328842A (ja)
EP (1) EP0509719B1 (ja)
JP (1) JPH0829103B2 (ja)
CA (1) CA2066111A1 (ja)
ES (1) ES2169025T3 (ja)
IL (1) IL101507A0 (ja)

Families Citing this family (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
IL99227A (en) * 1990-08-24 1996-10-16 Lilly Co Eli Phosphorus lipase A2 cytosolic human
DE69423436T2 (de) 1993-06-25 2000-09-07 Smithkline Beecham Plc An lipoprotein gebundene phospholipase a2, inhibitoren davon und deren verwendung für diagnose und therapie
US5453443A (en) * 1994-07-20 1995-09-26 Merck Frosst Canada, Inc. Bis(aryloxy)alkanes as inhibitors of phospholipase A2 enzymes
US6274140B1 (en) * 1994-07-27 2001-08-14 Genetics Institute, Inc. Calcium independent cytosolic phospholipase A2/B enzymes
US5466595A (en) * 1994-07-27 1995-11-14 Genetics Institute, Inc. Calcium independent cytosolic phospholipase A2/B enzymes
US5707821A (en) * 1995-06-07 1998-01-13 Athena Neurosciences, Inc. Identification of phospholipase A2 inhibitors in Aβ peptide-mediated neurodegenerative disease
AU6381496A (en) * 1995-06-07 1996-12-30 Athena Neurosciences, Inc. Therapeutic inhibition of phospholipase a2 in neurodegenerat ive disease
US5866318A (en) * 1995-06-07 1999-02-02 Athena Neurosciences, Inc. Inhibition of phospholipase A2 to reduce neuronal cell death
US5994398A (en) * 1996-12-11 1999-11-30 Elan Pharmaceuticals, Inc. Arylsulfonamides as phospholipase A2 inhibitors
US6287838B1 (en) 1997-01-24 2001-09-11 Genetics Institute, Inc. Cytosolic phospholipase A2-Beta enzymes
US6103510A (en) * 1997-03-21 2000-08-15 Eli Lilly And Company Human phospholipase A2 and related nucleic acid compounds
US6801860B1 (en) * 1999-02-15 2004-10-05 Genetics Institute, Llc Crystal structure of cPLA2 and methods of identifying agonists and antagonists using same
CN1122106C (zh) * 2000-09-18 2003-09-24 中山大学 一种平颏海蛇磷脂酶a2以及编码它的基因
WO2002060535A1 (en) * 2001-01-31 2002-08-08 Leff Alan R Method of treating inflammatory conditions by inhibiting cytosolic phospholipase a¿2?
US20040086905A1 (en) * 2001-02-06 2004-05-06 Debopriya Das Lipid-associated molecules
US20040001106A1 (en) * 2002-06-26 2004-01-01 John Deutscher System and process for creating an interactive presentation employing multi-media components
DE60222185T2 (de) * 2002-12-02 2008-06-12 Council Of Scientific And Industrial Research Verfahren zur Prävention und/oder Behandlung von Asthma mit Parabromophenacyl Bromide
US20070264246A1 (en) * 2005-10-05 2007-11-15 Gross Richard W ENHANCED MEDICAL TREATMENTS RESULTING FROM CHEMICAL IDENTIFICATION OF CALCIUM INFLUX FACTOR, IDENTITY WITH THE FACTOR ACTIVATING PHOSPHOLIPOLYSIS AND PRECIPITATING SUDDEN DEATH DURING MYOCARDIAL INFARCTION, AND DETERMINATION OF SIMILAR ACTIVATING MECHANISMS IN MULTIPLE CELL TYPES THROUGH DISINHIBITION OF CALCIUM-INDEPENDENT PHOSPHOLIPASE A2beta

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ATE134874T1 (de) * 1987-08-27 1996-03-15 Lilly Co Eli Synoviale phospholipasen
JPH03503843A (ja) * 1988-04-15 1991-08-29 バイオジェン インコーポレイテッド ホスホリパーゼa2の精製方法およびホスホリパーゼa2様ポリペプチドの製造方法
JPH0265781A (ja) * 1988-08-29 1990-03-06 Shionogi & Co Ltd ヒト膵蔵ホスホリパーゼa↓2の製造法

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JOURNAL OF BIOLOGICAL CHEMISTRY=1990 *
PROC.NATL.ACAD.SCI=1990US *

Also Published As

Publication number Publication date
US5328842A (en) 1994-07-12
JPH0829103B2 (ja) 1996-03-27
CA2066111A1 (en) 1992-10-18
EP0509719B1 (en) 2001-12-19
EP0509719A1 (en) 1992-10-21
IL101507A0 (en) 1992-12-30
ES2169025T3 (es) 2002-07-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH05103677A (ja) ヒト細胞質ゾルホスホリパーゼa2を発現させるための化合物、ベクターおよび方法
Hudson et al. Localization of GerAA and GerAC germination proteins in the Bacillus subtilis spore
Descoteaux et al. A specialized pathway affecting virulence glycoconjugates of Leishmania
US6569641B1 (en) Process for obtaining DNA, RNA, peptides, polypeptides, or protein by recombinant DNA technique
US5763192A (en) Process for obtaining DNA, RNA, peptides, polypeptides, or protein, by recombinant DNA technique
Gupta et al. Characterization of a temperature-sensitive mutant of Salmonella typhimurium defective in apolipoprotein N-acyltransferase
Kanazawa et al. Coupling factor F1 ATPase with defective β subunit from a mutant of Escherichia coli
EP0446017A1 (en) New diagnostic and treatment methods involving the cystic fibrosis transmembrane regulator
WO1989009222A1 (en) Cloned human topoisomerase i
Ball et al. Disulfide bonds are required for Serratia marcescens nuclease activity
CN116874596A (zh) 抗S100β蛋白的单克隆抗体及其制备方法和应用
AU2003204331B2 (en) Gene Encoding Labyrinthin, A Marker For Cancer
Oropeza-Wekerle et al. Translocation and compartmentalization of Escherichia coli hemolysin (HlyA)
CN114672447B (zh) 一种具有自絮凝能力的菌株及其制备方法与应用
Cairns et al. HMG box 4 is the principal determinant of species specificity in the RNA polymerase I transcription factor UBF
JP2003502006A (ja) Il−17rhdna及びポリペプチド
Igarashi et al. Expression of anticardiolipin cofactor, human β2-glycoprotein I, by a recombinant baculovirus/insect cell system
US5474921A (en) Expression and purification of phosphoinositide-specific phospholipase C-γ
Okabayashi et al. Effect of butyrate on the expression of the human preprourokinase gene introduced into Chinese hamster ovary cells
JPH1057077A (ja) 新規化合物
Pereira et al. Purification of Neurospora crassa alkaline phosphatase without DNAse activity for use in molecular biology
Van Der Linden et al. Domain organization of penicillin-binding protein 5 from Escherichia coli analysed by C-terminal truncation
Tada et al. Characterization of the properties of a human homologue of Escherichia coli RecQ from xeroderma pigmentosum group C and from HeLa cells
Zhang et al. Isolation of highly purified and stable preparations of c-src and v-src kinase
ES2198493T3 (es) Fenilacetil-coa ligasa de penicillium chrysogenum.

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19961001

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees