JPH0510312B2 - - Google Patents

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JPH0510312B2
JPH0510312B2 JP60273049A JP27304985A JPH0510312B2 JP H0510312 B2 JPH0510312 B2 JP H0510312B2 JP 60273049 A JP60273049 A JP 60273049A JP 27304985 A JP27304985 A JP 27304985A JP H0510312 B2 JPH0510312 B2 JP H0510312B2
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JP
Japan
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silicon nitride
zro
coating
group
thickness
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JP60273049A
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JPS62132789A (ja
Inventor
Akira Yamakawa
Masaya Myake
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication of JPH0510312B2 publication Critical patent/JPH0510312B2/ja
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B41/00After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone
    • C04B41/45Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements
    • C04B41/52Multiple coating or impregnating multiple coating or impregnating with the same composition or with compositions only differing in the concentration of the constituents, is classified as single coating or impregnation

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Structural Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Ceramic Products (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野 本発明は窒化珪素複合体に関する。更に詳細に
は、主として鋳鉄材等の高速度切削加工に使用す
る窒化珪素切削工具の耐摩耗性の改良に係る。 従来の技術 従来、WCを主成分とする超硬工具が、耐摩耗
性、耐熱性、耐食性等の各種物性において優れて
いることから、鋼用、鋳鉄用の切削工具をはじ
め、耐摩耗・耐衝撃工具等として広範に利用され
ていたが、最近になつてこのような超硬工具材料
としてのタングステン資源が不足してきており、
その対応策としてタングステンに代る新材料の開
発が活発に行われ、各種サーメツト工具、セラミ
ツク工具、焼結ダイヤモンド工具などが提案さ
れ、実用化されている。 このような状況の下で、特に鋳鉄材の高速切削
用工具としては、酸化アルミニウム(Al2O3)を
主成分とするセラミツクスが常用され、いわゆる
白セラミツクス、黒セラミツクスとして広く利用
されている。 しかしながら、Al2O3を主成分とするセラミツ
クスは機械的強度、特に靭性の点で不十分であ
り、また耐熱衝撃性にも劣る(熱伝導度が低く、
その結果熱応力による亀裂の発生などの問題があ
る)ため、長時間に亘り、高い信頼性を維持する
切削工具を得ることが困難であり、その結果、
Al2O3を主成分とするセラミツクスは限られた用
途においてのみ使用されていたにすぎなかつた。 一方、非酸化物系セラミツクス材料、例えば窒
化物、炭化物、珪化物等が新材料として開発さ
れ、切削工具の分野においても注目されてきてい
る。中でも、窒化珪素(Si3N4)を主成分とする
セラミツクス材料は、靭性、耐熱衝撃性に秀れて
おり、使用中の欠損が少ないので、耐用寿命の長
い工具を提供し得ることが判明し、実用化が進め
られている。 しかしながら、切削工具において窒化珪素(以
下“Si3N4”という)系セラミツクスが注目さ
れ、利用されるようになつてきたが、次のような
欠点がある。例えば鋼切削では、Si3N4はSiとFe
との反応により工具刃先が異常摩耗したり、欠損
したりする問題がある。また、Al2O3を主成分と
するセラミツクスと比較して、Si3N4系セラミツ
クスは、特に高速切削条件下での耐摩耗性の点で
劣つている。 この問題を改善するために、例えば、特開昭54
−1308号公報にはAl2O3等の耐摩耗性の高いセラ
ミツクス薄膜でコーテイングする方法が提案され
ている。 しかしながら、これら公知の方法はいずれもあ
る程度の効果を達成し得るものの、母材と被覆層
の接着性等の点でいまだ十分とはいえず、依然と
して改良の余地が残されている。 また、従来のSi3N4系セラミツクス工具は、
Al2O3、MgO、Y2O3等を焼結助剤としてホツト
プレス焼結するか、あるいは焼結助剤としての
Al2O3、AlN、Y2O3等を、Si−Al−O−Nを主
体とするいわゆるSialon組成となるように配合
し、次いで窒素中で焼結するか、ホツトプレス焼
結することによつて製作されていた。これらいず
れの場合にもAl2O3を焼結助剤として添加するこ
とが必要であり、また十分なコストパーフオーマ
ンスを達成するには更に改善する必要があつた。 発明の解決すべき問題点 そこで、こうした問題を解決するため、本出願
人は特願昭59−222818号により、窒化珪素焼結体
と、その上に設けられた2層のコーテイングとで
構成された窒化珪素複合体であつて、該窒化珪素
焼結体が0.1〜10重量%のY2O3と0.1〜10重量%の
ZrO2とを含有し、第1のコーテイングがTiの化
合物の薄膜であり、第2のコーテイングがAl2O3
の薄膜であり、これらコーテイングの全膜厚が1
〜20μmの範囲内にあることを特徴とする窒化珪
素複合体を提案したものである。 本発明の目的は、上記先願に記載の窒化珪素複
合体をさらに改善することにあり、換言するなら
ば、母材の焼結性、強度および硬度を改善すると
ともに、母材と被覆層の密着性をさらに強固とす
ることにある。 本発明のさらに別の目的は、母材と被覆層が強
固に密着したSi3N4焼結体複合体であつて、鋳鉄
材の高速度切削工具刃先に好適に使用できる窒化
珪素複合体を提供することにある。 問題点を解決するための手段 上記目的を達成するために、本発明は、窒化珪
素焼結体と、その上に設けられた2層のコーテイ
ングとで構成された窒化珪素複合体において、 該窒化珪素焼結体が Y2O3:0.1〜10重量%、 ZrO2:0.1〜10重量%、 a(Zrを除く)、a、a族の元素の中か
ら選択される少なくとも1種以上の化合物または
それらの相互固溶体:1〜15重量%(元素換算量
で)、 を含有し、残部がSi3N4であり、 第1のコーテイングが厚み6〜10μmのTiの化
合物の薄膜であり、 第2のコーテイングが厚み1〜10μmのAl2O3
薄膜であり、 第1および第2のコーテイングの全膜厚が7〜
20μmの範囲内にあることを特徴とする窒化珪素
複合体を提供する。 上記の上記のa(Zrを除く)、a、a族
の元素の中から選択される少なくとも1種以上の
化合物は、炭化物、窒化物、炭窒化物、酸化物ま
たはそれらの相互固溶体であるのが好ましい。 本発明の好ましい一実施態様では、上記ZrO2
が安定化立方晶であり、この安定化立方晶ZrO2
はCaO、MgO、Y2O3からなる群の中から選択さ
れる1種により安定化されているのが好ましい。 本発明の好ましい他の一実施態様では、上記窒
化珪素焼結体を構成するSi3N4の平均粒径は3μm
以下であるのが好ましい。 本発明では、第1のコーテイングは厚みが6〜
10μmのTiの化合物の薄膜であり、第2のコーテ
イングは厚みが1〜10μmのAl2O3薄膜であり、
第1および第2コーテイングの全膜厚は7〜20μ
mの範囲内にある。これら第1および第2コーテ
イングの厚さはほぼ同じ厚さであるのが好まし
い。 上記Tiの化合物はTiの炭化物、窒化物、炭窒
化物、酸化物およびこれらの相互固溶体からなる
群の中から選択するのが好ましい。 作 用 本発明者等は、Si3N4系セラミツクス製切削工
具の実用性能上の最大の問題が高速度切削におけ
る耐摩耗性に劣ることにあり、またそのためにコ
ストパーフオーマンスの点でも問題であることに
着目し、Si3N4系セラミツクス製切削工具の耐摩
耗性を改善すべく種々検討した。 まず、切削工具の母材としては、Si3N4が高密
度であり、機械的強度、破壊靭性、耐熱性、耐熱
衝撃性に優れていることが必要であるが、窒化け
い素(Si3N4)は共有結合性の強い物質であり、
それ自体では焼結が困難であるため、低融点化合
物を焼結助剤として使用して焼結することが一般
に行なわれている。 即ち焼結助剤としては、多くの場合酸化物が使
用されており、現在までにアルミニウム(Al)、
マグネシウム(Mg)、イツトリウム(Y)やラ
ンタン(La)、セリウム(Ce)などのランタニド
系希土類元素、ベリリウム(Be)、ジルコニウム
(Zr)などの酸化物を添加する方法が知られてい
る。 また、このほかに上記した元素の窒化物、酸窒
化物を焼結助剤として用いる方法も提案されてい
る。 しかしながら上記の何れの場合においても高い
機械的強度、破壊靭性と高強度を同時に満たすこ
とは困難であるばかりでなく、緻密な焼結体を得
るためにはホツトプレスなど加圧焼結する必要が
あるなどの問題点が指摘されている。すなわち、
加圧焼結法では比較的高密度の製品が得られる
が、複雑な形状の製品を製造することが困難であ
り、複雑な設備を要し、生産性が低いので、製品
コストが高くなる。 本発明者らは、上記の本発明の目的に鑑みて
Si3N4の焼結助剤について種々検討した結果
Si3N4粉末の焼結における焼結助剤としてZrO2
ともにY2O3、さらにa族(Zrを除く)a族、
a族元素即ちTi、Hf、V、Nb、Ta、Cr、
Mo、Wから選ばれた元素の炭化物、窒化物、炭
窒化物、酸化物またはそれらの相互固溶体の1種
または2種以上を添加することによつて高強度、
高密度、高硬度の窒化けい素焼結体が得られ、さ
らにこれと接着性の良好なTiの化合物の第1の
コーテイングを介してAl2O3のコーテイングを設
けることによりこの発明を完成するに至つたもの
である。 より詳細には、本発明においてSi3N4がY2O3
含有するのは、Si3N4は単体では昇華性物質であ
るため、焼結しがたく、また緻密な焼結体がえら
れないためである。しかしながら、Y2O3を添加
すると、高密度で内部に繊維状組織を有する高密
度の焼結体が得られる。 Y2O3が0.1重量%未満では焼結が困難であり、
また得られる焼結体が低密度である。一方、10重
量%を越えて含有した場合にはSi3N4量が不足
し、Si3N4自体の特性、例えば高温強度が失わ
れ、切削工具として用いるには不適当である。 ZrO2もSi3N4を緻密化するのに有効な成分であ
り、また第2コーテイングTi化合物との接着性
を高める。 より詳細には、ZrO2はY2O3と反応してSi3N4
の焼結性を高めてこれを緻密化すると同時に、一
部は結晶質のZrO2として粒界に析出し、焼結体
の破壊靭性を高める。すなわち、Y2O3はZrO2
反応してSi3N4の粒界にZrYONの如き非晶質物
質を形成し、これによりSi3N4の粒界を結合して
高い緻密化を促進する。 この発明において、ZrO2の生成焼結体中に占
める量が0.1重量%以下ではZrO2の焼結助剤とし
ての添加効果が小さく、また10重量%以上では
Si3N4の含有量が相対的に減少して、切削工具と
して十分な焼結体の強度、硬度が得られないこと
から望ましくなく、従つて0.1重量%〜10重量%
の範囲内が適当である。 さらに本発明に従うと、ZrO2はMgO、CaO、
Y2O3などの酸化物で安定化した立方晶であるこ
とが好ましい。 公知の如く、ZrO2には単斜晶系(m−ZrO2)、
正方晶系(t−ZrO2)および立方晶系(c−
ZrO2)の3つの多形がある。m−ZrO2は1100℃
付近まで安定であるが、それ以上の温度ではt−
ZrO2に転移し、さらに2370℃以上ではc−ZrO2
になり、冷却によつて逆転移する。とくに、m−
ZrO2とt−ZrO2との相転移では4%にもおよぶ
容積変化を伴う。これに対して、本発明では上記
の如く安定化剤によりZrO2をc−ZrO2として安
定化した材料を使用することによりZrO2の相転
移を阻止し、耐熱性を改善している。 ZrO2のc−ZrO2での安定化は、MgO、CaO、
Y2O3のいずれかをZrO2に対して約11モル%以上
混合し、1200℃以上に加熱することにより達成で
きる。本発明では好ましくは、ZrO2粉末にZrO2
に対して5〜15モル%のY2O3粉末を混合して
1200℃以上に加熱して得られた安定化立方晶
ZrO2を用いる。また、ZrO2とY2O3との混合粉を
共沈法等に付して安定化してもよい。 本発明に従い、焼結助剤として添加され得る
a族(Zrを除く)、a族、a族元素の炭化
物、窒化物、炭窒化物、酸化物およびそれらの相
互固溶体は焼結性を向上させるとともに、焼結時
でのSi3N4の異常成長を阻止し、均粒、微粒の焼
結体とするのである。これは焼結助剤として
ZrO2やY2O3をもちいると、これらの化合物が
SiO2と液相を形成し、Si3N4の溶融が促進され、
この液相よりSi3N4が再結晶することにより焼結
が進行するものである。しかるに、a族(Zr
を除く)、a族、a族元素の化合物を含有す
るとこれらが液相に分散することで析出Si3N4
粗大化が阻止されるものと考えられる。 さらに、このa族、a族、a族の元素の
炭化物、窒化物等が高い硬度をもち、高温で安定
な特性を発揮するために、切削工具材料としてす
ぐれた機械的、熱的特性の焼結体が得られるので
ある。これはSi3N4の主成分であるSiはFeとの親
和性が高く、また硬度も低いために耐摩耗性に劣
る場合も多いが、a族、a族、a族の元素
の炭化物、窒化物等はFeとの親和性が低く、ま
た高硬度を示すため切削工具としての耐摩耗性を
著しく改善するものである。 すなわち、焼結助剤としてのZrO2、Y2O3さら
にa族(Zrを除く)、a族、a族元素の化
合物を同時使用することにより、ZrO2、Y2O3
みの使用では得られない高い焼結性と強度、硬度
を兼ね備えた焼結体が得られ、これは切削工具と
して使用した場合に優れた耐摩耗性を与えること
となる。 またa族(Zrを除く)、a族、a族元素
は、炭化物、窒化物またはこれらの固溶物、混合
物のいずれの形態で使用してもよく、その何れの
場合でも効果は同様である。 a族(Zrを除く)、a族、a族元素の炭
化物、窒化物またはこれらの固溶物の添加量とし
ては、それらの元素の生成焼結体中における量と
して規定され、その量が1重量%以下では添加効
果が小さく、また15重量%以上になると焼結が困
難となり、また却つて焼結体特性が劣化するため
に1〜15重量%の範囲が適当である。 一方、本発明者等の実験によると、窒化けい素
質焼結体の強度および耐摩耗性は焼結体中の
Si3N4の粒度に大きく影響され、粒度が大きくな
るに従つて強度および耐摩耗性が低下し、3μmを
越えるとそれらの低下がいちじるしくなることが
判つた。 種々の組成割合のSi3N4−ZrO2−Y2O3の混合
粉末を1850℃で焼結し、得られた焼結体の平均粒
度を測定し、その結果を第1表に示す。
【表】 さらに、7vol%ZrO2−3.5wt%Y2O3−Si3N4
ついて焼結温度を変化して焼結し、得られた焼結
体の粒度を測定し、その結果を第2表に示す。
【表】 以上の結果より、窒化けい素質焼結体のSi3N4
の粒度は、特にZrO2およびY2O3等の焼結助剤の
添加量が多くなるほど、また焼結温度が高いほ
ど、焼結中の粒成長が激しくなり、大きくなるこ
とが判る。 すなわち、この実験結果からも、焼結助剤
Y2O3およびZrO2の添加率はいずれも0.1〜10重量
%の範囲内としなければならないことが理解でき
る。即ち、少なくとも一方が0.1重量%に満たな
い場合にはSi3N4の焼結が十分に進行せず、緻密
化を保証できず、また少なくとも一方を10重量%
を越えて使用した場合には焼結体強度が低下して
しまい、切削工具として用いるには不適当であ
り、いずれも好ましくない。 本発明では、第1のコーテイングは厚みが6〜
10μmのTiの化合物の薄膜であり、第2のコーテ
イングは厚みが1〜10μmのAl2O3薄膜であり、
従つて、第1および第2のコーテイングの全膜厚
は7〜20μmの範囲にしなければならない。この
全膜厚は7〜10μmの範囲にするのが好ましい。
すなわち、コーテイング層全体の膜厚が7μmに満
たない場合には耐摩耗性の向上はわずかにすぎな
いので、コーテイング費用に見合う効果を達成で
きず、一方20μmを越える場合には、コーテイン
グが剥離し易く、従つてコーテイングの効果が得
られず、しかも母材の強度を損うため、かえつて
耐用寿命は短くなる。Ti化合物の第1コーテイ
ングはAl2O3の第2コーテイングの脆化を起こさ
ず、母材との接着を強固にするものであり、6μm
以上の厚さが必要である。6μm以下の厚さでは
Al2O3の第2コーテイングの接着強度が低くな
り、剥離し易く、切削工具として使用に耐えな
い。一方、10μmを越えると、Al2O3層への拡散
量が増大し、Al2O3が脆化する。また、高速切削
時にTi化合物の第1コーテイングが塑性変化し
易くなり、Al2O3の第2コーテイングがその塑性
変形に追従できず、破壊し易くなる。さらに、
Ti化合物の第1コーテイングが10μmを越える
と、母材(Si3N4焼結体)との熱伝導率の相違に
より工具の使用中に熱応力が大きくなり、破壊し
易くなる。本発明は、第1コーテイングの厚さを
6〜10μmとすることによつて、母材との密着性
および第2コーテイングの補強を同時に達成する
ことができるということを見出したものである。 Al2O3の第2コーテイングも0.5μm以上、好ま
しくは1μm以上であることが必要である。0.5μm
未満の厚さでは耐摩耗性に優れたAl2O3の特性を
十分に発揮できず、一方10μmを越えると、母材
(Si3N4焼結体)との熱伝導率の相違により工具
の使用中に被覆層の厚み方向に温度勾配が大きく
なり、熱応力が大きくなり、亀裂が入り易くな
る。 結局、本発明の窒化珪素切削工具では、高密度
窒化珪素母材およびその表面被覆コーテイング層
両者を最適化することにより、鋳鉄部品の切削加
工に最適な耐摩耗性、ひいては耐用寿命を達成し
ている。 本発明の窒化珪素切削工具は以下のようにして
作製することができる。まず、Si3N4、焼結助剤
Y2O3とZrO2あるいは安定化ZrO2およびa(Zr
を除く)、a、a族の元素のうちの少なくと
も1種以上の元素の炭化物、窒化物、炭窒化物、
酸化物またはそれらの相互固溶体を所定の割合で
配合し、ボールミルなどで十分混合する。 次いで、かくして得られる粉末混合物を、焼結
するが、焼結法としては各種の方法が知られ、目
的生成物の物性に応じて適宜選択される。本発明
の切削工具では、高い機械的強度を有することが
要求されるので、ホツトプレス法が最も適してい
る。また、焼結助剤の添加量が低い場合には高温
静水圧プレス法(HIP法)を利用することも可能
である。しかしながら、その他の焼結法例えば反
応焼結法、常圧焼結法等を何等排除するものでは
ない。 Si3N4と焼結助剤の混合の際、焼結助剤自体を
ボールミルとして使用し、ボールミル処理するこ
とによつて所定の組成の混合物を得ることもでき
る。 また、焼結はSi3N4の昇華、熱分解温度である
1800℃以下、好ましくは1650〜1800℃の範囲で行
う。 更に、得られた焼結体表面にはTi化合物層お
よびAl2O3コーテイング層を設ける。コーテイン
グ方法としてはスパツタ法、化学的気相蒸着法
(CVD)、プラズマCVD法等を利用することがで
きる。 以下、実施例により本発明の窒化珪素切削工具
を更に具体的に記載する。以下の実施例は単に本
発明を例示し、その効果を立証するためのもので
あり、本発明の範囲はこれらによつて何等制限さ
れないことはもちろんである。 製造例 種々の配合率でSi3N4、Y2O3、ZrO2、a(Zr
を除く)、a、a族の元素のうちの少なくと
も1種以上の元素の炭化物、窒化物、炭窒化物、
酸化物またはそれらの相互固溶体の粉末を配合
し、ボールミルにて48時間混合した後乾燥した。 得られた各種組成の粉末混合物をホツトプレス
により、14mm×14mm×6mmの焼結体とした。ホツ
トプレスは1850℃で2時間行つた。かくして得た
焼結体の化学組成を第3表に示すとともに、これ
らの焼結体をダイヤモンド砥石で研削して、
JISSNG432のスローアウエイチツプを作製した。
引き続き、化学的気相蒸着法を利用して、同様に
第3表に記載したような種々のコーテイングを該
スローアウエイチツプに施した。 実施例 上記製造例に従つて作製した。2層のコーテイ
ングを有するスローアウエイチツプを、切削試験
に供した。得られた結果を以下の第3表に示す。
切削条件は以下のとおりであつた。 切削試験条件 送り :0.36mm/回転 機械 :池貝NC旋盤25KW 切削速度:500m/分 切込み :2.0mm 送り :0.36mm/回転 被削材 :FC25 300φ×1000L ホルダー:FN11R−44A 寿命判定:VB=0.2mm
【表】
【表】
【表】 印*は比較例を示す。
印**は特願昭59−222818号に開示の発明に基
づく例を示す。
第3表に示す結果から、本発明に従う窒化珪素
切削工具は、従来問題とされていた耐摩耗性が改
善され、使用寿命が大幅に改善されていることが
わかる。ちなみに、特願昭59−222818号に記載の
発明の条件を満足する試料では、切削テスト寿命
は最低20分であるのに対し、比較例では最高でも
15分であり、場合によつては5分(試料番号1)
となつている。これに対して本発明の範囲内の試
料は25分以上、場合によつては60〜70分の切削寿
命を有する。 また、上記試験結果は、Si3N4系セラミツクス
切削工具の耐摩耗性を改善するためには、Si3N4
に添加すべき焼結助剤、Y2O3およびZrO2の量を
0.1〜10wt%の範囲内とし、しかもコーテイング
の全膜厚も1〜20μmの範囲内としなければなら
ず、これら2つの条件のいずれか一方でも満足さ
れない場合には、十分な耐摩耗性即ち切削寿命を
確保することができないことも理解できる。 また、焼結助剤の量についてもY2O3および
ZrO2両者がいずれも上記範囲内になければなら
ず、このことは試料番号2、3、8および9につ
いての結果から明らかである。更に、従来と同様
に焼結助剤としてAl2O3系のものを使用した場合
(試料番号33、34、36)、コーテイングに関する条
件が満足されていても、十分な耐摩耗性を確保し
得ないことがわかる。 さらに、特願昭59−222818号に記載の発明の条
件を満足する試料に対しても耐摩耗性が大幅に改
善され、a(Zrを除く)、a、a族の元素
の添加効果が発揮されていることがわかる。 以上詳しく述べたように、本発明の窒化珪素切
削工具では、高密度窒化珪素母材並びに該母材の
コーテイング層の両者における材質、膜厚、添加
率等の各種条件を最適化したことにより、窒化珪
素セラミツクス自体が本来有している靭性、耐熱
衝撃性等の機械特性を何等損なうことなしに、窒
化珪素セラミツクスの欠点として指摘されていた
耐摩耗性が大巾に向上した。 その結果、本発明は特に鋳鉄製の各種素材、物
品等の切削加工に極めて有用な切削工具を提供す
ることができた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 窒化珪素焼結体と、その上に設けられた2層
    のコーテイングとで構成された窒化珪素複合体に
    おいて、 該窒化珪素焼結体が Y2O3:0.1〜10重量%、 ZrO2:0.1〜10重量%、 a(Zrを除く)、a、a族の元素の中か
    ら選択される少なくとも1種以上の化合物または
    それらの相互固溶体:1〜15重量%(元素換算量
    で)、 を含有し、残部がSi3N4であり、 第1のコーテイングが厚み6〜10μmのTiの化
    合物の薄膜であり、 第2のコーテイングが厚み1〜10μmのAl2O3
    薄膜であり、 第1および第2のコーテイングの全膜厚が7〜
    20μmの範囲内にあることを特徴とする窒化珪素
    複合体。 2 上記ZrO2が安定化立方晶である特許請求の
    範囲第1項に記載の窒化珪素複合体。 3 安定化立方晶ZrO2がCaO、MgO、Y2O3より
    なる群の中から選択された1種により安定化され
    ている特許請求の範囲第2項に記載の窒化珪素複
    合体。 4 上記のa(Zrを除く)、a、a族の元
    素の中から選択される少なくとも1種以上の化合
    物が炭化物、窒化物、炭窒化物、酸化物またはそ
    れらの相互固溶体として含有されている特許請求
    の範囲第1〜3項のいずれか1項に記載の窒化珪
    素複合体。 5 上記窒化珪素焼結体を構成するSi3N4が平均
    粒径3μm以下である特許請求の範囲第1〜4項の
    いずれか1項に記載の窒化珪素複合体。 6 上記Tiの化合物がTiの炭化物、窒化物、炭
    窒化物、酸化物およびこれらの相互固溶体からな
    る群の中から選択された1種である特許請求の範
    囲第1〜5項のいずれか1項に記載の窒化珪素複
    合体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57145088A (en) * 1981-02-27 1982-09-07 Hitachi Metals Ltd Clad ceramic tool
JPS59190274A (ja) * 1983-04-12 1984-10-29 住友電気工業株式会社 窒化けい素質焼結体およびその製造法

Patent Citations (2)

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