JPH0510195A - 学習制御装置 - Google Patents

学習制御装置

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Publication number
JPH0510195A
JPH0510195A JP16300591A JP16300591A JPH0510195A JP H0510195 A JPH0510195 A JP H0510195A JP 16300591 A JP16300591 A JP 16300591A JP 16300591 A JP16300591 A JP 16300591A JP H0510195 A JPH0510195 A JP H0510195A
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JP
Japan
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learning
area
value
grid
air
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Pending
Application number
JP16300591A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuki Nakajima
祐樹 中島
Masaaki Uchida
正明 内田
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Filing date
Publication date
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 学習のはじめは学習マップに格子を設けず
に、全体を1つの学習エリアとして学習し、その後に学
習マップを複数の学習エリアに分割し、分割直前までの
学習値を初期値として、以後各学習エリアごとに学習を
行わせることで、学習の進行速度を早めつつ学習の精度
を向上させる。 【構成】 空燃比制御装置32は、バックアップされた
学習マップ31に格納された学習値を用いて空燃比を制
御する。格子設定手段34が、バックアップ後の学習の
はじめに学習マップ31に格子を設けず全体を1つの学
習エリアとし、その後は格子を設けて複数の学習エリア
に分割したとき、学習値更新手段35が学習エリアごと
に学習値を更新する。一方、学習値格納・記憶手段36
では、格子を設けたときその格子で分割されたすべての
学習エリアに格子を設けていなかったときの学習値を格
納・記憶させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は学習制御装置、特にエ
ンジンの空燃比制御について学習を行うものに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、バッテリによりバックアップされ
たメモリが使用できるようになったことから、燃料噴射
制御に学習機能がつけ加えられ、要求空燃比に対する制
御精度を向上させている(特開昭60−145443号
公報参照)。
【0003】これを説明すると、インジェクタに与える
燃料噴射パルス幅Tiの式に、学習値αmを追加したもの
である。
【0004】Ti=Tp・Co・α・αm+Ts…(1) ここで、Tpは吸入空気量Qaとエンジン回転数Neとか
ら決定される基本パルス幅(基本噴射量相当量)、αは三
元触媒を効率良く機能させるために導入した空燃比フィ
ードバック補正係数、Coは各種補正係数の総和、Tsは
電圧補正分である。
【0005】学習にあたっては、まず運転条件(回転数
Neと基本噴射パルス幅Tpとから定まる)の属する学習
エリアを決定する。学習エリアとは、図13で示したよ
うに、1度に学習する小領域のことで、学習マップは格
子により複数の学習エリアに分割されている。
【0006】学習はこの学習エリアごとに行う。その手
順は次のとおりである。学習エリアから学習値を読み出
し、この学習値とO2センサ出力とを用いて空燃比が理
論空燃比となるようにフィードバック制御する。学習条
件が成立すると、読み出した学習値と空燃比フィードバ
ック補正係数とを用いて、あらかじめ定められた式で今
回の学習値を計算し、これを読み出したと同じ学習エリ
アに格納する。
【0007】学習値を格納している学習マップ(メモ
リ)はバッテリによりバックアップすることで、キース
イッチをOFFしても、記憶・保持しておく。
【0008】学習条件は、TpとNeが同一の学習エリア
内にあり、かつ所定の条件(空燃比フィードバック制御
中でO2センサ出力が数周期サンプリングされること等)
が成立したときである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、学習マップ
に格子を設けて複数の学習エリアに分割したのは、学習
値として要求される値が、運転条件ごとに異なるためで
ある。自動車用エンジンのように、特に運転条件が広範
囲にわたるものでは、たとえばアイドル時と高速走行域
とが別の学習エリアとなるように、学習に入る段階から
学習マップをたくさんの学習エリアに分割しておくこと
で、学習の精度を高めるのである。
【0010】しかしながら、学習のはじめから複数の学
習エリアに分けていると、学習の進む速度が遅くなる。
たとえば、市街地での使用が多いとき、アイドル時や低
負荷域の属する学習エリアについて学習がどんどん進む
けれども、高速走行をする機会があまりないと、高速域
の属する学習エリアについては学習が進行しにくいので
ある。
【0011】また、同一の学習エリアに長くとどまるこ
となく隣の学習エリアへと通過していく運転条件では、
学習条件が成立しにくくなって学習が行われず、とくに
学習エリアを移動した直後の誤学習を防止するため移動
直後は一定期間学習を停止させるようにしたものでは、
学習マップを細分化すると、学習がまったく進行しなく
なる。
【0012】つまり、学習マップを細分化するほど学習
の精度はよくなるが、その一方で学習の速度は落ちてく
るのである。
【0013】なお、長期にわたって学習すれば、メモリ
がバックアップされ続けるかぎり、ほとんどすべての学
習エリアにやがては最適な学習値がおさまる。しかしな
がら、このときでもバッテリ交換のため端子を外すと、
それまでメモリに格納していた学習値がきれいに消失し
てしまうので、あらためて学習を進行させなければなら
ないのである。
【0014】そこでこの発明は、学習のはじめは学習マ
ップに格子を設けずに、全体を1つの学習エリアとして
学習し、その後に学習マップを複数の学習エリアに分割
し、分割直前までの学習値を初期値として、以後各学習
エリアごとに学習を行わせることなどで、学習の進行速
度を早めつつ学習の精度を向上させることを目的とす
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、図1に示
すように、バックアップされて学習値を格納・記憶する
学習マップ31と、この学習マップ31に格納された学
習値を用いて空燃比を制御する装置32と、バックアッ
プ後の学習のはじめとその後とをそれぞれ判定する手段
33と、この判定結果にもとづき学習のはじめは学習マ
ップ31に格子を設けず全体を1つの学習エリアとし、
その後は格子を設けて複数の学習エリアに分割する手段
34と、前記学習エリアごとに学習値を更新する手段3
5と、前記格子を設けたときその格子で分割されたすべ
ての学習エリアに前記格子を設けていなかったときの学
習値を格納・記憶させる手段36とを備える。
【0016】第2の発明は、図2に示すように、バック
アップされて学習値を格納・記憶する学習マップ31
と、この学習マップ31に格納された学習値を用いて空
燃比を制御する装置32と、バックアップ後の学習のは
じめとその後とをそれぞれ判定する手段33と、この判
定結果にもとづき学習のはじめは1つの格子を設けて2
つだけの学習エリアに分割し、その後は2以上の格子を
設けて複数の学習エリアに分割する手段37と、前記学
習エリアごとに学習値を更新する手段35と、前記2以
上の格子を設けたときその格子で分割された学習エリア
に前記1つの格子を設けたときの学習値を格納・記憶さ
せる手段36とを備える。
【0017】第3の発明は、第2の発明において1つの
格子を高速定常走行域とそれ以外の領域とにわける位置
に設ける。
【0018】第4の発明は、第2の発明において1つの
格子をEGRの行われる運転域とそれ以外の領域とにわ
ける位置に設ける。
【0019】
【作用】第1の発明で、学習のはじめに格子を設けてい
ないとき、全体で1つの学習エリアだけとなるため、1
つの運転条件で学習値を更新すると学習マップ全体で学
習が同時に進行する。つまり、学習の進行しない領域が
生じることがなく、学習の進行がとても早くなる。
【0020】その後、学習マップが複数の学習エリアに
分割され、上記の格子のない状態で入っていた学習値を
初期値として、学習エリアごとに学習が行われると、学
習の精度が高まる。
【0021】一方、2つの運転域で燃焼状態が大きく異
なるとき、それぞれの運転域に対する学習エリアには、
学習の進んだ段階で両者に異なった傾向の学習値がはい
る。第2の発明で、これら2つの運転域にあわせて2つ
の学習エリアにわけ、この状態から学習を始めると、学
習のはじめから学習の進んだ段階での学習値の傾向にあ
わせて学習を進行させることができる。
【0022】たとえば、高速定常走行域で他の領域と異
なって空燃比がリッチシフトされるとき、第3の発明で
これら2つの運転域に対応させて学習エリアを2つにわ
け、この状態から学習を始めると、高速定常走行域に対
する学習エリアではリッチシフトされた空燃比状態にふ
さわしい学習が進んでいく。
【0023】また、一部の運転域でだけEGRが行われ
るとき、第4の発明でも2つの運転域(EGRの行われ
る運転域とそうでない領域)に対応させて学習エリアを
2つにわけ、この状態から学習を始めると、EGRの行
われる運転域に対する学習エリアでEGRによりリッチ
シフトしがちな空燃比状態にふさわしい学習が進んでい
く。
【0024】
【実施例】図3において、7はエアクリーナを介して吸
入される空気量を検出するエアフローメータ、9はアイ
ドルスイッチ、10は単位クランク角度ごとの信号とク
ランク角度の基準位置ごとの信号とを出力するクランク
角度センサ、11は水温センサ、12は排出ガス中の酸
素に反応して理論空燃比を境に値の急変するO2セン
サ、13はノックセンサ、14は車速センサで、これら
センサ類の信号はマイコンからなるコントロールユニッ
ト21に入力されている。
【0025】燃料の噴射は、量が多いときも少ないとき
も吸気ポートに設けた一か所のインジェクタ4から供給
するので、量の調整はコントロールユニット21により
その噴射時間で行う。噴射時間が長くなれば噴射量が多
くなり、噴射時間が短くなれば噴射量が少なくなる。混
合気の濃さつまり空燃比は、一定量の吸入空気に対する
燃料噴射量が多くなればリッチ側にずれ、燃料噴射量が
少なくなればリーン側にずれる。
【0026】したがって、吸入空気量との比が一定とな
るように燃料の基本噴射量を決定してやれば運転条件が
相違しても同じ空燃比の混合気が得られる。ただし、燃
料の噴射はエンジンの1回転について1回行われるの
で、1回転で吸い込んだ空気量に対して1回転当たりの
基本噴射量に相当する基本パルス幅Tp(=K・Qa/N
e、ただしKは定数)をそのときの吸入空気量Qaとエン
ジン回転数Neとから求めるのである。通常、この基本
パルス幅Tpにより決定される空燃比は理論空燃比付近
になっている。
【0027】排気管5にはエンジン1から排出されてく
るCO,HC,NOxといった三つの有害成分を処理す
る三元触媒6が設けられる。この三元触媒6が三成分を
同時に処理できるのは、エンジンに供給している混合気
の空燃比が理論空燃比を中心とする狭い範囲にあるとき
だけである。この範囲より実空燃比が少しでもリッチ側
にずれるとCO,HCの排出量が増し、逆にリーン側に
ずれるとNOxが多く排出される。
【0028】そこで、排出ガス規制が実施される運転条
件になると、コントロールユニット21は、三元触媒6
がその能力を十分に発揮できる理論空燃比になるよう、
2センサ12からの実空燃比信号にもとづいて燃料噴
射量をフィードバック補正する。
【0029】O2センサ12の出力が理論空燃比相当の
スライスレベルより高いと実空燃比はリッチ側に、低い
とリーン側にある。この判定結果より実空燃比がリーン
側より理論空燃比を横切ってリッチ側に反転したときは
空燃比をリーン側に戻さなければならない。
【0030】そこで、図4の流れ図で示したように、実
空燃比がリッチ側に反転した直後だけは空燃比フィード
バック補正係数αから比例分PRを差し引き、実空燃比
がつぎにリーン側へ反転する直前までαから積分分IR
を差し引く(ステップ2,3,13、ステップ2,3,
14)。この逆に実空燃比がリッチ側からリーン側に反
転したときは、反転の直後だけ比例分量PLをαに加算
し、実空燃比がつぎにリッチ側に反転する直前まで積分
分ILを加算する(ステップ2,4,15、ステップ
2,4,16)。
【0031】ここで、比例分PR,PLの値は積分分
R,ILの値よりも相対的にずっと大きい。これは、空
燃比が反転した直後だけは大きな値のPRをステップ的
に与えて応答よくリーン側へと変化させ、またPLにつ
いてもステップ的に与えて応答よくリッチ側に変化させ
るのである。こうしたステップ変化の後は小さな値のI
R,ILでゆっくりと空燃比を反対側へと変化させ、これ
により制御を安定させる。
【0032】なお、比例分PR,PLと積分分IR,IL
それぞれマップをルックアップすることにより求めてい
る(ステップ6,7,10,11)。積分分について
は、マップ値をエンジン負荷で補正もしている(ステッ
プ8,12)。これは、αの制御周期が長くなる運転域
でαの振幅が大きくなって、三元触媒の排気浄化性能が
落ちることがあるので、αの振幅をαの制御周期によら
ずほぼ一定とするためである。
【0033】このようにして、混合気が理論空燃比より
も薄ければ、理論空燃比になるように噴射量を増量し、
逆に濃ければ噴射量を減量するということを繰り返す。
【0034】次に、αの制御中心(1.0)からの偏差ε
を ε=(αa+αb)/2−1…(2) から求める(ステップ19)。
【0035】ただし、αaは空燃比がリーンからリッチ
に反転する直前のαの値、αbは空燃比がリッチからリ
ーンに反転する直前のαの値である(ステップ6,8)。
【0036】この偏差εをなくすため、学習マップの中
から、そのときの運転条件(後述するようにエンジン回
転数Neと基本パルス幅Tpのほか車速VSPから定ま
る)の属する学習エリアに入っていた学習値を読み出
し、その値と前記のεとを用いて次式 αm=αm+R・ε…(3) により今回の学習値を計算し、これを同じ学習エリアに
格納する(ステップ20)。
【0037】εが理論空燃比からのずれ、すなわち空燃
比偏差に相当し、この偏差を学習値に取りこむことによ
り次回から空燃比偏差が生じないようにするのである。
Rは学習更新割合で、ハンチング等を回避するため1未
満の適当な値を選択している。
【0038】なお、学習条件(たとえば運転条件が同一
の学習エリア内にあり、かつ所定の条件が成立したとき
を学習条件とする)が設けられることがあり、このとき
には、学習条件が成立するときにだけ、ステップ19,
20に進んで学習値の更新を行う。
【0039】ここで、一例としてインジェクタ4に目詰
まりを生じている場合をあげると、噴射量が少なくなっ
て空燃比がリーン側にずれる。これに対して、コントロ
ールユニット21では、空燃比フィードバック補正係数
αとして1を越える値を計算し、この1を越えるαの値
でインジェクタ4を開く期間を長くして、混合気を濃く
することで、空燃比を理論空燃比へと戻すのである。こ
のとき、学習のはじめであれば、学習値αmとして1を
越える値を計算し、これを学習マップに格納・記憶す
る。
【0040】学習マップは、キースイッチのOFF後も
バッテリによりバックアップしており、次回のキースイ
ッチのONでバックアップしている学習値を読み出し、
この学習値で空燃比フィードバックの制御開始前から燃
料量を増量することで、空燃比を要求値へと落ち着かせ
る。
【0041】さて、学習のはじめから学習マップを複数
の学習エリアに分割していると、学習の精度は向上する
ものの、その一方で学習の進行が遅くなる。これを防止
するため、コントロールユニット21は、図6でも示し
たように、(1)学習のはじめの所定時間(カウンター
値jcが基準値ncに達するまでのあいだ)は学習マップ
に格子を設けず、全体を1つの学習エリアとして学習を
行い、(2)所定時間たつと(jc=ncのとき)、学習
値を呼び出してこれをレジスタに入れ、かつ学習マップ
に格子を設けて複数の学習エリアに分割し、その分割し
たいずれの学習エリアにもレジスタに入れておいた学習
値を格納する(ステップ26〜28)。 (3)それ以後は従来どおり学習エリアごとに学習を進
行させる。
【0042】なお、カウンターは、メモリがバックアッ
プされた状態となるまでは、その値を“0”にして待機
させおき(ステップ21,22)、バックアップされた
状態となってから、その値jcをインクリメントさせて
いる(ステップ23,24)。
【0043】ここで、運転条件の代表値であるエンジン
回転数Neと基本パルス幅(エンジン負荷相当量)Tpの
ほか、車速VSPをも軸とする三次元の学習マップを図
7に示すと、格子(仕切り)を設けていないとき、全運
転領域(図で示した大きな立方体の三次元空間)に対し
て1つの学習エリアだけとなるため、1つの運転条件で
学習値を更新すると学習マップ全体で学習が進行する。
たとえば、市街地走行時に学習が行われただけで高速走
行域でも学習が行われたことになる。つまり、学習の進
行しない領域が生じることがなく、学習の進行がとても
早くなるのである。
【0044】これに対して、学習のはじめから、図8で
示したように、複数の学習エリアに分割していると、市
街地走行時に学習が行われても、その運転域の属する学
習エリアに学習値が格納されるだけで、市街地走行域と
かけ離れた高速走行域の属する学習エリアは学習の進行
しないまま残ってしまうのである。
【0045】一方、学習のはじめより所定時間たつと、
図8でも示したように、学習マップが複数に分割される
のであって、この分割されたすべての学習エリアに対し
て、上記の格子のない状態で入っていた学習値が格納さ
れる。そして、この状態から従来と同様に学習エリアご
とに学習が行われると、学習の精度を高めることができ
る。
【0046】上記の図8は各軸に対して1つずつの格子
(回転数Neについて所定値DOSNE、基本パルス幅
Tpについて所定値DOSTP、車速VSPについて所
定値DOSVS)を設けることで合計23(=8)個の
学習エリアに分割したものである。この格子数は増やす
こともできる。
【0047】なお、格子を設けていない状態では、学習
値を計算したときの運転条件の近くではよい結果をあた
えても、その条件と大きく離れた運転域については、学
習の精度が悪いともいえる。
【0048】しかしながら、経時変化などにより空燃比
が運転条件に関係なく、全体的にリッチ側やリーン側に
ずれているときは、上記のようにして学習初期に格子を
設けていないほうが、従来よりも学習の精度が高くなる
のである。
【0049】たとえば、インジェクタに目詰まりを生じ
ているときには、ほとんどすべての運転条件で空燃比が
リーン側にずれるため、学習のかなり進行した状態で
は、程度の差こそあれ各学習エリアに1を越える値の学
習値が格納される。これらの学習値がすべて消失した後
バックアップされたとき、初めから格子を設定している
従来例では、あらためてすべての学習エリアに初期値
(1.0)を格納し、それから学習エリアごとに学習の
機会を待つことになるので、学習機会のなかなか訪れる
ことのない学習エリアで運転されると、フィードバック
制御域でないときに空燃比がリーン側にずれてしまう。
【0050】これに対して、この例では格子を設定する
までに学習条件が成立して1度でも学習が行われていれ
ば、格子を設定した段階ですべての学習エリアに1を越
える値の学習値が入るので、従来例によれば学習機会の
なかなか訪れることのない学習エリアで運転されること
になっても、そのエリアでの運転のはじめから、1より
大きい値の学習値で燃料量が増量されることになって、
空燃比のずれを小さくすることができるのである。つま
り、インジェクタに目詰まりを生じているときなどに
は、学習のはじめは格子を設けていないほうが、全運転
領域でみれば学習の進行が早くなるのである。
【0051】ところで、学習値はすべての運転域で同じ
傾向をもつとは限らず、学習しない前から学習値として
要求される値が大きく異なることがある。
【0052】たとえばアメリカのLA−4モードでは、
理論空燃比の混合気よりも濃い混合気の要求される高速
定常走行域になると、比例分PLのほうを比例分PRよ
りも大きくすることで、空燃比をリッチ側にシフトさせ
ている。
【0053】このため、高速定常走行域に対する学習エ
リアには、それ以外の走行域と異なって学習の進んだ段
階でこのリッチシフトを約束する学習値がはいることに
なる。つまり、学習の進んだ段階で高速定常走行域とそ
れ以外の領域とで要求される学習値が異なってくるので
ある。
【0054】こうした事情があるときは、図9で示した
ように、はじめから高速定常走行域とそれ以外の領域と
を所定の格子DOSVS(=70km/h)で分けてお
くのが都合がよい。
【0055】したがって、この例では2つの学習エリア
の状態から学習がはじまる。こうして2つの学習エリア
の状態から学習を始めると、高速定常走行域に対する学
習エリアでは学習のはじめからリッチシフトされた空燃
比状態にふさわしい学習が進んでいくのである。
【0056】また、EGR(排気ガス再循環)の行われ
る運転域とそうでない運転域とでも要求される学習値が
異なる。EGRによって空燃比がリッチ側にシフトする
ので、これをリーン側に戻そうとして、EGRの行われ
る運転域に対する学習エリアには、それ以外の領域より
も小さな学習値がはいるのである。したがって、このと
きも、図10のようにはじめから2つの学習エリアに分
けておくと、EGRの行われる運転域に対する学習エリ
アで学習の当初からEGRによりリッチシフトしがちな
空燃比状態にふさわしい学習が進んでいく。なお、図1
0でEGRフラグがONのときEGRが行われる。
【0057】ここでは一定の車速やEGRのあるなし
で、バックアップ後のはじめの学習エリアを2つに分け
たが、これに限られるものでなく、排出ガス試験法の運
転モードやEGRの有無などによって燃焼状態に影響を
与えるパラメータがあれば、それに応じて適宜2つに分
けることができる。つまり、2つの運転域で燃焼状態が
大きく異なるときは、それぞれの運転域に対する学習エ
リアに学習の進んだ段階でそれぞれ異なった傾向の学習
値がはいるのであるから、これら2つの運転域にあわせ
て2つの学習エリアにわけておき、この状態から学習を
始めることで、学習のはじめから学習の進んだ段階での
学習値の傾向にあわせて学習を進行させることができる
のである。
【0058】なお、図4〜図6のフローチャートと図1
の対応関係はつぎのとおりである。図4のステップ1〜
17が空燃比制御装置32の一部、図5のステップ1
9,20が学習値更新手段35、図6のステップ21〜
25が判定手段33、ステップ26,28が学習値格納
・記憶手段36、ステップ27が格子設定手段34の機
能を果たしている。
【0059】次に、図11は段階的に格子の数を増加さ
せるようにした他の実施例である。たとえば、(1)j
<n1で格子なし、(2)n1≦j<n2で格子数を所
定値m1、(3)n2≦j<n3で格子数を所定値m
2、(4)n3≦jで格子数を所定値m3とするのであ
る。
【0060】ただし、jはカウンタ値、3つの基準値n
1〜n3と所定値m1〜m3の大小関係はそれぞれn1
<n2<n3、m1<m2<m3である。
【0061】なお、図7,図8のように学習マップが三
次元のときには、すべての軸について格子数を増やすほ
か、1軸についてだけあるいは2軸についてだけ格子数
を増やすこともできる。
【0062】図12は空燃比フィードバック補正係数α
が所定の範囲内に収まる(つまりL≦α<Hとなる)ま
では、学習のはじめにあると判断して、学習マップに格
子を設けないようにした別の他の実施例である。この例
によれば、カウンタを設ける必要がない。なお、Fはフ
ラグである。
【0063】上記の実施例では学習マップが三次元の場
合で述べたが、回転数Neと基本パルス幅Tpを軸とする
二次元マップでも同様に適用することができる。
【0064】
【発明の効果】第1の発明によれば、学習のはじめは学
習マップに格子を設けず、全体を1つの学習エリアとし
て学習を行い、その後に格子を設け、その格子で区切ら
れたすべての学習エリアに、格子を設ける直前の学習値
を格納・記憶させ、以後は学習エリアごとに学習を行う
ようにしたため、学習を進行させつつ学習の精度を高め
ることができる。
【0065】第2の発明によれば、学習のはじめは1つ
の格子を設けて2つだけの学習エリアに分割して学習を
行い、その後に2以上の格子を設け、その格子で区切ら
れた複数の学習エリアに、2以上の格子を設ける直前の
学習値を格納・記憶させ、以後は学習エリアごとに学習
を行うようにしたため、2つの運転域で燃焼状態が大き
く異なり、それぞれの運転域に対する学習エリアに学習
の進んだ段階で異なった傾向の学習値がはいるときで
も、その学習の進んだ段階での学習値の傾向にあわせて
学習のはじめから学習を進行させることができる。
【0066】第3の発明では、1つの格子を高速定常走
行域とそれ以外の領域とにわける位置に設けることより
これら2つの運転域に対応させて学習のはじめだけ学習
エリアを2つに分けたため、高速定常走行域で他の領域
と異なって空燃比がリッチシフトされるときであって
も、高速定常走行域に対する学習エリアではこのリッチ
シフトされた空燃比状態にふさわしい学習を進めること
ができる。
【0067】第4の発明では、1つの格子をEGRの行
われる領域とそれ以外の領域とにわける位置に設けるこ
とによりこれら2つの運転域に対応させて学習のはじめ
だけ学習エリアを2つに分けたため、一部の運転域でだ
けEGRが行われるときであっても、EGRの行われる
運転域に対する学習エリアではこのEGRによりリッチ
シフトしがちな空燃比状態にふさわしい学習を進めるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明のクレーム対応図である。
【図2】第2の発明のクレーム対応図である。
【図3】一実施例のシステム図である。
【図4】コントロールユニットの演算内容を説明するた
めの流れ図である。
【図5】コントロールユニットの演算内容を説明するた
めの流れ図である。
【図6】コントロールユニットの演算内容を説明するた
めの流れ図である。
【図7】格子を設ける前の学習マップを示す図である。
【図8】格子を設けた後の学習マップを示す図である。
【図9】他の実施例の学習はじめの学習マップを示す図
である。
【図10】別の他の実施例の学習はじめの学習マップを
示す図である。
【図11】別の他の実施例の演算内容を説明するための
流れ図である。
【図12】別の他の実施例の演算内容を説明するための
流れ図である。
【図13】従来例の学習マップを示す図である。
【符号の説明】
4 インジェクタ 6 三元触媒 7 エアフローメータ 8 スロットルバルブ 10 クランク角度センサ 12 O2センサ 14 車速センサ 21 コントロールユニット 31 学習マップ 32 空燃比制御装置 33 判定手段 34 格子設定手段 35 学習値更新手段 36 学習値格納・記憶手段 37 学習値格納・記憶手段

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バックアップされて学習値を格納・記憶
    する学習マップと、この学習マップに格納された学習値
    を用いて空燃比を制御する装置と、バックアップ後の学
    習のはじめとその後とをそれぞれ判定する手段と、この
    判定結果にもとづき学習のはじめは学習マップに格子を
    設けず全体を1つの学習エリアとし、その後は格子を設
    けて複数の学習エリアに分割する手段と、前記学習エリ
    アごとに学習値を更新する手段と、前記格子を設けたと
    きその格子で分割されたすべての学習エリアに前記格子
    を設けていなかったときの学習値を格納・記憶させる手
    段とを備えることを特徴とする学習制御装置。
  2. 【請求項2】 バックアップされて学習値を格納・記憶
    する学習マップと、この学習マップに格納された学習値
    を用いて空燃比を制御する装置と、バックアップ後の学
    習のはじめとその後とをそれぞれ判定する手段と、この
    判定結果にもとづき学習のはじめは1つの格子を設けて
    2つだけの学習エリアに分割し、その後は2以上の格子
    を設けて複数の学習エリアに分割する手段と、前記学習
    エリアごとに学習値を更新する手段と、前記2以上の格
    子を設けたときその格子で分割された学習エリアに前記
    1つの格子を設けたときの学習値を格納・記憶させる手
    段とを備えることを特徴とする学習制御装置。
  3. 【請求項3】 1つの格子を高速定常走行域とそれ以外
    の領域とにわける位置に設けたことを特徴とする請求項
    2記載の学習制御装置。
  4. 【請求項4】 1つの格子をEGRの行われる運転域と
    それ以外の領域とにわける位置に設けたことを特徴とす
    る請求項2記載の学習制御装置。
JP16300591A 1991-07-03 1991-07-03 学習制御装置 Pending JPH0510195A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8596946B2 (en) 2008-01-28 2013-12-03 The Richard C. Lydle 2008 Delaware Trust Watercraft dry dock storage systems and methods
JP2018013078A (ja) * 2016-07-20 2018-01-25 トヨタ自動車株式会社 エンジンの空燃比制御装置

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US10745092B2 (en) 2008-01-28 2020-08-18 The Richard C. Lydle Revocable Trust Watercraft dry dock storage system and method
JP2018013078A (ja) * 2016-07-20 2018-01-25 トヨタ自動車株式会社 エンジンの空燃比制御装置

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