JPH05101920A - 窒化鉄磁性流体の製造方法 - Google Patents

窒化鉄磁性流体の製造方法

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JPH05101920A JP25780891A JP25780891A JPH05101920A JP H05101920 A JPH05101920 A JP H05101920A JP 25780891 A JP25780891 A JP 25780891A JP 25780891 A JP25780891 A JP 25780891A JP H05101920 A JPH05101920 A JP H05101920A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】揮発成分が極めて少なく、防塵シール用,真空
シール用に好適な低蒸気圧油溶媒磁性流体が得られる窒
化鉄磁性流体の製造方法を提供する。 【構成】界面活性剤と媒質との混合液中で鉄カルボニル
とアンモニアガスとを反応容器1内で気相液相反応せし
める窒化鉄磁性流体の製造方法において、媒質は初留温
度T1 が145℃≦T1 ≦185℃でかつ蒸留終点温度
2 が195℃≦T2 ≦215℃の有機溶媒を用いる。
真空中で200℃に加熱することでこの有機溶媒を低蒸
気圧油溶媒に置換して、揮発成分が極めて少ない低蒸気
圧油溶媒磁性流体を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は窒化鉄磁性流体の製造方
法に関し、詳しくは気相液相反応法による窒化鉄磁性流
体の製造方法における反応媒質の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】磁性流体の性能を左右する最も重要なパ
ラメータは、磁性流体の持つ磁化の大きさとされてお
り、その点から、酸化鉄磁性流体より飽和磁化が大きい
窒化鉄磁性流体が最近注目されている。この窒化鉄磁性
流体の製造法の一つとして、気相液相反応法による窒化
鉄磁性流体の合成が知られており、その要点は次のとお
りである。
【0003】界面活性剤を含有して磁性流体の媒質とな
る液に、原料である鉄カルボニルFe(CO)5 を混合
してなる反応液を液相とし、この液相に気相としてアン
モニアガスを吹き込みつつ常圧下で加熱し、先ず前段反
応(1)で窒化鉄の前駆体である鉄アンミンカルボニル
化合物を誘導する。 Fe(C0)5+NH3 →Fe2(C0)6(NH2)2+Fe3(C0)9(NH)2+CO+H2 (1) 次いでその前駆体をさらに高温でアンモニアガス中で分
解させる後段反応(2)を経て、窒化鉄(εFe3 N)
の微粒子を生成せしめる。
【0004】 Fe2(C0)6(NH2)2+Fe3(C0)9(NH)2→εFe3N+CO+NH3 (2) 生成した窒化鉄微粒子の表面には界面活性剤分子が吸着
され、これにより窒化鉄微粒子が媒質中に均一に安定に
分散している窒化鉄磁性流体が得られる。上記前段反応
(1)は80℃以上で起こり、後段反応(2)は130
℃以上で顕著になる。
【0005】上記気相液相反応法による従来の窒化鉄磁
性流体の製造は、界面活性剤としてアミン、媒質として
ケロシンを用いて、例えば図2に示すような製造装置に
より行われている(磁性流体講演論文集,日本機械学会
編,1991年1月16日発行,P28)。すなわち、
耐熱ガラス製の反応容器1に、界面活性剤のアミンを含
むケロシン溶液を予め入れておく。この溶液に、滴下ロ
ート2に貯えてある原料の鉄カルボニルFe(CO)5
を所定量添加して反応液Rとし、この反応液R内にアン
モニアガス導入管3からアンモニアガスNH3 を所定の
流量で吹き込みながら攪拌器4で攪拌し、同時にヒータ
5で温度90℃に加熱する。反応容器1内で前段反応
(1)が進行し、COガス,H2 ガスが排出される。こ
の排出ガスは、小さなオリフィス6を有する空気冷却器
7,水冷却器8,リザーバ9からなる排出流入系10を
経て、余剰のアンモニアガスと共に系外に排出される。
【0006】適当量の鉄アンミンカルボニル化合物(前
駆体)が生成された後、アンモニアガスの流入下で反応
容器温度を185℃に昇温させる。前駆体の生成にあず
からなかった余剰の鉄カルボニル(b.p 102.5 ℃) は気
化し、オリフィス6を経て空気冷却器7内を通り、水冷
却器8で冷却され液化して上方のリザーバ9内に貯溜さ
れる。一方、蒸気圧の低い前駆体は反応容器1内に止ま
り、後段反応(2) にしたがって分解し、窒化鉄微粒子を
形成する。
【0007】この前後2段の反応過程を1サイクルとし
て、数サイクル繰り返すことにより、反応液内の窒化鉄
微粒子の粒子濃度を上げる。そのサイクルにおいて温度
を90℃から185℃に昇温する際に、後段反応(2)
が起こり前駆体である鉄アンミンカルボニル化合物が窒
化鉄微粒子と一酸化炭素とアンモニアとに分解されると
同時に、少量のケロシンと未反応の鉄カルボニルが気化
して系外に排出され、冷却器8で液化してリザーバ9内
に貯えられる。ケロシンは初留温度が150℃、蒸留終
点温度が250℃であり、185℃ではケロシン全体の
約20〜40wt%が蒸発する。リザーバ内のケロシン
と未反応の鉄カルボニルは、次のサイクルで反応容器1
内に戻し再び使用する。原料の鉄カルボニルはサイクル
毎に反応容器1とリザーバ9との間を往復しながら、や
がて全て消費され、反応が終わる。こうして界面活性剤
を含むケロシン中に窒化鉄微粒子が均一に分散している
磁性流体が得られる。そのケロシンを低蒸気圧の油に置
換することにより、より安定な窒化鉄磁性流体が得られ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の窒化鉄磁性流体
の製造にあたって、媒質として用いたケロシンは蒸留終
点温度が250℃と非常に高い。そのため、ケロシンを
低蒸気圧の油に置換する場合、上記ケロシン溶媒の磁性
流体を200℃に加熱して真空ポンプでケロシンの抽出
を行ったとしても、なおケロシンの高沸点留分がかなり
残存したままとなり、次のような問題点が生じていた。
【0009】 磁性流体を例えばコンピュータのハー
ドディスク装置の防塵シール用に用いた場合、残存して
いるケロシンが経時的に蒸発し、ダストとなってディス
クを汚損することにより、誤動作を引き起こすおそれが
ある。 また、真空シール用として使用した場合、残存して
いるケロシン自体の蒸気圧が高すぎて、真空ポンプで吸
引するとすぐに磁性流体が飛び散ってしまい、真空シー
ルとしての機能が果たせない。
【0010】なお、ケロシンの高沸点留分を除去するた
め200℃以上の温度をかけると、窒化鉄微粒子・界面
活性剤・置換する低蒸気圧油の劣化が促進されることに
なり、残存ケロシンの高沸点留分の除去は非常にむずか
しい問題であった。そこで本発明は、上記従来の問題点
に着目してなされたものであり、気相液相反応法に用い
る反応媒質の蒸留温度を規制することにより、揮発成分
が極めて少ない低蒸気圧油溶媒磁性流体が得られる窒化
鉄磁性流体の製造方法を提供して、従来の問題点を解決
することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、界面活性剤と
媒質との混合液中で鉄カルボニルとアンモニアガスとを
気相液相反応せしめる窒化鉄磁性流体の製造方法に係
り、媒質は初留温度T1 が145℃≦T1 ≦185℃で
かつ蒸留終点温度T2 が195℃≦T2 ≦215℃の有
機溶媒からなることを特徴とする。
【0012】
【作用】上記の有機溶媒を媒質(反応溶媒)として用い
ると、その有機溶媒を200℃以下の温度で減圧抽出す
ることにより、窒化鉄微粒子・界面活性剤・置換する低
蒸気圧油の劣化を促進させるおそれなしに、容易に低蒸
気圧油に置換できる。以下、さらに詳細に説明する。
【0013】本発明に用いる媒質は、初留温度T1 が1
45℃≦T1 ≦185℃の範囲にあり、且つ蒸留終点温
度T2 が195℃≦T2 ≦215の範囲にある有機溶媒
である。この初留温度T1 はケロシンとほぼ同じか、少
し高めであって、最高でも後段反応の設定温度185℃
以下である。また、蒸留終点温度T2 はケロシンの蒸留
終点温度250℃に比べてかなり低い。蒸留終点温度T
2 が低いことにより、低蒸気圧油溶媒磁性流体とする場
合の置換が効率よくできるし、媒質の置換後の残存量を
非常に低減することが可能になる。なお、蒸留終点温度
2 の下限が195℃未満であると、後段反応の設定温
度である185℃において全部の媒質が蒸発してしま
い、その後の反応が進行しなくなるためである。
【0014】このような有機溶媒としては、次のような
工業ガソリン〔JIS K2201−1980〕が好ま
しい。(1)工業ガソリン種類4号(ミネラルスピリッ
ト)、(2)工業ガソリン種類5号(クリーニングソル
ベント)。また、初留温度T 1 ,蒸留終点温度T2 が上
記の範囲内あるような、ノルマルパラフィン,イソパラ
フィン,ナフテン(シクロパラフィン)等の炭化水素溶
剤やそれらの混合溶剤でもよい。
【0015】最終的にこれらの有機溶媒を抽出して低蒸
気圧油に置換する際の、当該低蒸気圧油としては、20
℃での蒸気圧が10-3Torr以下であるポリαオレフィン
油,オクタデシルジフェニルエーテル,エイコシルナフ
タレン等が好適である。本発明の窒化鉄磁性流体の製造
方法にあっては、この置換用の低蒸気圧油を、反応溶媒
である有機溶媒中に約20〜50wt%程度あらかじめ
添加しておくことができる。これにより、最終の後段反
応が終了した後に、さらに反応系を反応溶媒の蒸留終点
温度まで昇温させることで、磁性流体中の窒化鉄濃度を
高める濃縮と低蒸気圧油の置換とを、同時に行うことが
可能である。
【0016】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照して説
明する。製造装置として、図1に示す窒化鉄磁性流体製
造装置を用いて行った。この装置の概要を述べると、反
応容器としてのセパラブルフラスコ1は石英ウール11
が充填されたアルミナ容器12内に収納され、ヒータ5
による加熱時の外乱の影響を可及的に抑止している。ヒ
ータ5は、反応液Rの温度を測定する熱電対13の出力
に応じ温度コントローラ14を介してオンオフ制御され
る。取付けバンド1Bで取り付けられたフラスコカバー
1Aには、鉄カルボニル液Fe(CO)5 を導入するた
めの滴下ロート2、攪拌モータ15で回転駆動される攪
拌器4、図外の供給源に連結されたアンモニアガスまた
はArガス導入路3等と共に、排出流入系10Aが装着
されている。この排出流入系10Aは、フラスコカバー
1Aに直接に取り付けられた圧力平衡側管付滴下ロート
16と、その上に取り付けられた水冷却器8と、更にそ
の上に取り付けられたコック付連結管17とにより構成
してあり、水冷却器8の下端部には外壁面の結露水を受
けるゴム製の水受18が装着されている。前記圧力平衡
側管付滴下ロート16は、コック16aを下部に有する
リザーバ16bと、このリザーバ16b及びコック16
aを迂回して反応容器1内と水冷却器8の入口側とを連
結するバイパス圧力平衡側管16cとを一体に備えたも
のである。
【0017】窒化鉄磁性流体の製造は、次の手順で行っ
た。まず、反応溶媒として工業ガソリン種類5号である
クリーニングソルベント〔日石ニューソルデラックス,
日本石油化学(株)製〕を選び、その65.49g中に、界面
活性剤のポリブテニルコハク酸イミド〔LUBRIZOL 941,
日本ルーブリゾール(株)製〕20.0g を混合して溶解さ
せた。
【0018】次に、この混合溶媒に2 0.0gの無水硫酸ナ
トリウムを加えた後、栓をして20hr静置した。その後、
この混合溶媒65.4g 〔界面活性剤15.3g +クリーニング
ソルベント5 0.1g〕を計り取り、滴下ロート2を用いて
反応容器1内に滴下してから、容器1内をArガスで置
換した。さらに、滴下ロート2を用いて反応容器1内に
鉄カルボニル〔この実施例では、BASF社製のペンタ
カルボニル鉄Fe(CO)5 を用いた〕120gを滴下し、
その後滴下ロート2を取り去って代わりに平栓をした。
以上は準備工程である。
【0019】以下、本工程に入る。 工程:前段反応工程 系内にNH3 ガスを800 cc/minの流量で導入し、同時に
温度調節器14を90℃に設定することで反応液温を9
0℃まで昇温した。反応液を90℃に保温した状態で3
0分間攪拌した。これにより反応容器1内で前段反応が
行われる。発生したCOガス,H2 ガスは、余剰のアン
モニアガスと共に圧力平衡側管16cを経て、水冷却器
8内を通過し、コック付連結管17から外部に排出され
る。この過程で一部流出する鉄カルボニルとクリーニン
グソルベントの蒸気は、圧力平衡側管16cを経て水冷
却器8にいたり凝縮され、リザーバ16b内に貯溜され
る(コック16aは閉じている)。そして、ある程度溜
まった時点でコック16aを開き、その都度反応容器1
へ戻される。
【0020】工程:昇温工程 その後、設定温度を185℃に変えて反応液を昇温し
た。このとき、残りのクリーニングソルベントと前段反
応時に未反応のまま残された鉄カルボニルとが反応液か
ら気化して追い出され、圧力平衡側管16cを経て水冷
却器8に至り、そこで冷却されて凝縮し液化したものが
リザーバ16b内に貯溜される。一方、昇温工程で発生
したCOガス及びH2 ガスは、余剰のアンモニアガスと
共に圧力平衡側管16cを経て水冷却器8内を通過し、
コック付連結管17から外部に排出される。
【0021】工程:後段反応工程 温度185℃で15分間攪拌しつつ後段反応を行わせ
た。後段反応で発生したCOガス及びH2 ガスは、余剰
のアンモニアガスと共に圧力平衡側管16cを経て水冷
却器8内を通過し、コック付連結管17から外部に排出
される。 工程:冷却工程 次に、反応容器1を放冷するためにアルミナ容器12を
下に下げ、同時に温度調節器14の設定温度を90℃に
変更した。そして、放冷の途中、反応液温度が140℃
まで低下した時点でリザーバ16bのコック16aを開
いて、リザーバ16bに溜められていた未反応の鉄カル
ボニルとクリーニングソルベントとを反応液中に戻す。
それによって反応液の冷却は促進され、液温度は90℃
付近になった。必要に応じてさらに加熱あるいは冷却を
行い、反応液温度を90℃に維持する。
【0022】以上の工程〜工程を1サイクルとし
て、5サイクル行った。6サイクル目は工程で終了
し、その後は室温まで放冷した。最後にアンモニアガス
の導入を止め、反応容器1を取り外して内容物(クリー
ニングソルベント溶媒窒化鉄磁性流体)を直ちにスクリ
ュー管に移し替え、管内の空気をArガスで置換した
後、管の口を封じた。
【0023】得られたクリーニングソルベント溶媒窒化
鉄磁性流体は極めて分散性が良好で、凝集等は認められ
なかった。こうして得られたクリーニングソルベント溶
媒窒化鉄磁性流体について、従来のケロシン溶媒窒化鉄
磁性流体との比較試験を次のように行った。 磁性流体中の粒子濃度の測定:比較例として、クリーニ
ングソルベントの代わりにケロシンを用い、その他は全
て上記実施例と同一にしてケロシン溶媒窒化鉄磁性流体
を調製した。得られたケロシン溶媒窒化鉄磁性流体は極
めて分散性が良好で凝集等は認められなかった。
【0024】上記のクリーニングソルベント溶媒窒化鉄
磁性流体とケロシン溶媒窒化鉄磁性流体とを被験体と
し、熱重量変化測定装置(TG)を用いて流量65cc/min
で流れるN2 ガス雰囲気内で加熱した。15℃/minの速度
で550 ℃まで昇温したときの残渣量〔wt%〕を求め、
その値を各被験体の粒子濃度とした。 クリーニングソルベント溶媒窒化鉄磁性流体: 21.9w
t% ケロシン溶媒窒化鉄磁性流体 : 16.2w
t% 以上の結果から、本発明の窒化鉄磁性流体の製造方法に
よれば、従来のケロシン溶媒窒化鉄磁性流体より粒子濃
度がかなり高いものが得られることが明らかである。そ
の理由は、クリーニングソルベントのほうがケロシンよ
り蒸留終点温度がかなり低いため、後段反応時の185
℃での揮発量が多く、その分濃縮されることによる。
【0025】次に、上記のクリーニングソルベント溶媒
窒化鉄磁性流体の溶媒を低蒸気圧油に置換して、低蒸気
圧油溶媒窒化鉄磁性流体を製造した。比較のためケロシ
ン溶媒窒化鉄磁性流体についても同様に行った。クリー
ニングソルベント溶媒窒化鉄磁性流体を20g 取り、これ
に低蒸気圧油としてポリα−オレフィン油〔SHF6
1,モービル石油(株)製〕を4.38g 加えて混合し、そ
の後ロータリエバポレータに移して200℃まで昇温
し、その温度を30分間維持した。その後さらに120
℃で2時間真空乾燥を行ってポリα−オレフィン油ベー
スの低蒸気圧油溶媒窒化鉄磁性流体を得た。
【0026】ケロシン溶媒窒化鉄磁性流体については、
ポリα−オレフィン油の添加量を3.24g とし、同様に行
った。ポリα−オレフィン油の添加量の算出は次の計算
式によった。 ポリα−オレフィン油の添加量 g =20 g ×(粒子濃
度/100 ) このようにして製造した低蒸気圧油溶媒窒化鉄磁性流体
について、150℃および200℃における揮発成分量
の比較試験を以下のように行った。
【0027】低蒸気圧油溶媒窒化鉄磁性流体中の揮発成
分量の測定:クリーニングソルベント溶媒窒化鉄磁性流
体から製造したものをサンプル1、ケロシン溶媒窒化鉄
磁性流体から製造したものをサンプル2とする。熱重量
変化測定装置に室温でサンプルをセットし、N2 ガスを
流量65cc/minで流しつつ60℃まで温度をあげる。そ
の後60℃から550℃まで15℃/minの速度で昇温し
た。
【0028】この加熱における、150℃での重量減少
量を求め、次の結果を得た。 サンプル1 : 0.3 wt% サンプル2 : 2.9 wt% また、200℃での重量減少量を求め、次の結果を得
た。 サンプル1 : 1.2 wt% サンプル2 : 8.9 wt% サンプル1の方がサンプル2のものより150℃までの
揮発成分量が少なく、さらに200℃までの揮発成分量
はその差が一層顕著になっている。
【0029】これらの結果から、クリーニングソルベン
ト溶媒窒化鉄磁性流体から製造した本発明の低蒸気圧油
溶媒窒化鉄磁性流体の方が、従来のケロシン溶媒窒化鉄
磁性流体から製造した低蒸気圧油溶媒窒化鉄磁性流体よ
り揮発成分が少なくて、防塵シール、真空シール用の磁
性流体として好適であることが明らかである。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の窒化鉄磁
性流体の製造方法によれば、反応溶媒として初留温度T
1 が145℃≦T1 ≦185℃でかつ蒸留終点温度T2
が195℃≦T2 ≦215℃の有機溶媒を用いたため、
揮発成分が極めて少ない低蒸気圧油溶媒窒化鉄磁性流体
を得ることが可能となり、その結果、周囲を汚損した
り、真空状態が破れるおそれのない防塵シール、真空シ
ール用の磁性流体が提供できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法に用い得る窒化鉄磁性流体製
造装置の一例を示す概要図である。
【図2】従来の窒化鉄磁性流体製造装置の一例を示す概
要図である。
【符号の説明】
1 反応容器 2 鉄カルボニル液を導入する手段 3 NH3 ガス(またはArガス)を導入する手段

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 界面活性剤と媒質との混合液中で鉄カル
    ボニルとアンモニアガスとを気相液相反応せしめる窒化
    鉄磁性流体の製造方法において、 前記媒質は初留温度T1 が145℃≦T1 ≦185℃で
    かつ蒸留終点温度T2 が195℃≦T2 ≦215℃の有
    機溶媒からなることを特徴とする窒化鉄磁性流体の製造
    方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002095773A1 (fr) * 2001-05-24 2002-11-28 Bando Chemical Industries, Ltd. Fluide magneto-visqueux

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