JPH051004A - 安息香酸誘導体 - Google Patents

安息香酸誘導体

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JPH051004A
JPH051004A JP3148899A JP14889991A JPH051004A JP H051004 A JPH051004 A JP H051004A JP 3148899 A JP3148899 A JP 3148899A JP 14889991 A JP14889991 A JP 14889991A JP H051004 A JPH051004 A JP H051004A
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    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記の式(I)で示される安息香酸誘導体: 【化1】 (式中、R1 は水素原子または低級アルキル基を示し、
Xはジアマンチル基を示し、Yは酸素原子又は−NH2
−で示される基である)。 【効果】 上記安息香酸誘導体はレチノイドアンタゴニ
ストとしてレチノイド過剰症の治療に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規安息香酸誘導体に
関し、さらに詳しくは、レチノイド類に対して拮抗作用
を有し、レチノイド過剰症の治療に有用な新規安息香酸
誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】レチノイン酸(ビタミンA酸)は、ビタ
ミンAの活性代謝産物として見出された物質であり、発
生途上にある未熟な細胞を特有な機能を有する成熟細胞
へと分化させ、細胞の増殖を促進する等、生命維持作用
に極めて重要な生理作用を有する物質である。臨床的に
は、レチノイン酸は、ビタミンA欠乏症、上皮組織の角
化症、白血病やある種の癌の治療に有用であることが見
出されている。これまでに合成された種々のビタミンA
誘導体も同様な生物活性を有することが見出されてお
り、レチノイン酸を含め、レチノイン酸様の生物活性を
有するこれらの化合物はレチノイドと呼ばれる。
【0003】しかし、レチノイドを治療薬として使用し
た場合には、レチノイドの脂溶性が高いためにレチノイ
ド酸が体内蓄積され、その結果としてレチノイン酸過剰
症が起こる可能性があった。また、レチノイン酸の本質
的な毒性として、催奇性等も問題であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明は、レチ
ノイドに対して拮抗的に作用し、レチノイドをビタミン
A欠乏症、上皮組織の角化症、白血病等の治療に使用す
る際に惹起されるレチノイン酸過剰症の治療に有用なレ
チノイドアンタゴニストを提供することを目的とするも
のである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決するために鋭意努力した結果、ジアマンタン基を
導入した安息香酸誘導体が、レチノイドに対して拮抗的
に作用し、レチノイドが誘起する生理作用を抑制するこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発
明は、下記の一般式(I)で示される新規安息香酸誘導
【0006】
【化3】
【0007】を提供するものである。上記一般式におい
て、R1 は水素原子または低級アルキル基を示す。本明
細書において、低級アルキル基とは、例えば、炭素原子
数1〜4のアルキル基をいい、具体的には、メチル基、
エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル
基、sec-ブチル基、 tert-ブチル基等を例示することが
できる。Xはジアマンチル基を示し、例えば、1−ジア
マンチル基、4−ジアマンチル基等を挙げることができ
る。Yは酸素原子又は−NH2 −で示される基である。
【0008】本発明の化合物の具体例としては、 4−[3−(4−ジアマンチル)−4−メトキシベンズ
アミド]安息香酸 4−[3−(4−ジアマンチル)−4−エトキシベンズ
アミド]安息香酸 4−[3−(4−ジアマンチル)−4−プロポキシベン
ズアミド]安息香酸 4−[3−(4−ジアマンチル)−4−イソプロポキシ
ベンズアミド]安息香酸 4−[3−(4−ジアマンチル)−4−n-ブトキシベン
ズアミド]安息香酸 4−[3−(4−ジアマンチル)−4−sec-ブトキシベ
ンズアミド]安息香酸 4−[3−(4−ジアマンチル)−4− tert-ブトキシ
ベンズアミド]安息香酸 4−[3−(1−ジアマンチル)−4−メトキシベンズ
アミド]安息香酸 4−[3−(1−ジアマンチル)−4−エトキシベンズ
アミド]安息香酸 4−[3−(1−ジアマンチル)−4−プロポキシベン
ズアミド]安息香酸 4−[3−(1−ジアマンチル)−4−イソプロポキシ
ベンズアミド]安息香酸 4−[3−(1−ジアマンチル)−4−n-ブトキシベン
ズアミド]安息香酸 4−[3−(1−ジアマンチル)−4−sec-ブトキシベ
ンズアミド]安息香酸 4−[3−(1−ジアマンチル)−4− tert-ブトキシ
ベンズアミド]安息香酸 4−[3−(4−ジアマンチル)−4−メトキシベンゾ
キシ]安息香酸 4−[3−(4−ジアマンチル)−4−エトキシベンゾ
キシ]安息香酸 4−[3−(4−ジアマンチル)−4−プロポキシベン
ゾキシ]安息香酸 4−[3−(4−ジアマンチル)−4−イソプロポキシ
ベンゾキシ]安息香酸 4−[3−(4−ジアマンチル)−4−n-ブトキシベン
ゾキシ]安息香酸 4−[3−(4−ジアマンチル)−4−sec-ブトキシベ
ンゾキシ]安息香酸 4−[3−(4−ジアマンチル)−4− tert-ブトキシ
ベンゾキシ]安息香酸 4−[3−(1−ジアマンチル)−4−メトキシベンゾ
キシ]安息香酸 4−[3−(1−ジアマンチル)−4−エトキシベンゾ
キシ]安息香酸 4−[3−(1−ジアマンチル)−4−プロポキシベン
ゾキシ]安息香酸 4−[3−(1−ジアマンチル)−4−イソプロポキシ
ベンゾキシ]安息香酸 4−[3−(1−ジアマンチル)−4−n-ブトキシベン
ゾキシ]安息香酸 4−[3−(1−ジアマンチル)−4−sec-ブトキシベ
ンゾキシ]安息香酸 4−[3−(1−ジアマンチル)−4− tert-ブトキシ
ベンゾキシ]安息香酸を挙げることができる。これらの
うち、4−[3−(4−ジアマンチル)−4−メトキシ
ベンズアミド]安息香酸、及び4−[3−(4−ジアマ
ンチル)−4−メトキシベンゾキシ]安息香酸が好まし
い。
【0009】さらに本発明によれば、上記の化合物を製
造するために有用な製造中間体として、下記の一般式
(II)で示される化合物が提供される。
【0010】
【化4】
【0011】式中、R1 、X、及びYは前記定義の通り
であり、R2 はカルボン酸保護基を示し、例えば低級ア
ルキル基、低級ハロゲン化アルキル基、例えばベンジル
基、p−メトキシベンジル基、ジフェニルメチル基等の
アラルキル基等を例示することができる。上記の式で示
される化合物の具体例としては、メチル 4−[3−
(4−ジアマンチル)−4−メトキシベンズアミド]ベ
ンゾエート、ベンジル 4−[3−(4−ジアマンチ
ル)−4−メトキシベンゾキシ]ベンゾエート等を例示
することができる。
【0012】本発明の一般式(I)で示される化合物を
製造する方法の1例を以下のスキームにより示すと、
【0013】
【化5】
【0014】1位置換ジアマンタンと、例えば4−ヒド
ロキシ安息香酸エチルエステル等の4−ヒドロキシ安息
香酸エステルとを、フリーデルクラフツ型の反応に付し
てジアマンチル安息香酸エステル体を得、必要により水
酸基をヨウ化メチル等によりアルキル化した後に、エス
テルを加水分解して3−ジアマンチル−4−アルコキシ
安息香酸又は3−ジアマンチル−4−ヒドロキシ安息香
酸となし、該化合物をチオニルクロリド等により処理し
て酸クロリド体とした後、例えば4−アミノ安息香酸メ
チルエステル等の4−アミノ安息香酸エステル、又は4
−ヒドロキシ安息香酸ベンジルエステル等の4−ヒドロ
キシ安息香酸エステルと反応させて、一般式(II)で示
される化合物を製造し、その後に、加水分解や接触還元
等の当業者に周知の方法により、一般式(I)で示され
る本発明の化合物を製造すればよい。
【0015】上記の反応例において、1位置換ジアマン
タンとして、例えばグンドらの方法(J. Org. Chem. 3
9:2979−1987,1974)により製造される1−ヒドロキ
シジアマンタンを用い、ルイス酸としてボロントリフロ
ライドエーテラートを用いて反応させると、ジアマンタ
ンの置換位置が4位に転位した3−(4−ジアマンチ
ル)−4−ヒドロキシ安息香酸エステルが主生成物とし
て得られる。
【0016】一般式(I)で示される本発明の化合物及
びその生理学的に許容される塩は、レチノイン酸等のレ
チノイドが誘起する細胞分化誘導を阻害し、レチノイド
に対して拮抗的に作用するので、レチノイド療法の際の
過剰症の治療に有用である。一般式(I)で示される本
発明の化合物、若しくはそれらのナトリウム塩、カリウ
ム塩、カルシウム塩等の生理学的に許容される塩を有効
成分として含有するレチノイド過剰症治療剤は、経口若
しくは非経口のいずれの投与経路によっても投与可能で
あり、経口投与の剤型としては、例えば錠剤、カプセル
剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、液剤、若しくはシロップ剤
等を挙げることができ、非経口投与の剤型としては、例
えば注射剤、座剤、点眼剤、吸入剤、点鼻剤、軟膏剤、
若しくは貼付剤等を挙げることができる。これらの製剤
の調製には、薬理学的、製剤学的に許容される添加剤を
加えることができ、例えば、当業者に周知の崩壊剤、崩
壊補助剤、結合剤、滑沢剤、コーティング剤、色素、希
釈剤、基剤、溶解剤、溶解補助剤、等張化剤、pH調節
剤、安定化剤、噴射剤、粘着剤等を添加することができ
る。本発明の化合物を、レチノイド過剰症の治療に用い
る場合の投与量は、患者の年齢や状態、過剰症の症状に
より異なるが、一般に、成人1日あたり0.01〜10mg
/kg程度を投与すればよい。
【0017】以下に、本発明を実施例によりさらに具体
的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定される
ことはない。
【0018】
【実施例】
実施例1エチル 3−(4−ジアマンチル)−4−ヒドロキシベ
ンゾエート 1.22グラム(6.0ミリモル)の1−ジアマンタノール
と5.00グラム(30ミリモル:5当量)の4−ヒドロ
キシベンゾエートを含む100mlのジクロロメタン溶液
に、1.25グラム(7.2ミリモル:1.2当量)のボラン
トリフレートエーテラートを加え、室温で終夜攪拌し
た。反応混合物を150mlのジクロロメタンで希釈し、
水、5%(W/W)炭酸ナトリウム、水、食塩水で順次
洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶
媒を留去して粗生成物を得た。該粗生成物をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(溶出液:ジクロロメタン)
で精製して、0.65グラムの目的物を得た(収率:30.
8%)。
【0019】無色プリズム晶(ジクロロメタン/n-ヘキ
サン) 融点:235−237℃ 1H−NMR(400MHz, CDCl3):δ1.38(3H,
tr,J=7.3Hz),1.77−1.80(10H),1.
92(3H),2.10(6H),4.36(2H,q,J
=7.3Hz),5.39(1H,s),6.68(1H,
d,J=8.1Hz),7.78(1H,dd,J=8.1H
z,2.2Hz),7.97(1H,d,J=2.2Hz) IR(KBr):3350,2880,2840,16
75,1600,1285,1250,1030cm-1 元素分析:計算値(C23H28O3)C:78.37 H:8.0
1 実測値 C:78.26 H:8.03エチル 3−(4−ジアマンチル)−4−メトキシベン
ゾエート 93.5mg(純度60%、2.34ミリモル:1.5当量)の
ナトリウムハイドライドを1mlのn-ヘキサンで2回洗浄
し、1mlのテトラヒドロフラン(THF)に懸濁し、1
0mlのTHFに溶解した552.5mg(1.57mmol) のエ
チル 3−(4−ジアマンチル)−4−ヒドロキシベン
ゾエートを添加した。20分間攪拌した後、0.5mlのヨ
ウ化メチルを加え、室温で6時間攪拌した。反応混合物
を60mlの水に注ぎ、ジクロロメタンで抽出して水と食
塩水で順次洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで
乾燥し、溶媒を留去して粗生成物を得た。該粗生成物を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:ジクロ
ロメタン/n-ヘキサン)で精製して、349.7mgの目的
物を得た(収率:60.9%)。
【0020】無色プリズム晶(n-ヘキサン) 融点:1
18−119℃ 1H−NMR(400MHz, CDCl3):δ1.38(3H,
tr,J=7.0Hz),1.76−1.79(10H),1.
90(3H),2.07(6H),3.88(3H,s),
4.35(2H,q,J=7.3Hz),6.87(1H,
d,J=8.8Hz),7.90(1H,dd,J=8.8H
z,2.2Hz),7.95(1H,d,J=2.2Hz) IR(KBr):2900,2850,1720,16
00,1270,1240,1180,1130,10
30cm-1 元素分析:計算値(C24H30O3)C:78.65 H:8.2
5 実測値 C:78.80 H:8.323−(4−ジアマンチル)−4−メトキシ安息香酸 275.0mg(0.75ミリモル)のエチル 3−(4−ジ
アマンチル)−4−メトキシベンゾエートを加水分解し
て目的物を得た(収率:96.7%)。
【0021】無色プリズム晶(メタノール/酢酸エチ
ル) 融点:300℃以上 1H−NMR(400MHz, CDCl3):1.77−1.80
(10H),1.90(3H),2.05−2.07(6
H),3.90(3H,s),6.90(1H,d,J=8.
8Hz),7.96(1H,dd,J=8.8Hz,2.2H
z),8.01(1H,d,J=2.2Hz) 1H−NMR(400MHz, DMSO-d6):1.73−1.86
(10H),1.86(6H),2.00(3H),3.85
(3H,s),7.04(1H,d),7.78−7.80
(2H,m) IR(KBr):2850,1690,1600,12
70,1240,1175,1140,1020cm-1 元素分析:計算値(C22H26O3)C:78.07 H:7.7
4 実測値 C:78.11 H:7.78メチル 4−[3−(4−ジアマンチル)−4−メトキ
シベンズアミド]ベンゾエート 76.0mg(0.225ミリモル)の3−(4−ジアマンチ
ル)−4−メトキシ安息香酸をDMF2滴とともに2ml
のチオニルクロリドに0℃で溶解した。2時間攪拌した
後に、1.5mlの乾燥ベンゼンを加え、3時間加熱還流し
た。溶媒を減圧留去し、粗酸クロリド体を得た。該酸ク
ロリド体を2mlの乾燥ベンゼンに溶解し、34.1mg(0.
226ミリモル)の4−アミノ安息香酸メチル、0.3ml
のピリジン、及び触媒量の4−(ジメチルアミノ)ピリ
ジンを含む2mlの乾燥ベンゼンを加えた。室温で1.5時
間攪拌した後、反応混合物を30mlの2N塩酸に注ぎ、
ジクロロメタンで抽出した。有機層を2N塩酸、水、5
%(W/W)重曹水、水、食塩水で順次洗浄した後、無
水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去して粗生成物
を得た。該粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(溶出液:ジクロロメタン)で精製して、44.8mg
の目的物を得た(収率:42.3%)。
【0022】無色プリズム晶(メタノール) 融点:1
78−180℃ 1H−NMR(400MHz, CDCl3):δ1.76−1.82
(10H),1.89(3H),2.06(6H),3.88
(3H,s),3.90(3H,s),6.89(1H,
d,J=2.5Hz),8.03(2H,d,J=8.8H
z),8.06(1H,s) IR(KBr):2870,2830,1720,15
95,1275,1230cm-1 元素分析:計算値(C30H33NO4 ・1/4H2O)C:75.68
H:7.09 N:2.94 実測値 C:75.68 H:7.0
5 N:2.904−[3−(4−ジアマンチル)−4−メトキシベンズ
アミド]安息香酸 38.0mg(0.081ミリモル)のメチル 4−[3−
(4−ジアマンチル)−4−メトキシベンズアミド]ベ
ンゾエートを苛性カリにて加水分解して、目的物を得た
(収率:88.9%)。
【0023】無色プリズム晶(メタノール/酢酸エチ
ル) 融点:300℃以上 1H−NMR(400MHz, DMSO-d6):δ1.74−1.7
7(10H),1.88(3H),2.05(6H),3.8
8(3H,s),7.10(1H,d,J=8.8Hz),
7.77(1H,d,J=2.2Hz),7.87(1H,d
d,J=8.8Hz,2.2Hz),7.89(2H,d,J
=9.2Hz),7.92(2H,d,J=9.2Hz),1
0.36(1H,s) IR(KBr):2850,1680,1600,14
90,1230,1170cm-1 MASS M+ 457 元素分析:計算値(C29H31NO4 )C:76.12 H:6.
83 N:3.06 実測値 C:76.05 H:6.88 N:
3.09 実施例2ベンジル 4−[3−(4−ジアマンチル)−4−メト
キシベンゾキシ]ベンゾエート 100mg(0.296ミリモル)の3−(4−ジアマンチ
ル)−4−メトキシ安息香酸をDMF2滴とともに2ml
のチオニルクロリドに0℃で溶解した。2時間攪拌した
後に溶媒を減圧留去し、粗酸クロリド体を得た。該酸ク
ロリド体を2mlの乾燥ベンゼンに溶解し、69.8mg(0.
306ミリモル)の4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、
0.3mlのピリジン、及び触媒量の4−(ジメチルアミ
ノ)ピリジンを含む3mlの乾燥ベンゼンを加えた。室温
で終夜攪拌した後、反応混合物を60mlの2N塩酸に注
ぎ、ジクロロメタンで抽出した。有機層を2N塩酸、
水、5%(W/W)重曹水、水、食塩水で順次洗浄した
後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去して粗
生成物を得た。該粗生成物をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(溶出液:n-ヘキサン:酢酸エチル/10:
1)で精製して、50.5mgの目的物を得た(収率:30.
9%)。
【0024】無色プリズム晶(ジクロロメタン−メタノ
ール) 融点:184−185℃ 1H−NMR(400MHz, CDCl3):δ1.77−1.80
(10H),1.91(3H),2.09(6H),3.92
(3H,s),5.38(2H),6.95(1H,d,J
=8.4Hz),7.28(2H,d,J=8.8Hz),7.
35−7.47(5H,m),8.05(1H,dd,J=
8.4Hz,J=2.2Hz),8.09(1H,d,J=2.
2Hz),8.15(2H,d,J=8.8) MASS M+ 548 元素分析:計算値(C36H36NO5 )C:78.80 H:6.
61 実測値 C:78.51 H:6.644−[3−(4−ジアマンチル)−4−メトキシベンゾ
キシ]安息香酸 40.5mg(0.074ミリモル)のベンジル 4−[3−
(4−ジアマンチル)−4−メトキシベンゾキシ]ベン
ゾエートを3mlの酢酸中で10%パラジウム炭素を用い
て1時間接触還元し、10.3mgの目的物を得た(収率:
30.5%)。
【0025】無色プリズム晶(酢酸エチル−n-ヘキサ
ン) 融点:289−291℃ 1H−NMR(400MHz, DMSO-d6):δ1.73−1.7
8(10H),1.88(3H),2.04(6H),3.9
2(3H,s),7.18(1H,d,J=8.8Hz),
7.39(2H,d,J=8.8Hz),7.95(1H,
d,J=2.6Hz),8.02(2H,d,J=8.8H
z),8.02(1H,dd) IR(KBr):2900,2850,1735,16
80,1600,1240,1200cm-1 MASS M+ 458 元素分析:計算値(C28H30O5)C:75.96 H:6.5
9 実測値 C:75.82 H:6.61 試験例1 実施例1で得た4−[3−(4−ジアマンチル)−4−
メトキシベンズアミド]安息香酸(TD550)、及び
実施例2で得た4−[3−(4−ジアマンチル)−4−
メトキシベンゾキシ]安息香酸(TD650)を用い、
本発明の化合物のヒト急性前骨髄性白血病HL60細胞
の分化と成熟夥粒球への分化誘導活性を、核の形態的変
化観察及びニトロブルーテトラゾリウム(NBT)の還
元能測定により決定した。試験方法の詳細は、影近ら(C
hem. Pharm. Bull.,34: 2275-2278, 1986; J.Med.Che
m.,31: 2182-2192, 1988) およびコリンズら(J.Exp.Me
d.,149: 969-975, 1979) の方法に準じて行った。その
結果、両化合物は10-5M以下の濃度では全く分化誘導
を惹起しなかった。
【0026】一方、これらの化合物は、レチノイン酸
(RA)またはAm80(4−[(5,6,7,8−テ
トラヒドロ−5,5,8,8−テトラメチル−2−ナフ
タレニル)カルバモイル]安息香酸:J. Med. Chem., 3
1:2182-2192, 1988)がHL60細胞に対して惹起する分
化誘導を濃度依存的に阻害した(図1及び図2)。すな
わち、RA(3.3×10-9M)により誘起される細胞分
化率は48%であるのに対し、1.1×10-7M、3.3×
10-7M、及び1.0×10-6Mの濃度でTD550を添
加した場合には、細胞分化率はそれぞれ45%、26
%、及び15%となった(図1)。これは、RAの細胞
分化活性の50%を阻害するために、RAに対し約10
0倍過剰のTD550を存在させれば十分であることを
示している。 試験例2 TD550及びTD650について、レチノイン酸受容
体(RARs)に対する作用を検討した。レチノイン酸
受容体とTD550及びTD650の受容体結合試験
は、HL60細胞から調製したホールセルエクストラク
ト(全細胞抽出物)を用い、橋本らの方法(Jpn.J.Cance
r Res.(Gann) 79: 473-483, 1988; Mol.Endo. 3: 1046-
1052, 1989; Biochem.Biophys.Res.Commun. 166: 1300-
1307, 1990) に準じて行った。その結果、TD550及
びTD560は、[3H]RAまたは[3H]Am80のHL6
0ホールセルエクストラクトに対する結合を、約100
倍以上の濃度で阻害することが判明した。結果を表1に
示す。
【0027】 表1 本発明の化合物 [3H]RAの特異的 [3H]Am80の特異的添加量(倍) 結合量(%) 結合量(%) 非存在下 100 100 TD550 ×10 100 74 ×100 38 63 ×1000 29 31 ×10000 23 10 TD650 ×10 78 75 ×100 75 52 ×1000 68 27 ×10000 55 24 この表において、本発明の化合物の非存在下にHL60
細胞抽出液に結合した 3RA(又は 3Am80)の量か
ら過剰のRA(又はAm80)の存在下に結合した 3
A(又は 3Am80)の量を減じたものを特異的 3RA
結合量とし、その値を100%とした。そして本化合物
の存在下における対応する 3RA(又は 3Am80)の
特異的結合量の値をパーセントで示した。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の化合物が、レチノイン酸またはAm
80が誘起する細胞分化を抑制する作用を有すること
を、本発明の化合物の濃度を変化させて示した図であ
る。
【図2】 本発明の化合物が、レチノイン酸またはAm
80が誘起する細胞分化を抑制する作用を有すること
を、レチノイン酸またはAm80の濃度を変化させて示
した図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の式(I)で示される安息香酸誘導
    体: 【化1】 (式中、R1 は水素原子または低級アルキル基を示し、
    Xはジアマンチル基を示し、Yは酸素原子又は−NH2
    −で示される基である)。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の安息香酸誘導体を有効成
    分として含むレチノイド過剰症治療剤。
  3. 【請求項3】 下記の式(II)で示される請求項1記載
    の安息香酸誘導体製造用中間体。 【化2】 (式中、R1 は水素原子または低級アルキル基を示し、
    Xはジアマンチル基を示し、Yは酸素原子又は−NH2
    −で示される基であり、R2 はカルボン酸保護基を示
    す。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5173229A (en) * 1974-12-20 1976-06-24 Matsushita Electric Ind Co Ltd Geruinkyokuno seizoho

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