JPH0496772A - ゴルフクラブ用シャフトおよびその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、撓み性（耐屈曲性）および衝撃吸収性に優れ
たゴルフクラブ用シャフトおよびその製造方法に関する
。

〔従来の技術〕

従来、軽量化を目指すゴルフクラブ用シャフトは、エポ
キシ樹脂やポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂をガラス
繊維や炭素繊維などで補強してなる繊維強化プラスチッ
ク（ＦＲＰ）から主として作られている。しかしながら
、このようなＦＲＰからなるゴルフクラブ用シャフトは
、撓み性および衝撃吸収性において十分でないという問
題があった。

〔発明が解決しようとする課題〕

本発明は、このような事情にがんがみなされたものであ
って、撓み性および衝撃吸収性に優れたゴルフ用として
好適なゴルフクラブ用シャフトおよびその有利な製造方
法を提供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

本発明のゴルフクラブ用シャフトは、熱可塑性樹脂をマ
トリックスとするプリプレグで成形した繊維補強熱可塑
性樹脂中空体からなることを特徴とする。

また、本発明のゴルフクラブ用シャフトの製造方法は、
熱可塑性樹脂をマトリックスとするプリプレグを巻回し
、得られる中空巻回物を外型の空洞内に入れると共に、
該中空巻回物の中空部に熱膨張性の中子を挿入し、つい
で前記熱可塑性樹脂の可塑化温度以上の温度に該中空巻
回物および咳中子を加熱して該中子を膨張させた後、該
中子および該中空巻回物を冷却することを特徴とする。

このような本発明では、ゴルフクラブ用シャフトが繊維
補強熱可塑性樹脂中空体からなるために、靭性に優れる
ので撓み性が向上し、また、衝撃吸収性が良好となる。

また、本発明では、ゴルフクラブ用シャフトの製造に際
して、熱膨張性の中子を熱膨張させる等の簡単な手順を
踏めばよいのでその製造を効率的に行うことができる。

以下、図を参照して上記手段につき詳しく説明する。

本発明で使用する熱可塑性樹脂をマトリックスとするプ
リプレグ（以下、熱可塑プリプレグという）は、具体的
には、複数本の連続繊維を引き揃えて一方向に帯状に配
列した一般にトウと呼ばれる繊維束にマトリックスの熱
可塑性樹脂を含浸させたもの（一方向引き揃えのプリプ
レグ（ＵＤプリプレグ））などである。この熱可塑性樹
脂プリプレグを構成する繊維束に用いる補強繊維として
は、特に限定されないが、好ましくは炭素繊維、ガラス
繊維、アラミド繊維（芳香族ポリアミド繊維）、炭化珪
素繊維、ボロン繊維、液晶繊維（全芳香族ポリエステル
）、アルミナ繊維等の耐熱性を備えた強度の大きい連続
繊維を例示することができる。

また、マトリックスの熱可塑性樹脂としては、特に限定
されないが、好ましくは融点が３４３℃のポリエーテル
エーテルケトン（ＰＥＥＫ）、融点が２８２〜２８８℃
のポリフェニレンサルファイド（ＰＰＳ）、軟化点が２
１９℃のポリエーテルイミド（ＰＥＩ）　、ポリエーテ
ルスルフォン（ＰＥＳ）　、ポリアリレンケトン、ポリ
アリレンサルファイド、ポリアリルイミド、ポリアミド
イミド（ＦＡＩ）　　、ポリイミド、ポリイミドスルフ
ォン、ポリスルフォン、ポリアリルスルフォン、ナイロ
ン（６６゜６）、ポリカーボネート、ポリエステル等の
高融点または高軟化点の熱可塑性樹脂を例示することが
できる。

本発明のゴルフクラブ用シャフトは、この熱可塑プリプ
レグで成形した繊維補強熱可塑性樹脂中空体からなる。

この繊維補強熱可塑性樹脂中空体の製造は、下記（１）
から（３）の手順に従って行われる。

（１）熱可塑プリプレグを巻回する。

この場合、できるだけ細く　（径を小さく）巻く。巻き
方は、シート状の熱可塑プリプレグを渦巻状に巻いても
よく、また、数ミリ幅の細い紐状の熱可塑プリプレグを
編み上げて筒状にしてもよく、これらの併用によっても
よい。

熱可塑プリプレグは、一般の熱硬化性樹脂をマトリック
スとするプレプレグとは異なり、ドレープ性（しなやか
さ）やタンク性（粘着性）が欠如しているばかりでなく
、それ自体、連続繊維で補強された熱可塑性樹脂の薄板
であるため、非常に剛直で、繊維に沿った方向には裂け
やすい性質がある。

このため、予め所定の積層構成となるように切断した熱
可塑プリプレグを巻いてい（ときには、細く巻こうとす
ればする程、熱可塑プリプレグの剛直性や裂けやすさの
ためにプリプレグが巻難くなる。

どのような成形体を作ろうとするかによって一概には言
えぬが、凡そ３０ｍ■φを境に熱可塑プリプレグが巻け
なくなる。

したがって、最初の段階としては出来るところまで細く
巻いてお（。

このように出来るだけ細く巻いたプリプレグを、つぎに
、マトリックスの樹脂が融けない程度に加熱して、その
プリプレグに巻き癖をつける。

マトリックスの樹脂は熱可塑性樹脂であり、こうした熱
可塑プリプレグに用いられるものは、結晶性ポリマーや
非品性ポリマーやそれらの中間的な性質の半結晶性ポリ
マーなどがあるが、いずれも変形を受けた状態で融点よ
り少し下まで熱せられると、応力が緩和するとともに熱
変形を生じる。

熱可塑プリプレグが曲げられている状態では、凸面部で
は引っ張り応力が、凹面部では圧縮応力が生じている。

この状態で、融点（または軟化点）より少し下の温度に
熱せられるとマトリックス樹脂の応力が緩和し、巻きの
形状を保っている拘束を解いても、元の平板の形状には
戻らず、巻きの形状が残った状態になる。このようにし
て、巻き癖を付けることができる。

この巻き癖のついたプリプレグをさらにきつく巻いて、
第１図に示すような所定の中空巻回物（以下、プリフォ
ームという）とする。

巻き癖のついたプリプレグは、最初の限界よりも更に細
く　（別の言葉では、Ｒを小さ（）巻くことができる。

第１図に示す所定のプリフォームｌは、外型に収まるだ
けの外形寸法を持ち、巻かれているプリプレグができる
だけ緊密な状態を示している。したがって、この場合プ
リフォーム１を所定の外形寸法に一致させ、巻きがほぐ
れないように例えば適当箇所をスポット爆接で固定し、
巻きの内側はプリプレグ間の隙間が減少するように整え
る。

プリフォーム１の外形は成形体（製品）の外形に一致す
るが、プリフォーム１の肉厚は成形体（製品）の肉厚よ
りも厚くて凡そ５割増しである。

一回の加熱で所定のプリフォーム１ができないときは、
できるまでこの加熱を繰り返して十分に巻き癖をつける
。巻き癖は、きつく巻いた状態で付ければそれだけ強く
付（ので、上記加熱を繰り返すことでやがては、所定の
プリフォーム１とすることができる。このプリフォーム
１には、第２図に示すように、テーパをもたせる。

（２）　　このプリフォーム１を、空洞が一端から他端
に貫通した第３図（Ａ）〜（Ｃ）に示されるような外型
２の空洞３内に入れると共に、プリフォーム１の中空部
４に熱膨張性の中子を挿入する。

外型２は、第３図（八）のように一体型の中空円筒体で
もよく、第３図（Ｂ）および（Ｃ）のように上型２ａと
下型２ｂからなる２つ割モールドであってもよい。

また、この外型２は、その材質としては特に限定される
ものではないが、加工温度において変形や変質が生じる
ことがな（、かつ熱膨張性の中子の膨張による圧力に耐
えることが必要であるため、鉄やアルミ合金等の金属製
であることが好ましい。

熱膨張性の中子（内型）は、熱可塑プリプレグの７１−
ワックスである熱可塑性樹脂よりも大きな耐熱性を有す
る樹脂からなることが必要である。すなわち、この中子
は熱可塑プリプレグの熱可塑性樹脂が可塑化する温度で
溶融流動しない耐熱性を存することが必要である。しか
も、この中子は、この中子と外型との間のプリフォーム
１を内側から外側へ向けて圧縮し、そのプリフォーム１
内の積層プライ間を密着させてその積層ブライ間からボ
イドを排除し、さらにプリフォーム１内の補強繊維を配
向させるに十分な大きさの熱膨張を行う熱膨張性である
ことが必要である。

この中子は、具体的には、中実のマンドレル、中空のマ
ンドレルの形態にある。この中子を構成する好ましい樹
脂としては、フッ素系樹脂やシリコーン系樹脂を挙げる
ことができる。フッ素系樹脂としては、ポリテトラフル
オロエチレン（ＰＴＦＥ、商品名テフロン）、　ポリ弗
化アルコキシエチレ：／樹脂（ＰＦＡ）、　弗化エチレ
ンプロピレンエーテル共重合体樹脂（ＰＥＰ）等の熱膨
張性が大で耐熱性の高い樹脂を例示することができる。

また、シリコーン系樹脂としては、樹脂だけでは軟らか
過ぎるので、耐熱性が大きい補強材料と混合したシリコ
ーン樹脂を例示することができる。これらの樹脂は、使
用に際して、無機繊維等の補強材料で補強してもよい。

これらの樹脂のうちで、ＰＴＦＥを用いることが特に好
ましい。ＰＴＦＥは、２６０℃程度が使用限界で、約３
３５℃の融点をもつとされるが、分子量が極めて大きい
ため３３５℃を超えても融解することがなく、それ自体
の形状を保持している。

また、体積膨張も大きく、室温から４００℃に温度を上
げると約６０％も体積が膨張する。熱分解温度は４２０
℃程度である。

なお、所定のプリフォーム１を外型２に納めるときは、
脱型の効率を考慮して弗素系や珪素系の離型剤を予め外
型２の内面に塗布したり、離型用のフィルムをプリフォ
ーム１に巻く等しておくと良い結果が得られやすい。

（３）ついで、プリフォーム１を構成する熱可塑性樹脂
の可塑化温度以上の温度にプリフォーム１および上記中
子を加熱して該中子を膨張させた後、該中子およびプリ
フォーム１を冷却する。

この場合の加熱は、空気中でも不活性ガス中でも真空中
でも行ってよい。マトリックス樹脂によって必要な加熱
の雰囲気を選択すればよい。

加熱は一般に素早い方が、マトリックス樹脂の劣化防止
および時間の経済性の上から好ましい。

この加熱による中子の膨張によってブリフ１−ム１が内
側から外側に向って押圧され、中子と外型２との間で圧
縮される。そして、冷却することにより第４図に示され
るような成形品５となる。

なお、中子の熱膨張が十分でなく尚も中子とプリフォー
ム１との間に空隙が残存するときは、先よりも太い中子
を再度挿入して、再び外型２とともに同様に加熱冷却す
れば、内部に空隙の残存しない緻密な成形品５が得られ
る。この成形品５は、例えば、長さ１＝９６０ＩＩＩＩ
ｎ、一端の外径ｈ””１６ｍｍ、他端の外径ｔ＝８ｍｍ
のテ　／’：を有する中空体である。

以下に実施例を示す。

実施例 ■　ＰＥＥＫ（ポリエーテルエーテルケトン）をマトリ
ックスとする、炭素繊維強化一方向プリプレグ（ＡＰＣ
−２／ＡＳ４：ＦＴＢＥＲＩＴＥ社製。以下、単に熱可
塑プリプレグという）を、所定の積層構成（０″が８０
％、＋３５°が１０％、−３５°が１０％）になるよう
に巻いてプリフォームを形成した。

このとき、熱可塑プリプレグをそのまま巻いたのでは、
所定の外形寸法程は細（巻けなかったので、−旦できる
だけきつく巻いた状態にて熱風で加熱し、巻き癖を付与
することで所定のプリフォームの形状とした。

所定のプリフォームは、外径は製品寸法に一致するが、
内径はプリプレグの積層間の空隙の存在によって約１１
小さくなっていた。

このプリフォームを、製品の外形寸法に一致する空洞を
有する外型に挿入し、更に、プリフォームの内部に、プ
リフォームの内径に一致する外径のＰＴＦＥ製のマンド
レルを挿入した。

マンドレル挿入後、加熱時のマンドレル脱落を防止する
目的で、外径の太い方の一端を板で封じた。

尚、ここでは一体型の外型を利用したが、割り型を用い
ることは無論可能である。

これらを熱風炉に入れて３８０”Ｃで約３０分間加熱し
、全体が十分に３８０℃に近づいたときに水中に投じて
急冷を行った。

こうして、ｈ＝１６ｍｍ、ｔ−８ｍｍ、ｌ−＝９６０ｍ
ｍ、肉厚−１，０ｍｍ（８プラ伺の第４図に示したゴル
フクラブ用シャフトの成形体を得た（本発明成形体）。

■　エポキシ樹脂をマトリックスとする炭素繊維強化一
方向プリプレグ（本発明成形体と同し炭素繊維が用いら
れ、繊維目付は及び繊維の体積含有量やプライ厚さも等
しいプリプレグ）を、マトリックス樹脂を除いて本発明
成形体と同じ構成となるようにして、ローリング法によ
ってゴルフクラブ用シャフトを成形し、形状・積層構成
は全く本発明成形体と同じゴルフクラブ用シャフトの成
形体を得た〈従来成形体）。

■　上記の本発明成形体および従来成形体について、第
５図に示すように荷重Ｍをかけて、常法により３点曲げ
試験を行って撓み性を評価した。この結果を第６図に示
す、第６図中、ａは本発明成形体を、ｂは従来成形体を
表わす。

第６図から判るように、本発明成形体および従来成形体
はそれぞれ約９ａｍの撓みまでは同じ挙動を示している
。だが、従来成形体は９ａｎの撓みで破壊されるのに対
し、本発明成形体はそれ以上の約１６ａｍまで撓んでい
る。破壊に到る荷重も、約１０ｋｇ勝っている。

このように、熱可塑性樹脂をマトリックスとするゴルフ
クラブ用シャフトは、極めて靭性が高く、撓み性の豊か
な壊れにくい製品であることが判る。

■　本発明成形体および従来成形体をそれぞれ叩き、常
法により共振曲線を測定し、半値幅法によって損失係数
を求めた。

本発明成形体の損失係数７　０．０６ 従来成形体の損失係数　：　　０．０４この結果から判
るように、損失係数が、本発明成形体では従来成形体の
１．５倍ある。このため本発明によれば、ゴルフボール
を強打した場合でも、プレーヤーの手首への衝撃が少な
くて、それだけ強打し易い、即ち使用していて疲れにく
くまた、飛距離も出しやすい優れたゴルフクラブを提供
することが可能である。

〔発明の効果〕

以上説明したように本発明のゴルフクラブ用シャフトは
、熱可塑樹脂をマトリックスとするプリプレグで成形し
た繊維補強熱可塑性樹脂中空体からなるため、撓み性お
よび衝撃吸収性を従来に比して高めることができる。ま
た、本発明によれば、ゴルフクラブ用シャフトの製造に
際して熱可塑性樹脂をマトリックスとするプリプレグを
巻回し、得られる中空巻回物を外型の空洞内に入れると
共に、この中空巻回物の中空部に熱膨張性の中子を挿入
し、ついで前記熱可塑性樹脂の可塑化温度以上の温度に
中空巻回物および中子を加熱して中子を膨張させた後、
中子および中空巻回物を冷却するという簡単な手順を踏
めばよいので、その製造を効率的に行うことが可能とな
る。本発明は、釣竿、ラケットの柄、自転車のフレーム
パイプなどにも適用可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は熱可塑性樹脂をマトリックスとするプレプリグ
シートを渦巻状に巻回して得られる中空巻回物（プリフ
ォーム）の斜視説明図、第２図はこの中空巻回物にテー
パをもたせた様子を示す斜視説明図、第３図（Ａ）　、
　（Ｂ）　、　（Ｃ）はそれぞれ外型の一例を示す部分
斜視説明図、第４図は成形品（ゴルフクラブ用シャフト
）の−例を示す斜視説明図、第５図は三点曲げ試験の方
法を示す簡略図、第６図は撓み量と荷重との関係図であ
る。 １１、・プリフォーム、２・・・外型、３・・・空洞、
４・・・中空部、５・・・成形品。 第１図 第２図 第３図（Ａ） 第３図ＣＢ） 第 図 第 図 ■ 第 図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、熱可塑性樹脂をマトリックスとするプリプレグで成
   形した繊維補強熱可塑性樹脂中空体からなるゴルフクラ
   ブ用シャフト。 ２、熱可塑性樹脂をマトリックスとするプリプレグを巻
   回し、得られる中空巻回物を外型の空洞内に入れると共
   に、該中空巻回物の中空部に熱膨張性の中子を挿入し、
   ついで前記熱可塑性樹脂の可塑化温度以上の温度に該中
   空巻回物および該中子を加熱して該中子を膨張させた後
   、該中子および該中空巻回物を冷却することを特徴とす
   る繊維補強熱可塑性樹脂中空体からなるゴルフクラブ用
   シャフトの製造方法。