JPH0493765A

JPH0493765A - 充填塔液分散方式

Info

Publication number: JPH0493765A
Application number: JP2210283A
Authority: JP
Inventors: Kazuo Okuyama; 和雄奥山; Motohisa Asano; 浅野　元久
Original assignee: Asahi Chemical Industry Co Ltd
Current assignee: Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority date: 1990-08-10
Filing date: 1990-08-10
Publication date: 1992-03-26

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本発明は、混合物から目的成分の分離・精製に用いられ
る大口径クロマトグラフィーに関し、特に液整流機能に
優れている分散方式に関する。

〔発明の背景及び従来技術〕

クロマトグラフィーにおいて、充填塔に被分離液（試料
液）が導入されたときに、試料液が均一に試料導入口か
ら充填層平面に素早く広がることがクロマト分離性能を
維持する上で重要な課題であった。しかし、大口径の充
填塔では充填層への試料液の均一分散が遅れたりするこ
とにより偏流を引起こし分離性能を低下させる原因にな
っていた。また、同様に充填塔出口においても大口径の
充填塔では、充填層から均一に試料取り出し口へ導くの
が難しく、分離性能を低下させる混合の原因になってい
た。

上記したように、クロマト分離における充填塔人出口に
おける分散・分集は分離性能のうえからも重要な課題の
−っであった。

そこで従来は、（１）試料導入口及び取り出し口を多数
設ける方法（特開昭６３−１７３９６０号公報参照）、
（２）試料導入部及び取り出し部蓋に溝等を設け、液を
誘導する方法（特開昭６２−２０６４４６号公報参照）
がとられていた。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかしながら、前項（１）では、試料導入口及び取り出
し口を多数設けているため、構造が複雑とならざるを得
す、しかも高価なものになっていた。

また、本管から各導入口までの流路の長さ、形状の僅か
な相違により流れに遅速が生じ、その結果充填層内で偏
流が起る原因になっていた。また、前項（２）について
も溝を設けるため複数個の円板を重ね合わせたりして、
構造が複雑なものになり高価なものになっていた。そし
て、この方法も原理的には前記した（１）と同じであり
、本管から溝により液を充填層平面方向に均一に広げる
ため、その溝の長さ、形状により流速に遅速が生じ、充
填層内で偏流が発生する原因になっていた。

本発明は、以上の事情に鑑みて鋭意研究されたものであ
り、その目的は、簡単な構造で充填塔に導入された試料
液が充填層上部において下方流量がより均一に分散され
るようにし、また、充填層下部において前記とは逆に均
一に分集されるようにすることにより、充填塔における
クロマト分離の性能を低下させることなしに、その分離
性能を維持し、また、構造を簡素化することにより大口
径充填塔にも充分適応可能な充填塔液分散方式を提供す
ることである。

〔課題を解決するための手段及び作用］本発明に係る充
填塔液分散方式は、充填塔内の充填層の上部面と上蓋と
で区画された空間部を形成し、導入口より供給された試
料液が、前記空間内を流れるときの圧力損失（Δｐ＋）
と充填層内を流れるときの圧力損失（Δｐｔ）との比に
基づいて、充填層に入る流量をより均一にすることを特
徴とし、前記した空間部において試料液を均一に分散せ
しめるものである。前述したΔＰ＋　とは、流れる試料
液と空間を形成している上蓋及び充填層の上部面との摩
擦により生じる圧力低下と、流れる試料液の運動エネル
ギーが変換した静圧との和によって表わされるものであ
る。従って、ΔＰ１は空間部の高さ、塔径方向への長さ
、試料液の流速、そして試料液の物性（粘度、密度等）
に依存する。

ΔＰ＋　はその因子が多く計算により算出するよりは、
現実的には試料液入口部と、空間外周充填層上部に圧力
検知器を設置し、その差圧を測定することになる。

一方、ΔＰ２とは充填層中に存在する充填物に囲まれた
隙間を試料液が流れるときの摩擦により生ずる圧力低下
であり、充填物物性（材質、形状粒径等）と試料液の物
性（粘度、密度等）に依存する。後に述べるような充填
層上部表面に設置するフィルタや多孔板中を液が流れる
ときに発生する圧力低下はΔＰ２に属する。充填層を液
体が流下するときの圧力損失は、化学工学的に計算する
ことが可能であり、また必要であれば、各部に圧力検知
器を設置し測定することもできることは周知のことであ
る。

そして、前記したΔＰ、とΔｐ２の比は、基本的には小
さい方が好ましいが、より好ましくは１７５以下がよい
。これは、液流量がより均一に分散するために必要な充
填層の圧力損失は、前記のΔｐ１の約１．５倍以上であ
るが、実際にクロマトグラフィーに適用する場合は、液
が分散された後の利用できる充填層の長さが、全充填層
長さの約１７３の長さを必要とするからである。

充填層上部に空間を保持する一つの手段として、充填層
上部表面に多孔板を設置し、該多孔板と充填塔の上蓋で
空間部を区画形成することができる。

前記した多孔板は機械的強度を有するものであることが
必要であり、機械的強度を有する多孔板としては、板に
機械的孔を多数開口したものや、焼結フィルタ、金網等
があり、更に、前記の材料を重合して多孔板とフィルタ
、金納とフィルタ等を組合わせて構成することも可能で
ある。

また、充填層上部空間保持用の多孔板として、充填物径
より孔径が大きい多孔板を用いると、充填塔上部の試料
導入口より充填物を混入したスラリーを導入することに
より、充填塔内に充填層を形成することができる。また
、前記の充填物径より孔径の大きい多孔板を用いたとき
には、充填塔下部に設けられる試料取り出し口より液を
流入せしめることにより、充填塔上部試料導入口より充
填物を抜き出すことができる。

また、充填層下部面と下蓋とで区画された下部空間を形
成することにより前記の空間部より試料液を分集するよ
うにしている。

前記した、充填層の上・下部に形成した空間部の形状は
任意に選ぶことができるが、前記の空間部は充填層内の
流れの方向に対して実質的に直角の平面に試料導入口よ
り試料を分散させること、また、平面より試料取り出し
口へ試料液を分集させることより、空間が大きすぎると
該空間での流速低下につながり、試料導入口及び試料取
り出し口付近と充填塔円周部とで時間遅れが発生するの
で、できるだけ小さいことが好ましい。また、前記の空
間部が小さくなると試料通過時の圧力損失が大きくなり
、装置のコストアップにつながることになるので、前記
した空間部の形状としては充填層流れ方向に対して直交
する平面状の空間部が適しており、空間部での圧力損失
の低減及び流れの均一化を図るために、蓋の流れに沿っ
た放射状の溝を設けたり、また、例えば、充填層の中央
部と円周部で空間部の上下方向の幅を変えてテーパを形
成する等を行うことがより好ましい。ここで重要なこと
は、空間部を小さくしすぎて空間での圧力損失が大きく
なり、前述したΔｐ＋／Δｐ２の関係より大きくなった
場合は、空間全体へ試料液が分散せずに充填層に供給さ
れることとなり、充填層の分離性能に悪影響を与え、性
能低下につながることとなる。

以上のことを考慮すると、通常平衡平面の場合の空間と
して好ましい空間の上下方向の幅は、ＩＩＩＩＩ１１〜
５ｍｍ程度である。

次に、試料導入口及び取り出し口の空間部に対する設置
位置は、原理的には制約はないが、より好ましくは、空
間部に対して液流れが対称となる中央部に設けるのが良
い。

上記したことは、充填層に接した充填物用の導入口及び
抜き出し口を設置する必要のないことを意味しており、
大口径クロマトグラフィーにおいてはコスト的な点でも
、また混合部分が少なくなるという点においてより好ま
しいものである。

〔実施例〕

本発明の実施例を図面に基いて説明する。

第１図は、本発明の一実施例を示す全体縦断面図である
。第１図において、■はカラム充填剤（図示しない）が
充填されるカラム本体で、例えば直径１，０００ａｎφ
の円筒体であり、２及び３は、それぞれ充填塔の上蓋及
び下蓋である。また、前記した上蓋２の中央部には試料
導入口６が設けられ、また、下蓋３の中央には試料取り
出しロアが設置されている。

４は充填剤を保持するために充填層の上面に設けられる
上部多孔板、５は同様に充填層の下面に設けられる下部
多孔板であり、本実施例においては前記の多孔板４及び
５は孔径を充填剤径より小さくした焼結フィルタを用い
ている。そして、前記した焼結フィルタよりなる多孔板
４及び５の厚さは、充填剤を保持するに必要な強度より
決定される。

８は、前記した充填層の上面に設けられた上部多孔板４
と上蓋２で区画形成された上部空間部であり、９は、前
記した充填層の下面に設置された下部多孔板５と下蓋３
で区画形成された下部空間部であり、本実施例では前記
の上・下部の空間部８及び９の形状は、圧力損失を低減
せしめるために、上部空間部８は該空間部を形成する上
蓋２の内壁を中央部より外周に至るに従い下方に傾斜す
るテーパを形成しており、上記の上部空間部８について
は、上蓋２の中央に設けられた試料導入口６付近では空
間部８の上下方向の厚さを４ｍｍとし、円筒外周部付近
では前記の厚さを２皿としている。

また、下部空間部９は、該空間を形成する下蓋３の内壁
を中央部より外周に至るに従い上方に傾斜するテーパを
形成しており、下部空間部９は下蓋３の中央に設けられ
た試料取り出しロア付近では下部空間部８の上下方向の
厚さを４ｍｍとして、円筒外周部付近では２皿になるよ
うにしている。

また、本実施例では、充填剤の導入及び抜き出し用とし
て、充填層上部に設けた焼結フィルタよりなる上部多孔
板４の下部に、平面の対称の位置２ケ所に貫通孔１０を
設けである。

本実施例は、以上の構成からなるもので、試料液は、上
蓋２の中央部に設けられた試料導入口６より注入され充
填層に入るが、この際、充填層での圧力損失が大きいた
め、試料導入口６より注入された試料液は上部空間部８
で円周方向に整流及び分散されて充填層へ供給される。

また、下部においては、充填層下部空間９へ分集された
あと試料取り出しロアより充填塔外へ取出される。

第２図は、第１図の実施例において、充填層上部空間保
持用として平板に機械的に孔を多数開口した多孔板を用
いた他の実施例を示し、第２図においては、第１図の実
施例と同一部材については同一符号で示しである。

多孔板４としては、厚さ２Ｏｎｏｎの板に５腸φの穴を
１０ｍｍピッチで多数開口したものである。本実施例で
は、上部の試料導入口６から充填剤の導入及び抜き出し
が可能である。したがって、第１図に示す実施例におけ
る充填剤の導入及び抜き出し用の貫通孔１０は設ける必
要はないものである。

また、１１は邪魔板（厚さ０．５ｍｍ）で、該邪魔板１
１は試料導入口６の直下の上部多孔板４上に固定したも
のであり、前記邪魔板１１の形状は試料導入口６の直径
よりも約１０ｍｍ大きい直径の円板状とし、この邪魔板
１１により試料導入口６から噴流により充填層への吹き
出しを防止し、上部空間８における分散効果を高めるこ
とができるものである。

〔発明の効果〕

本発明に係る充填塔液分散方式は、充填層上面と上蓋で
空間部を形成し、上蓋に設けられた液導入口より供給さ
れた液が、前記空間内を流れるときの圧力損失と、前記
充填層を流れるときの圧力損失の比に基いて、前記供給
液を空間部で均一に分散せしめるようにしたので、大口
径クロマトグラフィーにおいて、より簡単な構造で充填
層の分離性能を低下させることなしに充填層への試料分
散を行うことができるものであり、更に構造が簡単なこ
とよりスケールアップがより簡単なことと、その際の装
置の製作コストも従来の装置に比し低減を図ることが可
能である。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示し、第１図は全体の説明図、
第２図は多孔板の他の例を示す説明図である。１：カラム本体　　　２：上　蓋３：下　蓋　　　　　４，５：多孔板、６：試料導入口
　　　７：試料取り出しロ８：上部空間部９：下部空間部第１図

Claims

【特許請求の範囲】

　充填層上面と上蓋とで区画された空間部を形成し、導
入口より供給された液が、前記空間内を流れるときの圧
力損失と、前記充填層を流れるときの圧力損失の比に基
づいて、前記供給液を前記空間部で均一に分散せしめる
ことを特徴とする充填塔液分散方式。