JPH049001Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は例えば精製処理後の砂糖等の粉粒体か
ら鉄粉、鉄片類を除去する装置、特に電磁石を利
用した鉄片除去装置に関する。

（従来技術） 砂糖の精製処理中に、特にその搬送ライン中に
ライン各部の錆や鉄粉、鉄片等が混入することが
あり、従来から精製後、出荷前にこれらの鉄分を
取り除くことが行われている。この目的に使用さ
れる鉄分除去装置として電磁吸着力を利用したも
のがあり、例えば格子状のスクリーンを磁化し、
スクリーン上に砂糖粉を落下させて鉄分のみをス
クリーンに吸着する電磁分離器が知られている
が、この場合、スクリーンは砂糖の落下路に固定
設置されている。また第７図に示す永久磁気ドラ
ム式のものは、砂糖粉の落下路で落下する砂糖流
層４の少し側方へ寄つた位置に、回転する永久磁
気ドラム１を配置し、そのさらに片側下方にスク
レーパ２および鉄片回収受け部３を設け、スクレ
ーパ２で永久磁気ドラム周面の鉄分を掻き取るよ
うにしている。

（考案が解決しようとする問題点） 上述した従来の鉄分除去装置のうち、磁化スク
リーンによるものは、固定式であるために目詰り
が多く、連続運転の場合はバツチ切り替えを必要
とし、能率が悪いという欠点がある。また永久磁
気ドラム式のものは層流となつて落下する砂糖の
ドラムと反対側の層即ち外層部分の鉄片がうまく
吸着できず製品に残留してしまう欠点がある。

本考案は上述の固定スクリーン式および回転磁
気ドラム式のもつ欠点を除去し、連続運転が可能
で粉粒体の流層中に混在する鉄分を有効に吸着、
除去できる装置を提供することにある。

（問題点を解決するための手段） 本考案による粉粒体混入鉄片の除去装置は、粉
粒体の搬送シユートを横断するように配置された
無端ローラチエインと、前記無端ローラチエイン
に取り付けられかつ貫通した空間部をもつ枠状の
複数個の電磁石と、少くとも前記搬送シユートを
横断する範囲にわたつて前記無端ローラチエイン
に沿い部分的に配設された給電用トロリケーブル
と、前記トロリケーブルと摺動接触するように前
記電磁石に固着された集電子とを有し、前記無端
ローラチエインの回動で前記給電用トロリケーブ
ルと接触しない位置にきた電磁石は前記搬送シユ
ートの外側に位置するようにしたものである。

（実施例） 次に、本考案を、図面を参照しながら実施例に
ついて説明する。

第１図は本考案の実施例に係る鉄片除去装置の
側面図である。また第２図および第３図は本考案
の第１の実施例による枠形電磁石を示した斜視図
および正面図である。砂糖粉等の粉粒体が落下す
る垂直なシユート１０の途中に該シユートを横切
るように無端ローラチエイン装置１１が水平に配
置され、このローラチエイン装置１１に沿うよう
にその上側および下側にトロリケーブル１５，１
６が配設されている。また一対のスプロケツト１
７，１８に掛け渡されたローラチエイン１２の内
側片にはブラケツト１９が固着され、このブラケ
ツト１９に矩形枠状の電磁石１３が固着されてい
る。この第１の実施例では電磁石１３は枠形内部
が無垢の空間部となつており、このような電磁石
がローラチエイン１２に沿つて密状態に複数個設
けられている。第３図で符号２０は無端ローラチ
エインを水平部分で支持するガイドレールであ
る。第３図、第４図に明示する如く、各電磁石１
３の片側部にはブラケツト２１を介して一対の溝
付ローラ状の集電子１４が軸支されており、この
集電子１４に電磁石１３のコイルの引出線２２が
接続されている。集電子１４はローラチエイン１
２の走行により前記トロリケーブル１５，１６に
或る範囲（後述）にわたり接触、摺動し、これに
よつて図示しない電源からトロリケーブル１５，
１６および集電子１４を介して電磁石１３に給電
がなされる。

第１図に示すように、ローラチエイン装置１１
はシユート１０を横切つてその両端部が該シユー
トの外側の或る程度離れた位置まで延在してお
り、またローラチエイン装置１１の上側のトロリ
ケーブル１５はシユート１０の片側から該シユー
トを横断してローラチエイン装置１１の一方のス
プロケツト１７の位置までのび、下側のトロリケ
ーブル１６はシユート１０の他方の片側から装置
１１の他方の端部近くまでのびている。したがつ
て前記集電子１４はローラチエイン装置１１の上
側および下側でこのトロリケーブル１５，１６の
張りめぐらされている範囲で該ケーブルと接触
し、トロリケーブル１５，１６の張られていない
位置を回動するときは該ケーブルとの接触はな
く、その位置における電磁石１３は付勢されな
い。

このような構成でシユート１０を落下してくる
粉粒体は、ローラチエイン装置１１の上側および
下側の電磁石１３の空間部を通過するときに該電
磁石により鉄粉、鉄片等が吸着される。吸着した
電磁石はトロリケーブル１５，１６の途切れた位
置即ちローラチエイン装置１１の両端部の位置
で、その消勢により、吸着鉄粉、鉄片２５を離
脱、落下せしめる。鉄片２５はシユート１０の外
側に落ちるから粉粒体に混入することなく排出さ
れる。

第５図および第６図は本考案の第２の実施例に
よる矩形枠状電磁石２３を示したものであり、こ
の場合は電磁石２３の枠形内空間部に磁性材の網
体２４が設けられ、これによつて網目状空間部を
内部にもつ電磁石が構成されている。この網目状
空間部は、網体の他に、例えば磁性材製の仕切板
ないし仕切棒を格子状に配置して構成してもよ
い。網目状空間部をもつ電磁石２３以外の部分即
ち集電体１４、トロリケーブル、ローラチエイン
装置等は第１の実施例と同じである。電磁石２３
がシユート１０内を通るとき電磁石２３の枠部お
よび網体２４が磁化されており、したがつてシユ
ート１０内を落下する粉粒体は網体２４に吸着さ
れて除去される。第２の実施例の電磁石は粉粒体
と接する部分が多いので鉄片の吸着にはその分有
利であるが、第１の実施例の場合は粉粒体が網目
を通らない長片物、塊状物を含む場合にも適用す
ることができる。

（考案の効果） 以上説明したように本考案によれば、回動する
複数個の枠状電磁石内を粉粒体が通過するので、
粉粒体が層流となつて落下しても外層あるいは層
内の鉄片類が有効に吸着され、シユートの外側で
自動的に電磁石の給電が遮断されるので、スクレ
ーパ等で掻き落す必要もなく、連続運転で鉄片の
除去、回収が行える。本考案の装置は精製した砂
糖の出荷前の鉄分除去工程に用いて有用である
が、その他のばら物搬送機の鉄片除去にも有効に
用いられる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例に係る鉄片除去装置の
側面図、第２図および第３図は本考案の第１の実
施例における矩形枠状電磁石の斜視図および正面
図、第４図は本考案に係る電磁石の集電子部分の
拡大斜視図、第５図および第６図は本考案の第２
の実施例における網目状空間部をもつ電磁石の斜
視図および正面図、第７図は従来の磁気ドラム式
鉄片除去装置の概略的な側面図である。 １０……シユート、１１……ローラチエイン装
置、１２……ローラチエイン、１３，２３……電
磁石、１４……集電子、１５，１６……トロリケ
ーブル、１７，１８……スプロケツト、２２……
コイル引出線、２４……網体。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 粉粒体の搬送シユートを横断するように配置
   された無端ローラチエインと、前記無端ローラ
   チエインに取り付けられかつ貫通した空間部を
   もつ枠状の複数個の電磁石と、少くとも前記搬
   送シユートを横断する範囲にわたつて前記無端
   ローラチエインに沿い部分的に配設された給電
   用トロリケーブルと、前記トロリケーブルと摺
   動接触するように前記電磁石に固着された集電
   子とを有し、前記無端ローラチエインの回動で
   前記給電用トロリケーブルと接触しない位置に
   きた電磁石は前記搬送シユートの外側に位置す
   ることを特徴とする粉粒体混入鉄片の除去装
   置。 (2) 前記貫通した空間部は無垢の空間部であるこ
   とを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項
   に記載した粉粒体混入鉄片の除去装置。 (3) 前記貫通した空間部は網目状空間部であるこ
   とを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項
   に記載した粉粒体混入鉄片の除去装置。