JPH0481776B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はネガ等の拡大焼付に利用される写真焼
付装置に関する。

〔従来の技術〕

写真焼付装置にはネガを等倍に焼付ける密着焼
付装置と、ネガを拡大して焼付ける拡大焼付装置
とがある。拡大焼付装置は露光ランプによりネガ
を照射し、その像を拡大レンズを介して印画紙上
に露光させるようになつている。

ネガは焼付時に露光ランプにより照射されて加
熱されるが、カラーネガでは乳剤の色素が熱に弱
く過度の加熱は退色を招く原因となることもあ
る。そのため焼付装置ではネガを冷却する冷却手
段が配設されている。

従来の拡大焼付装置では、露光ランプを冷却す
るフアンの送風を利用して露光ランプ側からネガ
を冷却するようにしている装置もある。また、専
用の冷却フアンを有する装置もある。従つて従来
の焼付装置でも比較的良好な冷却がなされてい
る。

〔発明が解決しようとする点〕

拡大焼付装置では密着焼付装置と異なり、ネガ
の乳剤面側には印画紙等が密着していないため、
乳剤面側からもネガを冷却する余地がある。

本発明は上記事実を考慮し、より良好にネガを
冷却することができる写真焼付装置を得ることが
目的である。

〔問題点を解決するための手段及び作用〕

本発明に係る写真焼付装置では、ネガまたは透
明陽画を露光ランプにより照射して感材に焼付け
る写真焼付装置であつて、前記露光ランプを収容
する筐体の開口部に配設され前記ネガまたは透明
陽画を支持すると共に前記露光ランプからの光を
透過するためのアパーチユアが設けられたネガキ
ヤリアと、前記筐体内へ冷却風を供給することに
より前記アパーチユアから露出されるネガ又は透
明陽画の裏面を冷却する冷却手段と、前記アパー
チユアの周縁かつネガ又は透明陽画の搬送路外に
設けられ前記筐体内と連通する連通孔を備え前記
筐体内に供給される冷却風を前記ネガ又は透明陽
画の表面へ案内する案内手段と、を有している。

本発明によれば、冷却手段によつて筐体内に供
給される冷却風はアパーチユアから露出されるネ
ガまたは透明陽画の裏面、すなわち反乳剤面側に
吹き付けられ、この結果ネガまたは透明陽画は冷
却される。

ところで、前記冷却風はその一部が案内手段の
連通孔に導入され、ネガまたは透明陽画の表面、
すなわち乳剤面側へも案内されて吹き付けられ
る。

このため、ネガまたは透明陽画の両面から冷却
風を吹き付けることができ、冷却効率を向上させ
ることができる。

〔実施例〕

第１図および第２図には本発明に係る写真焼付
装置の実施例が示されている。

写真焼付装置１０には、露光ランプ１２と、反
射板１４と、冷却フアン１６と、ミラーボツクス
１８とが筐体２０の内方に配設されている。また
筐体２０の上面を形成するようにネガキヤリア２
２が配設され、さらにネガキヤリア２２の上方に
拡大レンズ２４、カツトフイルタ群２６、シヤツ
タ２８が配設されている。シヤツタ２８の上方に
は図示しないプリントマスク装置等により支持さ
れた印画紙３０が位置するようになつている。

反射板１４は球面鏡乃至放物面鏡となつてい
て、図示しない調光フイルタを含む露光ランプ１
２から側方及び下方へ照射された光を平行光線と
して上方へ反射させミラーボツクス１８へ入射さ
せるようになつている。ミラーボツクス１８は露
光ランプ１２からの入射光を均一光となしてネガ
キヤリア２２へ入射させるようになつている。冷
却フアン１６は露光ランプ１２の側方に配設され
ていて、モータ３２に駆動されて筐体２０の外方
の空気を筺体内方へ導入するようになつている。
なお、筐体２０には冷却手段としての冷却フアン
１６が配設された壁の対向壁に開口２１が形成さ
れている。

ネガキヤリア２２には第２図にも示されるよう
に、本体部３３の中央部にネガ３４を案内するガ
イド溝３６が形成されている。ガイド溝３６の一
部にはアパーチユア３８が開口している。アパー
チユア３８が開口している部分の左右に位置する
張り出し壁は下方に凸に湾曲した板ばね４０，４
０となつている。またネガキヤリア２２の上面の
中央側２２Ａ，２２Ａには中央部に向つて下り傾
斜の勾配が付与されている。なおネガキヤリア２
２は合成樹脂製で板ばね４０，４０は本体部３３
と一体に成形されている。また第１図では板ばね
４０，４０の図示は省略されている。

左右の板ばね４０，４０の外方側には本体部３
２の裏面から表面へ貫通する案内手段の一部を構
成する連通孔としての空気通路４２，４２が形成
されている。本体部３３の表面には、空気通路４
２，４２の表面側開口および板ばね４０，４０を
覆つて前記空気通路４２，４２と共に案内手段を
構成する蓋部材４４，４４が固定配置されてい
る。蓋部材４４，４４は天井壁４４Ａ，４４Ａが
途中から内方側へ向つて下方へ傾斜している。

拡大レンズ２４は図では一枚のレンズで表現さ
れているが複数枚のレンズが組み合わされて構成
されている。拡大レンズは図示しない焦点距離調
節機構により第１図上下方向に移動可能となつて
いる。カツトフイルター群２６は図示しない移動
機構に連結されていて、それぞれが個別に第１図
の位置から退避可能となつている。移動機構は図
示しない透過濃度検出器と接続されていて、その
信号により制御されるようになつている。シヤツ
タ２８は印画紙３０へ至る露光ランプ１２の入射
光通路を開閉自在としている。

次に本実施例の作用を説明する。巻き解かれた
ロール状の印画紙３０および巻き解かれたロール
状のネガ３４が所定の位置に停止されて焼付が開
始される。写真焼付装置１０では露光ランプ１２
が点灯されており、冷却フアン１６が駆動回転さ
れている。焼付はシヤツタ２８を開とすることで
行なわれる。シヤツタ２８が開となると、露光ラ
ンプ１２からの照射光はミラーボツクス１８で均
一光となされた後、ネガ３４に入射される。ネガ
３４の像は拡大レンズ２４で拡大され、印画紙３
０の乳剤面に結像される。この際、拡大レンズ２
４は図示しない焦点距離調節機構により移動させ
られて鮮鋭な像が印画紙に結像される。次いでネ
ガ３４を通過した透過光の濃度に応じてカツトフ
イルタ群２６のそれぞれのフイルタが順次第１図
の位置に退避位置から移動される。

一方、露光ランプ１２は冷却フアン１６による
送風によつて冷却されており過熱が防止されてい
る。露光ランプを冷却して暖まつた空気は筐体２
０の開口２１から大気中へ放出される。

なお、蓋部材４２，４２の天井壁４２Ａ，４２
Ａおよびネガキヤリア２２の上面の一部２２Ａ，
２２Ａは前記のように傾斜しているので、送風は
やや下向きとなり乳剤面に向つて吹き出してい
る。

焼付はシヤツタ２８を閉とすることで終了す
る。一画像駒の焼付が終了すると、印画紙３０お
よびネガ３４が所定量移動された後停止される。
以後は同様の操作が繰り返されてネガの他の画像
駒の焼付が行なわれるが、その間冷却フアン１６
は駆動回転されており、連続した送風を行なつて
いる。

このように本実施例では、ネガキヤリア２２の
本体部３３に筐体２０の内方と連通する空気通路
４２，４２が形成され、この空気通路を覆つて蓋
部材４４，４４が配置され、この蓋部材に誘導さ
れた送風がネガ３４に向つて吹き出されるように
なつている。従つてネガ３４は乳剤面および支持
体面の両面から冷却されるので冷却効果が高くな
つている。

また乳剤面に塵埃が付着していた場合でも、送
風により吹き飛ばされて排除されるので、塵埃が
像として印画像に焼き付けられることはない。さ
らに、乳剤面へ吹き付けられる送風は露光ランプ
１２を冷却する冷却フアン１６によつて発生させ
られたものなので、別途送風手段を配設する必要
がない。このため既存の写真焼付装置であつて
も、ネガキヤリアの交換だけで冷却効果を向上さ
せることができる。

なお、空気通路４２，４２にダクトを連通し、
このダクトの他端を、露光ランプ１２と冷却フア
ン１６との間に配置し、ダクト開口が冷却フアン
１６を指向するようにすればより温度の低い空気
を乳剤面へ吹き付けることができる。

〔発明の効果〕

以上説明した如く本発明に係る写真焼付装置で
は、ネガキヤリアにネガ乳剤面を指向する気体吹
出口を形成し、該気体吹出口を露光ランプを収容
した筐体の内方と連通させてネガを両面から冷却
することができるようにしたのでネガの冷却効果
を向上させる効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る写真焼付装置の実施例を
示す概略断面図、第２図は第１図の一部を拡大し
て示すネガキヤリアの斜視図である。 １０……写真焼付装置、１２……露光ランプ、
１６……冷却フアン、２０……筐体、２２……ネ
ガキヤリア、３０……印画紙、３６……ガイド
溝、３８……アパーチユア、４０……板ばね、４
２……空気通路、４４……蓋部材。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ネガまたは透明陽画を露光ランプにより照射
   して感材に焼付ける写真焼付装置であつて、前記
   露光ランプを収容する筐体の開口部に配設され前
   記ネガまたは透明陽画を支持すると共に前記露光
   ランプからの光を透過するためのアパーチユアが
   設けられたネガキヤリアと、前記筐体内へ冷却風
   を供給することにより前記アパーチユアから露出
   されるネガ又は透明陽画の裏面を冷却する冷却手
   段と、前記アパーチユアの周縁かつネガ又は透明
   陽画の搬送路外に設けられ前記筐体内と連通する
   連通孔を備え前記筐体内に供給させる冷却風を前
   記ネガ又は透明陽画の表面へ案内する案内手段
   と、を有する写真焼付装置。