JPH0479266B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

本発明はスポーツのさいの関節、筋肉等の保護
用、一般の治療の手当用などの伸縮性貼着用具に
関する。 従来スポーツのさい腕、指、脚部などの関節、
腕、脚、腹部などの筋肉には、これらを衝撃や創
傷から保護するため、伸縮性な生地で施部に装着
して弾力的に緊締する内径を有する筒状に形成さ
れたサポーターがあるが、施部への固定性が悪く
ずれ動き易いばかりでなく、施部毎に合致して弾
力的に緊締する内径のものを備えねばならない複
雑さがあり、また施部に合致して当接する緩衝性
当材を該施部に当てその上から弱粘着性の接着剤
を設け若しくは設けないスポーツテープ（綿布テ
ープ）等を巻きつけて該部に固定するものがある
が、施部毎に形状の異る緩衝性当材を備える必要
があるほか、該当材をスポーツテープ等を巻きつ
けて固定するには熟練と多くの手数を要するばか
りでなく、運動が阻害されたり、圧迫等の不快感
を生じたりするなどの欠点がある。 本発明は、所定以上の伸長率で復元する腰の強
さを付与した経緯両方向のすぐれた伸縮性を有す
る編成生地で形成した基材の面に感圧接着剤層を
設けた貼着用具で、これを身体の所要関節部等に
貼りつけた後、該関節の屈伸により該貼着用具が
所定の伸長率以上に引き伸ばされるか、あるいは
貼着前に貼着用具を予め所定の伸長率以上に引き
伸ばして、予め付与された腰の強さを解消して生
地本来の柔軟な性質に復元するので、当りがよく
施部によくなじんでフイツトして安定に固定で
き、弛緩やずれ動き等が起らず、且つ圧迫感や運
動阻害等の不快感を生ぜず、その製造や施用も容
易で面倒な手数を要しない。 本発明の実施例について説明すると、貼着用具
の基材は、経緯両方向にすぐれた伸縮性を有する
と共に常態で捲れ（カール）易い性質を有する編
成地を適当な樹脂等を含有する処理剤により前処
理加工され、該編成地に所要の強さの腰が付与さ
れたもので形成されている。上記基材を構成する
編成地には例えば、ナイロン、ポリエステル繊
維、ポリプロピレン繊維等を用い特殊加工して伸
縮性を与えたストレツチヤーン、ポリウレタン系
弾性糸等の如き伸縮性の大なる合繊糸単独若しく
はナイロン、ポリエステル繊維、綿その他の繊維
で形成した繊維糸と混合してトリコツト編、アト
ラス編、ミラニース編、ラツシエル編等に編成し
たたてメリヤスや各種編組織のよこメリヤス等が
ある。このうちたてメリヤスは裁断等してもほつ
れが生じないので加工し易く、基材として好まし
い。編成地の厚みは0.2〜1.0mm程度で好ましくは
0.4〜0.8mm程度がよく、またその伸長率は特に限
定するものではないが、関節部等の屈曲角度の大
きな部位に施用するものは、経、緯両方向にそれ
ぞれ約50％以上有するものが好ましく、膝や腕の
関節部に施用するものは約100〜130％若しくはそ
れ以上のものが好ましい。このような伸長率を有
する編成地には、例えば、ナイロン、ポリエステ
ル、綿等の繊維糸約95〜80％（重量、以下同様）
とポリウレタン系弾性糸約５〜20％の混率でトリ
コツト編にしたたてメリヤスがある。 上記編成地は腰が弱く、捲れ易いため加工取扱
い上に多くの困難がある。このため適当な合成樹
脂等を含有する処理剤により腰付け加工が施こさ
れる。この場合前記処理は処理された編成地が貼
着用具に形成後に使用して所定の伸長率以上に引
伸ばされた場合、繊維表面及び繊維間に付与され
た合成樹脂等の処理剤による強化組織が容易に破
壊して処理前の柔軟性その他の固有の性質をほぼ
復元できる程度に行なわれるものであり、そのさ
い使用される処理剤には例えば、メチルメタクリ
レートグラフト天然ゴム、アクリル酸エステル系
樹脂、ウレタン系樹脂等に含まれる物質の単独、
若しくはこれらから選ばれる２種以上の混合物等
があり、基材上に形成される感圧接着剤により適
宜に選択し、これを例えば適当な濃度、例えば５
〜10％の水系エマルジヨンまたは溶剤溶液にし
て、これに編成地を浸漬、塗布等により所要量を
付与する。前記処理剤の付与量は、編成地100部
（重量部以下同様）当り２〜11部（１m²当り固形
分で約５〜20ｇ）程度で、３〜８部／100部（８
〜15ｇ／m²）程度が好ましい。付与量が上記の量
以下では所要の腰の強さが得られず、また、上記
の量を超えると含浸、浸漬、塗布などの処理がし
にくくなるほか、腰が強くなり過ぎ、復元が困難
となる。 前記編成地を例えばウレタン樹脂とメチルメタ
クリレートグラフト天然ゴムとの等量混合系から
なる処理剤で処理し、乾燥して得られた前処理編
成地について、処理剤の含有量、捲れ性の有無お
よび繰り返し引き伸ばしたさいの復元状態（繰り
返しモジユラス）はつぎのようであつた。

【表】 また、上記の処理剤の代りにポリウレタン樹脂
を水性エマルジヨンにして前記同様に処理した場
合の処理剤の含有量その他はつぎのとおりであつ
た。

【表】 感圧接着剤はアクリル系、ゴム系その他皮膚に
対し刺激その他悪影響のないものが適宜使用で
き、基材（前処理編成地）の一方の面に全面一様
に設けてもよいが、感圧接着剤の不存在部を該感
圧接着剤層内に規則的若しくは不規則的に点在、
あるいは線条等に存在させて設けてもよい。この
ような不存在部を設けると通気性が良好になり、
発汗等によるかぶれその他の傷害が一層少なくな
る。前記の不存在部を有する感圧接着剤層は型ロ
ール等の使用して所要形状の不存在部を有する感
圧接着剤層を剥離紙上に形成し、これを前記の前
処理編成地上に転写等して得られる。 上記の如く、例えば転写等により感圧接着剤を
形成した編成地（基材）は、後述する製品サイズ
とほぼ同様な所要サイズに裁断してそのまま本発
明の伸縮性貼着用具とすることができるが、感圧
接着剤層のほぼ中央部に適当な大きさ、形状のパ
ツド材を設けてパツド材つき伸縮性貼着用具に形
成できる。パツド材は適当な厚みにしたガーゼ、
不織布等のほか、比較的厚層に形成された不織布
その他の布帛、連続若しくは独立気泡の軟質発泡
体等の外側をポリアミド、ポリエステル等のフイ
ラメントその他で形成された網、粗目布等の覆布
で被覆したものを施部に応じて適宜選択される。
これらパツド材には、止血剤、殺菌剤、消炎剤、
鎮痛剤、消毒剤、その他の薬剤を含有させること
もできる。上記の如くパツド材を設けることによ
りこれが緩衝材となり、施用された身体要部を一
層安全に保護できる。形成された貼着用具の感圧
接着剤層上にはその両端部から剥離性な別々の覆
片を貼り、他端はパツド材の上面に相互に重ね合
せる。 上記のパツド材つき貼着用具を形成するには、
例えば上記の感圧接着剤層を形成した編成地を後
述する製品サイズに応当した基材幅に裁断して剥
離紙を仮着した感圧接着剤層を有する基材（原
反）ロールとした後、ロール基材の感圧接着剤層
のほぼ中央部にパツド材を連続的に若しくは間隔
を存して設け、所要の製品サイズに打抜き、同時
にパツド材上面で重なり合う覆片を貼着しあるい
は前述の如く打抜かず、覆片を存してロール状に
捲回する。 伸縮性貼着用具の大きさ、形状は、例えば約19
mm×72mm角、30mm×72mm角、50mm×80mm角、80mm
×120mm角等の角片状、幅約80mm×長さ250mmの帯
状等に形成される。 つぎに図面について実施例を説明すると、第１
図には、ナイロン85％とポリウレタン弾性糸15％
の混率でトリコツト編に編成した厚さ約0.7mmの
たてメリヤス地（伸長率、経100％、緯65％）を、
ウレタン系樹脂とメチルメタクリレートグラフト
天然ゴムの混合系からなる処理剤10％含有水系エ
マルジヨン中に含浸処理機を介して処理し、乾燥
して、前記処理剤13ｇ／m²（6.5ｇ／100ｇ生地）
の割合で含有する前処理生地を得、これに不存在
部２１を存して感圧接着剤層２を設け製品サイズ
に応当する基材幅に裁断された該基材の感圧接着
剤層のほぼ中央部に所要の間隔を存して緩衝性で
層厚の不織布３１の外側面をナイロン製網の覆布
３２で包んだパツド材３を設け、パツド材の両側
の感圧接着剤層上にはパツド材上面で重なり合う
覆片４を貼着した約80mm×120mm角状に打抜かれ
て形成された伸縮性貼着用具５が示されている。 第３図には、前処理生地の処理剤含有量を３
ｇ／100ｇ生地（８ｇ／m²）とした以外は第１図
のものと同様にして、約５cm×８cm角形状の基材
１に同様な感圧接着層２を有する貼着用具５が示
されている。 又第４図には、第３図のものと同様の前処理生
地を巾約８cm×長さ約25cmに裁断した感圧接着剤
層２を有する基材１の中央部の長手方向に連続し
て不織布製のパツド材３を設けた貼着用具５が示
されている。この用具は巻芯にロール状に巻回す
ることもでき、適宜長さに切つて同様に使用でき
る。 本発明は上述の如くなつているので、用具は適
当な腰があり、その縁部も捲れることがないの
で、スポーツのさい等に予め手、足の関節部、腕
や足の運動により大きく動く筋肉部、指や指先な
ど保護すべき身体の要部に簡易貼着施用でき、そ
の後激しい運動を継続してもずれ動いたり、剥脱
したりせず、安定に施部に保定でき、施用後施部
の屈曲により貼着された用具は引き伸ばされる
と、付与された樹脂による結合組織が容易に破壊
されて基材は処理前の性質を復元するから、膝や
肘など屈曲角度の大きな部分に施用しても屈伸の
妨げとならないし、圧迫等の不快感も全く生じな
い。貼着された用具が不要になれば簡単にはがし
て処分もでき、製造も予め編成地を前処理して適
当に腰を強くして捲れないようにするから、感圧
接着剤層の形成や所要形状の基材の打抜等の作業
も円滑に遂行できるものであり、例えば比較的厚
目に形成されたパツド材を有するものを（第１
図）、膝や肘の関節部にそのパツド材が膝頭、肘
部に当たるようにして施用しておけば、運動中転
倒等して膝頭や肘を地面や床面に打付けても該部
を障害しない。またバツド材を有しないもの若し
くは薄いガーゼ等を有するものは、指の関節、指
先等に貼着施用しておけば、突指、爪はがれ、指
先の裂傷等の予防ができ、また腹部、腕、足その
他各部の筋肉部に貼着して肉離れ、打撲傷等が予
防できるほか、パツド材を有し若しくは有しない
ものは、上記以外にねんざ、脱臼、骨折、肉離れ
等の傷害が治瘉して運動を始めるさい等にこれら
の治瘉部分に貼着して保護に役立てることもでき
る。又一般の傷の手当その他治療用に使用でき
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示し、第１図は一部切
欠き斜面図、第２図は第１図の断面図、第３図は
変形例を示す断面図、第４図は他の変形例を示す
一部切欠斜面図である。 １は基材、２は感圧接着剤層、３はパツド材、
４は覆片、５は貼着用具、２１は感圧接着剤層の
不存在部、３２は覆布。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 基材の面に感圧接着剤層と該感圧接着剤層の
   面にパツド材を有し若しくは有しない貼着用具で
   あつて、前記基材はたて、よこ両方向の伸縮性を
   有し、常態では捲れる性質を有する編成地で形成
   され、該編成地は予め処理剤による加工が施こさ
   れて所要の腰の強さが付与されているが、該加工
   地が所定以上の伸縮率で引き伸ばされた場合には
   処理剤による加工組織が破壊されて処理前の性質
   に復元する伸縮性貼着用具。 ２ 編成地がたて、よこ両方向に50％以上の伸長
   率を有する特許請請求の範囲第１項に記載の伸縮
   性貼着用具。 ３ 処理剤がメチルメタクリレートグラフト天然
   ゴム、アクリル酸エステル系樹脂及びウレタン系
   樹脂に含まれる化合物から選ばれる一種若しくは
   二種以上を含み、編成地100重量部に対し２〜11
   重量部を含有している特許請求の範囲第１項また
   は第２項に記載の伸縮性貼着用具。 ４ 感圧接着剤層が感圧接着剤の不存在部を存し
   若しくは存しない特許請求の範囲第１項乃至第３
   項のいずれかに記載の伸縮性貼着用具。 ５ 処理剤で処理された編成地がたて、よこ両方
   向共１回伸長時50％モジユラル200〜700ｇ／25mm
   幅、10回反復伸長時50％モジユラス300ｇ／25mm
   幅以下である特許請求の範囲第１項乃至第３項の
   いずれかに記載の伸縮性貼着用具。