JPH0478721B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は女性の体形をシエープアツプする女性
用衣類で、特に下半身部の着用感をソフトにし、
スポーツ等に適するようにしたパンテイーガード
ルやボデースーツ、水着等の衣類に関する。

従来技術 従来この種の体形をシエーツプアツプする衣類
として例えばガードルは外観を整えるという必要
性から、皮膚上でストレツチし、ぴつたりとフイ
ツトするように作られている。公知のパンテイー
ガードルでは裾口にエラステイツクバンドを全周
にわたつて縫着している。このためエラステイツ
クバンドが大腿部の特に内側で皮膚の収縮運動が
大きいため喰込み着用感が悪く運動機能上も大腿
部と腹部との間に隙間ができたりしてフイツト性
もよくない欠点がある。また別の公知のパンテイ
ーガードルでは座わつたり立つたりする足の屈曲
運動の際、ガードルの裾口が大腿の肌に食込まな
いように第５図に示すようにＶカツトのストレツ
チレースをガードルの裾口に入れたり、裾口全体
をナイロンラツセル等のストレツチレースにした
りしている。しかしこの場合裾口がまくれ上がつ
たり、安定感が余りよくないという欠点がある。

発明が解決しようとする問題点 本発明の目的は公知のガードルやボデースーツ
等において裾口における肌への喰込みや、圧迫感
がなくソフトに肌にフイツトし、スポーツやその
他の活動のときの運動機能を損うことなく裾口の
まくれなどのない安定感の良好な衣類を提供する
ことである。

問題点を解決するための手段 上述の問題点を解決するために本発明による下
半身部の体形をシエープアツプする女性用衣類は
少くとも腹部中央部を除く部分が伸縮性を有する
フロント布と伸縮性を有するバツク布とを含み、
前記フロント布を少くとも３つの布ピースから形
成し、該布ピースは中央に位置する中央フロント
ピースとその両側に対称に、鼠蹊部と腸骨棘を結
ぶ方向に延在し、延在長が少くとも鼠蹊部にわた
つていて、裾口で折返されて二重に形成された左
側および右側フロントピースとから形成し、左側
および右側フロントピースの主伸縮方向が折返し
線に平行に選定され、裾口における折返し線の長
さを裾口の周りの長さの1/2より短かく1/4より長
く選定し、前記左側および右側フロントピースの
前面のそれぞれのクロツチ縫着線長が少くとも１
cm以上で鼠蹊部に沿つての幅の最大寸法が８cm以
下であり、前記左側および右側フロント布ピース
の裾口を除いて裾口にエラステイツクバンドを縫
着するものである。

本発明による女性用のシエーツプアツプ衣類で
は左右のフロントピースは裾口で二重に折返され
た伸縮性の布としてその主伸縮方向が折返し線に
平行になるように選定されており、その裾口寸法
が裾口の周りの長さの1/2より短かく1/4より長く
選定してあるのでその大腿の内側の運動により最
も肌に喰込みやすい部分は二重に折返しになつて
幅の広い部分でフイツトさせるようにしてその裾
口にエラステイツクバンドが縫付けられていない
ようになつており、恥骨上部の肉付き部分のふく
らみを押えこむことなく立体的にナチユラルにシ
エープアツプでき、スポーツ等における足の運動
機能を損なうことがない。また左、右のフロント
ピースの特別なエラステイツクバンドによる縫付
工程も必要でなく、裾口のほつれ等に対する裾処
理も必要でなくなり、製造が簡単になる。

本発明の有利な実施例ではフロント布とバツク
布に伸縮性のナイロンポリウレタン生地を使い中
央フロントピースおよびバツク布を横方向の伸縮
性を大きく選定し左右のフロントピースも同一の
生地を使用し、その主伸縮方向を裾口で折返され
た布ピースの折返し線方向に選定し、中央フロン
トピースが全部又は大部分を前記布地の弾性力と
同程度の布で裏打ちすると腹部のシエールプアツ
プを強調しても大腿内側の鼠蹊部付近の裾口の喰
込みが生ぜず、恥骨上の豊かな肉の盛り上りのナ
チユラルな丸味のあるラインを強調して、外観的
にも美しくシエープアツプできる。

さらに本発明による女性用のシエープアツプ衣
類において中央フロントピースにナイロンラツセ
ルレース等から成るデコレーシヨン布を用いた
り、中央フロントピースに補強布を裏打ちするこ
とにより腹部のシエープアツプをすると同時に、
２重構成の左右のフロントピースをバツクや中央
フロントピースとは別の生地としてその肌へのソ
フトなタツチを所望のように選択することもでき
る。補強布としては水平方向には伸縮しないが垂
直方向に伸縮するような方向性を有する弾性素材
を用いたり補強布を形をシエープアツプしようと
する体形に相応して菱形とかハート形あるいは逆
三角形、葉形、逆五角形や逆富士形等と適宜に選
択することができる。

さらに本発明の有利な実施例ではバツク布をク
ロツチ部分を含めて一枚の、ヒツプの山に相応し
てモールド加工された素材を使用するとヒツプの
ナチユラルな丸みをくつきりさせることができ、
ヒツプのふくらみをアウターからもみえるように
できる利点がある。

さらに本発明の実施例では、ウエスト口がウエ
スト口線に沿つて二重に折返された二重弾性伸縮
布を用い、エラスチツクバンドを裏打ちしない構
成のものは、特にはじめてガードルを着用する人
でガードルの窮屈さが気になり、ソフトなフイツ
ト感を望む人には左右の伸縮フロントピースの構
成とあいまつて大腿およびウエストへの締付けす
ぎが生ぜずスポーツおよび他の活動をするときな
ど肌への喰込みも生ぜず運動機能性のよい自然で
快適な着用感が得られる利点がある。

さらに本発明によればバツク布をシエープアツ
プしようとする体に応じてパワネツト等の弾性布
で補強したりして立体感を増強するようにするこ
ともできる。

実施例 次に本発明を実施例につき図面を用いて詳しく
説明する。図中対応する部分には同一記号がつけ
てある。

第１図は本発明のハイレツグ形ガードルの実施
例の布地パターンを示す。図において１は中央フ
ロントピースで、２と３はＡ−Ａ線に沿つて折曲
され、二重に形成された左側フロントピースおよ
び右側フロントピースであり、中央フロントピー
ス２と、左側フロントピース２および右側フロン
トピース３とからフロント布を形成している。ま
たバツク布半部４および５でバツク布を形成して
おり、６はクロツチ布である。なお６は、図中両
矢印で示す方向に主弾性伸縮性を有する例えばナ
イロンポリウレタン生地から成る布である。本発
明において左側フロントピースおよび右側フロン
トピースがＡ−Ａ線に沿つて二重に折返された二
重構成の布からなり、Ａ−Ａ線が裾口の周りの長
さの1/2より短かく1/4より長く選定し、この裾口
にはエラステイツクバンドを縫付けず、クロツチ
布およびバツク布の裾口のみにエラステイツクバ
ンドを縫付けるのである。第２図は第１図のパタ
ーンの布から作つたハイレツグパンテイーガード
ルの正面図である。図中に破線にて示されている
のはエラステイツクバンドの縫着部である。左側
フロントピースおよび右側フロントピースのＡ−
Ａ線に沿つての折返し線の長さは裾口の周りの1/
３より短かく1/5より長く選定するのは大腿の内側
でスポーツ等での大腿四頭筋の伸縮運動により肌
への喰込みが生じやすいためである。しかもこの
左側および右側のフロントピースの主弾性伸縮方
向がＡ−Ａ線に実質的に平行になるようにして肌
へのソフトで自然なフイツト感が得られるように
してある。しかもこの左側および右側フロントピ
ース２，３は左右対称でクロツチ布６にそれぞれ
少なくとも１cm以上縫着されるようにし、しかも
鼠蹊部ないし鼠蹊部から腸骨棘の方向に延在さ
せ、鼠蹊部に沿つての幅の最大寸法を８cm以下と
する。最大寸法は肌へのフイツトが余りゆるすぎ
ないようにし、かつ腹部中央部のシエープアツプ
効果を低下させないようにするために選定され
る。このように構成することによつて鼠蹊部への
ガードルのソフトフイツトを保証し恥骨上部丘の
ふくらみが押えこまれないようにしてある。すな
わち恥骨上部丘のナチユラルな豊かなふくらみを
押え込まないため圧迫した着用感がなくなりはじ
めてガードルを着用したりする人とか、ガードル
の窮屈さが嫌いな人にとつて最適なガードルが得
られる。なお布の生地としては第１図では同一の
生地の布を用いた場合が図示してあるがフロント
布とバツク布に同一生地のパワーネツトナイロン
を用い、左側および右側フロントピースをトリコ
ツトポリウレタンとしたり異なる生地を用いてソ
フトフイツト性を適宜に変更することができる。
第１図の実施例では中央フロントピースの裏側
に、全方向に均一の弾性伸縮力を有し、その弾性
伸縮力が布で裏打ちされ、腹部をシエーツプアツ
プするようにしてある。しかしこの中央フロント
ピース自体は公知のように腹部中央で２部分に分
割された２部分構成にするとか、一部を非伸縮性
のサテンネツトとして通気性をよくするとか種々
変形することができる。なおクロツチには柔かい
ポリノジユツク布で裏打ちしたり、クロツチ自体
をウーリナイロンメツシユ構成のものにしたり適
当に選択できる。なお、本発明によれば左側およ
び右側フロントピースの二重折曲縁の裾口は布端
のほつれを防止するための裾処理を必要としない
ので製造が簡単になる利点もある。しかも裾口は
一重でないので裾処理しなくても肌へのフイツト
の安定性がよい。このピースを一重に作つた実験
では裾がまくれ上り安定性がよくなかつた。

第３図は本発明のパンテイーガードルの第２の
実施例を示すもので第１図および第２図に示すパ
ンテイーガードルとでは左側および右側フロント
ピース２および３の構成は同一であるが、バツク
布およびクロツチ布が一体の布地となつており、
ウエスト口すなわちはき口がＢ−Ｂ線に沿つて二
重に幅広く折返しになつた水平方向に弾性伸縮力
を有する布地８を用いている点で異なる。この二
重折返し構成によりウエスト部分で肌に喰込んだ
り段になつたりすることがなくなりソフトフイツ
ト性を大腿部のみならずウエスト部にまで拡大し
てある。さらにバツク布およびクロツチ布が一体
構成の弾性伸縮性を有する布からなりヒツプの山
に対応したモールド加工により立体成形されてい
る。このモールド加工はヒツプの自然なまるみを
際立たせ、はき心地を更にソフトにしている。し
たがつて第３図のパンテイーガードルははじめて
ガードルを着用するとか、窮屈な着用感を好まな
い人に特に好適である。

なおこの実施例においてヒツプ部の盛り上げ成
形を必要とする体形の人向きにはヒツプの山の中
腹から裾にかけてパワーネツト等で適宜補強する
のが望ましい。

なお中央フロントピースも１点鎖線で示す部分
にレースのデコレーシヨン布をつけたり、垂直方
向に伸縮性を有するが、水平方向に非伸縮性の布
を裏打ちする等適宜変更できる外第１図および第
２図の実施例の説明で述べた構成を取捨選択して
実施することができる。

第４図は本発明をボデースーツに適用した実施
例を示す。ただしブラジヤー部分は省略して示し
てある。この実施例で中央フロントピース１はそ
の前面の破線で示す部分を非伸縮性のラツセルレ
ースで形成し腹部およびウエストをシエーツプア
ツプしてボデーラインを整えるようにしてある。
もちろん若干ソフトにしたいときはその部分をパ
ワーネツトで裏打ちするようにすればよい。更に
この実施例でバツク布がバツクピース９と１０お
よびクロツチ半部と一体になつたバツクピース１
１および１２との布ピースから作られている。こ
のバツク布の裁出し構成により本出願人の特願昭
50−48559号（特開昭50−154406号公報参照）の
発明に相応してヒツプの立体的なヒツプアツプを
行つている。Ｃ−Ｃ線部分は縮みしわができるよ
うに弾性布を裏打ちして縫合わされている。この
ボデースーツも前述の実施例と同じく左側および
右側フロントピース２と３はＡ−Ａ線で二重に折
返され、両矢印方向に主弾性伸縮力があるように
選定され、かつ鼠蹊部から腸骨棘に沿うように配
置されているため足の大腿四頭筋の運動にソフト
に対応して大腿内側の肌への喰込みが生ぜす運動
機能性よく、二重構成のため裾口のまくれ等に対
する安定性がすこぶる良い。なお裾口の二重布地
部分以外の部分に対するエラステイツクテープの
縫付けや二重布地の寸法等は第１図〜第３図の実
施例に対応して選択されることは云うまでもな
い。その他第１図〜第３図の構成をボデースーツ
にも取入れることができる。

発明の効果 本発明による下半身体形をシエーツプアツプす
る機能を含む女性用衣類は、左側フロントピース
および右側フロントピースの裾口で折返された、
折返し線に平行な方向に主弾性伸縮力を有する布
を用いることにより大腿内側の肌への喰込みが生
ずることなく裾のまくれに対する安定性が良好
で、運動に対する機能性が良く、着用感がソフト
で快適である。また左側および右側フロントピー
スの裾のほつれ処理も必要でなく製造が簡単であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のパンテイーガードルパターン
を示し、第２図は第１図のパンテイーガードルの
正面図、第３図は本発明のパンテイーガードルの
第２実施例の布地パターンを示し、第４図は本発
明のボデースーツの実施例のパターンを示す。第
５図は従来のパンテイーガードルの１面図であ
る。 １……中央フロントピース、２……左側フロン
トピース、３……右側フロントピース、４，５…
…バツク布半部、６……クロツチ布。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 少くとも腹部中央部を除く部分が伸縮性を有
   するフロント布と、伸縮性を有するバツク布とを
   含み、前記フロント布は少くとも３つの布ピース
   から成り、該布ピースは中央に位置する中央フロ
   ントピースとその両側に対称に、鼠蹊部と腸骨棘
   を結ぶ方向に延在し、延在長が少くとも鼠蹊部に
   わたつており、裾口で折返されて、二重に形成さ
   れた左側および右側フロントピースとから形成さ
   れ、左側および右側フロントピースの主伸縮方向
   が折返し線に実質的に平行に選定されており、裾
   口における折返し線の長さを裾口の周りの長さの
   １／２より短く1/4より長く選定し、前記左側および
   右側フロントピースの前面のそれぞれのクロツチ
   縫着線長が少くとも１cm以上で鼠蹊部に沿つての
   幅の最大寸法が８cm以下であり、前記左側および
   右側フロント布ピースの裾口を除いて裾口にエラ
   ステイツクバンドを縫着することを特徴とする下
   半身部の体形をシエープアツプする機能を含む女
   性用衣類。 ２ フロント布およびバツク布が同一生地の伸縮
   性布から成り、中央フロントピースの少くとも大
   部分が前記生地と同程度の布で裏打ちされている
   特許請求の範囲第１項記載の女性用衣類。 ３ フロント布の中央フロントピースがデコレー
   シヨン布又は補強布を有する特許請求の範囲第１
   項記載の女性用衣類。 ４ ウエスト口がウエスト口線に沿つて二重に折
   返された二重弾性伸縮布から成り、エラステイツ
   クバンドが裏打ちされていない特許請求の範囲第
   １項乃至３項のいずれかの項に記載のパンテイー
   ガードル。 ５ バツク布がモールド加工により立体成形され
   ている特許請求の範囲第１項乃至第４項のいずれ
   かの項に記載の女性用衣類。 ６ バツクおよびクロツチがモールド加工により
   立体成形された同一の布地から成る特許請求の範
   囲第１項乃至第４項のいずれかの項に記載の女性
   用衣類。 ７ 中央フロントピースが縦方向には伸縮性があ
   るが横方向に非伸縮性の布から成る特許請求の範
   囲第１項乃至第６項のいずれかの項に記載の女性
   用衣類。 ８ バツク布を別個の弾性度の異なる弾性布で補
   強した特許請求の範囲第１項乃至第７項のいずれ
   かの項に記載の女性用衣類。 ９ クロツチ部分がメツシユ構成の布で作られて
   おり裏側がポリノジツク布で裏打ちされている特
   許請求の範囲第１項乃至第８項のいずれかの項に
   記載の女性用衣類。