JPS6139104B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は集塵装置に係り、特に乾式電気集塵装
置の電極に付着した粉塵を槌打した際に飛散する
粉塵の捕集装置に関する。

〔従来の技術〕

集塵装置というのは、粉流体の輸送未端におい
て気体から固体粒子を分離する捕集器や、プロセ
スガス中から有効成分の粒子を分離するもの、あ
るいは反応ガス中から固体成分を取り除いて清浄
ガスをつくるためのものなども含め、いわゆるガ
ス中の微粒子を分離捕集する装置のことである。
そして、一般に電気集塵といえば直流高電圧によ
つてコロナ放電を発生させ、ガス中の粒子を帯電
させて（放電極部）この帯電粒子を電場内で電気
力により、ガスと分離する（集塵極部）機構をも
つ粒子静電捕集方式をいうのである。電気集塵に
おける粒子の分離移動速度はサブミクロンの範囲
で重力あるいは遠心力による沈降速度のように急
激に低下することがないから超微粒子には特に有
効な集塵方式である。しかし、電気集塵装置は粉
塵中において２個の電極間でコロナ放電を発生さ
せて、ガス中の粉子に帯電させて、この帯電した
粒子を集塵極に集めるものであるから、集塵極に
は多くの粉塵が付着する。この粉塵はコロナ放電
を発生させるために放電電圧等の関係で悪い影響
を与え、特に電界に与える影響は著しい。そこ
で、集塵極に付着した粒子の除去のために使用集
塵極の材質、形状、また集塵の種類に応じて槌打
による乾式、水などで洗い流す湿式、捕集ミスト
の自流によりミスト式の３つの方式が考えられて
いる。本発明は、このうち、槌打による乾式に関
するものである。

乾式電気集塵装置にあつては、集塵極に付着し
ている捕集した粉塵を集塵極より取り除くため
に、電気集塵装置運転中に適当な時間間隔で集塵
極を槌打することにより、粉塵を電極から剥離さ
せ、ホツパーに落下させて採取りしていた。しか
し、この槌打の際に飛散粉塵が発生し、この飛散
粉塵を除去するため従来、集塵極のガス下流に飛
散粉塵を沈降捕集する空室を設けた装置、慣性力
を利用して飛散粉塵を捕集するように、Ｃ形鋼を
取付けた装置などが用いられていた。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかしながら、このような装置にあつても充分
な飛散粉塵の捕集効率をあげているとはいえず、
集塵極の槌打時の粉塵飛暢の状態が煙突から目視
されるのが現実である。このため、最近流路区分
に分割し、その流路区分毎に出入口にダンパを設
け、槌打を行なう流路区分毎に該ダンパによつて
ガス流を遮断するということが行なわれている。
しかし、この方法は槌打時に１つの流路区分が稼
動しないため他の流路区分の負荷が増大すること
となり、性能低下の原因を招来し、これを防止す
るためにはその分の容量を予め増加した装置を製
作する必要があり、経済的に高価となるという欠
点を有していた。

〔発明の目的〕

本発明の目的は、安価で、槌打時の遺漏飛散粉
塵を低減することのできる飛散粉塵捕集装置を提
供することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は、集塵極槌打時の粉塵飛散が槌打後の
短時間内に発生することに鑑み、槌打装置と連動
して槌打区分に追随して移動する補助集塵部を設
け、被槌打電極のガス下流側で、飛散粉塵を捕集
することにより再飛散粉塵の低減をはかろうとい
うものである。

〔実施例〕

以下、本発明の実施例について説明する。

第１図には、本発明に係る飛散粉塵捕集装置の
一実施例を示す断面平面図である。図において、
ケーシング８内に板状に形成される集塵極２が適
宜複数個ガス流方向に平行に設けられており、こ
の集塵極２の各集極の間には線状に形成されてい
る放電極１が適宜間隔をもつて複数個設けられて
いる。ケーシング８は、筒状に形成されたガス流
入口が逆テーパー状に形成され、集塵後のガスの
流出口はテーパー状に形成されている。集塵極２
のガス流上流側には集塵極２に付着する粉塵を取
り除くため集塵極２を槌打装置３が設けられてい
る。また、集塵極２のガス流下流には移動補助集
塵器６が設けられている。この移動補助集塵器６
は集塵極２を槌打した際に生じる飛散粉塵を捕集
しようというもので集塵極２よりもガス流方向に
短い補助集塵極５を３枚集塵極２と同じ間隔に設
け、この補助集塵極５のそれぞれの間には、補助
放電極４が適宜個数設けられている。移動補助集
塵器６は、ガス流に直交した方向（図においては
上下方向）に、移動可能に設けられており、この
移動は移動装置６１を駆動することによつて行な
われる。この移動補助集塵器６に捕集された粉塵
は、ケーシング８の一方の側に設けられた移動補
助集塵器６が入るだけのスペースをもつたポケツ
ト７において適宜方法で取り除く。移動補助集塵
器６は、集塵極２が槌打装置３によつて、ある時
間間隔で１個または一定区分毎に順次に槌打され
るので、槌打される集塵極の下流側に常時くるよ
うに移動装置６１によつて追随して移動する。こ
の効果は第２図に示す如くである。すなわち、図
において、実線９は、従来の電気集塵器の集塵極
を槌打した時の集塵極下流の合塵濃度の時間変化
を示している。このように槌打による粉塵飛散量
は、槌打の短時間後に濃度を増し、ピーク時で
は、集塵極によつて捕集された粉塵の30％に及ぶ
こともある。これに対し、本実施例の場合は、破
線１０に示す如く槌打による飛散粉塵は、ほとん
ど凝集粗大化しているため、小さな補助電極でも
容易に捕集される。この移動補助集塵器６の補助
集塵極５の除塵は、ポケツト７に入つてから行な
う。したがつて、本実施例によれば、槌打時に飛
散した粉塵を確実に捕集することができる。な
お、前記実施例において補助集塵極５を３個と限
定したが、必ずしも３個である必要はなく２個あ
るいは４個以上であつてもよく、集塵極の間隔も
必ずしも集塵極２と同じ間隔である必要はなく、
狭くても広くてもよいが、集塵極２と異る間隔の
場合は補助放電極４への印加電圧を変えなければ
ならないということが生じる。また、前記実施例
においては、移動補助集塵器として線対平板形集
塵装置について説明したが、平板対平板形電気集
塵装置また、その他の集塵装置にも用いることが
できる。

〔発明の効果〕

以上説明したように、本発明によれば槌打時の
再飛散粉塵を低減することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の一実施例を示す断面平面
図、第２図は従来の集塵器と本実施例との集塵極
槌打時のダスト濃度変化を示す図である。 １……放電極、２……集塵極、３……槌打装
置、４……補助放電極、５……補助集塵極、６…
…移動補助集塵路、６１……駆動装置、７……ポ
ケツト、８……ケーシング。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ コロナ放電により空間にイオンを供給する放
   電極と、粉塵を付着させ補集する集塵極と、槌打
   により集塵極に付着した粉塵を除去するための槌
   打装置とを有する電気集塵装置において、前記集
   塵極のガス流下流側に設けられ、前記槌打装置が
   前記集塵極を順次槌打するのに同期して、前記ガ
   ス流に直交して移動する補助集塵器と、前記ガス
   流の流路よりはずれた位置に形成され、前記補助
   集塵器の除塵をするために前記補助集塵器を収納
   するポケツトとを設けたことを特徴とする電気集
   塵装置。 ２ 特許請求の範囲第１項記載の電気集塵装置に
   おいて、補助集塵器を前記集塵極と同一の間隔で
   設けられる適宜個数の集塵極と、該補助集塵極間
   に設けられた放電極とをケーシング内に収納され
   る装置としたことを特徴とする電気集塵装置。 ３ 特許請求の範囲第１項又は第２項記載の電気
   集塵装置において、補助集塵器に駆動装置を備
   え、該駆動装置が槌打集塵極のガス流下流側に常
   時位置するように槌打装置に連動して駆動するよ
   うに構成したことを特徴とする電気集塵装置。