JPH047703Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、刈取前処理部とその対本機昇降用シ
リンダとの連結リンクを、前記シリンダによる刈
取前処理部昇降を可能にする揺動不能状態と、前
記刈取前処理部の本機に対する前方への離間操作
を可能にする揺動可能状態とに切換え自在に設け
たコンバインの刈取前処理部連結部構造に関す
る。

上記連結部構造は、刈取前処理部と本機とを離
間させることにより、それらの間に点検や修理の
作業を容易化するための作業用スぺースを形成で
きるように、しかも、そのために刈取前処理部と
シリンダの離間を可能にすることが、連結リンク
を前記揺動可能状態に切換えるだけで済み、シリ
ンダの連結ピンを取外すよりも操作簡単に行える
ように配慮されたものである。ところが、従来、
第７図イに刈取前処理部１の連結状態を示し、第
７図ロに刈取前処理部１の分離状態を示すよう
に、刈取前処理部１のフレーム２と、それを連結
するための本機側支柱３との間に、前処理部フレ
ーム２及び本機側フレーム４夫々に枢支連結した
連結フレーム５を設け、この連結フレーム５を本
機側フレーム４とその連結軸６の周りで前方に揺
動させて、刈取前処理部１を離間させるようにな
つていた。

すなわち、刈取前処理部１を本機に連結フレー
ム５を介して連結したままで離間させるようにな
つていた。それ故、刈取前処理部と本機の間に十
分に広い作業用スペースを確保できなかつた。

本考案は、刈取前処理部と本機を大きく離間さ
せられるようにして、作業用スペースを十分広く
確保できるようにし、しかも、刈取前処理部と本
機の分離及び連結作業が容易かつ迅速に行えるよ
うにすることを目的とする。

次に、本考案の実施例を図面に基いて説明す
る。

第１図に示すように、クローラ式走行装置７を
有する機台に脱穀部８、脱穀排ワラに対する細断
放出部９、原動部１０及び運転部１１等を備えさ
せて、本機を構成し、そして、走行に伴い植立穀
稈を分草具１２により刈取対象物と非刈取対象物
とに分草し、刈取対象物を引起し装置１３により
引起しながら、刈取装置１４により刈取り、刈取
穀稈を搬送装置１５により脱穀部８の始端部に供
給するように構成した刈取前処理部１を、流体圧
シリンダ１６による揺動昇降操作が可能な状態で
前記本機の前部に連結し、もつて、コンバインを
構成してある。

前記前処理部１を本機に連結するに、第２図及
び第６図に示すように、前処理部１の伝動ケース
に兼用させてあるフレーム２の左右両端部夫々
を、本機の機体フレーム４に左右に並列させて立
設された支柱３ａ又は３ｂの上端部に上下揺動自
在に内嵌させてある。そして、前記支柱３ａ，３
ｂ夫々のフレーム２に対する連結ボス部１７を、
支柱本体に一体形成した固定側部分と、前記フレ
ーム２の着脱が可能となるように前記固定側部分
に揺動開閉操作自在に連結すると共にフレーム２
の連結状態において固定側部分にボルトにより締
付け固定するように構成した開閉側部分とから成
る２分割型に形成し、もつて、両ボス部１７，１
７を開口状態にしてフレーム２を固定側ボス部分
から前方に引き出すことにより、フレーム２を本
機から分離させられるように構成すると共に、固
定側ボス部分の上向き凹部１７ａと、それに嵌入
するフレーム２の外周部で成る嵌入部とによつ
て、フレーム２とボス部１７との機体前後方向に
おける相対移動を抑制するための嵌合部１９を構
成してある。第２図及び第５図に示すように、前
記フレーム２と前記シリンダ１６を連結させてあ
るリンク２０のシリンダ側端部を、フレーム２に
固設されている一対のシリンダ係止用ブラケツト
２１，２１の間に挿入できるように構成すると共
に、本機に連結された刈取前処理部１のシリンダ
１６による昇降操作を可能にするためにシリンダ
ロツドを前記ブラケツト２１，２１に係止するピ
ン２２との協働により、ブラケツト間に挿入され
たリンク２０の揺動を不能にするロツクピン２３
を、ブラケツト２１に抜取り解除自在に付設し、
前記連結リンク２０をブラケツト間に挿入すると
共に前記ロツクピン２３を装着すると、連結リン
ク２０がフレーム２に対する揺動が不能となつて
シリンダ１６による刈取前処理部１の昇降操作を
可能にする作業用状態となり、かつ、前記ロツク
ピン２３を取外すと、連結リンク２０がフレーム
２に対する揺動が可能となつて刈取前処理部１の
本機に対する前方への離間操作を可能にする前処
理部分離用状態となるように構成してある。そし
て、前記フレーム２の下端付近の左右両側夫々
に、刈取前処理部１を前端側が浮上する状態で接
地支持するスタンド２４を、接地側が作業時に接
地しないように分草具支持杆２５より上方に引退
した格納状態と、接地側が分草具支持杆２５より
下方に突出した使用状態とに付け換え自在に常設
すると共に、前記凹部１７ａを前向きに開口する
形状に形成して、使用状態のスタンド２４が接地
した状態にある刈取前処理部１をスタンド２４を
中心として前後に揺動させることにより、フレー
ム２の凹部１７ａに対する嵌め込み及び抜き出し
ができるように構成してある。

もつて、第３図及び第４図に示すように、刈取
前処理部１を使用状態にしたスタンド２４が接地
する状態に下降操作すると共に、両ボス部１７，
１７を開放状態に、かつ、連結リンク２０を前記
前処理部分離用状態に夫々切換え操作し、そし
て、刈取前処理部１を前記スタンド２４を中心と
して前方に揺動操作してフレーム２をボス部１７
から分離させながら本機を後進移動させることに
より、前記フレーム２から突出された前処理部入
力軸２６と走行用ミツシヨン２７とを連動させて
ある伝動ベルト２８の変形によりフレーム２とミ
ツシヨン２７の相対移動が可能であることによつ
て、刈取前処理部１を本機から前方に離間させる
ことができ、それらの間に点検や修理のための作
業用スペースを形成できるように、さらには、刈
取前処理部１を再連結するに当り、本機を刈取前
処理部１に近付け、刈取前処理部１をスタンド２
４を中心として後方に揺動させるだけで、フレー
ム２が凹部１７ａに嵌入すると共にボス部１７に
対する所定の連結状態になるように構成してあ
る。

前記スタンド２４は、常設式の他、作業時に障
害とならないように取外しておく着脱式のものに
変更可能であり、要するに、刈取前処理部１の前
後揺動によりフレーム２が凹部１７ａに着脱する
ように形成された専用のものであればよい。

第３図及び第６図に示す如くボス部１７に傾斜
ガイド面１９を備えさせると共に、この傾斜ガイ
ド面１９は、本機の前進移動に伴いその移動力と
傾斜ガイド面１９の傾斜とによりフレーム２をボ
ス部１７に対して上昇摺動させ、嵌合部１９を形
成するフレーム側嵌入部を支柱側凹部１７ａの上
方に案内してこれら嵌入部と凹部１７ａを対向さ
せるように構成してある。

以上要するに、本考案は、冒頭に記したコンバ
インの刈取前処理部連結部構造において、前記刈
取前処理部１のフレーム２を本機に分離自在に連
結し、 本機側の凹部１７ａと、この凹部１７ａに嵌入
する前記フレーム側の嵌入部とにより、互いに嵌
合して、前記フレーム２とそれに対する本機側連
結部１７との前後方向における相対移動を抑制す
る嵌合部１９を構成し、 前記嵌合部１９の凹部１７ａは、前記刈取前処
理部１の前端側が対地浮上する状態で前記刈取前
処理部１を接地支持するように前記フレーム２の
下端付近に装着された常設式又は着脱式の専用ス
タンド２４を中心として、前記刈取前処理部１が
前方に揺動されることを許容する方向に開口する
形状に形成してあり、 さらに本機側の凹部１７ａ近く位置には、前記
フレーム２を前記本機側連結部１７に対して摺動
させて、前記凹部１７ａと前記嵌入部を対向させ
るように案内する傾斜ガイド面２９を設けてあ
る。そして、その作用及び効果は次のとおりであ
る。

すなわち、前処理部フレーム２を本機から完全
に切り離すことができるので、連結フレーム５に
より連結したままとなつていた従来よりも、刈取
前処理部１と本機を大きく離すことができ、作業
用スペースを十分広く確保できるようになつた。
しかも、前記嵌合部１９を設けたから、前処理部
フレーム２とそれに対する本機側連結部１７を所
定の連結状態に位置合わせすることが、一方を他
方に嵌め込むだけで、容易かつ迅速に行えるよう
になつた。また、刈取前処理部１の載置面が傾斜
している等に起因し、フレーム２と本機側連結部
１７の接近にかかわらず嵌合部１９の凹部１７ａ
と嵌入部が対向しない場合でも、傾斜ガイド面１
９を使用することにより、本機の前進操作をする
だけで、その移動力と傾斜ガイド面２９とによつ
て前記凹部１７ａと嵌入部との対向状態を容易に
現出できるようになつた。さらには、嵌合用凹部
１７ａを前記形状に形成したから、フレーム２と
本機側連結部１７を分離させたり、所定の連結状
態にすることが、刈取前処理部１をスタンド２４
を中心として揺動させるだけで容易かつ迅速に行
えるようになり、その上、スタンドを使用し、前
処理部重量を揺動支点にて地面で支持させながら
揺動させるのでシリンダ等による駆動力を使用で
きるようになり、もつて全体として、前処理部離
間を大巾にして点検作業がし易いようにでき、し
かも、分離及び連結作業が能率よくできるように
なつた。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るコンバインの刈取前処理部
連結部構造の実施例を示し、第１図はコンバイン
の全体側面図、第２図は刈取前処理部の連結状態
を示す側面図、第３図は刈取前処理部の分離状態
を示す側面図、第４図は刈取前処理部の分離状態
を示す平面図、第５図は第２図のＶ−Ｖ断面矢視
図、第６図はフレーム連結部の側面図である。第
７図イ及びロは刈取前処理部連結構造の従来例を
示す側面図である。 １……刈取前処理部、２……フレーム、１６…
…シリンダ、１７……本機側連結部、１７ａ……
凹部、１９……嵌合部、２０……連結リンク、２
４……スタンド、２９……傾斜ガイド面。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 刈取前処理部１とその対本機昇降用シリンダ１
   ６との連結リンク２０を、前記シリンダ１６によ
   る刈取前処理部１の本機に対する揺動不能状態
   と、前記刈取前処理部１の本機に対する前方への
   離間操作を可能にする揺動可能状態とに切換え自
   在に設けたコンバインの刈取前処理部連結部構造
   であつて、 前記刈取前処理部１のフレーム２を本機に分離
   自在に連結し、 本機側の凹部１７ａと、この凹部１７ａに嵌入
   する前記フレーム側の嵌入部とにより、互いに嵌
   合して、前記フレーム２とそれに対する本機側連
   結部１７との前後方向における相対移動を抑制す
   る嵌合部１９を構成し、 前記嵌合部１９の凹部１７ａは、前記刈取前処
   理部１の前端側が対地浮上する状態で前記刈取前
   処理部１を接地支持するように前記フレーム２の
   下端付近に装着された常設式又は着脱式の専用ス
   タンド２４を中心として、前記刈取前処理部１が
   前方に揺動されることを許容する方向に開口する
   形状に形成してあり、 さらに本機側の凹部１７ａ近く位置には、前記
   フレーム２を前記本機側連結部１７に対して摺動
   させて、前記凹部１７ａと前記嵌入部を対向させ
   るように案内する傾斜ガイド面２９を設けてある
   コンバインの刈取前処理部連結部構造。