JPH0474960B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は同期機の励磁制御装置、特に低励磁
制限装置と電力系統安定化装置の両方を備えた同
期機の励磁制御装置に関するものである。

第１図は従来のこの種の装置を備えた交流発電
機の制御装置の一例を示す図で、図において、１
は交流発電機、２はその界磁巻線、３はこの界磁
巻線２の励磁量を加減する励磁装置、４は上記交
流発電機１の端子電圧（出力電圧）を検出する電
圧検出部、５は上記交流発電機１の端子電圧を調
整するための自動電圧調整装置で、上記電圧検出
部４の出力と基準電圧とを比較し、その偏差に応
じて上記励磁装置３を制御する。６は上記交流発
電機１の電気出力（又は周波数）を検出する電力
検出部、７は電力系統安定化装置で、上記電力検
出部６の出力を適切なゲイン特性と位相特性を持
つ信号に変換し、その信号を上記自動電圧調整装
置５に補助信号として与える。８は低励磁制限装
置で上記交流発電機１の端子電圧と出力電流及び
その位相から該交流発電機の低励磁領域を検出
し、その信号を自動電圧調整装置５に低励磁制限
信号として与える。

上記自動電圧調整装置５は、上記交流発電機１
の端子電圧の目標値となる基準電圧を発生する基
準部５１、上記基準電圧と端子電圧との偏差を増
幅する増幅部５２、上記増幅部５２の出力と上記
低励磁制限装置８の出力のうちどちらか一方の増
幅磁寄りの信号のみをさらに増幅し、上記励磁装
置３を制御する信号を出す増幅部５３、良好な制
御状態を得るためのダンピング補償部５４等を主
な構成要素として構成される。なお、上記増幅部
５３に増磁寄りの信号のみを増幅させる手段とし
ては、自動電圧調整装置５において、低励磁制限
装置８の低励磁検出信号入力点で、低励磁検出信
号により他の信号の如何に拘わらず、低励磁制限
装置の出力のみを出力するようにすればよい。

上記電力系統安定化装置７は、上記電力検出部
６の出力のリツプルを除去するとともに変動分の
みを取り出しフイルター部７１、上記フイルター
部７１の出力を適切なゲイン特性及び位相特性を
持つた信号に変換するゲイン・位相調整部７２、
上記ゲイン・位相調整部７２の出力を監視し異常
があればこれを検出し、上記自動電圧調整装置５
への出力を切り離す機能を持つた故障監視部７３
等を主な構成要素として構成される。

次に従来の交流発電機の制御装置の動作を第１
図に基づいて説明する。今、交流発電機１が運転
中にその端子電圧が害乱等によつて変動した場
合、電圧検出部４で検出された交流発電機１の端
子電圧が自動電圧調整装置５において基準部５１
からの基準電圧と比較され、その偏差が増幅部５
２及び増幅部５３で増幅される。励磁装置３は増
幅部５３から出力された制御信号によつて界磁巻
線２の励磁量を加減し、交流発電機１の端子電圧
を制御する。

この一連の制御動作は、基準電圧と端子電圧の
偏差が所定の値以下になるまで連続的に行われ、
交流発電機１の端子電圧が目標値に保持される。
また、負荷運転中の交流発電機１の無効電力が小
さく（または進み側）なつた場合、低励磁制限装
置８は増磁信号を出し増幅部５３、励磁装置３を
介して界磁巻線２の励磁量を保つことにより低励
磁制限を行う。

一方、負荷運転中の交流発電機１に電力動揺が
生じた場合、電力検出部６で検出された電力変動
が電力安定化装置７によつて変動分のみの信号を
適切なゲイン特性及び位相特性を持つた信号に増
幅変換され、自動電圧調整装置５の増幅部５２の
入力に加えられることによつて界磁巻線２の励磁
量が加減され、交流発電機１の電気的トルク（特
にダイピングトルク）を増加することによつて電
力動揺の抑制効果を上げる。

上記電力系統安定化装置７においては、故障監
視部７３によつて、ゲイン・位相調整部７２の出
力を常時監視しており、異常発生時は自動電圧調
整装置５へ与えている制御信号を切離す。

従来の低励磁制限装置と電力系統安定化装置を
備えた励磁制御装置では上記のように電力動揺が
発生した場合、界磁巻線の励磁量を増減すること
により電力動揺を抑制するので、当然発電機の電
圧、電流、無効電力も増減することになる。そし
て、電力安定化装置の出力信号によつては無効電
力が減少（または進み側）し、低励磁制限値まで
減少する場合がある。この場合、低励磁制限装置
が上記電力安定化装置の制御による励磁量減少を
検出して動作し、界磁巻線の励磁量を増加しよう
とする信号を出すため、電力系統安定化装置と相
反する動作となり電力安定化装置の効果が阻害さ
れる。

この発明は上記のものの欠点を除去するための
もので、電力安定化装置が正常に使用されている
場合は、低励磁制限装置の動作点をずらして、電
力安定化制御機能を増大させ、電力安定化装置が
故障等で切離された場合は、低励磁制限装置の動
作点を励磁量を大きくする方向に自動的に戻す機
能を持つた励磁制御装置を提供することを目的と
する。

以下、この発明の一実施例について説明する。

第２図において、７３は電力安定化装置の故障
監視部、８は低励磁制限装置であるが、この故障
監視部７３と低励磁制限装置８を点線で示すよう
に連動させている。

上記の構成において、交流発電機１の発電電力
Ｐが一定の場合の低励磁制限装置の動作を説明す
ると、無効電力Ｑが進み方向に変化し、予め設定
された励磁制限値以下の動作点になれば、無効電
力Ｑがそれ以上進み方向にならないように制限す
る。また、動作点よりも無効電力Ｑが進み方向に
なつた場合、無効電力Ｑを遅れ方向に制御し、動
作点まで引き戻す制御をする。

電力安定化装置７が正常な場合に、低励磁制限
装置８が第３図に示す特性カーブで運転されて
いる時に、万一故障などで電力安定化装置７が切
離された場合は、低励磁制限装置８の動作を特性
カーブに変化させる。

なお、上記実施例では電力安定化装置の故障し
た場合について説明したが、電力安定化装置の使
用、除外によつて自動的に切替えてもよい。

以上のようにこの発明によれば、電力安定化装
置が正常に使用されている場合は電力動揺の抑制
効果が増大し、電力安定化装置故障時には低励磁
制限機能が増大するので、発電機運転時の信頼性
が増大する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の同期機の電力安定化装置と低励
磁制限装置を備えた励磁制限装置のブロツク図、
第２図はこの発明の一実施例による電力安定化装
置と低励磁制限装置を備えた励磁制御装置のブロ
ツク図、第３図は第２図に示す励磁制御装置の動
作を説明する電力円線図である。 図において、１は交流発電機、２は界磁巻線、
３は励磁装置、４は端子電圧を検出する電圧検出
部、５は自動電圧調整装置、５１は基準電圧を出
す基準面、５２は増幅部Ａ、５３は増幅部Ｂ、５
４はダンピング部、６は電力検出部、７は電力安
定化装置、７１はフイルター部、７２はゲイン位
相調整部、７３は故障監視部、８は低励磁制限装
置である。なお、図中、同一符号は同一、または
相当部分を示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 同期機１の出力する電圧、電流、及び位相を
   導入し、同期機１が予め設定された励磁制限値以
   下になつたとき、励磁量を増加させる励磁信号を
   発生する低励磁制限装置８と、上記同期機１の出
   力を導入し、同期機１の電力動揺を抑制する励磁
   信号を発生する電力系統安定化装置７と、同期機
   １の出力電圧と基準電圧との偏差、上記電力系統
   安定化装置７の励磁信号に基づいた励磁信号、及
   び上記低励磁制限装置８の励磁信号に基づいて同
   期機１の励磁量を制御する自動電圧調整装置５と
   を備えた同期機の励磁制御装置において、上記低
   励磁制限装置８の励磁制限値の設定を少なくとも
   ２つ設け、上記電力系統安定化装置７の出力を自
   動電圧調整装置５へ供給している定常時にあつて
   は、上記低励磁制限装置８の励磁制限値の設定を
   励磁量が小さな設定とし、上記電力系統安定化装
   置７の故障等により、該電力系統安定化装置７か
   ら上記自動電圧調整装置５への出力を切り離した
   時にあつては、低励磁制限装置８の励磁制御値の
   設定を励磁量が大きな設定に変化させるように、
   上記電力系統安定化装置７と低励磁制限装置８と
   を連動させたことを特徴とする同期機の励磁制御
   装置。