JPH0474032B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はゴルフクラブの撓み特性測定装置に関
する。

〔従来技術と問題点〕

一般に、ゴルフクラブはその撓み特性によりス
イング時に柔らかく感じたり、硬く感じたりす
る。このような感覚はスイングに大きな影響を及
ぼす。従来から、ゴルフクラブの撓み特性を調べ
る方法として、ゴルフクラブのグリツプ側をほぼ
水平に片持ち支持し、ゴルフクラブのヘツド側所
定個所に所定の大きさの曲げ荷重を加え、その荷
重作用点の撓み量を測定する方法が広く用いられ
ている。この方法によれば、ヘツド側荷重作用点
の撓み量の大きいゴルフクラブは柔らかいクラブ
として測定され、ヘツド側荷重作用点の撓み量の
小さいゴルフクラブは硬いクラブとして測定され
る。

しかしながら、実際には、ヘツド側荷重作用点
の撓み量が同一であつても、グリツプ寄りの部分
から大きく撓み始めるゴルフクラブはスイング時
に硬く感じ、ヘツド寄りの部分から撓み始めるゴ
ルフクラブは柔らかく感じる。すなわち、ゴルフ
クラブの曲げ剛さが同一であつても、ゴルフクラ
ブの曲げ曲線特性の相違により、スイング時のゴ
ルフクラブの硬さ感覚は異なつてくる。したがつ
て、ヘツド側の撓み量を測定しただけではゴルフ
クラブのスイング時の曲げ剛さ感覚に適合する撓
み特性を十分に判断することはできない。

ゴルフクラブの撓み特性を調べるための別の方
法として、ゴルフクラブのヘツド側を片持ち支持
し、ゴルフクラブの撓みの固有振動数を調べる方
法が考えられている。しかしながら、上述した撓
み量測定方法において撓み量がほぼ同一となるゴ
ルフクラブの固有振動数は同じ振動数として測定
される。したがつて、この方法の場合も、ゴルフ
クラブのスイング時の曲げ剛さ感覚に適合する撓
み特性を十分に判断することはできない。

〔問題点を解決するための手段〕

上記問題点を解決するための手段として、本発
明は、ゴルフクラブのグリツプ側及びヘツド側シ
ヤフト部分を兼用して支持するための支持装置
と、該支持装置に片持ち支持されたゴルフクラブ
の自由端部となるヘツド側若しくはグリツプ側に
所定荷重を加えてゴルフクラブのヘツド側若しく
はグリツプ側を撓ませるための荷重付加装置と、
ゴルフクラブのヘツド側の撓み量を曲げ剛さ特性
で数段階に分類表示する第１表示部とグリツプ側
の撓み量を撓み曲線特性で数段階に分類表示する
第２表示部とを備えた撓み量表示パネルとを備
え、該第１表示部の各段階の表示毎に該第２表示
部の表示が数段階ずつ関連付けて設けられている
ことを特徴とするゴルフクラブの撓み特性測定装
置を提供するものである。

〔作用〕

本発明による上記手段によれば、ゴルフクラブ
のヘツド側を撓ませたときのヘツド側所定個所の
撓み量の測定により該ゴルフクラブの全体的な曲
がりやすさを表す曲げ剛さのデータを得ることが
でき、且つ、該ゴルフクラブのグリツプ側を撓ま
せたときのグリツプ側所定個所の撓み量の測定に
より該ゴルフクラブの特に曲がりやすい位置を表
す撓み曲線特性のデータを得ることができる。し
たがつて、両測定値に基づき、ゴルフクラブのス
イング時の硬さ感覚に適合する撓み特性データを
得ることができる。

〔実施例〕 以下、図面を参照して本発明方法及び装置の実
施例を説明する。

第１図は本発明によるゴルフクラブの撓み特性
測定方法を実施するための測定装置の一実施例を
示すものである。同図を参照すると、測定装置の
基台１１に立設された支柱１２，１３には測定板
１４が上下方向に位置調整可能に取り付けられて
いる。測定板１４の前面の一端部側（第１図中左
端部側）には各種ゴルフクラブ、例えば、第４図
に示すようなドライバータイプのゴルフクラブ１
のグリツプ２側及びヘツド３側シヤフト部分４を
兼用して支持するための支持装置１５が設けられ
ている。支持装置１５は下部支点部材１６とその
外方（第１図中左方）に配置された上部支点部材
１７とを備えており、下部支点部材１６は高さ調
整ねじ１８により上下方向に位置調整可能となつ
ている。上部支点部材１７の外方にはゴルフクラ
ブ１のグリツプ２の端部を支点部材１６，１７に
対して位置規制するためのグリツプ突当て板１９
とゴルフクラブ１のヘツド３の端部を支点部材１
６，１７に対して位置規制するためのヘツド突当
て板２０とが設けられている。ここでは、グリツ
プ突当て板１９の外方にヘツド突当て板２０が配
置されており、グリツプ突当て板１９は枢支ピン
２１の周りに回動可能となつている。したがつ
て、ゴルフクラブ１のヘツド３側をヘツド突当て
板２０に当接させるときにはグリツプ突当て板１
９を上方に退去させておくことができる。よつ
て、支持装置１５にはゴルフクラブ１のグリツプ
２側を片持ち支持させることができるとともに、
ゴルフクラブ１のヘツド３側を片持ち支持させる
ことができる。

第１図及び第２図を参照すると、測定装置は支
持装置１５に片持ち支持されたゴルフクラブ１の
自由端部となるヘツド３側若しくはグリツプ２側
に所定荷重を加えてゴルフクラブ１のヘツド３側
若しくはグリツプ２側を撓ませるための荷重付加
装置２２を備えている。ここでは、荷重付加装置
２２はゴルフクラブ１に掛止可能なフツク２３と
該フツク２３に吊下可能な重錘２４とを備えてい
る。フツク２３には測定板１４の前面に向き合う
指針２５が設けられている。

測定板１４の前面の他端部側（第１図中右端部
側）には、水平方向に配列された横目盛２６と、
縦方向に配列された縦目盛２７とが付されてい
る。また、第３図に示すように、この測定板１４
には撓み量表示パネル２８が着脱可能に取り付け
られており、この表示パネル２８にはゴルフクラ
ブ１のヘツド３側の撓み量をそれぞれ数段階（こ
こでは４段階）に分類表示するための第１表示部
２９と、ゴルフクラブ１のグリツプ２側の撓み量
をそれぞれ数段階（ここでは３段階）に分類表示
するための第２表示部３０とが設けられている。
ここでは、第１表示部２９は符号Ｓ，SR，Ｒ，
RAを付した４組の矩形表示２９ａ〜２９ｄを有
しており、第２表示部３０は第１表示部２９の各
矩形表示２９ａ〜２９ｄに対応して配置されてい
る３組の矩形表示３０ａ〜３０ｃを有している。、
これら各３組の矩形表示３０９ａ〜３０ｃにはそ
れぞれ符号BH，BM，BLが付されている。

次に、上記構成のゴルフクラブの撓み特性測定
装置によるゴルフクラブの撓み特性測定方法を説
明する。

第４図はゴルフクラブ１のグリツプ２側を支持
装置１５の上部支点部材１７と下部支点部材１６
とにより水平に片持ち支持させた状態を示してい
る。このとき、グリツプ２の端部は第１図に示す
グリツプ突当て板１９に当接せしめられている。
ゴルフクラブ１のヘツド３側シヤフト部分４には
荷重付加装置２２のフツク２３が掛止される。フ
ツク２３の位置はゴルフクラブ１のヘツド３の端
部から所定距離の個所に設定される。フツク２３
に設けられている指針２５が縦目盛線２７の基準
線（撓み量が０の線）に揃うように高さ調整ねじ
１８で下部支点部材１６の高さを調整する。

その後、フツク２３に重錘２４を吊下げると、
ゴルフクラブ１は第５図に例示するように撓む。
このとき指針２５は第１表示部２９のいずれかの
矩形表示２９ａ〜２０ｄを指す。これにより、ゴ
ルフクラブ１の曲げ剛さが判る。ここでは、指針
２５がＳの矩形表示２９ａを指した場合には最も
硬いゴルフクラブであることが判り、また、指針
２５がRAの矩形表示２９ｄを指した場合には最
も柔らかいゴルフクラブであることが判る。第５
図においてはゴルフクラブ１の３種類の撓み方が
符号Ｘ，Ｙ，Ｚで例示されている。Ｘ，Ｙ，Ｚの
撓み方において、ゴルフクラブ１の荷重作用点の
撓み量は同一であるが、Ｘの態様の場合、ゴルフ
クラブはグリツプ寄りの部分から大きく曲がり始
めているので、ゴルフプレーヤはスイング時にゴ
ルフクラブを硬く感じ、Ｚの態様の場合、ゴルフ
クラブはヘツド寄りの部分で曲がり始めているの
で、ゴルフプレーヤはスイング時にゴルフクラブ
を柔らかく感じる。このような硬さ感覚の違いは
Ｓ〜RAの区別の表示のみでは判断できない。

そこで、本発明においては、上述したゴルフク
ラブ１のセツテイングを解除し、次に、第６図に
示すように、同一のゴルフクラブ１のヘツド３側
シヤフト部分４を支持装置１５の上部支点部材１
７と下部支点部材１６とにより片持ち支持せしめ
る。このとき、グリツプ突当て板１９は上方に退
去せしめ、ゴルフクラブ１のヘツド３の端部をヘ
ツド突当て板２０に当接せしめる。次に、荷重付
加装置２２のフツク２３をゴルフクラブ１のグリ
ツプ２側所定個所に掛止せしめ、高さ調整ねじ１
８により、指針２５の０点調整を行なう。その
後、フツク２３に重錘２４を吊下げてゴルフクラ
ブ１を第７図に例示するように撓ませる。このと
き、第５図においてＸ，Ｙ，Ｚで示した撓み方の
ゴルフクラブは第７図においてＸ，Ｙ，Ｚで示す
ように荷重作用点の撓み量が異なつてくるので、
指針２５が第２表示部３０の矩形表示３０ａ〜３
０ｃのいずれかを指すことにより、ゴルフクラブ
の撓み曲線特性を知ることができる。例えば、Ｘ
の撓み方のときには、指針はBHの表示３０ａを
指し、Ｙの撓み方のときには、指針はBMの表示
３０ｂを指し、Ｚの撓み方のときには、指針は
BLの表示３０ｃを指す。

以上のようにしてゴルフクラブの曲げ剛さと撓
み曲線特性とをＳ〜RAの表示とBH〜BLの表示
との組合せにより確認することができる。

ゴルフクラブ１の長さが異なる場合にはフツク
２３を掛ける位置も異なつてくるので、表示パネ
ル２８はフツク２３の位置に対応するように測定
板１４に取り付ける。表示パネル２８はゴルフク
ラブの種類に合わせて取り替えることができる。
ゴルフクラブ１に重錘２４の荷重を加えたときの
撓み量は縦目盛線により数値で読み取ることもで
きる。

以上一実施例につき説明したが、本発明は上記
実施例の態様のみに限定されるものではなく、例
えば、表示パネルに設ける第１表示部及び第２表
示部は上記以外の態様で区分けしてもよい。

〔発明の効果〕

以上の説明から明らかなように、本発明による
ゴルフクラブの撓み特性測定装置によれば、ゴル
フクラブのヘツド側を撓ませたときのヘツド側所
定個所の撓み量の測定により該ゴルフクラブの曲
げ剛さのデータを得ることができ、且つ、該ゴル
フクラブのグリツプ側を撓ませたときのグリツプ
側所定個所の撓み量の測定により該ゴルフクラブ
の撓み曲線特性のデータを得ることができる。こ
れらの曲げ剛さ特性及び撓み曲線特性はそれぞれ
数段階に分類表示されており、しかも第１表示部
の各段階の表示毎に第２表示部の表示が数段階ず
つ関連付けて設けられているので、数値分析等を
行うことなしに直接的に、ゴルフクラブのスイン
グ時の硬さ感覚に適合する撓み特性データを得る
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明装置の一実施例を示す撓み特性
測定装置の斜視図、第２図は第１図に示す測定装
置の要部縦断面図、第３図は第１図に示す測定装
置における表示パネルの正面図、第４図ないし第
７図はそれぞれ第１図に示す測定装置を用いてゴ
ルフクラブの撓み特性を測定する手順を模式的に
示す図である。 １４…測定板、１５…支持装置、１９…グリツ
プ突当て板、２０…ヘツド突当て板、２２…荷重
付加装置、２３…フツク、２４…重錘、２８…撓
み量表示パネル、２９…第１表示部、３０…第２
表示部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ゴルフクラブのグリツプ側及びヘツド側シヤ
   フト部分を兼用して支持するための支持装置と、
   該支持装置に片持ち支持されたゴルフクラブの自
   由端部となるヘツド側若しくはグリツプ側に所定
   荷重を加えてゴルフクラブのヘツド側若しくはグ
   リツプ側を撓ませるための荷重付加装置と、ゴル
   フクラブのヘツド側の撓み量を曲げ剛さ特性で数
   段階に分類表示する第１表示部とグリツプ側の撓
   み量を撓み曲線特性で数段階に分類表示する第２
   表示部とを備えた撓み量表示パネルとを備え、該
   第１表示部の各段階の表示毎に該第２表示部の表
   示が数段階ずつ関連付けて設けられていることを
   特徴とするゴルフクラブの撓み特性測定装置。 ２ 前記支持装置に片持ち支持されたゴルフクラ
   ブのグリツプの端部を当接させるためのグリツプ
   突当て板と、前記支持装置に片持ち支持されたゴ
   ルフクラブのヘツドの端部を当接させるためのヘ
   ツド突当て板ととを備えていることを特徴とする
   特許請求の範囲第１項に記載のゴルフクラブの撓
   み特性測定装置。 ３ 前記荷重付加装置はゴルフクラブに掛止可能
   なフツクと、該フツクに対し吊下可能な重錘とを
   備えており、前記フツクには前記撓み量表示パネ
   ルに向かつて延びる指針が設けられていることを
   特徴とする特許請求の範囲第１項に記載のゴルフ
   クラブの撓み特性測定装置。