JPH0472879B2 - - Google Patents
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- JPH0472879B2 JPH0472879B2 JP58218538A JP21853883A JPH0472879B2 JP H0472879 B2 JPH0472879 B2 JP H0472879B2 JP 58218538 A JP58218538 A JP 58218538A JP 21853883 A JP21853883 A JP 21853883A JP H0472879 B2 JPH0472879 B2 JP H0472879B2
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Description
【発明の詳細な説明】
〔発明の利用分野〕
本発明は石炭ガス化炉の運転方法に係り、特に
発電用のガス化炉などのように負荷変動の大きな
石炭ガス化炉の運転方法に関する。
発電用のガス化炉などのように負荷変動の大きな
石炭ガス化炉の運転方法に関する。
石炭をガス化し、水素、一酸化炭素、二酸化炭
素、メタン等のガスを得る技術の開発が精力的に
進められている。これらのガスの用途は化学合成
用原料、都市ガス、工業用燃料と極めて幅広い。
石炭ガス化炉はそれぞれの目的に合つたガス化特
性及び運転性能が要求される。
素、メタン等のガスを得る技術の開発が精力的に
進められている。これらのガスの用途は化学合成
用原料、都市ガス、工業用燃料と極めて幅広い。
石炭ガス化炉はそれぞれの目的に合つたガス化特
性及び運転性能が要求される。
近年、石炭からのガスを発電に用いる石炭ガス
化発電技術の開発が注目されているが、発電用の
ガス化炉と従来のガス化炉に対する要求性能の最
も大きな相違は、発電用のガス化炉では負荷変動
が可能でなければならないことである。現状の電
力需要事情を考えた場合、原子力発電は一定負荷
であり、油あるいは石炭の火力発電には最大25〜
30%の負荷が要求される。
化発電技術の開発が注目されているが、発電用の
ガス化炉と従来のガス化炉に対する要求性能の最
も大きな相違は、発電用のガス化炉では負荷変動
が可能でなければならないことである。現状の電
力需要事情を考えた場合、原子力発電は一定負荷
であり、油あるいは石炭の火力発電には最大25〜
30%の負荷が要求される。
石炭ガス化方式には、固定層、流動層、噴流層
(気流層)、溶融層の各方式があるが、発電用プラ
ントと直結して負荷変動しうる可能性の最も高い
のは噴流層又は溶融層方式である。この両方式と
も微粉炭を複数個のバーナで供給し、石炭灰の溶
融点以上の高温でガス化するものであり、したが
つて反応時間は極めて早く、負荷変動に対しても
ガス組成は比較的一定しており、又生成ガス量の
石炭負荷量に対する追従性も良い。
(気流層)、溶融層の各方式があるが、発電用プラ
ントと直結して負荷変動しうる可能性の最も高い
のは噴流層又は溶融層方式である。この両方式と
も微粉炭を複数個のバーナで供給し、石炭灰の溶
融点以上の高温でガス化するものであり、したが
つて反応時間は極めて早く、負荷変動に対しても
ガス組成は比較的一定しており、又生成ガス量の
石炭負荷量に対する追従性も良い。
噴流層ガス化炉の負荷変動方式には、()石
炭バーナ切り換え方式と()バーナ均等負荷変
動方式に大別できる。
炭バーナ切り換え方式と()バーナ均等負荷変
動方式に大別できる。
()の方式は複数個のバーナの各々の負荷量
を一定とし、発電所の負荷に応じて石炭粉を供給
するバーナの本数を変化させるものである。この
方式ではバーナ本数、バーナの配置によつては発
電所の最低負荷程度まで変化できる利点がある。
しかし、石炭供給量調節とバーナの切り換え操作
との2段の複雑な制御を必要とし、あるいは石炭
の供給装置を負荷の変化段数に応じた数だけ設置
する必要があるため設備費が嵩む。
を一定とし、発電所の負荷に応じて石炭粉を供給
するバーナの本数を変化させるものである。この
方式ではバーナ本数、バーナの配置によつては発
電所の最低負荷程度まで変化できる利点がある。
しかし、石炭供給量調節とバーナの切り換え操作
との2段の複雑な制御を必要とし、あるいは石炭
の供給装置を負荷の変化段数に応じた数だけ設置
する必要があるため設備費が嵩む。
()の方式は複数個のバーナのそれぞれの負
荷を発電所の負荷に応じて均等に変化させるもの
である。この方式では、一定のガス化炉内ガス、
粒子フローパターンを維持しうる最小の負荷、又
はバーナの石炭輸送限界、逆火防止条件まで負荷
を低下でき、負荷変動が容易であるとともに連続
的な負荷変動が可能である利点がある。しかし、
炉内フローパターンの維持、石炭輸送、逆化防止
条件を満たす最低負荷では一般的に発電所の要求
する最低負荷を満足できない。
荷を発電所の負荷に応じて均等に変化させるもの
である。この方式では、一定のガス化炉内ガス、
粒子フローパターンを維持しうる最小の負荷、又
はバーナの石炭輸送限界、逆火防止条件まで負荷
を低下でき、負荷変動が容易であるとともに連続
的な負荷変動が可能である利点がある。しかし、
炉内フローパターンの維持、石炭輸送、逆化防止
条件を満たす最低負荷では一般的に発電所の要求
する最低負荷を満足できない。
ここで言うガス、粒子フローパターンとはガス
化炉内に形成する旋回流のことである。石炭バー
ナは第2図に示すようにガス化炉円周方向に向け
て複数個配置し、供給された石炭、ガス化剤が炉
内で渦を巻くようにする。この時、石炭バーナの
向きに引いた直線で形成される多角形に内接する
円を仮想円と呼ぶ。旋回流れは粒子の滞留時間θ8
を増大しガス化反応を促進するのに有効である。
仮想円径が大きいほど粒子に与える遠心力が強く
なるので、石炭はより壁側で旋回するためθ8の増
大には有効であるが、大き過ぎると火炎が直接壁
に当る可能性が強く、炉を損傷する。したがつて
仮想円径はガス化炉径に対してある適正な値が必
要であることが知られている。
化炉内に形成する旋回流のことである。石炭バー
ナは第2図に示すようにガス化炉円周方向に向け
て複数個配置し、供給された石炭、ガス化剤が炉
内で渦を巻くようにする。この時、石炭バーナの
向きに引いた直線で形成される多角形に内接する
円を仮想円と呼ぶ。旋回流れは粒子の滞留時間θ8
を増大しガス化反応を促進するのに有効である。
仮想円径が大きいほど粒子に与える遠心力が強く
なるので、石炭はより壁側で旋回するためθ8の増
大には有効であるが、大き過ぎると火炎が直接壁
に当る可能性が強く、炉を損傷する。したがつて
仮想円径はガス化炉径に対してある適正な値が必
要であることが知られている。
負荷変動をした場合、バーナからの原料、ガス
化剤の量が変化するので、バーナの角度は変化し
なくとも、流れのパターンは100%負荷時に設定
したものから変化し、負荷が少なくなるほど旋回
流は形成されにくくなる傾向にある。
化剤の量が変化するので、バーナの角度は変化し
なくとも、流れのパターンは100%負荷時に設定
したものから変化し、負荷が少なくなるほど旋回
流は形成されにくくなる傾向にある。
上記()の方式では、ガス化炉内の旋回流を
形成するための最小のバーナ本数が必要であり、
上記()の方式ではそれぞれのバーナにおいて
ガス化炉内の旋回流を形成するための最小負荷が
存在する。しかし、従来の()の方式ではその
最小負荷は、負荷変動の大きい発電所の最低負荷
を満足し得ないものであり、必要以上に各バーナ
の負荷を下げると旋回流が形成されないのでガス
化効率の低下をきたしていた。
形成するための最小のバーナ本数が必要であり、
上記()の方式ではそれぞれのバーナにおいて
ガス化炉内の旋回流を形成するための最小負荷が
存在する。しかし、従来の()の方式ではその
最小負荷は、負荷変動の大きい発電所の最低負荷
を満足し得ないものであり、必要以上に各バーナ
の負荷を下げると旋回流が形成されないのでガス
化効率の低下をきたしていた。
本発明の目的は、負荷変動の運転、制御が簡単
で発電所のような負荷変動の大きい場合にも最低
負荷まで一定のガス化成績を維持しうる石炭ガス
化炉の運転方法を提供することにある。
で発電所のような負荷変動の大きい場合にも最低
負荷まで一定のガス化成績を維持しうる石炭ガス
化炉の運転方法を提供することにある。
本発明者らは、石炭粉に含まれる灰分の溶融温
度以上の温度で石炭をガス化するガス化炉では後
記する現象が発生し、上記発明の目的には()
のバーナ均等負荷変動方式が有効であり、この方
式を改良して上記目的を達成しうる石炭ガス化炉
の運転方法を見い出し、本発明に到達したもので
ある。
度以上の温度で石炭をガス化するガス化炉では後
記する現象が発生し、上記発明の目的には()
のバーナ均等負荷変動方式が有効であり、この方
式を改良して上記目的を達成しうる石炭ガス化炉
の運転方法を見い出し、本発明に到達したもので
ある。
すなわち、石炭粉に含まれる灰分の溶融温度以
上の温度で石炭をガス化するガス化炉では、溶融
した灰(スラグ)はガス化炉壁に付着し、壁を伝
わつて下方に流れる。この際、壁の窪みや穴はス
ラグによつて埋めつくされることが判明した。更
に石炭、ガス化剤を供給していないバーナがある
と、そのバーナの先端もスラグにより覆われてし
まう現象がみられた。
上の温度で石炭をガス化するガス化炉では、溶融
した灰(スラグ)はガス化炉壁に付着し、壁を伝
わつて下方に流れる。この際、壁の窪みや穴はス
ラグによつて埋めつくされることが判明した。更
に石炭、ガス化剤を供給していないバーナがある
と、そのバーナの先端もスラグにより覆われてし
まう現象がみられた。
したがつて前記()の方式では石炭の供給を
停止した後、そのバーナに対しスラグ閉塞防止対
策が必要となる。スラグ閉塞防止対策として、(1)
ガス化剤又は何んらかのガスを常にバーナから流
し続けておくこと、(2)バーナ先端部乃至その付近
にスラグの閉塞を避けるための構造物を設けるこ
と、(3)機械的にスラグを取り除くことが考えられ
る。
停止した後、そのバーナに対しスラグ閉塞防止対
策が必要となる。スラグ閉塞防止対策として、(1)
ガス化剤又は何んらかのガスを常にバーナから流
し続けておくこと、(2)バーナ先端部乃至その付近
にスラグの閉塞を避けるための構造物を設けるこ
と、(3)機械的にスラグを取り除くことが考えられ
る。
しかし、(1)の手段ではバーナ先端部が逆に冷却
されスラグによる閉塞までの時間が短かくなり、
(2)の手段でも信頼性に欠け、又ガス化炉の形状を
複雑にし、(3)の手段も又同様である。
されスラグによる閉塞までの時間が短かくなり、
(2)の手段でも信頼性に欠け、又ガス化炉の形状を
複雑にし、(3)の手段も又同様である。
本発明ではガス化炉形状及び運転制御をできる
だけ簡単にするという観点、及びスラグの閉塞防
止にはバーナ先端部を常に高温に維持しなければ
ならないという実験的知見から、石炭及びガス化
剤は負荷に応じて変化させ、また常に一定量の石
炭搬送用のガスを流すようにしたものである。こ
のような運転方法によつて、ガス化炉内の旋回流
を一定以上に維持でき、負荷変動時の流れの変化
によるガス化効率の低下を防止できる。
だけ簡単にするという観点、及びスラグの閉塞防
止にはバーナ先端部を常に高温に維持しなければ
ならないという実験的知見から、石炭及びガス化
剤は負荷に応じて変化させ、また常に一定量の石
炭搬送用のガスを流すようにしたものである。こ
のような運転方法によつて、ガス化炉内の旋回流
を一定以上に維持でき、負荷変動時の流れの変化
によるガス化効率の低下を防止できる。
本発明を実施するに最も好適な実施例を第1図
により説明する。本実施例は0.1mm以下の微粉炭
を加圧の噴流層方式でガス化する場合であつて、
第1図には石炭供給系、ガス化炉、スラグ排出系
のみ記してあり、ガス化炉以降のガス精製系、発
電プラント等のガス利用系のフローは除いてあ
る。
により説明する。本実施例は0.1mm以下の微粉炭
を加圧の噴流層方式でガス化する場合であつて、
第1図には石炭供給系、ガス化炉、スラグ排出系
のみ記してあり、ガス化炉以降のガス精製系、発
電プラント等のガス利用系のフローは除いてあ
る。
石炭20を粉砕後、常圧ホツパ1に貯蔵する。
その後、加圧ホツパ2A,2Bに供給し、石炭定
量供給器3、例えばロータリーフイーダ、スクリ
ユーフイーダ又はテーブルフイーダ等によりエジ
エクタ4に落下させる。エジエクタ4には石炭を
気流輸送するガス21を送る。輸送用のガスには
窒素、空気、スチーム、生成ガスの一部、二酸化
炭素等を使用しうる。エジエクタ4を出た石炭を
石炭分配器6に導き、各バーナ7に均等分配す
る。バーナ7の本数、配置はガス化炉の規模によ
つて異なるが、本実施例では第2図に示したよう
に6本のバーナを2段設け、旋回流が形成される
ように配した。それぞれのバーナ7には、酸素、
若しくは空気又はこれらのガスにスチームを加え
たガス化剤22と、搬送用気体と石炭粉からなる
原料28とを供給する。
その後、加圧ホツパ2A,2Bに供給し、石炭定
量供給器3、例えばロータリーフイーダ、スクリ
ユーフイーダ又はテーブルフイーダ等によりエジ
エクタ4に落下させる。エジエクタ4には石炭を
気流輸送するガス21を送る。輸送用のガスには
窒素、空気、スチーム、生成ガスの一部、二酸化
炭素等を使用しうる。エジエクタ4を出た石炭を
石炭分配器6に導き、各バーナ7に均等分配す
る。バーナ7の本数、配置はガス化炉の規模によ
つて異なるが、本実施例では第2図に示したよう
に6本のバーナを2段設け、旋回流が形成される
ように配した。それぞれのバーナ7には、酸素、
若しくは空気又はこれらのガスにスチームを加え
たガス化剤22と、搬送用気体と石炭粉からなる
原料28とを供給する。
バーナ7は第3図に示すように中心部の石炭粉
供給管32の外周囲に順次に環状のガス化剤供給
管31および冷却管30が設けられている。冷却
管30には冷却媒体40,41が導入されるよう
になつている。ガス化炉8はガス化部10、熱回
収部13、スラグ冷却部11より構成し、ガス化
部は耐火、断熱材12で形成し、熱回収部9は伝
熱管13で形成する。ガス化部10では通常1400
℃〜2000℃の温度となり、石炭灰は溶けて炉壁を
伝つてスラグ冷却部11に落下する。スラグ冷却
部11にはポンプ14を介して冷却水27を流
し、一定量の水を常に満たしておく。スラグ冷却
部11で固化したスラグ24を、スラグホツパ1
2にため、貯槽13から一定間隔で系外に抜き出
す。ガス化部10で生成したガスは上方に流れ、
熱回収部13で冷却され、通常800〜900℃程度の
ガス23となつてガス化炉を出た後、次の処理工
程に入る。熱回収部の伝熱管13には冷却水25
を流し、高温、高圧のスチーム26を回収する。
このスチームは蒸気タービンに導き電力用とす
る。
供給管32の外周囲に順次に環状のガス化剤供給
管31および冷却管30が設けられている。冷却
管30には冷却媒体40,41が導入されるよう
になつている。ガス化炉8はガス化部10、熱回
収部13、スラグ冷却部11より構成し、ガス化
部は耐火、断熱材12で形成し、熱回収部9は伝
熱管13で形成する。ガス化部10では通常1400
℃〜2000℃の温度となり、石炭灰は溶けて炉壁を
伝つてスラグ冷却部11に落下する。スラグ冷却
部11にはポンプ14を介して冷却水27を流
し、一定量の水を常に満たしておく。スラグ冷却
部11で固化したスラグ24を、スラグホツパ1
2にため、貯槽13から一定間隔で系外に抜き出
す。ガス化部10で生成したガスは上方に流れ、
熱回収部13で冷却され、通常800〜900℃程度の
ガス23となつてガス化炉を出た後、次の処理工
程に入る。熱回収部の伝熱管13には冷却水25
を流し、高温、高圧のスチーム26を回収する。
このスチームは蒸気タービンに導き電力用とす
る。
石炭ガス化発電プラントの負荷変動方法は、電
力の需要に応じてガス化炉へ供給する石炭量を変
化させることによつて行う。第4図は本発明によ
るガス化炉の負荷変動方法の一例で、100%定格
負荷から25%負荷まで、一定変化率で負荷を下げ
た場合である。操作因子は石炭供給量、酸素供給
量、石炭搬送用窒素供給量である。石炭の供給量
は石炭フイーダ3の回転数をモータ16を介して
一定割合で減少させることにより変化させた。こ
の時の供給量は石炭ホツパ2Bにとりつけたロー
ドセル15により加圧ホツパ内の石炭重量変化及
び石炭供給管5の一定区間の圧力差ΔP17A,
17Bを測定することにより計測する。酸素供給
量は調節弁19により、石炭供給量と比例させ変
化させた。定常時では酸素供給量と石炭供給量の
比αは一定とする。負荷変動はこの一定値を保つ
たまま行うのを原則とするが、ガス化炉の規模、
ガス化方式により若干αを変化させる。ガス化炉
の容量が小さく、石炭の入熱に比べ熱損失量が無
視できない場合、負荷を下げると相応的にガス化
炉温度が低下するので、温度維持のため定常時よ
りαを大きくすることが必要である。本実施例で
はα≒0.85Kg/Kgとした。
力の需要に応じてガス化炉へ供給する石炭量を変
化させることによつて行う。第4図は本発明によ
るガス化炉の負荷変動方法の一例で、100%定格
負荷から25%負荷まで、一定変化率で負荷を下げ
た場合である。操作因子は石炭供給量、酸素供給
量、石炭搬送用窒素供給量である。石炭の供給量
は石炭フイーダ3の回転数をモータ16を介して
一定割合で減少させることにより変化させた。こ
の時の供給量は石炭ホツパ2Bにとりつけたロー
ドセル15により加圧ホツパ内の石炭重量変化及
び石炭供給管5の一定区間の圧力差ΔP17A,
17Bを測定することにより計測する。酸素供給
量は調節弁19により、石炭供給量と比例させ変
化させた。定常時では酸素供給量と石炭供給量の
比αは一定とする。負荷変動はこの一定値を保つ
たまま行うのを原則とするが、ガス化炉の規模、
ガス化方式により若干αを変化させる。ガス化炉
の容量が小さく、石炭の入熱に比べ熱損失量が無
視できない場合、負荷を下げると相応的にガス化
炉温度が低下するので、温度維持のため定常時よ
りαを大きくすることが必要である。本実施例で
はα≒0.85Kg/Kgとした。
石炭搬送用窒素21は調節弁18により変化さ
せる。この場合、窒素供給量と石炭供給量の比β
は、石炭を輸送管内に堆積させない条件より決定
され、窒素供給量が少ないほど生成ガス中の窒素
濃度を低下できることからβは小さいほどよい。
第5図は石炭の供給量を一定とし窒素量を変えた
時の輸送特性を示したもので、横軸は第1図に示
した輸送管5内のガス速度であり、縦軸は12本の
石炭バーナのうちのA、B2本に流れた石炭をバ
ーナ出口で直接捕集して求めた石炭供給量、分配
器6の入口と出口の圧力差Δp、及びβである。
管内のガス速度を低くしていくと石炭が輸送管内
に堆積し流れなくなりA、Bバーナへの輸送量が
少なくなる。
せる。この場合、窒素供給量と石炭供給量の比β
は、石炭を輸送管内に堆積させない条件より決定
され、窒素供給量が少ないほど生成ガス中の窒素
濃度を低下できることからβは小さいほどよい。
第5図は石炭の供給量を一定とし窒素量を変えた
時の輸送特性を示したもので、横軸は第1図に示
した輸送管5内のガス速度であり、縦軸は12本の
石炭バーナのうちのA、B2本に流れた石炭をバ
ーナ出口で直接捕集して求めた石炭供給量、分配
器6の入口と出口の圧力差Δp、及びβである。
管内のガス速度を低くしていくと石炭が輸送管内
に堆積し流れなくなりA、Bバーナへの輸送量が
少なくなる。
この時の圧力差Δpの変化を、石炭を流した時
とガスのみ流した時の比Pで示すと、ガス流速が
低くなるほどPは大きくなり、かつ測定値の変動
が激しく、石炭を安定に輸送するには一定のPが
必要である。この時のβは図示のようになるが、
安定輸送のためにはβ>0.03Kg/Kgにすべきこと
がわかる。この例では搬送ガスに窒素を用いた
が、空気、二酸化炭素を用いた例でもほとんどβ
の限界値は0.03Kg/Kg付近であり、石炭搬送に用
いうる実用的な気体と微粉炭の管内輸送ではβ>
0.03Kg/Kgとすればよい。
とガスのみ流した時の比Pで示すと、ガス流速が
低くなるほどPは大きくなり、かつ測定値の変動
が激しく、石炭を安定に輸送するには一定のPが
必要である。この時のβは図示のようになるが、
安定輸送のためにはβ>0.03Kg/Kgにすべきこと
がわかる。この例では搬送ガスに窒素を用いた
が、空気、二酸化炭素を用いた例でもほとんどβ
の限界値は0.03Kg/Kg付近であり、石炭搬送に用
いうる実用的な気体と微粉炭の管内輸送ではβ>
0.03Kg/Kgとすればよい。
石炭粉搬送用気体として窒素を用いた前記実施
例では石炭搬送管内および石炭バーナ先端部の閉
塞がなく安定な運転が可能であつた。また負荷の
低下に伴い生成ガス中の搬送用窒素量の割合が増
加するので、ガス発熱量は低下するが、100%負
荷時2710Kcal/Nm3から25%負荷時に
2480Kcal/Nm3に変化しただけで、燃料として
使用する場合、実質上まつたく障害はない。また
石炭中のカーボンに対するCO、CO2等のガス化
されたカーボン量の割合で定義したガス化効率
も、負荷変動により低下することはなかつた。
例では石炭搬送管内および石炭バーナ先端部の閉
塞がなく安定な運転が可能であつた。また負荷の
低下に伴い生成ガス中の搬送用窒素量の割合が増
加するので、ガス発熱量は低下するが、100%負
荷時2710Kcal/Nm3から25%負荷時に
2480Kcal/Nm3に変化しただけで、燃料として
使用する場合、実質上まつたく障害はない。また
石炭中のカーボンに対するCO、CO2等のガス化
されたカーボン量の割合で定義したガス化効率
も、負荷変動により低下することはなかつた。
以上のように本発明によれば、ガス化炉の負荷
量の変動にかかわらず常時全てのバーナから石炭
粉からなる固体粒子とガスとが供給されるので溶
融スラグによる石炭バーナ先端部の閉塞がなく、
また石炭粉搬送用気体と石炭粉との重量比を一定
以上に維持することによつて搬送管における石炭
粉の輸送が安定であり、更に低負荷時においても
一定の旋回流が形成できるので負荷変動にかかわ
らずガス化性能の変動巾が少なく、安定した運転
が可能となる。
量の変動にかかわらず常時全てのバーナから石炭
粉からなる固体粒子とガスとが供給されるので溶
融スラグによる石炭バーナ先端部の閉塞がなく、
また石炭粉搬送用気体と石炭粉との重量比を一定
以上に維持することによつて搬送管における石炭
粉の輸送が安定であり、更に低負荷時においても
一定の旋回流が形成できるので負荷変動にかかわ
らずガス化性能の変動巾が少なく、安定した運転
が可能となる。
第1図は本発明を実施するための装置の概略的
構成図、第2図は第1図の装置におけるバーナ配
置状態を示すための要部拡大断面図、第3図は第
1図の装置におけるバーナの構造を示すための断
面図、第4図はガス化炉の運転結果例を示す図、
第5図は石炭粉の輸送特性を示す図である。 3……石炭供給器、7……石炭バーナ、8……
ガス化炉、17A,17B……石炭搬送管内差圧
測定器、20……石炭、21……石炭搬送窒素、
22……酸素。
構成図、第2図は第1図の装置におけるバーナ配
置状態を示すための要部拡大断面図、第3図は第
1図の装置におけるバーナの構造を示すための断
面図、第4図はガス化炉の運転結果例を示す図、
第5図は石炭粉の輸送特性を示す図である。 3……石炭供給器、7……石炭バーナ、8……
ガス化炉、17A,17B……石炭搬送管内差圧
測定器、20……石炭、21……石炭搬送窒素、
22……酸素。
Claims (1)
- 1 石炭粉をガス化炉に設けられた複数本のバー
ナに気体によつて搬送し、前記石炭粉中に含まれ
る灰分の溶融温度以上の温度でガス化する石炭ガ
ス化炉の運転方法において、前記複数本の全ての
バーナに対しそれぞれガス化炉の負荷量の変動に
応じた量の石炭粉を供給するとともに前記複数本
の全てのバーナに対しガス化炉の負荷量の変動に
かかわらず常時石炭粉搬送用気体(A)と石炭粉(B)の
重量比A/Bが0.03以上となるように石炭粉搬送
用気体を導入することを特徴とする石炭ガス化炉
の運転方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21853883A JPS60110786A (ja) | 1983-11-18 | 1983-11-18 | 石炭ガス化炉の運転方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21853883A JPS60110786A (ja) | 1983-11-18 | 1983-11-18 | 石炭ガス化炉の運転方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS60110786A JPS60110786A (ja) | 1985-06-17 |
JPH0472879B2 true JPH0472879B2 (ja) | 1992-11-19 |
Family
ID=16721494
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21853883A Granted JPS60110786A (ja) | 1983-11-18 | 1983-11-18 | 石炭ガス化炉の運転方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS60110786A (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102433163A (zh) * | 2011-10-20 | 2012-05-02 | 清华大学 | 一种浓相输送煤粉的气化方法 |
CN104611065B (zh) * | 2015-01-14 | 2017-02-22 | 清华大学 | 干粉气化炉用双旋流煤粉喷嘴 |
JP7123569B2 (ja) | 2018-02-19 | 2022-08-23 | 三菱重工業株式会社 | 粉体燃料供給装置、ガス化炉設備およびガス化複合発電設備ならびに粉体燃料供給装置の制御方法 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS57182395A (en) * | 1981-05-06 | 1982-11-10 | Hitachi Ltd | Apparatus for gasification of coal |
-
1983
- 1983-11-18 JP JP21853883A patent/JPS60110786A/ja active Granted
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS57182395A (en) * | 1981-05-06 | 1982-11-10 | Hitachi Ltd | Apparatus for gasification of coal |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS60110786A (ja) | 1985-06-17 |
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