JPH0472877B2 - - Google Patents

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JPH0472877B2
JPH0472877B2 JP2855284A JP2855284A JPH0472877B2 JP H0472877 B2 JPH0472877 B2 JP H0472877B2 JP 2855284 A JP2855284 A JP 2855284A JP 2855284 A JP2855284 A JP 2855284A JP H0472877 B2 JPH0472877 B2 JP H0472877B2
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coal
burner
gasification
gasifier
furnace
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JP2855284A
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Shuntaro Koyama
Atsushi Morihara
Mitsuhiro Matsuo
Jinichi Tomuro
Shunsuke Nokita
Hiroshi Myadera
Takao Hishinuma
Yoshiki Noguchi
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Hitachi Ltd
Mitsubishi Power Ltd
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Babcock Hitachi KK
Hitachi Ltd
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
〔発明の利用分野〕 本発明は噴流層の石炭ガス化炉の改良に関す
る。 〔発明の背景〕 石炭ガス化炉には固定層、流動層、噴流層など
の各方式があり、夫々開発が進められている。ガ
ス化炉としては、(a)ガス化効率が高い、(b)運転制
御が容易、(c)公害性物質を出さない、(d)ガス化炉
1基当りの石炭処理能力が大きい、(e)各種石炭が
処理できる、(f)信頼性が高く長寿命である等の性
能が要求される。噴流層方式は他方に比べこれら
を総合的に満足できる可能性の高いものである。 噴流層方式では、石炭を通常100μm以下の微
粉炭になし、この微粉炭をバーナによりガス化炉
に供給し、ガス化剤(酸素、空気、スチーム等)
によつて石炭灰の溶融温度以上で反応させるもの
で、主に次の式で表わされる反応により、水素と
一酸化炭素に富むガスが得られる。 石炭→チヤー(C、H)、H2、CO、CH4
……(1) C+O2→CO2 ……(2) C+1/2O2→CO ……(3) H2+1/2O2→H2O ……(4) CH4+1/2O2→2H2+CO ……(5) C+CO2→2CO ……(6) C+H2O→CO+H2 ……(7) 噴流層ガス化炉には前記(a)〜(f)を目的として様
様な形式が存在するが、これらは()反応形
態、()バーナ配置、()全体炉構造の点から
以下のように分類できる。 () 反応形態 (1) 1段反応型…ガス化剤と微粉炭を一定の混
合比αの元で反応させる。例えば「Texaco
法(特開昭56−110793号公報)」、「ボリデ
ン・アクチエボラーグ法(特開昭57−200492
号公報)」、「Shell法」、「東洋高圧法(特公昭
36−23714号公報)」 (2) 2段反応型…ガス化剤と微粉炭の混合比α
が異なる2つ以上の反応領域を形成させる。
例えば「C−E法(特開昭54−32508号公
報)」 または、前記(1)式で示される石炭熱分解反
応(ガス化剤を使用しない)と(3)式で代表さ
れる部分酸化反応を併発させる。例えば
「Bi−Gas法」 () バーナ配置 (1) 単一バーナ型…ガス化炉に石炭バーナを1
本垂直下向きまたは上向きに配置する。例え
ば「Texaco法」 (2) 複数バーナ対向型…複数のバーナを水平に
対向させる。例えば「Shell法」 (3) 複数バーナ旋回型…複数のバーナを同一平
面上で円周方向に向けて配置し、バーナ火炎
をガス化炉内で旋回させる。例えば「C−E
法」、「ボリデン・アクチエボラグ法」、「東洋
高圧法」 () 全体炉構造 (1) 単一炉室型…()の反応を1つの炉室で
行う。例えば「Texaco法」 (2) 複数炉室型…()の反応を、絞り形状や
仕切り物により区分された2つ以上の炉室で
行う。例えば「C−E法」、「Bi−Gas法」 ガス化方式は以上のように分類できるが、代表
的なガス化炉は次のような組合せで構成される。 (A) 1段反応/単一バーナ/単一炉室 (B) 1段反応/複数対向バーナ/単一炉室 (C) 1段反応/複数旋回バーナ/単一炉室 (D) 2段反応/複数旋回バーナ/複数炉室 これら各構成は、夫々特長があり、まず上記(A)
は炉構造が単純で運転制御が容易であるが、大容
量化に節約があること、適用炭種、運転操作範囲
に制限がある等の問題点を有している。 次に(B)は、バーナの対向配置によつて火炎同志
を衝突させ、この衝突により高温火炎からガス化
炉壁の損傷を防止し、また、比較的コンパクトで
石炭処理量を増やせる構造であるが、構造が複雑
になり易く、大型化に問題がある。 更に(C)は、遠心力による旋回運動により石炭粒
子の滞留時間を延ばすことができ、また、溶融灰
を炉壁に付着させ易いので、石炭灰をフライアツ
シユでなくスラグとして回収できる量を増大でき
る利点がある。ただし、旋回力を強めるには円周
方向角度を大きくすればよいが、大きくし過ぎる
と火炎が直接炉壁に当り炉材を損傷し易い。この
ためバーナの角度や本数に制約条件が存在し、運
転操作範囲が狭まい。 以上はいずれも1段反応型の方式であるが、こ
れらに共通した問題点としては、適用炭種や適正
操作範囲が比較的狭まく、巾広い条件にわたつて
高いガス化効率を維持するのが困難なことであ
る。前記「ボリデン・アクチエボラーグ法」、「東
洋高圧法」では、石炭とガス化剤を旋回させて噴
出するバーナの他に、このバーナとは異なる場所
からガス化剤のみを噴出するバーナを設け、溶融
スラグの流れ及び排出を改善して安全運転操作範
囲を広げようとしているが、2次的なガス化剤の
供給は、高温な炉内温度となるため熱損失割合が
増大する。また、2次的に供給されたガス化剤
は、主に生成した可燃性ガスと反応し易いため、
石炭または未反応カーボン粒子と積極的に反応し
ない。したがつて、2次的なガス化剤の供給は高
温化にはよいが、ガス化効率向上にはあまり寄与
しない。 一般的に噴流層ガス化炉では、ガス化効率に最
も強く影響する因子は前述したガス化剤の供給量
(Kg)と石炭の供給量(Kg)の比αである。一定
の炉形状及びαが定まれば、ガス化効率、生成ガ
ス組成及びガス化炉温度がほぼ決定される。ガス
化炉は目標とするガス化効率、ガス化温度を得ら
れるようαを定めて運転をするので炭種や操作条
件はある程度限定される。これらの問題点を軽減
しようと考えられたのが2段反応型である。 即ち(D)は、2つ以上のαを選び、別の反応室で
夫々のαで反応させる。これは(A)〜(C)に比べ炭
種、操作範囲に対する自由度が高い。しかし、通
常αの大きい反応領域では、ガス化効率も高く高
温が得られるが、αの低い反応領域ではガス化効
率が低く、未反応カーボンを含む粒子(チヤー)
が残り、生成ガスとともにガス化炉から飛び出
す。そこで、チヤーを回収し再びガス化炉のαの
高い領域に戻しガス化することが必要である。こ
のようなチヤー循環方式は、そのためのホツパ
ー、バルブ、フイーダ、チヤー流量検出器等の付
加設備が必要であり、装置、構造及び運転を複雑
にし易い。このように、噴流層ガス化の従来技術
においては、ガス化効率あるいは運転性・信頼性
のいずれか一方が悪くなり。上述した(a)乃至(f)す
べてを満足するまでに至つていない。 〔発明の目的〕 本発明は上記事情に鑑みなされたもので、ガス
化効率の向上を図ると共に運転制御が容易で信頼
性の高いガス化炉を得ることを目的とするもので
ある。 〔発明の概要〕 即ち、本発明の特徴とするところは、ガス化室
上部にこのガス化室の水平断面積より小径のガス
取出口を設けると共に底部にはスラグ取出口を設
けた石炭ガス化炉において、石炭とガス化剤の混
合流体を旋回させて噴出する上段バーナを前記ガ
ス化室に配置し、前記スラグ取出口の真下から前
記ガス化室内の中心部へ向けて垂直上向きに石炭
とガス化剤の混合流体を旋回させて噴出する1つ
の下段バーナを前記スラグ取出口の下方に備え、
かつ、石炭に対するガス化剤の割合を上段のバー
ナより下段のバーナを多くしたことを特徴とする
石炭ガス化炉にある。 本発明は前記(A)〜(D)のいずれにも属さないもの
で、いわば (E) 2段反応/複数旋回バーナ/単一炉室 と言えるものである。本発明は、単一炉室内で2
段反応を併発させるため、(D)より構造が単純な
上、熱の利用が有効にできガス化効率も向上させ
やすい。 この炉では、上部で(1)又は(3)式の反応、下部で
(2)、(3)式の反応をさせる。上部では酸素量を少な
くし反応性に豊むチヤーを生成し、下部では酸素
量を多くして極めて単時間に反応させると共に
(O2、H2Oに富むガスを発生する)、石炭を分配
しない場合に比べ反応過程で生成するチヤーの反
応性が向上でき、前記(6)、(7)の反応が早く進む。
この方式は一旦石炭を分配して反応させた後、再
びチヤーとCO2、H2Oなどの生成ガスを効率よく
接触させるところに特徴がある。 以下この内容について詳細に述べる。 まず絞り構造のガス化炉において、石炭を分配
しないでガス化した場合と、分配してガス化した
場合の差について述べる。 石炭を分配しないでガス化した場合(1つのα
でガス化する)でも1段反応型と2段反応型では
基本的には前述したような差が存在するが、更に
本質的に次の点が異なることが明らかとなつた。 石炭を分配せず1つのαでガス化した場合、石
炭粒子に着目して反応過程を追求すると、まず、
石炭は高温のガス化室に飛び込み、熱分解される
と共にチヤーが生成する。熱分解ガスは酸素と反
応し燃焼によりチヤーの温度が高くなり、ついに
着火してチヤーのガス化が始まる。チヤーは最初
酸素により主に(2)、(4)式の反応でガス化し、この
間チヤー自身の温度も上昇する。酸素が消費しつ
くされると、チヤーは(2)、(4)式で生成したガスと
主に(6)、(7)式の反応でガス化し、H2、COが生成
する。この過程では、酸素による(2)、(4)式の反応
は極めて早いので、ガス化速度は(6)、(7)式の反応
速度が支配的となる。したがつて、(6)、(7)式の反
応速度をいかに速くするかがガス化効率を向上す
る点で重要である。この場合、チヤーの物性が反
応速度に大きく影響する。 すなわち、チヤーの燃焼により、チヤーの温度
が上昇し、ついには灰が溶融する温度に達する
と、チヤーが緻密となり、ガスが粒子内に拡散す
る速度が遅くなり、反応に時間がかかる。すなわ
ち、反応性の低下が起る。したがつて未反応のカ
ーボンが残つたままチヤーはガス化炉を飛び出す
ことになる。1段反応では、熱分解→チヤーの燃
焼→チヤーの昇温→チヤーのガス化→チヤー反応
性の低下の反応過程を避け得ず、ガス化効率を上
げにくい。 これに対して、石炭を分割して異なるαでガス
化するとつぎのような過程で反応が進行する。 まず上段では小さいαでガス化するが、この場
合、反応過程にあるチヤーは酸素量が少ないため
未反応のカーボンはあるが、粒子自身の温度は、
灰の溶融温度まで到達せず、かつチヤーの表面官
能基が発達しているので、反応性にとむ。 一方、下段では大きいαでガス化するので、チ
ヤーは緻密になるが、酸素量が多いため、粒子内
へのガス拡散速度は低下しない。したがつて下段
へ供給された石炭は完全にガス化される。ここで
生成したCO2、H2Oに富むガスと上段で生成した
反応性に富むチヤーが接触し、(6)、(7)式の反応は
前記1段反応型より速く進む。チヤー中の灰は最
終的には溶融するが大部分はガス化しており、そ
の後溶けるので、前述した1段反応型のようにカ
ーボンを残したままガス化炉を飛び出るようなこ
とはない。 上段と下段の反応を総合した結果として、2段
反応型は1段反応型より反応は速く、ガス化効率
を向上させやすい。 2段反応型で重要なことは、上段で生成したチ
ヤーと、下段で生成した高温ガスとを充分接触さ
せることであり、かつ、どちらかといえば、上段
へ供給した石炭の滞留時間を長くすることであ
る。このためにはガス化炉の内における粒子の流
れを調べる必要がある。 次に2段反応型におけるガス化炉内における粒
子、及びガスの流れについて説明する。 第1図及び第2図a,bは流れ試験に用いたモ
デル炉の一例である。101が透明樹脂製のモデ
ル炉、102が上部バーナ、103が下部バーナ
で各4本とりつけてある。各バーナに空気104
を流し、同時に上部又は下部の1本のバーナに少
量の石炭をパルス的に投入し、モデルガス化炉1
01出口へ到達する時間をダストモニターで測定
した。第1図はガス取出口の直径d0とガス化炉径
Dの比(以後絞り比と称す)が等しく、上部バー
ナ102の内接円直径(以下旋回円径と称す)と
下部バーナ103旋回円径が等しい場合(以下同
径旋回円型と称す)、第2図aは同径旋回円型に
おいて、ガス取出口径をガス化室径に比べて小さ
くした絞り105を入れ絞り比d0/D<1にした
場合(以下絞り同径旋回円型と称す)、第2図b
はガス取出口に絞り105を入れ、絞り比d0/D
<1にして上部バーナ102と下部バーナ103
の旋回円径を変えた場合(以下絞り異径旋回円型
と称す)である。 第3図は、常温空気を流した上記モデル炉にお
いて、上部バーナ102から供給した石炭粒子の
炉内滞留時間に及ぼす、炉構造の影響を示したも
ので、横軸が絞り比、縦軸が粒子滞留時間θSであ
る。図から明らかなように、絞りを入れたほどθS
が長くなる。また同じ絞り比なら異径旋回円径ほ
どθSは長くなる。第4図は、絞り構造異径にした
時の石炭粒子の流れを示したものであるが、上部
バーナ102から供給された石炭が、下降しなが
ら旋回し(下降旋回流106の形成)、あるとこ
ろで反転して、上部から排出していく様子がわか
る。絞り異径型の炉がθSを長くするのは、この下
降旋回流が顕著に形成するからである。下降旋回
流は以下の原理で形成する。 噴流層ガス化炉内では、粒子の動きはガスの流
れに支配されやすい。一方、ガスの流れは圧力P
の分布によつて決まる。ガス化炉内で旋回流が形
成されると渦運動により半径r方向の圧力分布は
円周方向速度分布V〓によつて定まり、 1/ρ ∂P/∂r=1/RV〓2……(8) 但し、 ρ:ガス密度 R:ガス化炉半径 P:圧力 と表わされる。第5図はモデル炉101内の流速
分布の一例である。ガス流速は軸方向、円周方向
及び半径方向の各分速度のベクトル和で表わせ
る。図には半径方向を除いて示した。このうち渦
流れの特徴である円周方向速度V〓の半径方向の
分布状態を第6図に示した。ここで最も重要なこ
とはV〓はr≒旋回円径で最大となり、壁と中心
で0となることである。つまり、バーナからの吹
出し条件が一定ならバーナ旋回円径によつてある
程度V〓の半径方向分布が定まる。そして、(8)式
の関係から半径方向の圧力分布も定まり、V〓が
最大となるバーナ旋回円径付近で圧力勾配が最大
となる。 一方、高さ方向のガス流れを明らかにするため
高さ方向の圧力分布を調べた。第7図はモデル炉
101内の圧力分布の一例を示したものである。
高さが異なる2個所の圧力分布を比較するため、
下部と上部の圧力の差を計算し第8図a,bに示
す。第8図aは絞り同径旋回円型、第8図bは絞
り異径旋回円型の場合である。第8図aではすべ
ての半径にわたり下部と上部の圧力差は常に正と
なる。すなわち下部の圧力が上部より高いのでガ
スは常に下部から上部に流れる。一方、第8図b
では中心と壁側で負の値を示す、すなわち上部よ
り下部の圧力が低いことを示している。このこと
から、第8図aではモデル炉101内は常に上昇
流が形成され、第8図bでは一部下降流が形成さ
れるのである。したがつて、石炭粒子の下降流れ
を積極的に形成するには第8図bの圧力分布が好
ましい。 高さ方向の圧力差を一部正、一部負とするため
には、第8図bの圧力分布のように、上部と下部
で、分布曲線を交差させる(●―と○―が交わる)必
要がある。第8図aのように交差させないと、必
ず正になり下降流は形成できない。前述したよう
に、ある高さにおける圧力分布は円周方向速度分
布によつて決まり、円周方向速度分布はバーナの
旋回円径に支配される。したがつて上部と下部の
旋回円径を変えることにより上部と下部て交差す
るような圧力分布曲線が得やすくなり、下降旋回
流が形成させやすい。 以上の原理により、絞り同径旋回円型より絞り
異径旋回円型にすると、上部バーナに供給した石
炭が下降流に伴われて、ガス化炉の下部に移動し
た後、炉を飛び出そうとするので、ガスと充分接
触しつつ滞留時間が更に長くできる。 〔発明の実施例〕 以下本発明の一実施例を図面によつて説明す
る。まず、第9図及び第10図を用いて説明す
る。第9図はガス化炉の概念図であり、第10図
は第9図ガス化炉内の温度分布と燃焼及びガス化
反応を示した図である。ガス化室8の上部にはこ
のガス化室8の水平断面積より小径のガス取出口
2を設けると共に底部にもガス取出口2と同様小
径のスラグ取出口11が設けられ、ガス化室8の
上方と下方に石炭とガス化剤の混合流体を旋回し
て噴出するバーナ7,9が設けられている。ガス
化室8上方の上段バーナ7から噴出される混合流
体の旋回円径は、ガス化室8下向の下段バーナ9
から噴出される混合流体の旋回円径よりも大きく
形成されている。また、石炭に対するガス化剤の
割合は、上段バーナ7より下段バーナ9が多くな
つている。したがつてガス化炉の上方ではチヤー
が生成され、下方ではCO2、H2Oに富むガスが発
生する。上方で生成されたチヤーは下降流旋回流
に伴われ下方に移動する。このチヤーは、石炭を
酸素量が少ない条件でガス化するため極めて多孔
質になり、反応性に富む。酸素量を増すと石炭の
粒子自身の温度が高くなり、灰が溶融するので緻
密となり反応性が低下する。更に酸素量を増すと
反応性が低下してもガス化剤が多いため単時間に
反応が完了するが、H2、COよりCO2、H2Oの生
成量が多く、ガス発熱量が低下する。したがつて
上段バーナ7では石炭の反応初期に灰が溶融しな
い程度のガス化剤の量でガス化し、活性なチヤー
を生成する必要がある。このチヤーは下段バーナ
9で生成された高温のCO2、H2Oに富むガスと反
応し、CO、H2に富むガスが生成され、ガス取出
口2より取出される。反応後灰は溶融スラグとな
り、スラグ取出口11から取出される。 このような構成からなるガス化炉は第11図に
示す石炭ガス化フローにおいて用いられる。第1
1図において、石炭16は粉砕機17により微粉
化され、しかる後気体搬送され、サイクロン1
8、バグフイルタ19により捕収され、ホツパ2
0に貯えられる。このようにして貯えられた微粉
炭は供給用ガス(窒素、二酸化炭素、空気、生成
ガスの一部等)21によりガス化炉22のガス化
室8の上方、下方に送り込まれる。ガス化室8に
おいて、上段バーナ7からは微粉炭5とガス化剤
となる酸素6A、スチーム6Bの混合流体が噴出
され、同様に下段バーナ9からも微粉炭5と酸素
6A、スチーム6Bの混合流体が噴出される。微
粉炭5に対するガス化剤の割合は上段バーナ7よ
りも下段バーナ9から多量に噴出が行われる。そ
してガス化室8内で微粉炭は第9図及び第10図
に示した反応にしたがつてガス化が行われる。微
粉炭に含まれた石炭灰は溶融してスラグとなり、
炉壁及びスラグ取出口11を伝わつて水槽13に
令下する。水槽13ではポンプ23により加圧し
て送られる冷却水24によりスラグ冷却部25に
おいて冷却され、スラグホツパ26に貯えられた
後、スラグ分離機27で分離廃棄される。スラグ
を冷却した冷却水は再循環用ポンプ28により再
度利用される。水槽13は水を循環させることに
より低温に保たれ、炉からの輻射電熱、スラグの
持ち込む顕熱による温度上昇で水が蒸発すること
が防がれる。生成ガス29は熱回収部10で熱交
換器30により熱回収され、生成ガス中のチヤー
はサイクロン31により捕収され、チヤーホツパ
32に貯えられる。このチヤーはガス化炉22で
充分ガス化されているので未反応カーボン含有量
は少なく、従来のようにガス化炉22に戻し、再
度ガス化する必要はない。サイクロン31を出た
生成ガス33は更に熱回収装置、ガス精製装置
(いずれも図示せず)に通され、化学原料、水素
源、工業用及び発電用の燃焼に供される。ガス化
炉22内の熱交換器30は通常蒸気発生用に用い
られ、発生した蒸気34で発電する。 第12図はガス化炉22の要部縦断面図で、ガ
ス化室8の上部は生成ガス取出口2を介して熱回
収部10と連通し、下部はスラグ取出口11を介
してスラグ冷却部25と連通している。ガス化炉
22全体は断熱材4で囲まれているが炉内壁を高
温ガスや溶融スラグによる損傷から保護するため
断熱材4に冷冷管35を埋込み冷却し、損傷が一
定以上内部に進行しないようにしている。生成ガ
ス取出口2及びスラグ取出口11の夫々の断面積
はガス化室8の断面積よりも小さく形成されてい
る。バーナ7,9はガス化室8の上方と下方に設
置され、上方の上段バーナ7はガス化室8の高さ
方向の1/2より上方に、また、下方の下段バーナ
9はガス化室8の高さ方向の1/2より下方に取付
けられている。 第13図及び第14図はバーナ7,9の水平断
面図であり、上段バーナ7は旋回円Aに接する方
向に等間隔で4本設置され、下段バーナ9は旋回
円Aよりも径が小さい旋回円Bに接する方向に等
間隔で4本設置されている。上段バーナ7、下段
バーナ9は最低3本あれば幾何学的には旋回流が
形成できるが、各バーナからの石炭、ガス化剤の
バランスが崩れたり、負荷を変えた時でもある程
度の旋回流を維持するためには4本以上必要であ
る。バーナの本数を増大すれば旋回流形成の安定
性は増すが運転、制御が複雑になり、石炭安定供
給の信頼性が低下するので必要以上に本数を増す
のは好ましくない。しかし、ガス化炉が大型にな
るとバーナ火炎の大きさがガス化炉径に対して相
対的に小さくなるので、一定の旋回速度を保つに
はバーナからの石炭吹出し速度を大きくするか、
バーナの本数を増す必要がある。 本発明ではガス化室8の上方へ供給されるガス
化剤の量は下方へ供給される量よりも少ないの
で、上方付近温度の下方よりも低い。したがつて
上段バーナ7の旋回円径Aは、従来の1段バーナ
の旋回円径(炉径の1/2〜2/3)よりも大きくでき
る。上段バーナ7へ供給する酸素と石炭の供給量
の比即ち酸素量/石炭量=0〜0.65Kg/Kgの範囲
では炉径の0.7〜0.8まで大きくしても炉壁への損
傷がほとんどなかつた。0.8以上にすると火炎の
側面が炉壁と接触し、また炉壁との摩擦の影響が
顕著になり、ガス流れが乱れ旋回円Aに添う旋回
流が形成されない。 下段バーナ9の旋回円径Bは、上段バーナ7か
ら噴出される石炭粒子滞留時間の増大効果の観点
から決定される。下方旋回円径を選定するため、
粒子の滞留時間を測定した結果を第15図に示
す。上段バーナ7から噴出される粒子の滞留時間
は下方の旋回円径が小さくなるほど長くなるが、
下段バーナ9から噴出される粒子の滞留時間は逆
に下方の旋回円径が小さくなるほど短かくなる。
また小さ過ぎると良好な旋回流が形成されない。
したがつて、下方の旋回円径は下方で良好な旋回
流を維持した上で下方から噴出された石炭がそれ
ぞれ完全にガス化するに必要な時間を同時に満足
することが必要である。 上述したごとく本発明ではガス化室8の上方へ
供給されるガス化剤の量より下方へ供給されるガ
ス化剤の量が多いので、下方の方の反応時間は短
くてよい。ガス化室8上方の酸素量/石炭量=0
〜0.65Kg/Kgであるのに対し、下方の酸素量/石
炭量=0.9〜1.6Kg/Kgの割合で供給する。この結
果、下方の条件での完全ガス化時間は上方の条件
でのガス化時間の1/2〜1/7になる。第15図にお
いて、下方旋回円径と炉径の比を0.2程度にして
も下方と上方粒子の滞留時間の比は1:2であ
り、上方粒子の滞留時間が満足されれば下方粒子
の滞留時間も充分満足される。しかし、さらに旋
回円径を小さくすると旋回流が形成されず、粒子
は半回転した程度で上昇し下方へ供給された粒子
の滞留時間が不足する。したがつて下方旋回円径
は旋回流が形成されるための条件から決定され、
この値はガス化炉内径の0.2〜0.3である。即ち、
下方旋回円径は上部旋回円径の0.25〜0.4が最適
である。 下方旋回円径を上方より小さくすることのさら
に他の重要な点は火炎から炉壁を守れることにあ
る。本発明では上段バーナ7より下段バーナ9の
方が酸素量/石炭量が大なる条件でガス化される
ので火炎温度は極めて高くなる。かかる条件にお
いて粒子への遠心力を強くするだけの観点から旋
回円径を決定するとその径は大きくなり、炉壁は
高温の火炎にさらされる。本発明のように旋回円
径を小さくすれば、そのような心配はなく、酸素
量を多くしても安全にガス化炉の運転ができる。 第1表に第12図に示した絞り構造ガス化炉2
2の上段バーナ7(表中、上と記す)と下段バー
ナ9(表中、下と記す)の配置を変えてガス化し
た実施例を示す。比較例は1段反応型、実施例
は2段反応型で同径旋回円、実施例は異径旋回
円の場合である。全酸素/全石炭比はいずれの例
でも0.903で一定であり、2段反応型の場合は両
例とも上部バーナの酸素/石炭比は0.598、下部
バーナでは1.2である。 表1から明らかなように1段反応型より2段反
応型、また、同径旋回円型より異径旋回円型の方
が高効率である。
【表】 表中ガス化効率は次式で定義した。 カーボンガス化率 =
ガス化されたカーボン量(CO、CO2、CH4)/石炭供給量
×石炭中のカーボン量 冷ガス効率=生成ガス発熱量×ガス生成量/石炭発熱量
×石炭供給量 カーボンガス化率94.6%ということは残りの
5.4%のカーボンがスラグあるいは飛散ダスト中
に含まれていることである。従来法だと、この割
合が大きいため、そのまま廃棄できないので、再
度ガス化炉に供給していた。本実施例は石炭処理
能力が20Kg/h程度のガス化炉で行つたものだ
が、ガス化炉の大型化に伴い、ガス化炉からの熱
損失量割合は小さくなるので、ガス化炉全体温度
が上昇し、ガス化反応を促進する。したがつてガ
ス化効率は更に上昇するので、もはやダストの再
循環は不要になる。 下方のバーナの酸素/石炭比は1.2と大きくし、
下部を高温度にしたが、旋回円径を0.3と小さく
したため、ガス化炉壁の損傷は認められなかつ
た。 表2は他の実施例である。実施例は石炭とし
て南アフリカ炭を用いた場合である。南アフリカ
炭は表1の太平洋炭(北海道産)よりも、灰の溶
融温度が高く、また溶融スラグの流動性も低い。
南アフリカ炭を絞り異径旋回円型で行つた結果、
スラグ固化のトラブルもなく、連続した運転が可
能である。これは、表2から明らかなように、下
部バーナの旋回円径を小さくするので炉壁損傷の
心配が少なく、酸素/石炭比をある程度大きくで
きるので炉の中心部が局部的に高温となり、スラ
グ取出口をスラグ流下に必要な温度に維持できる
ためである。
【表】 第16図は本発明の実施例であり、第12図で
示したガス化炉と異なるのは下段バーナの構造、
配置である。本実施例では下段バーナ9を1本に
し、スラグ取出口11の真下から垂直上向きに石
炭を吹き出す。この場合、石炭、ガス化剤が旋回
しながら吹出すようなバーナ構造とする。本実施
例は、下段バーナ9の旋回円径を極限近くまで小
さくした場合であり、石炭灰の溶融温度が極めて
高く、スラグ流下が困難な場合に適する。 下段バーナ9の構造は第17図及び第18図に
示したようにガス化剤6の吹出しノズムの向きを
円周方向に向ける旋回板40を設けることで、バ
ーナ火炎に旋回流が与えられる。本実施例は、下
段バーナ9が1本であるため、旋回力は複数バー
ナより弱く、大型化に関しては第12図の構成よ
り不利であるが、噴流層ガス化炉の適用炭種拡大
には効果的である。 〔発明の効果〕 本発明によれば、ガス化室の上部バーナより供
給した石炭から前記(1)、(3)式の反応で生成したチ
ヤーは、ガス化室の下部へ旋回しながら下降する
ので、下部バーナより供給した石炭から前記(2)、
(4)式の反応によつて生成したH2O、CO2と充分な
時間しかも広い領域で接触するので反応が促進さ
れ完全にガス化される。したがつて噴流層ガス化
炉のガス化効率を向上するのに極めて有効であ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図はモデルガス化炉の概念図、
第3図は第1図及び第2図の炉内における粒子滞
留時間を比較した線図、第4図は第2図のガス化
炉内の流れを示す説明図、第5図はモデルガス化
炉内の流速分布を示す説明図、第6図は第5図の
円周方向速度の半径方向の速度分布を示す線図、
第7図はモデルガス化炉内の静圧分布を示す説明
図、第8図は第7図の半径方向位置における差圧
及び静圧を示す線図、第9図はガス化炉の概念
図、第10図は第9図の温度分布とガス反応を示
した図、第11図は石炭ガス化炉が組込まれた石
炭ガス化フロー図、第12図はガス化炉の一実施
例を示す要部縦断面図、第13図及び第14図は
第12図の上、下バーナ部分の横断面図、第15
図は第12図のガス化炉の粒子滞留時間の説明
図、第16図は本発明ガス化炉の実施例を示す要
部縦断面図、第17図は第16図に設けられた下
方のバーナの先端部分の平面図、第18図は第1
7図のA−A断面図である。 2……生成ガス取出口、5……微粉炭、6……
ガス化剤、7……上段バーナ、8……ガス化室、
9……下段バーナ、11……スラグ取出口、22
……ガス化炉。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ガス化室上部にこのガス化室の水平断面積よ
    り小径のガス取出口を設けると共に底部にはスラ
    グ取出口を設けた石炭ガス化炉において、石炭と
    ガス化剤の混合流体を旋回させて噴出する上段バ
    ーナを前記ガス化室に配置し、 前記スラグ取出口の真下から前記ガス化室内の
    中心部へ向けて垂直上向きに石炭とガス化剤の混
    合流体を旋回させて噴出する1つの下段バーナを
    前記スラグ取出口の下方に備え、かつ、石炭に対
    するガス化剤の割合を上段のバーナより下段のバ
    ーナを多くしたことを特徴とする石炭ガス化炉。
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