JPH0472545B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、手術用パテの包装に使用する容器、
特に湿潤溶液中にパテを浸すためのトレーとして
も役立ちうる容器に関する。

手術用パテは、外科手術中に体液を吸収するた
め及び／又は手術中に繊細な組織を損傷から防御
するために使用される薄い吸収性の帯状材であ
る。手術用パテは種々の寸法及び形状で用いられ
る。捜求用糸は通常これらのパテに取り付けら
れ、手術用部位中のパテを捜す手段として用い
る。この捜求用糸は通常数インチの長さであり、
パテまでたどることが出来るので、手術が完了し
た後パテを手術部位内に不注意に置き忘れるとい
うことがない。

種々の手術、例えば「使い拾て手術用ホルダー
及びカウンター」の名称の米国特許第3481462号
で指摘された如く、パテを使用する前、及びパテ
を手術部位から回収した後、手術室で使用された
全ての手術用パテを数えるということが必要であ
る。手術用パテを手術部位中に置き忘れないよう
に種々の包装容器がこの計数手順を容易にするた
めに提供されてきた。

無菌水中又は食塩水もしくは他の液体中にこれ
らの手術用パテを浸すことが時には必要である。
この浸漬工程は、パテをそれらの計数用包装容器
から取り出し、手術部位内に挿入する直前に液体
で浸すことを必要とする。パテを手術部位に挿入
する前、及びパテを手術部位から取り出した後の
両方でパテを容易に計数することができる手術用
パテを入れる容器を使用するのが望ましい。パテ
を手術部位に挿入する前に浸漬できるトレーとし
ても機能しうる容器を使用することも望ましい。

本発明は、パテを手術部位中に置く前に、及び
手術部位から集めた後の両方でパテに対する計数
用カードとして使用できる多くの手術用パテを入
れる容器を提供する。この容器は、パテを手術部
位中に挿入する前にそのパテを浸漬するためのト
レーとしても使用できる。この容器は、パテに取
り付けた捜求用糸が輸送中に容器中のパテを保持
するように巻回するのを可能にする種々のスロツ
トも有するので、パテが輸送中に移動しないし、
捜求用糸が輸送中にからまることもない。

本発明の容器は、１個又はそれ以上の凹部が複
数の手術用パテを保持するために形成されている
プラスチツク製の基部を有する。一連の計数用ス
ロツトが基部の縁部上に設けられており、その中
に個々のパテの各端に取り付けられた捜求用糸を
置くことができる。基部の縁部は幾つかの捜求用
糸を全て集めることができる取りまとめ用スロツ
ト及びその取りまとめ用スロツトから見てパテ保
持用凹部を横切る位置にある基部の縁部に設けら
れた拘束用スロツトも備えているので、捜求用糸
はパテを横切つて渡されて凹部中のパテを保持で
きる。

２個又はそれ以上のパテ保持用凹部が使用で
き、それらは１個又はそれ以上の溝状凹部で連結
されうる。この溝状凹部はパテ保持用凹部より浅
く基部中に形成されている。このことは、ある最
少限度の量の湿潤液を各パテ保持用凹部中に保持
すること、及び一方のパテ保持用凹部中に湿潤液
が全て流入するのを防止することを可能にする。

計数用スロツト、取りまとめ用スロツト及び拘
束用スロツトは全てＶ形の挿入用切欠きを有し、
それぞれのスロツト中に糸を挿入するのを容易に
する。

好ましい実施態様において、基部はほぼ長方形
であり、二個の溝状凹部により連結された二個の
パテ保持用凹部を備えている。計数用スロツト、
取りまとめ用スロツト及び拘束用スロツトは、基
部の縁部上にそれぞれ対称的に配置されている。

本発明の容器は、手術用パテがこの容器中に入
れられた後、無菌包装容器内に挿入されるように
構成されている。

本発明の上記及び他の特徴並びに利点は下記の
図面とともに参照する下記の好ましい実施態様の
詳細な説明から明らかになる。

第１図を参照すると、第１及び第２のパテ保持
用凹部１４及び１６が良く知られた熱成形法によ
つて形成されているほぼ長方形のプラスチツク製
薄板１２から成る本発明の容器の斜視図が示され
ている。溝状凹部１８及び２０も板１２中に形成
され、パテ保持用凹部１４及び１６を連結する。
特に第２図において、溝状凹部１８及び２０がパ
テ保持用凹部１４及び１６の深さより浅い深さに
形成されているのがわかる。このことは、たとえ
容器が一方向又は他の方向にわずかに傾いたとし
てもある程度の湿潤液を両パテ保持用凹部１４及
び１６に保持することを可能にする。これはパテ
保持用凹部１４又は１６の一方又は他方中に全て
の湿潤液が流入するのを阻止する。

パテ保持用凹部１４及び１６並びに溝状凹部１
８及び２０はほぼ長方形の板１２に対称的に設け
られているのがわかる。長方形板１２は、それぞ
れ第１及び第２の側部２２及び２４並びにそれぞ
れ第１及び第２の端部２６及び２８を有してい
る。

本発明の好ましい実施態様において、各パテ保
持用凹部１４及び１６は、その各々に捜求用糸３
２を取り付けた幾つか、好ましくは５個のパテ３
０を保持する。

板１２の第１端部２６は一連の計数用スロツト
３４を具備する。各計数用スロツト３４は、隣接
しているパテ保持用凹部１４又は１６中に置かれ
ているパテの１本の捜求用糸を保持するために設
けられている。各計数用スロツト３４は、ほぼＶ
形の挿入用案内部３６及びＶ形案内部の基底から
表面１２中に延びているスリツト３８を有する。
各スリツト３８は１本の捜求用糸を保持するため
に設けられている。

板１２の他端部２８は、その中にパテ保持用凹
部１６中のパテ３０から出てくる各捜求用糸３２
を置く取りまとめ用スロツト４０を具備してい
る。取りまとめ用スロツト４０はＶ形挿入用案内
部４２及びスリツト４４を具備している。案内部
４２の一側４６はアールを持つて形成されてい
る。

拘束用スロツト４８は、取りまとめ用スロツト
４０から見て、凹部１６の反対側の板１２の一方
の側部２４に設けられているので、まとめられた
捜求用糸３２がパテ保持用凹部１６を横切つて渡
され、輸送中その場所にパテ３０を保持できる。
このことはパテ３０が輸送中に凹部１６の外に出
ることを防止し、捜求用糸３２がからまることを
防止する。凹部１６中のパテに対して全ての捜求
用糸３２が凹部１６を横切つて渡されている必要
はない。凹部１６中のパテ３０を保持するには１
本の捜求用糸で十分である。しかしながら、便宜
上、凹部１６を横切つて凹部１６中のパテに対し
て全ての捜求用糸３２を渡すのが望ましいと思わ
れる。拘束用スロツト４８はＶ形の挿入用案内部
５０及びＬ形のスリツト５２を備えている。スリ
ツト５２の一方の足５４は側部２４にほぼ垂直に
延びている。スリツト５２の他方の足５６は取り
まとめ用スロツト４０の方に向つて延びている。
取りまとめ用スロツト４０と同様に、挿入用案内
部５０の一側５８は外方に湾曲して形成されてい
る。

板１２は、凹部１４中に置かれたパテに対する
一連の計数用スロツト６０も備えている。計数用
スロツト６０は計数用スロツト３４と同じであ
り、端部２６に沿つて板１２の長手方向中心線６
２に対して対称的に配置することができる。別個
の取りまとめ用スロツト６４及び第２の拘束用ス
ロツト６６が凹部１４中に置かれた手術用パテに
対して設けられている。これらの各スロツト６
４，６６及び６０は板１２のパテ保持用凹部１６
中に置かれた手術用パテに対する対応するスロツ
トと同じように構成されている。

第１図に示した好ましい実施態様による容器
は、凹部１６中に５個の手術用パテ３０を積み重
ねて使用されるので、パテ３０の周囲は十分な間
隔があり、パテを凹部１６で容易に挿入、取り出
しでき、ある程度の湿潤液を凹部１６に加えてパ
テを浸漬することが可能である。各別個のパテ３
０に取り付けられた捜求用糸３２は５ケ所の計数
用スロツト３４の各スロツト中に置かれている。
捜求用糸３２は次に板１２の裏面を横切つて取り
まとめ用スロツト４０中に渡されている。糸３２
は次に一緒にパテ保持用凹部１６を横切つて拘束
用スロツト４８中に渡される。糸３２は拘束用ス
ロツト４８の足５４に沿つて横断方向に、次に長
手方向の足５６中を長手方向に移動されるので、
糸３２を凹部１６中に保持されたパテ３０の表面
を横切つてピンと張ることができる。同じ数のパ
テが凹部１４中に同様に置かれている。次に容器
全体は輸送のために無菌の包装容器中に入れられ
る。

無菌の包装容器を開き、容器１０を包装容器か
ら取り出す場合、ある程度の無菌の湿潤液、即ち
無菌水又は食塩水もしくは他の適当な液体のどれ
かを凹部１４及び１６中に入れ、パテが手術部位
中に置かれる前にパテ３０を湿潤する。パテ保持
用凹部１４又は１６のどちらかに入れたある程度
の液体が、横断方向に向つている溝状凹部１８又
は２０によつて他のパテ保持用凹部に移動される
ので、この液体を供給するのに注意をはらう必要
はない。特に第２図において、溝状凹部１８及び
２０がパテ保持用凹部１４及び１６の深さより浅
いので、容器１０がわずかに傾いた場合でも、あ
る程度の湿潤液が各パテ保持用凹部１４及び１６
中に残留し、一方の凹部中に全ての液が流入しな
いということがわかる。

手術室で手術に携わつている人がパテ及びその
容器を使用している場合、容器１０は良好な計数
手段を備えているので、使用者が計数用スロツト
３４及び６０それぞれに置かれている糸を単に数
えることによつて手術の開始時にどれだけのパテ
があるかを知り得るということもわかる。手術用
パテを使用した後、パテは手術部位から取り出さ
れ、その捜求用糸３２はその糸を取り出した適当
な計数用スロツト３４又は６０中に置く。手術が
始まる時、手術担当者は10個の手術用パテがある
ことを知る。手術が終ると、それらのパテが使用
されたか否かにかかわらず、10個の手術用パテが
なければならない。

本発明を好ましい実施態様と関連して説明して
きた。多くの改変及び変更が本発明の範囲から逸
脱することなく本発明の実施態様になされうると
いうことが当業者にはわかるであろう。従つて、
上記特許請求の範囲に記載したものを除き、本発
明を限定することを意図しない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の容器の斜視図、第２図は第１
図に示す容器の断面図である。 １０…容器、１２…薄板、１４，１６…パテ保
持用凹部、１８，２０…溝形成凹部、２２，２４
…側部、２６，２８…端部、３０…パテ、３２…
捜求用糸、３４，４０，４８，６０，６４，６６
…スロツト、３６，４２，５０…案内部、３８，
４４，５２…スリツト、５４，５５…スリツトの
足、４６，５８…案内部の一側。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 複数の手術用パテを入れる容器であつて、外
   周縁を有する基部、 複数のパテのそれぞれに取り付けられた捜求用
   糸を有する複数のパテを収納するために前記基部
   に形成された凹部、 前記複数のパテの捜求用糸をそれぞれ収納する
   ために使用され、前記外周縁の前記凹部の一端に
   隣接する部分に形成された前記パテの数に対応す
   る複数の計数用スロツト、 前記捜求糸のすべてを受入れる、前記外周縁の
   前記凹部の他端に隣接する部分に形成された取り
   まとめ用スロツト、及び 前記取りまとめ用スロツトから前記凹部の横断
   方向に離間して配置され、前記捜求用糸が前記凹
   部内の複数のパテを保持する手段として機能する
   ことが可能なように前記取りまとめ用スロツトか
   ら拘束用スロツトに延びている捜求用糸が前記凹
   部を横切つて延びるように設けられ、前記縁の第
   ３の部分に配置された拘束用スロツトとから成
   り、前記凹部がパテ用の湿潤液を収容するために
   使用される、 ことからなる容器。 ２ 複数の手術用パテを収納するために前記基部
   に第２の凹部をさらに具備し、前記縁が前記第２
   の凹部用の一連の計数用スロツト及び拘束用スロ
   ツトをさらに有し、さらに前記基部が前記第１及
   び第２の凹部の間の液通を可能にする溝状凹部を
   少なくとも１本有する特許請求の範囲第１項記載
   の容器。 ３ 前記第２の凹部に対する取りまとめ用スロツ
   トをさらに有する特許請求の範囲第２項記載の容
   器。 ４ 前記湿潤液が前記各パテ保持用凹部中に少な
   くともある最少量以上残留するように前記溝状凹
   部を前記パテ保持用凹部のそれぞれより浅く形成
   してある特許請求の範囲第２項記載の容器。 ５ 前記各計数用スロツトが前記計数用スロツト
   中に捜求用糸を案内するために用いられるほぼＶ
   形の挿入用案内部を具備している特許請求の範囲
   第１項記載の容器。 ６ 前記取りまとめ用スロツトがほぼＶ形の挿入
   用案内部を具備し、前記計数用スロツトに対して
   ほぼ反対方向に延びている特許請求の範囲第１項
   記載の容器。 ７ 前記拘束用スロツトがほぼＬ字状に形成さ
   れ、該Ｌ字の一方の足部が前記取りまとめ用スロ
   ツトの方向に対してほぼ横断方向に延び、該Ｌ字
   の他方の足部が前記取りまとめ用スロツト方向に
   延び、前記拘束用スロツトがＶ形の挿入用案内部
   をさらに具備している特許請求の範囲第１項記載
   の容器。 ８ 前記基部がそれぞれ対向した第１及び第２の
   端部並びにそれぞれ対向した第１及び第２の側部
   を有するほぼ長方形の外周縁を持ち、 前記パテ保持用凹部が互いにほぼ平行に、かつ
   前記対向する第１及び第２の側部に平行に延び、 少なくとも２本の溝状凹部が前記両パテ保持用
   凹部の間に延びてそれらの間を液通にし、 前記各パテ保持用凹部に対する前記計数用スロ
   ツトが前記対向する端部の第１の端部に対称的に
   配置され、 一方のパテ保持用凹部に対する前記拘束用スロ
   ツトが対向する側部の一方に配置され、かつ他方
   のパテ保持用凹部に対する前記拘束用スロツトが
   前記対向する側部の他方に配置されている 特許請求の範囲第２項記載の容器。 ９ 前記パテ保持用凹部及び前記溝状凹部が前記
   基部上に対称的に配置され、前記計数用スロツト
   及び前記拘束用スロツトも前記基部上に対称的に
   配置されている特許請求の範囲第７項記載の容
   器。 １０ 前記基部がそれぞれ対向した第１及び第２
   の側部並びにそれぞれ対向した第１及び第２の端
   部を有するほぼ長方形の外周縁を持ち、前記一方
   のパテ保持用凹部に対する前記計数用スロツトが
   前記基部の前記第１の端部に配置され、かつ前記
   他方のパテ保持用凹部に対する前記計数用スロツ
   トが前記基部の前記対向する第２の端部に配置さ
   れている特許請求の範囲第２項記載の容器。 １１ 前記ほぼＶ形の挿入用案内部の一方の足が
   前記一方の足に対してアールを持つて形成されて
   いる湾曲部を具備している特許請求の範囲第６項
   記載の容器。