JPH0472526B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は、ヘアーアイロンやヘアードライヤな
どのヘアーカール器に関する。

〔背景技術〕

この種のヘアーカール器は、一般に電源を内蔵
したハウジングとこのハウジングに着脱自在に装
着されるアタツチメントとから構成されており、
アタツチメントは巻き胴に発熱素子を配設して構
成されている。そして、最近では携帯性が良好で
使い勝手の良いヘアーカール器が要求されてお
り、このため電池等の低出力電源を使用したもの
が開発されている。ところが、このような低出力
電源では発熱素子を巻き胴の内部に収容すると毛
髪のカール付けに必要な発熱量が得られないの
で、巻き胴の外周表面に発熱素子を露出させたも
のが提供されている。

このようなものとしては例えば英国特許
GB2021943Aに開示されたものがあり、これを第
１４図、第１５図及び第１６図に示す。これは第
１４図に示すような電池５を内蔵したハウジング
６に第１５図及び第１６図に示すようなアタツチ
メント７を取り付けて使用するものであり、アタ
ツチメント７は円筒状の巻き胴１の外周表面に複
数の細長状の発熱素子２を露出させて周方向に等
ピツチで配列したものであり、この巻き胴１の周
囲に毛髪を巻きつけて毛髪にカール付けをするよ
うになつている。ところがこの従来のヘアーカー
ル器はアタツチメント７の外周に毛髪を巻き付け
るようにしかなつておらず、毛髪をカールする時
の毛髪の固定手段がないので、巻き胴１に巻いた
毛髪が滑つて使い勝手が悪く、またきつちりとカ
ール付けできないという問題があつた。

そこで、上記従来例のヘアーカール器の巻き胴
１に第１７図のように髪押え板３を取り付けてみ
たが、細長状の発熱素子２が巻き胴１表面に露出
していて且つ熱容量が小さいため、髪押え板３と
対向する箇所の発熱素子２の温度が他の箇所にお
ける発熱素子２の温度よりも低くなつてしまうと
いう欠点が生じた。即ち、温度測定の結果、第１
７図に示す発熱素子２の取り付けられている箇所
ａ〜ｆの温度分布は第１８図に示すようになつ
た。これは髪押え板３が発熱素子２と接触して髪
押え板３から放熱されるためであると考えられ
る。しかして、巻き胴１に毛髪をまきつけて毛髪
にカールを施す場合には、髪押え板３のない箇所
でも勿論カール付けは行なわれるが、髪押え板３
と巻き胴１とに挟まれている箇所では毛髪を挟み
ながら巻き付けるため最もカール力の強い箇所で
あり、この箇所で温度が低下してカール力が小さ
くなつたのでは、全体としても十分なカール力を
得ることができないという欠点があつた。又、髪
押え板３と巻き胴１との間だけで毛髪を挟んで使
用するような場合には全く熱効率の悪いヘアーカ
ール器となつてしまつていた。

〔発明の目的〕

本発明は叙上のような技術的背景に鑑みて為さ
れたものであり、その目的とするところは巻き胴
の外周表面に発熱素子を露出するように配列され
たヘアーカール器において、カール力を大きくす
ることにある。

〔発明の開示〕

本発明のヘアーカール器は、巻き胴１の外周表
面に周方向に沿つて複数の発熱素子２を配列し、
前記巻き胴１の一部に対向させて髪押え板３を設
けたヘアーカール器において、前記髪押え板３と
対向する箇所に配設された発熱素子２の発熱量を
他の箇所に配設された発熱素子２の発熱量よりも
大きくして成ることを特徴とするものである。し
かして、最も大きなカール力を発揮できる箇所で
ある髪押え板３と対向する箇所における発熱素子
２の発熱量を大きくしたので、髪押え板３の設け
られている箇所での温度低下を防止でき、あるい
は髪押え板３と対向する箇所の発熱素子２の発熱
量を一層大きくすることで集中的に熱を供給で
き、毛髪に効率的なカール付けを行え、ヘアーカ
ール器のカール力を大きくすることができるもの
である。

以下本発明の実施例を添付図に基いて詳述す
る。第２図に示すように、ヘアーカール器はハウ
ジング６とアタツチメント７とからなり、アタツ
チメント７はハウジング６に着脱自在となつてい
る。

アタツチメント７は巻き胴１の周囲に毛髪を巻
取り、髪押え板３で毛髪を押さえながら発熱素子
２で毛髪を加熱してカール（巻きぐせ）を施すも
のである。巻き胴１は耐熱製合成樹脂のような絶
縁性材料により円筒状に形成されており、第１図
に示すように巻き胴１の外周面には発熱素子２の
両縁を固定するための２本１組みの溝８が穿設さ
れており、これらの溝８は２本１組みとなつて巻
き胴１の長手方向に延びており、複数組みの溝８
が巻き胴１の周方向に一定ピツチごとに配設され
ている。髪押え板３は第２図に示すように基端キ
ヤツプ１４にシーソー状に揺動自在に枢着されて
おり、バネ（図示せず）などにより巻き胴１に圧
接するように弾性的に付勢されており、一端のハ
ンドル部９を指で押し下げると巻き胴１から離間
するようになつている。また、巻き胴１の表面の
髪押え板３中央部と対向する位置には巻き胴１の
長手方向に沿つて突起４が突設されている。

巻き胴１に取り付けられるヒータ１１は第４図
に示すような構造を有しており、断面略逆Ｕ字形
をした細長状の抵抗体で形成された発熱素子２を
複数本一定の間隔で平行に配置し、発熱素子２の
端部間を導電性の連結片１２で接続してあり、接
続方法は第４図及び第５図に示すように直列接続
と並列接続との組み合わせとなつている。この直
列接続部分を記号イで示し、並列接続部分を記号
ロで示す。また、ヒータ１１の両端には端子１３
が設けされている。しかして、第１図に示すよう
に、このヒータ１１は各発熱素子２の両側を溝８
内に差し込むようにして巻き胴１の外周表面に露
出するように一定ピツチ毎に離間させて配設さ
れ、溝８間の突部１６に発熱素子２の背面を支持
され、両端を基端キヤツプ１４と先端キヤツプ１
５とにより固定されて巻き胴１に取り付けられ
る。この時、ヒータ１１の直列接続部分イは髪押
え板３と対向する箇所に配設され、並列接続部分
ロは髪押え板３と対向していない箇所に配設され
る。

ハウジング６内には低電力電源として電池５が
内蔵されており、アタツチメント７をハウジング
６に取り付けると、ヒータ１１の端子１３がハウ
ジング６内の電池５の回路の端子１７と接続され
る。しかして、ハウジング６の外面のスイツチ１
８をオンにすると電池５からヒータ１１へ電力が
供給され、発熱素子２が発熱する。この時、髪押
え板３と対向する箇所に配設されている直列接続
部分イでは並列接続部分ロに比して（１本の発熱
素子２当たり）４倍の発熱量を得ることができる
ので、巻き胴１の周方向では第７図に示すような
温度分布となる。第７図でも第１図に示す発熱素
子２の取り付けられている箇所ａ〜ｈを横軸にと
つてある。したがつて、第６図に示すように巻き
胴１と髪押え板３との間に毛髪を挟んで発熱素子
２で毛髪を加熱してカールを施す場合、髪押え板
３の箇所での温度低下を補償でき、あるいは十分
な熱を供給でき、効率的且つ効果的にカールでき
るのである。又、巻き胴１の表面には発熱素子２
よりも高い突起４を突設して髪押え板３に当接す
るようにしてあるので、第１図及び第６図に示す
ように突起４が髪押え板３の内面に当接して髪押
え板３が発熱素子２に当接するのを防止でき、発
熱素子２の熱が髪押え板３を通して放熱し、温度
が低下するのを防止できるようになつている。

第８図乃至第１０図に示すものは本発明の他例
である。ヒータ１１は第９図及び第１０図に示す
ように複数本の発熱素子２を連結片１２で直列に
接続したものであり、第９図に示すように発熱素
子２間の間隔が小さくて密接した部分ハと発熱素
子２間の間隔が広くなつた部分ニとが形成されて
いる。しかして、このヒータ１１は、発熱素子２
が密接した部分ハが髪押え板３と対向する箇所に
配設され、発熱素子２間が広くなつた部分ニがそ
れ以外の箇所に配設されている。従つて、巻き胴
１の外面の溝８も発熱素子２の間隔に合わせて設
けてあるのは当然である。しかして、髪押え板３
の箇所では発熱素子２間のピツチが小さくて密集
しているので単位面積当たりの発熱量が大きくな
つている。

第１１図乃至第１３図に示すものは本発明の更
に他例である。ヒータ１１は第１２図及び第１３
図に示すように複数本の発熱素子２を連結片１２
で直列に接続したものであり、第１２図に示すよ
うに発熱素子２には幅の狭い発熱素子２ａと幅の
広い発熱素子２ｂとが用いられており、幅の狭い
発熱素子２ａの部分ホでは間隔が小さくて密接し
ており、幅の広い発熱素子２ｂの部分ヘでは間隔
が広くなつている。しかして、このヒータ１１
は、ピツチが小さくて幅の狭い発熱素子２ａの部
分ホが髪押え板３と対向する箇所に配設され、ピ
ツチが大きくて幅の広い発熱素子２ｂの部分ヘが
それ以外の箇所に配設されている。しかして、髪
押え板３の箇所では発熱素子２間のピツチが小さ
くて密集しているので単位面積当たりの発熱量が
一層大きくなつている。

〔発明の効果〕

本発明は、叙述のごとく最も大きなカール力を
発揮できる箇所である髪押え板と対向する箇所に
配設された発熱素子の発熱量を他の箇所に配設さ
れた発熱素子の発熱量よりも大きくしたので、髪
押え板からの放熱にも拘わらず髪押え板の設けら
れている箇所での温度低下を防止でき、あるいは
髪押え板と対向する箇所の発熱素子の発熱量を一
層大きくすることでこの箇所に集中的に熱を供給
でき、毛髪に効率的なカール付けを行え、ヘアー
カール器のカール力を大きくすることができると
いう利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す断面図、第２
図は同上のヘアーカール器の全体斜視図、第３図
は同上のアタツチメントの分解斜視図、第４図は
同上のヒータの展開図、第５図は同上の回路図、
第６図は同上の使用状態説明図、第７図は同上の
巻き胴周囲の温度分布を示すグラフ、第８図は本
発明の他例を示す断面図、第９図は同上のヒータ
の展開図、第１０図は同上の回路図、第１１図は
本発明の更に他例を示す断面図、第１２図は同上
のヒータの展開図、第１３図は同上の回路図、第
１４図は従来例のハウジング部分の断面図、第１
５図は同上のアタツチメント部分の側面図、第１
６図は第１５図のＸ−Ｘ断面図、第１７図は同上
の従来例に改良を加えたものの断面図、第１８図
は同上の巻き胴周囲の温度分布を示すグラフであ
り、１は巻き胴、２は発熱素子、３は髪押え板で
ある。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 巻き胴の外周表面に周方向に沿つて複数の発
   熱素子を配列し、前記巻き胴の一部に対向させて
   髪押え板を設けたヘアーカール器において、前記
   髪押え板と対向する箇所に配設された発熱素子の
   発熱量を他の箇所に配設された発熱素子の発熱量
   よりも大きくして成ることを特徴とするヘアーカ
   ール器。 ２ 前記複数の発熱素子の接続を直列と並列との
   組み合わせで構成し、前記髪押え板と対向する箇
   所に発熱素子の直列接続部分を設け、他の箇所に
   発熱素子の並列接続部分を設けて成ることを特徴
   とする特許請求の範囲第１項記載のヘアーカール
   器。 ３ 髪押え板と対向する箇所における発熱素子間
   のピツチを他の箇所における発熱素子間のピツチ
   よりも小さくして成ることを特徴とする特許請求
   の範囲第１項記載のヘアーカール器。 ４ 各発熱素子を抵抗体により細長状に形成し、
   髪押え板と対向する箇所における発熱素子の巾を
   他の箇所における発熱素子の巾よりも細くして成
   ることを特徴とする特許請求の範囲第３項記載の
   ヘアーカール器。 ５ 巻き胴の髪押え板と対向する箇所に発熱素子
   よりも高く突出した突起を形成して成ることを特
   徴とする特許請求の範囲第１項記載のヘアーカー
   ル器。