JPH0472167A - 果実包装用トレイとその成形方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、特に、桃や洋梨などの傷み易い果実類を個々
に保護する包装用トレイとその成形方法に関するもので
ある。

「従来の技術」 従来から一般に広く使用されている包装用トレイは、多
少の構造上の相違を有するが、第６図Ａに示す如く、合
成樹脂材料により一体成形されるトレイ本体１に複数の
凹部２を形成して、該トレイ本体１の各凹部２内に桃や
洋梨などの果実類を入れて、トレイ本体１を段ボール箱
に収納すれば、これにより、段ボール箱内で果実類を個
々に独立して保護できる構成となっている。

しかし、近年は、交通・輸送機関等の発達により、果実
類をも盛んに長距離輸送の対象としているので、斯る長
距離輸送中に、果実類が傷まずにその鮮度を維持するこ
とが要求されているが、上記従来の包装用トレイにあっ
ては、通気性と結露水の排除において問題点を有すると
されている。

この為、例えば実開昭６０−３５０８３号公報や実開昭
６１−３２０７５号公報に示す改良型トレイが提供され
ている。

即ち、この改良型トレイは、第６図Ｂに示す如く、トレ
イ本体１の表面部や各凹部２の底面部等に所望大の通孔
３を穿設して、該姦通孔３による通気性の確保と結露水
の排除を可能とすることにより、長距離輸送時における
果実類Ｆの鮮度を維持できる構成となしたものである。

しかも、いままでの包装用トレイは、保形性の要請の下
から、スチレン系樹脂の如き硬質な合成樹脂材料で成形
されている関係で、該硬質トレイに対しては、後加工が
要求される問題点を有するとしても、針の付いたローラ
ーを使用したり、加熱溶融したり或いはパンチング等の
穿孔手段によって、トレイ本体１の表面部や凹部２の底
面部等に通孔３を簡単に穿設することが可能となる。

従って、近年においては、上記従来のトレイに代わって
、通孔３が穿設された改良型の包装用トレイが使用され
る傾向にある。

「発明が解決しようとする課題」 然し乍ら、斯る改良型トレイにあっては、確かに、通孔
３の存在により、通気性の確保と結露水の排除を可能と
して、果実類Ｆの鮮度をかなりの時間に亘り維持できる
こととなるが、基本的には、硬質な合成樹脂材料で成形
されている関係で、例え形状的な工夫を色々施したとし
ても、トレイ自体の硬度により、凹部２内に入れられて
いる果実類Ｆを傷つけてしまう問題点は依然として有す
ることとなる。

そこで、最近は、発泡ポリエチレンの如き軟質な合成樹
脂材料で成形された薄肉の弾性に富んだ軟質トレイが提
供されている。

従って、この薄肉の軟質トレイは、上記硬質トレイと比
較すると、それ自体で果実類Ｆを傷める心配は解消され
る利点を有するが、今度は、硬質トレイに対して行なわ
れていた上記穿孔手段では。

トレイ本体１の表面部や凹部２の底面部等に通孔３を簡
単に穿設することができないので、現状においては、通
孔が穿設されていない包装用トレイとしてのみ使用され
ている。

この為、当該分野においては、薄肉の弾性に富んだ軟質
トレイであっても、通気性の確保と結露水の排除を可能
とする通孔を有するものが強く熱望されている。

而して、本発明は、斯る要請に十分に応えることのでき
る新規果実包装用トレイとその成形方法を提供せんとす
るものである。

「課題を解決するための手段」 上記目的を達成するために、本発明は、果実類を入れる
複数の凹部を有する合成樹脂製の軟質トレイを前提とし
て、上記各凹部の底面適所に、任意数の漏斗状通孔を穿
設して、該各漏斗状通孔の外側孔縁に、下方に向かって
突出する弾性壁を連続して形成した果実包装用トレイを
提供する。

又、本発明は、所定の成形型を使用して、合成樹脂製の
シート素材から、果実類を入れる複数の凹部を有する軟
質トレイを成形する方法を前提として、上記成形型のキ
ャビティ底面に任意数の吸込口を設けて、軟質トレイに
対する形状付与と同時に、該各吸込口からの空気の吸い
込みによる真空圧で、上記各凹部の対応する底面に、外
側孔縁に下方に向かって突出する弾性壁を有する漏斗状
通孔を瞬時に穿設する成形方法を提供する。

更に、本発明は、成形型のキャビティ底面に任意数の吸
込口を形成すると共に、該各吸込口の上方に対応する圧
縮空気の吹出口を移動可能に設けて、軟質トレイに対す
る形状付与と同時に、該冬空気吹出口から吹き出された
圧縮空気の空気圧で、上記各凹部の対応する底面に、外
側孔縁に下方に向かって突出する弾性壁を有する漏斗状
通孔を瞬時に穿設する成形方法を提供する。

「作用」 依って、本発明の成形方法にあっては、例え薄肉の弾性
に富んだ軟質トレイであっても、今まで考えられなかっ
た真空圧や空気圧を利用することにより、軟質トレイに
対する形状付与と同時に、各凹部の底面適所に任意数の
通孔を瞬時に穿設することが可能となるので、硬質トレ
イに対して行なわれていた穿孔手段を用いずとも、軟質
トレイに対して、極めて簡単に通気性の確保と結露水の
排除を可能とする通孔を穿設できることとなる。

又、斯る真空圧や空気圧により瞬時に穿設された通孔は
、その開口形状が自動的に漏斗状となるばかりか、該漏
斗状通孔の外側孔縁に下方に突出する弾性壁が連続して
形成されることとなるので、漏斗形状の案内作用で、結
露水を効率良く回収して凹部外に排水できると共に、弾
性壁の存在により、果実類に対するクツション効果とト
レイ自体の滑り止め効果をも併せて発揮できることとな
る。

「実施例」 以下、本発明を図示する実施例に基づいて詳述すれば、
該実施例に係る果実包装用トレイも、具体的には図示し
ないが、発泡ポリエチレンの如き軟質な合成樹脂材料で
一体成形される薄肉の弾性に富んだ軟質トレイであって
、トレイ本体１に複数の凹部２を形成し、少なくとも、
該各回部２の底面に通孔を穿設することを前提とするも
のであるが、特徴とするところは、第１図に示す如く、
各凹部２の底面適所に、任意数の漏斗状通孔１゜を穿設
して、該各漏斗状通孔１０の外側孔縁に、下方に向かっ
て突出する環状の弾性壁１１を連続して形成する構成と
なした点にある。

そして、斯る漏斗状通孔１０と弾性壁１１を備える軟質
トレイを成形する場合には、以下の方法により行なうも
のとする。

まず、実施例に係る成形方法を説明する前に、通常行な
われている薄肉軟質トレイの成形方法について簡単に説
明すると、雌型のみを使用する場合と、雌雄両型を使用
する場合の２通りが考えられるが、いずれの場合でも、
雌型のキャビティ底面に複数の吸込口を設けて、該各吸
込口からの空気の吸引力を利用して、加熱されたシート
素材を雌型のキャビテイ面に強制的に密着させて、後は
、必要に応じて雄型の加圧等を得て冷却することにより
、キャビティの形状から得られる複数の凹部２をトレイ
本体１に連続して付与している。

従って、従来の成形方法においては、例え真空成形法を
利用したものであるとしても、雌型のキャビティに設け
られた各吸込口は、あくまでも、シート状素材をキャビ
テイ面に強制的に密着させるためにのみ使用されていた
ので、その内径自体も約０．５〜１閣程度の極めて小さ
なものであった。

そこで、本発明の第一実施例に係る成形方法は、斯る従
来の成形方法を新しい着想の下で更に発展させたもので
、第２図に示す如く、上記雌型２１のキャビティ２３の
底面に設けられる吸込口２４を可能な限り大径となし、
真空度を積極的に高めて、上記トレイ本体１に対する形
状付与と同時に。

該各吸込口２４からの空気の吸い込みによる真空圧で、
各凹部２の対応する底面を瞬時に引き切ることにより、
凹部２の底面に任意数の通孔１０を簡単に穿設できるよ
うに構成したものである。

従って、この真空圧により引き切られた通孔１０は、第
１図に示す如く、外側孔縁に下方に向かって突出する弾
性壁１１を連続して有する漏斗形状を呈することとなる
。

尚、この第一実施例の成形方法にあっては、第３図Ａに
示す如く、吸込口２４の内側縁に漏斗状又は半円状の窪
み部２４ａを画成して、シート状素材の冷えを防ぎなが
ら、該シート状素材の吸引案内と離型を容易とするよう
に構成したり、同図Ｂに示す如く、雌型２１の底部側に
逆向きの漏斗状部２４ｂを形成して、吸引空気の流速を
速めながら、瞬時に凹部２の底部を引き切ることができ
るように構成するか、同図Ｃに示す如く、各吸込口２４
内の中心位置に針２５を設けて、吸引空気の流速を速め
ながら、針２５の補助穿孔作用で、通孔１ｏを確実に開
けられるように構成するか、或いは、同図りに示す如く
、従来の密着用の小径な吸込口２４′とは別に、穿孔用
の大径な吸込口２４を独立して設けるように構成するこ
とも実施に応じ任意である。

又、雄型２２を使用する場合には、同図Ｅに示す如く、
雄型２２側に針２５を設けて、謀計２５の補助穿孔作用
で、通孔１０を確実に開けられるように構成するか、或
いは、同図Ｆに示す如く、雄型２２側に吸込口２４と対
応する凸部２６を設けて、該凸部２６の押圧作用で、シ
ート状素材を薄くすると同時に、空気の漏れを防ぐこと
により、容易に引き切れるように構成することも実施に
応じ任意である。

次に、第二実施例に係る成形方法を説明すると、第二実
施例の成形方法は、第４図に示す如く、各吸込口２４の
上方にノズル等からなる圧縮空気の吹出口（図示せず）
を上下移動可能に設けて、軟質トレイに対する形状付与
と同時に、該冬空気吹出口から吹き出された圧縮空気の
空気圧で、各凹部２の対応する底面を瞬時に押し切るこ
とにより、凹部２の底面に通孔１０を穿設するように構
成したものである。

従って、この空気圧により押し切られた通孔１０も、真
空圧で引き切られたものと同様に、外側孔縁に下方に向
かって突出する弾性壁１１を連続して有する漏斗形状を
呈することとなる。

尚、この場合にあって、雌型２１側に設けられる空気の
吸込口２４は、単なる開口であっても良いし、第一実施
例と同様な真空用の吸込口２４であっても良いが、真空
用の吸込口２４となせば。

空気圧と真空圧の両方を積極的に利用して、通孔１０を
更に瞬時に穿設することが可能となる。

又、第二実施例の成形方法において、雄型２２を使用す
る場合には、第５図に示す如く、雄型２２側に圧縮空気
の吹出口２７を設けて、雌雄両型２１・２２の加圧と同
時に、空気圧により押し切って、所定の通孔１０を穿設
するように構成することも実施に応じ任意である。

尚、斯る空気圧で通孔１０を穿設する場合であっても、
前記した針を付設して、謀計の補助穿孔作用を利用する
ように構成することも可能である。

更に、第一・第二実施例の成形方法にあっても、雌型２
１側に設けられる吸込口２４の口縁にテフロン加工等の
表面加工を施して、シート状素材と吸込口２４の口縁と
の滑りを良好となして、シート状素材が冷える前に、通
孔１０を速やかに穿設できると同時に、迅速な離型をも
可能とするように構成することも可能である。

従って、前者の真空圧を利用する方法で軟質トレイを成
形しても、空気圧を利用する方法で軟質トレイを成形し
ても、各トレイ本体１に形成される各凹部２の底面には
、外側孔縁に下方に向かって突出する弾性壁１１を連続
して有する漏斗状通孔１０が確実に穿設されることとな
るので、斯る構成の包装用トレイを使用すれば、上記通
孔１゜の漏斗形状の案内作用で、結露水を効率良く回収
して下方に排水することができると共に、弾性壁１１の
存在により、クツション効果を発揮して、輸送中の振動
等を効率良く吸収したり、段ボール箱の底部Ｂとの関係
においては、トレイ自体の滑り止め効果をも期待できる
こととなるので、輸送中に不測の振動等が加わっても、
トレイ自体が不用意に移動したり変形したりする心配が
なくなるので、果実類同士がぶつかり合って傷つき、商
品価値を低下させる心配も全くなくなる。

更に、凹部２の底面に漏斗状の通孔１ｏを穿設すること
は、該各漏斗状通孔１ｏの存在により、凹部２内で果実
類が回転することを併せて防止できる利点もある。

「発明の効果」 以上の如く、本発明の成形方法は、上記構成の採用によ
り、軟質トレイに対しても、通気性の確保と結露水の排
除を可能とする通孔を簡単に穿設することが可能となる
ばかりか、従来の如く、トレイの成形後に後から通孔を
穿設する必要がなくなるので、成形加工の簡素化にも大
いに貢献できることとなる。

又、斯る成形方法により成形された軟質トレイの凹部底
面には、外側孔縁に下方に向かって突出する弾性壁を有
する漏斗状通孔が自動的に穿設されることとなるので、
従来の硬質トレイに穿設された通孔と異なり、漏斗形状
の作用で、結露水を効率良く回収して下方に排水するこ
とができると共に、弾性壁の存在により、果実類に対す
るクツション効果とトレイ自体の滑り止め効果が得られ
ることとなるので、通気性の確保と結露水の排除を可能
として、果実類の鮮度をかなりの時間に亘り維持できる
以外にも、果実類の包装保護状態を一層良好となすこと
が可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例に係る果実包装用トレイの凹部
底面に穿設された通孔を示す要部拡大断面図、第２図は
第一実施例の成形方法を示す説明図、第３図Ａ乃至Ｆは
第一実施例の成形方法の変形例を示す説明図、第４図は
第二実施例の成形方法を示す説明図、第５図は第二実施
例の成形方法の変形例を示す説明図、第６図Ａは従来の
果実包装用トレイの一例を示す全体斜視図、同図Ｂは改
良型トレイを示す要部拡大断面図である。 １・・・・トレイ本体、２・・・凹部、１０・・・漏斗
状通孔、１１・・・弾性壁、２１・・・雌型（成形型）
、２２・・・雄型、２３・・・キャビティ、２４・・・
吸込口、２７・・・吹出口、Ｆ・・・果実類。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. （１）果実類を入れる複数の凹部を有する合成樹脂製の
   軟質トレイにおいて、 上記各凹部の底面適所に、任意数の漏斗状通孔を穿設し
   て、該各漏斗状通孔の外側孔縁に、下方に向かって突出
   する弾性壁を連続して形成したことを特徴とする果実包
   装用トレイ。
2. （２）所定の成形型を使用して、合成樹脂製のシート素
   材から、果実類を入れる複数の凹部を有する軟質トレイ
   を成形する方法において、 上記成形型のキャビティ底面に任意数の吸込口を設けて
   、軟質トレイに対する形状付与と同時に、該各吸込口か
   らの空気の吸い込みによる真空圧で、上記各凹部の対応
   する底面に、外側孔縁に下方に向かって突出する弾性壁
   を有する漏斗状通孔を瞬時に穿設するように構成したこ
   とを特徴とする果実包装用トレイの成形方法。
3. （３）所定の成形型を使用して、合成樹脂製のシート素
   材から、果実類を入れる複数の凹部を有する軟質トレイ
   を成形する方法において、 上記成形型のキャビティ底面に任意数の吸込口を形成す
   ると共に、該各吸込口の上方に対応する圧縮空気の吹出
   口を移動可能に設けて、軟質トレイに対する形状付与と
   同時に、該各空気吹出口から吹き出された圧縮空気の空
   気圧で、上記各凹部の対応する底面に、外側孔縁に下方
   に向かって突出する弾性壁を有する漏斗状通孔を瞬時に
   穿設するように構成したことを特徴とする果実包装用ト
   レイの成形方法。