JPH0471830A - 超高分子量ポリエチレンの成形方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は溶融粘度が高く、耐摩耗性、耐衝撃性に優れ、
かつ摩擦係数の小さい超高分子量ポリエチレンの成形方
法に関し、詳しくは、超高分子量ポリエチレン粉末から
簡単な方法で、緻密な超高分子量ポリエチレンの成形体
、特に厚内の成形体を容易に得ることができる方法に関
する。

［従来技術］ 超高分子量ポリエチレンは耐摩耗性に優れ、各種物体と
の界面における摩擦係数が小さいことから、各種摺動部
品やホッパーの内貼り、あるいはスラリーや粉体の移送
用パイプ等に利用されている。

しかし、超高分子量ポリエチレンは溶融粘度が非常に高
いために、緻密な超高分子量ポリエチレンからなる厚内
成形体や任意形状の円筒体、任意厚さのシートを精度よ
く製造することが難しいか、大規模な装置を必要とし、
上述のような利用価値があるにも拘らず充分な対応がな
されていないのが現状である。

例えば、緻密で均質な超高分子量ポリエチレン製シート
またはフィルムは、通例厚肉円筒体（インゴット）から
スカイブして製造されており、該厚肉円筒体（インゴッ
ト）は、ラム押出成形法、プレス成形法、鍛造成形法ま
たは焼結成形法等で製造されている。

しかし、上記いずれの成形法も製造設備が大規模化し、
油圧設備等に美大な投資を必要とするため、より簡便な
成形法が要求されいる。

また、上記の成形法はスラリー移送用バイブ等に利用さ
れる比較的薄肉の円筒体を製造するのには不適であり、
しかも多品種の成形品を得るには膨大な設備が必要とな
り、対応しきれないのが現状である。

［発明が解決しようとする課題］ 本発明は従来の上記課題を解消するためになされたもの
で、その目的とするところは、超高分子量ポリエチレン
粉末から緻密な超高分子量ポリエチレン製円筒体、バイ
ブ、チーズ、容器等の成形体、あるいは前記厚肉成形体
等の比較的薄肉から厚肉の成形体に加工したときでも機
械的強度がよい、均質な成形体や少量多品種の成形品を
容易に、簡単な設備で製造することが可能な成形方法を
提供するものである。

［課題を解決するための手段］ 本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、
先ず超高分子量ポリエチレン粉末をその融点以下または
融点以上で加圧成形してなる一次成形体を作成し、さら
にその成形体を超高分子量ポリエチレン自らの熱膨張に
よる加圧力を利用し、かつ真空中で溶融緻密化すること
により非常に緻密で、均質な超高分子量ポリエチレン成
形体を容易に得ることができることを見出し、本発明に
到達した。

すなわち本発明は、超高分子量ポリエチレン粉末を該超
高分子量ポリエチレンの融点以下または融点以上の温度
で加圧成形してなる一次成形体を、複数積層し、該超高
分子量ポリエチレンの熱膨張を規制して、真空中で溶融
緻密化することを特徴とする超高分子量ポリエチレンの
成形方法である。

本発明で用いられる超高分子量ポリエチレンは、分子量
が約１００万以上のポリエチレン単独重合体、エチレン
と少量のα−オレフィン、例えばプロピレン、ブテン−
１、ヘキセン−１，４−メチル・ペンテン−１、オクテ
ン−１等との共重合体であるエチレン−α−オレフィン
共重合体等であって、１３５℃デカリン溶液における極
限粘度が８ｄｌ／ｇ以上のものであると耐摩耗性、耐衝
撃性に優れているので好ましい。

本発明に使用される超高分子量ポリエチレン粉体の粒径
（平均粒径）としては、３００μ量以下、好ましくは１
００μ冒以下、更に望ましくは５０μｍ以下が好ましい
。

また本発明の一次成形体の製造方法としては、超高分子
量ポリエチレン粉体を熱プレス等でシート等の一次成形
体を成形してもよいが、後述の第１図に示すような連続
装置で行われることが好ましい。

また該一次成形体は必ずしも均質な成形体である必要は
なく、固相状態で密着した疑似シート状態でもよい。し
たがって、加圧成形して得られる一次成形体の成形温度
は超高分子量ポリエチレンの融点以下または以上、一般
的には１３０〜２００℃、望ましくは１３５〜１８０℃
の範囲で選択される。

また圧力は、高い方が好ましいものの、後述の連続装置
を用いる場合は摺動等を考慮し、通常１０〜１５０Ｋｇ
／ｃｍ２−　Ｇの範囲で選択される。

必要により、上記で成形された一次成形体を更に圧延お
よび／または延伸により該一次成形体を更に緻密化させ
てもよい。この時の圧延および／または延伸倍率は、１
．１〜２倍位が一般的である。またアニーリング工程を
含めて行う場合もある。このようにして得られる一次成
形体の厚みは通例１００μｓ〜３−一、望ましくは１５
０μ−〜２ａｍの範囲で選択される。上記厚みが１００
μｍ未満では厚肉成形体を製造する際に積層する成形体
の枚数が多くなり、効率が悪い。また３■を超えるもの
は、固相状態で密着した疑似シート状態の一次成形体を
製造する際の成形効率が悪く、機械的強度等の製品物性
が低下する虞を生じる。

このようにして得られた一次成形体は複数層積層または
巻回され、上述のように、超高分子量ポリエチレンの熱
膨張を規制するために、例えば超高分子量ポリエチレン
よりも小さな熱膨張係数を有する材料で被覆する方法、
あるいは雌雄の金型を利用し、雌金型内に帯状体または
シートを複数層重ね、雄金型を嵌合セットして成形する
方法等が採られる。

該超高分子量ポリエチレンよりも小さな熱膨張係数を有
する材料としては、ガラス繊維、炭素繊維、スチール繊
維、アルミナ繊維、アラミド繊維等の無機、金属、有機
繊維を織成もしくは複合化した織布またはシート等が挙
げられ、具体的には、ガラスクロス、アラミド織布、金
属箔もしくはテープ等が好ましい。また上記材料は通気
性を有するものであると特に好ましい。

また金型としては鋳鉄、鋼、銅、黄銅、アルミニウム、
ニッケル等の金属、四フッ化エチレン樹脂等の合成樹脂
あるいはそれらを複合した材料等が挙げられる。

このようにセットされた一次成形体は、真空状態で溶融
緻密化される。

上記加熱時の雰囲気は真空中で行われ、真空度が高い方
が短時間で充分に脱気されるので望ましく、絶対圧力４
００ａｖＨｇ以下の状態が好ましい。雰囲気を真空にす
る手段も特に制限されず、加熱手段の付いた真空容器等
が一般に使用される。また、雰囲気を真空状態にするの
は加熱の前または後、あるいは同時であってもよい。

また、上記加熱温度は超高分子量ポリエチレンの融点以
上で熱分解しない範囲の温度であれば良いが、加熱時の
熱劣化を考慮すると融点以上〜２５０℃、特に融点以上
〜２００℃で加熱することが好ましい。加熱方法も特に
制限はなく、芯体の内部で加熱媒体を循環させる方法、
バンドヒーター、高周波加熱手段等で外部から加熱する
方法等の一般的な方法が採用される。

さらに、真空中における加熱時間も、金型の形状、耐熱
性芯体の大きさ、超高分子量ポリエチレン帯状体等−次
成形体の積層数、巻回数、耐熱性材料の巻回張力等によ
って異なるが、超高分子量ポリエチレンを溶融緻密化す
るのに充分であれば良い。

以上の本発明の製造法によると、ストレートや異形のパ
イプ、チーズ、エルボ等の継手、円筒状容器等の薄肉か
ら厚肉まで種々の超高分子量ポリエチレンの緻密な成形
体を超高分子量ポリエチレン粉末から簡便な装置で連続
的にかつ容易に製造できる。

以下、本発明の製造法の一例であるパイプの例を図面を
参照しながら具体的に詳述する。

第１図は本発明に係る超高分子量ポリエチレン帯状体の
製造装置の一例を示す概略側面図であり、第２図は本発
明に係る溶融緻密化装置の一例を示す概略図である。

第１図および第２図において、１は超高分子量ポリエチ
レン粉末、２はホッパー　３は連続プレス機、４ａ、４
ｂは循環スチールベルト、５ａ。

５ｂ、５ｃ、５ｄは駆動ローラー　６ａ、６ｂは循環ロ
ーラーベルト、７ａ、７ｂは加熱プレス板、８は超高分
子量ポリエチレン帯状体、９ａ、９ｂは圧延ロール、１
０　ａ、　　１０　ｂ、　　１０　ｃ、　　１０　ｄは
延伸ロール、１１は巻回機、１２は耐熱性芯体、１３は
ガラスクロス、１４は真空容器、１５は真空ポンプ、１
６は冷却器、１７は熱電器、１８は真空メーター　１９
は温度メーター　２０は加熱媒体を示す。

第１図において、ホッパー２に充填された超高分子量ポ
リエチレン粉体１は、該ホッパー２がらナイフエッヂ等
により一定の厚みに均されながら循環走行する連続プレ
ス機３のスチールベルト４ｂ上に供給され、ついでロー
ラー５ａ、５ｂ間に搬送され、更にローラーベルト６ａ
、６ｂ間で加熱プレス板７ａ、７ｂで超高分子量ポリエ
チレンの融点以下または融点以上の温度で押圧されて、
疑似シート８°化される。そしてさらに必要により、加
圧ロール９ａ、９ｂで圧延および／または延伸ロール１
０ａ、１０ｂ、１０ｃ、１０ｄで延伸されて、ソリッド
状の帯状体８とされて巻回機１１により、巻取り巻反化
される。

上記巻反化された帯状体８は、予めテフロンコーティン
グされた内部に加熱媒体を循環しうる加熱機構を具備し
た耐熱性芯体１２に所定厚さに巻回して円筒体とし、そ
の外部を更にガラスクロス１３等の超高分子量ポリエチ
レンより熱膨張の小さい材料で巻締める。

上記帯状体８は広幅でも細幅でもいずれでもよく、所望
の円筒体の寸法等によって選択される。

帯状体８の巻回方法も特に限定されず、できるだけ隙間
が生じないように巻回することが望ましい。

例えば、所望の円筒体の長さと略同幅の広幅帯状体をロ
ール状に巻回してもよい。また、それより細幅の帯状体
をその端面が突き合わさるように複数本のロール状に巻
回しても、あるいはラップさせながらスパイラル状に巻
回してもよい。なお、上記超高分子量ポリエチレン帯状
体の巻回工程を、先の帯状体製造工程とオンラインで連
続的に行なうと製造効率が良く好ましいか、もちろん各
々別ラインで行なってもよい。

続いて、このように耐熱性芯体１２に巻回した超高分子
量ポリエチレン帯状体８の外周に、超高分子量ポリエチ
レンよりも熱膨張係数の小さい耐熱性材料を巻回し、該
材料の両端末を固定する。

その巻回並びに固定方法も特に制限されず、該材料が後
述する加熱時の超高分子量ポリエチレンの熱膨張に耐え
て、超高分子量ポリエチレンを充分に加圧できればよい
。またさらに、上記材料の外周にスチールバンドを巻回
したり、パイプ材に嵌合させる等して補強してもよい。

次に、上述のごとく耐熱性芯体１２に超高分子量ポリエ
チレン帯状体８とそれより熱膨張係数の小さい耐熱性材
料であるガラスクロス１３を巻回したものを、第２図に
示す溶融緻密化装置を用い、真空容器１４に充填密閉し
た後、真空ポンプ１５で所定の圧力に減圧する。一方芯
体１２内部の加熱媒体２０は熱電器１７により超高分子
量ポリエチレンの融点以上に加熱され、その加熱媒体２
０により超高分子量ポリエチレン帯状体８は溶融加熱さ
れて溶融緻密化され、その後冷却して、製品とするもの
である。

なお、本発明においては、その要旨を逸脱しない範囲に
おいて、高、中、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン
、ポリアミド、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化
ビニル等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹
脂等の熱硬化性樹脂、合成ゴム、無機・有機充填剤、酸
化防止剤、紫外線吸収剤、架橋剤、染料、帯電防止剤、
顔料等の通例の添加剤等を超高分子量ポリエチレンに適
宜配合しても差し支えない。

［作　用］ 本発明においては、超高分子量ポリエチレン粉体から固
相状態においても容易に緻密な成形体が製造できる。

すなわち、本発明においては、超高分子量ポリエチレン
自らの熱膨張を利用し、例えば耐熱性芯体と超高分子量
ポリエチレンよりも小さな熱膨張係数を有する材料で超
高分子量ポリエチレンの熱膨張を規制することにより加
圧状態となり、かつ周囲の雰囲気が真空であるために内
部の空気が各帯状体間等から効率よくほぼ完全に抜ける
ため、複雑な超高分子量ポリエチレン成形体であっても
充分に溶融緻密化される。

［実施例］ 以下、実施例をより詳細に説明する。

実施例１ 第１図に示す装置を用いて、帯状体（厚み１．１ｍｍ、
幅１００ｍｍ）を製造し、該帯状体を鋼製の耐熱性芯体
にロール状に巻回し、更に、ガラスクロスを巻き付けて
固定した後、第２図に示す装置を用いて、以下の条件で
厚肉円筒体を製造した。得られた厚肉円筒体から試験片
を作成し、その物性を測定し、その結果を示した。

〔使用樹脂〕

超高分子量ポリエチレン：１３５℃デカリン溶液におけ
る極限粘度が１６．５ｄｌ／ｇ　（分子量２５０万）の
超高分子量ポリエチレン粉末（融点＝１３６℃、粒径５
０μｍ１商品名：タフタレックス、日本石油化学■製） 〔成形条件〕 帯状体の製造 加熱プレス板：温度　１３０℃ 圧力　６Ｋｇ／ｃｍ２−Ｇ 走行速度　　：　１０００ｍｍ／ｍ　ｉ　ｎ。

厚肉円筒体の製造 真空度　　　：４００ｍｍＨｇ 加熱媒体温度：１７０℃ 円筒体二内径１２０ｍｍｘ外径３２０　ｍ　ｍ　ｘ長さ
５００ｍｍ 上記円筒体から試験片を作成し、従来のスカイブシート
と比較した（試験法：　ＡＳＴＭ　Ｄ　６３ｇ準拠）。

本発明 参考例 引張強度：破断点（Ｋｇ／ｃｍ２）　５００　　４２０
破断伸び（％）　　　　　　　　２２０　　４２０実施
例２ 実施例１と同様の条件で厚み３ｍｍ長さ×５００ｍｍの
パイプを製造した。その物性は以下の通りであった。

引張強度：降伏点（Ｋｇ／ｃｍ２）　　２３０引張強度
：破断点（Ｋｇ／ｃａｂ２）　　４４０破断伸び（％）
　　　　　　　４４０ ［発明の効果コ 本発明においては、超高分子量ポリエチレン粉体から固
相状態で密着した疑似シート状態の一次成形体において
も容易に緻密な成形体が製造できる。

すなわち、本発明においては、超高分子量ポリエチレン
自らの熱膨張を利用し、例えば耐熱性芯体と超高分子量
ポリエチレンよりも小さな熱膨張係数を有する材料で超
高分子量ポリエチレンの熱膨張を規制することにより加
圧状態となり、かつ周囲の雰囲気が真空であるために内
部の空気が各帯状体間等から効率よくほぼ完全に抜ける
ため、複雑な超高分子量ポリエチレン成形体であっても
充分に溶融緻密化される。

また、本発明の製造法によると、優れた物性を有する緻
密な超高分子量ポリエチレン成形体を超高分子量ポリエ
チレン粉末から非常に簡単な装置で連続的かつ容易に得
ることが可能となる。

しかも、本発明の製造法では種々の寸法並びに形状の成
形体を簡易に製造することができる。

例えば、充分緻密な厚肉円筒体（インゴット）等を容易
に得ることができ、それから得られるスカイブシートも
従来の緻密な超高分子量ポリエチレンスカイブシートと
同様の物性を有している。

また、本発明の製造法によれば、スラリー移送用パイプ
等の非常に緻密な超高分子量ポリエチレン製薄肉円筒体
を容易に得ることも可能である。

また、本発明では、使用する超高分子量ポリエチレン帯
状体を特に緻密にする必要はなく、従って、帯状体の製
造は簡便で安価な加圧成形機で行なえる。さらに、本発
明で用いる溶融緻密化装置も非常に簡便なものである。

従って、本発明の製造法に必要な加圧成形機、溶融緻密
化装置等の設備はいずれも製造および運転が容易であり
、極めて安価である。

【図面の簡単な説明】 第１図は本発明に係る超高分子量ポリエチレン帯状体の
製造装置の一例を示す概略側面図であり、 第２図は本発明に係る溶融緻密化装置の一例を示す概略
図である。 １：超高分子量ポリエチレン粉末、２：ホッパ３：連続
プレス機、４ａ、４ｂ：循環スチールベルト、５ａ、５
ｂ、５ｃ、５ａ：駆動ローラ６ａ、６ｂ：循環ローラー
ベルト、７ａ。 ７ｂ：加熱プレス板、８：超高分子量ポリエチレン帯状
体、９ａ、９ｂ：圧延ロール、１０ａ。 １０ｂ、１０ｃ、１０ｄ：延伸ロール、１１：巻回機、
１２：耐熱性芯体、１３ニガラスクロス、１４：真空容
器、１５：真空ポンプ、】６．冷却器、１７：熱電器、
１８：真空メーター　１９：温度メーター　２０：加熱
媒体。 特許出願人　日本石油化学株式会社

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、超高分子量ポリエチレン粉末を該超高分子量ポリエ
   チレンの融点以下または融点以上の温度で加圧成形して
   なる一次成形体を、複数積層し、該超高分子量ポリエチ
   レンの熱膨張を規制して、真空中で溶融緻密化すること
   を特徴とする超高分子量ポリエチレンの成形方法。 ２、前記真空が絶対圧力４００ｍｍＨｇ以下である請求
   項１に記載の超高分子量ポリエチレンの成形方法。 ３、前記一次成形体が、２本の循環ベルト間で前記超高
   分子量ポリエチレン粉末を、該超高分子量ポリエチレン
   の融点以下または融点以上の温度で加圧成形する連続プ
   レス成形法によって得られる帯状体またはシートである
   請求項１または２に記載の超高分子量ポリエチレンの成
   形方法。