JPH0468461B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は流体装置用弁機構、特に車両用エンジ
ンのための燃料供給装置に用いられる切換弁に関
するものである。気化器を装備した車両用エンジ
ンは、車両の斜面走行時あるいは旋回時車両の燃
料タンク内の燃料の移動によりタンク内の燃料吸
込部が燃料から離れた場合でさえも、車両用エン
ジンへの一定の燃料流れを確保するように常時所
定量の燃料を収容する燃料フロートレベルスイツ
チ及びフロート室を有する。電子式燃料噴射装置
は車両用エンジンにおいて益々一般化してきてい
る。しかし、電子式燃料噴射装置を装備したエン
ジンはフロート室あるいはフロートを有していな
い。従つて、燃料吸込部が燃料タンク内の燃料か
ら離れると、吸込部は供給装置内へ空気を吸込ん
でエンジンを停止させることとなる。更に、これ
らの燃料噴射装置付エンジンの大部分は、燃料を
エンジンから燃料タンクへ戻す循環式燃料供給装
置を装備している。

燃料噴射式エンジンに現在用いられている従来
装置の１つは燃料タンク内にバツフル装置を配設
して、燃料吸込部が連通するタンクの部分内に燃
料を維持するようにしている。しかし、このバツ
フル装置は構造が相当複雑であり、このため非常
にコスト高となつている。

燃料噴射装置を使用している商業車のような車
両が二連燃料タンクを装備している場合には、情
況はより複雑となる。循環式燃料噴射装置におい
ては、エンジンに供給される燃料が吸出されたも
のと同じタンクへ燃料を戻すことが必要であるこ
とは明らかである。もし相当量の燃料が異なるタ
ンクへ戻された場合には、このタンクはオーバー
フローして、危険な結果を招くこととなり得る。

本発明は、フイルタ・リザーバ装置の一部分と
しての切換弁を提供するものである。この切換弁
は二連タンク式燃料供給装置内のタンクのいずれ
か一方からの燃料流れに応動して、燃料が吸出さ
れたものと同じタンクへ、戻し回路を通る燃料が
確実に連通されるようにしている。従つて、本発
明は、フイルタ・リザーバ装置への燃料の連通に
応動して、燃料が吸出されたものと同じタンクへ
戻し回路内の燃料を確実に戻す適切且つ低コスト
の切換弁を提供している。

本発明の上記及び他の特徴及び利点は、添付図
面を参照して行う実施例の下記説明から明白とな
るであろう。

第１図において、総括的に符号１０で示す単一
タンク式燃料供給装置は燃料タンク１２から車両
用エンジン１４へ燃料を供給する。燃料供給装置
１０は、総括的に符号１６で示す主又は燃料供給
回路と、総括的に符号１８で示す副又は燃料戻し
回路とを含む。燃料供給回路１６は、タンク１２
内の燃料をフイルタ・リザーバ装置のハウジング
２２の入口２０に連通させる第１部分１９を含
む。概略的に示されているポンプ２４はタンク１
２内に配設され、供給回路１６を経て燃料を圧送
する。ハウジング２２は燃料供給回路１６の第２
部分２８に連通する出口２６を含み、この第２部
分２８は高圧転送ポンプ３０の入口又は低圧側に
連通し、このポンプ３０の出口はエンジン１４の
インジエクタ（図示しない）に連通されている。
系統ドレーン３２がハウジング２２から燃料を排
出できるように設けられている。後述の説明から
明らかとなるように、ポンプ２４の燃料吐出量は
転送ポンプ３０の燃料吐出量よりも大きくなけれ
ばならず、その結果主又は燃料供給回路１６の部
分１９内での燃料流量はその部分２８内での流量
よりも大きい。

ハウジング２２は、エンジン１４をハウジング
２２に連結する燃料戻し回路の部分３６に連通す
る他の入口３４を更に含む。他の出口３８はハウ
ジング２２を戻し回路１８の部分４０に連結し、
この部分４０はハウジング２２を燃料タンク１２
に連通している。

ハウジング２２は、総括的に符号４４で示す回
転装着式フイルタカートリツジを受容するように
なつている雄ねじ付ステム４２を設けている。回
転装着式フイルタカートリツジ４４は、ねじ付板
４８によつて閉鎖された開口端部を有する中空キ
ヤニスタ４６を含む。ねじ付板４８はねじ付開口
を設けており、この開口はねじ付ステム４２上に
螺着できる。円周方向に延びたシール５０がねじ
付板４８上に支持され、ハウジング２２の一部分
に係合してカートリツジ４４とハウジング２２と
の間に流体密封連結部を形成する。フイルタペー
パの円周方向に列をなす半径方向にテーパ状のひ
だから成る普通のフイルタ媒体５２が、従来と同
様に、ねじ付板４８上に装着されている。閉鎖端
部キヤツプ５４がフイルタ媒体５２の端部を閉鎖
して、フイルタ媒体５２の上流側の入口室５６と
フイルタ媒体５２の下流側の出口室５８とにキヤ
ニスタ４６の内部を区分する。入口室５６は入口
２０に連通され、出口室５８はねじ付板４８の円
周方向に間隔を離れた開口６２を介して、ハウジ
ング２２内に形成されている円周方向に延びた空
所６０に連通されている。空所６０そして出口室
５８はハウジング２２の口２６，３４及び３８に
連通されると共に、ドレーン３２に連通されてい
る。

作動において、上述したように、燃料タンク１
２内のポンプ２４の吐出量は転送ポンプ３０の吐
出量よりも大きい。従つて、主又は燃料供給回路
１６の部分１９を通る燃料流量はその部分２８を
通る燃料流量よりも大きい。この燃料流量の差が
入口室５６、出口室５８及び空所６０を充填す
る。室５６，５８及び空所６０が充填された後、
ハウジング２２の入口２０に圧送されている余分
な燃料が、燃料戻し回路１８の部分３６を経て入
口３４に戻されている燃料と混合される。この混
合は空所６０内で行われ、それから燃料は戻し回
路１８の部分４０を経てタンク１２に戻される。
従つて、ハウジング２２及びフイルタカートリツ
ジ４４が燃料で満たされた時、部分４０を通る燃
料流量は、主又は燃料供給回路１６の部分２８内
の燃料流量を超えたその部分１９内の燃料流量の
差分だけ、戻し回路１８の部分３６内の燃料流量
を超えている。余分な燃料がエンジン１４へ流れ
ることなく燃料タンク１２へ直接戻されているた
め、戻し回路１８の部分３６を経て戻されている
燃料は、通常時、燃料供給回路１６の部分２８を
経てエンジンに連通されているタンク１２からの
燃料流れと混合されることは決してない。しか
し、タンク１２内の燃料吸込部（図示しない）が
車両の旋回又は斜面走行のために燃料レベルから
離れた場合には、カートリツジ４４及びハウジン
グ２２内に収容された燃料及び戻し回路１８の部
分３６を経て戻されている燃料が転送ポンプ３０
に供給でき、従つてエンジン１４が停止すること
はない。

第２図の実施例において、第１図の実施例のも
のと同一又は実質的に同一の要素は同一符号に
100を加えて示してある。第２図において、第１
図の燃料タンク１２は二連燃料タンク１６２，１
６４に置換されており、各タンクは第１図のポン
プ２４と同様な対応するポンプ１６６，１６８を
装備している。従つて、主又は燃料供給回路１１
６の部分１１９はタンク１６２，１６４に夫々連
通するブランチ１７０，１７２に区分されてい
る。一対の逆止弁１７４，１７６はブランチ１７
０，１７２内の高い方の燃料圧力レベルを選択し
て、ハウジング１２２の入口室１５６に連通させ
る。車両は、燃料が吸出される燃料タンク１６２
又は１６４に応じてポンプ１６６，１６８を駆動
する電気回路（図示しない）を装備しているの
で、駆動されるポンプを収容しているタンクに連
通されたブランチ１７０又は１７２のみが入口室
１５６に連通することができる。同様に、副又は
燃料戻し回路１１８の部分１４０はタンク１６
２，１６４に夫々連通するブランチ１７８，１８
０に区分されている。ソレノイドアクチユエータ
１８２がポンプ１６６，１６８を制御する車両の
電気回路に接続されている。アクチユエータ１８
２は、いずれのポンプ１６６又は１６８が付勢さ
れているかに応じて、弁部材１８４の位置を制御
してブランチ１７８又は１８０を介する連通を許
容する。従つて、逆止弁１７４，１７６はタンク
１６２，１６４の一方から燃料を選択して供給装
置を通して連通させ、ソレノイドアクチユエータ
１８２は、エンジン１４から戻されている燃料を
燃料が吸出されたものと同一のタンクへ確実に戻
すように、弁部材１８４を位置させることが理解
できよう。

第３図において、第１図及び第２図のものと同
一又は実質的に同一の要素は同一符号に200を加
えて示してある。第３図の実施例は、弁部材１８
４及びソレノイドアクチユエータ１８２が総括的
に符号２８６で示す切換弁に置換されている点を
除き、第２図の実施例と実質的に同一である。切
換弁２８６は一対の逆止弁部材２８８，２９０を
含み、これらの弁部材は弁ステム２９２上に装着
され、スプリング２９４によつてステム２９２上
の停止部（図示しない）に向けて互いに離れるよ
うに偏倚されている。弁ステム２９２は波形ワツ
シヤ２９６に連結され、このワツシヤは、ブラン
チ２７０，２７２に夫々連通される部分２９８
Ａ，２９８Ｂにハウジング２２２内の室２９８を
区分している。ステム２９２はシール３００を貫
通して延び、このシールの外周はハウジング２２
２の壁に密封的に固着されている。波形ワツシヤ
２９６は、部分２９８Ａと２９８Ｂ間の圧力差に
応動して、弁部材２８８をブランチ２７８と密封
係合状態に保つ第１安定位置と、ブランチ２７８
を開口すると共に弁部材２９０をブランチ２８０
に密封的に係合させる第２安定位置との間で移動
可能なスナツプ作動弾性ワツシヤである。スナツ
プ作動ワツシヤは、車両のエンジンが停止された
後でも第１又は第２安定位置を保つて、室の部分
２９８Ａと２９８Ｂ内の圧力を公称圧力まで低下
させることができる。このように、車両のエンジ
ンが停止されそして再始動された時でも、戻し回
路２１８内の少量の燃料が異なるタンクに連通さ
れることは決してない。

第４図において、第３図の切換弁２８６の代り
に用いることができる切換弁が詳細に示されてい
る。総括的に符号３０２で示す切換弁は、戻し回
路２１８の部分２３６に連通する入口３０６と、
戻し回路２１８のブランチ２７８に連通する出口
３０８と、戻し回路２１８のブランチ２８０に連
通する他の出口３１０とを有するハウジング３０
４を含む。一対の弁部材３１２，３１４が弁ステ
ム３１６上に摺動可能に装着され、スプリング３
１８によつて停止部３２０，３２２に向けて押圧
されている。弁部材３１２，３１４は対応する弁
座３２４，３２６と係合及び分離して、出口３０
８，３１０を通る連通を制御する。従つて、ステ
ム３１６が図示の位置に位置されている時、スプ
リング３１８は両弁部材３１２，３１４を対応す
る弁座３２４，３２６に密封的に係合せしめて、
入口３０６からのいずれの出口３０８，３１０へ
の連通を阻止する。ステム３１６が図示の位置か
ら第４図下方に移動されると、停止部３２０と弁
部材３１２との係合によりこの弁部材が弁座３２
４から離隔せしめられて、入口３０６から出口３
０８への連通を許容する一方、出口３１０を閉鎖
状態に保つ。これに対し、ステム３１６が図示の
位置から第４図上方に移動されると、弁部材３１
４が対応する停止部３２２に係合して弁座３２６
から離隔せしめられ、入口３０６から出口３１０
への無制限の連通を許容する一方、出口３０８へ
の連通を阻止する。

弁ステム３１６の移動は、このステムに連結さ
れた総括的に符号３２８で示すピストンによつて
行われる。ピストン３２８内には空所３３０が形
成されており、一対の軸線方向に離された可撓性
ダイヤフラム３３２，３３４が、対向する流体圧
力応動面３３６，３３８をハウジング３０４の壁
の対応する部分に連結する。出口３４０が主又は
燃料供給回路１１６，２１６の部分１２８，２２
８に連通されると共に、空所３３０によつて形成
された隔室に連通される。ピストン３２８の流体
圧力応動面３３６はハウジング３０４の壁と協働
して入口３４２に連通される隔室を形成し、入口
３４２は燃料供給回路１１６，２１６のブランチ
１７０，２７０に連通される。ピストン３２８の
反対側の流体圧力応動面３３８はハウジング３０
４の壁と協働して入口３３４に連通される隔室を
形成し、入口３４４は主又は燃料供給回路１１
６，２１６のブランチ１７２，２７２に連通され
る。一対の反対方向に作用する逆止弁３４６，３
４８がピストン３２８内に支持され、同ピストン
と協働して入口３４２，３４４の高い方の燃料圧
力レベルをピストン３２８内の空所３３０へ選択
的に流通させる。

圧力は、ポンプが作動されているタンクに連通
するブランチ１７０，２７０又は１７２，２７２
のみから入口３４２又は３４４へ連通されるの
で、ポンプが作動されているタンクからの燃料の
みが空所３３０に連通されることとなる。又、こ
の燃料圧力レベルは対向する流体圧力応動面３３
６，３３８の一方に作用して、ピストン３２８を
第４図の上方又は下方に変位させる。ピストン３
２８の上方又は下方移動は弁ステム３１６によつ
て弁部材３１２，３１４に伝えられて、燃料が吸
出されている燃料タンクに連通された出口３０８
又は３１０に入口３０６を連通することとなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるフイルタ・リザーバ装置
を備えた燃料供給装置の断面図、第２図は本発明
による弁機構の一実施例を示す二連タンク式燃料
供給装置の断面図、第３図は弁機構の他の実施例
を示す第２図と同様な断面図、第４図は弁機構の
更に他の実施例を示す断面図である。 １０，１１０，２１０……燃料供給装置、１
２，１６２，１６４，２６２，２６４……燃料タ
ンク、１６，１１６，２１６……燃料供給回路、
１８，１１８，２１８……燃料戻し回路、２０，
３４，１３４，２３４，３０６，３４２，３４４
……入口、２２，１２２，２２２，３０４……ハ
ウジング、２６，３８，１２６，２２６，３０
８，３１０，３４０……出口、１７０，１７２，
１７８，１８０，２７０，２７２，２７８，２８
０……ブランチ、１７４，１７６，２７４，２７
６，３４６，３４８……逆止弁、１８２……アク
チユエータ、１８４，２８８，２９０，３１２，
３１４……弁部材、２８６，３０２……切換弁、
２９６……ワツシヤ、３２８……ピストン。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 一対のタンク、上記タンクの一方から流体を
   選択的に供給される一対のブランチを有する主回
   路、及び流体を上記タンクに戻す一対のブランチ
   を有する戻し回路を備えた流体装置に用いられ、
   且つ主回路のブランチを通る流体の連通に応動し
   て、主回路に流体が供給されるタンクへ戻し回路
   内の流体を連通させるものであつて、主回路のブ
   ランチに夫々連通される一対の入口、主回路に連
   通される出口、戻し回路に連通される入口、及び
   戻し回路のブランチに夫々連通される一対の出口
   を有するハウジングと、上記入口及び上記対の出
   口間の連通を制御する弁装置と、上記弁装置を制
   御する弁作動装置とを含み、上記弁作動装置が、
   主回路のブランチに連通する上記対の入口間の圧
   力差に応動して、戻し回路に連通された上記入口
   を戻し回路に連通された上記対の出口の一方に連
   通させる第１位置から、戻し回路に連通された上
   記入口を戻し回路に連通された上記対の出口の他
   方に連通させる第２位置へ上記弁装置を変位させ
   る圧力差応動装置を含んでいることを特徴とする
   流体装置用弁機構。 ２ 上記弁作動装置が、上記弁装置を上記第１又
   は第２位置に弾性的に保持する第１及び第２安定
   位置間を移動可能なスナツプ作動弾性ワツシヤを
   含んでいることを特徴とする特許請求の範囲第１
   項記載の弁機構。 ３ 上記弁作動装置が、上記弁装置に連結される
   と共に上記ワツシヤに固着されたステムを含んで
   いることを特徴とする特許請求の範囲第２項記載
   の弁機構。 ４ 上記流体装置がエンジンのための燃料供給装
   置であり、上記弁装置が上記タンクに連通された
   上記ブランチへの連通を制御する弁部材を含み、
   上記弁部材がエンジンの停止時上記タンクに連通
   された上記ブランチを閉鎖することを特徴とする
   特許請求の範囲第１項記載の弁機構。 ５ 上記弁装置が上記タンクに連通された戻し回
   路のブランチへの連通を制御する弁部材を含み、
   上記弁部材は、戻し回路内の流体が一方のブラン
   チから他方のブランチへ転流される時に、上記弁
   部材の一方を他方の弁部材の開口以前に閉鎖する
   装置を含んでいることを特徴とする特許請求の範
   囲第１項記載の弁機構。 ６ 上記圧力差応動装置が、上記ハウジング内に
   摺動可能に装架され対向する流体圧力応動面を有
   するピストンであり、上記主回路の上記対のブラ
   ンチの各々が上記流体圧力応動面の対応する一方
   に連通していることを特徴とする特許請求の範囲
   第１項記載の弁機構。 ７ 上記ピストンが内部に空所を形成しており、
   第１及び第２通路装置が上記空所を上記対向する
   流体圧力応動面の流体圧力レベルに連通させ、上
   記第１及び第２通路装置内の逆止弁が上記ピスト
   ンの流体圧力応動面に連通された高い方の流体圧
   力レベルを選択し、第３通路装置が上記主回路に
   連通された上記出口へ上記空所を連通させること
   を特徴とする特許請求の範囲第６項記載の弁機
   構。 ８ 上記ピストンが同ピストンを上記ハウジング
   の壁に連結する一対の可撓性ダイヤフラムを含
   み、上記ダイヤフラムがハウジングの壁及び上記
   ピストンと協働して上記空所の一部分を形成し、
   主回路に連通された上記出口が空所の上記一部分
   に連通していることを特徴とする特許請求の範囲
   第７項記載の弁機構。