JPH046820Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、中空糸過エレメントの過装置へ
の固定用のホルダーの形状に関するものである。

〔従来技術〕

中空糸過膜は、他の平膜型、管状膜型に比較
し、単位容積のわりに膜面積が大きくとれること
から逆浸透、透析、限外過、血漿分離など広く
利用されている。

一方中空糸状膜に限らず過膜は使用するにつ
れて、圧密化、ケーク層の付着等により初期の性
能が低下し且つ劣化する為、適当な時期に交換す
る事が必要である。

中空糸過膜の場合は、通常これを多数本束ね
て過系のケース内に樹脂を用いて固定してい
る。

しかしこうした固定方法では、分離膜が劣化す
ると、ケースごと交換する必要があり、不経済で
ある。特に大スケールで過を行う場合、あるい
は食品等、安全や衛生の面からケースをステンレ
スとする必要のある場合は特に不利となる。そこ
で大スケールの場合、一つの容器に複数個の過
エレメントを収容し、且つこれらのエレメントが
交換可能である過装置が提唱されている（例え
ば実開昭57−103140号公報）。

さらに多数本のエレメントを着脱する場合のメ
ンテナンス性が問題となつて来た。すなわち、エ
レメントの交換に時間を要する、あるいは手で触
れる必要があるといつた事は、用途によつては雑
菌の混入、放射線被暴等、重大な問題を引き起こ
すのである。従来知られている過装置では、上
述のメンテナンス性の問題が以然として未解決の
まま残されていた。

〔考案の目的〕

本考案は、短時間に、且つ必要なら遠隔操作で
もエレメントの着脱が可能な構造のエレメント固
定用ホルダーを得んとして研究した結果、割り型
の利用が最適との知見を得、さらに検討を進め、
本考案を完成するに至つたものである。

〔考案の構成〕

本考案は、円筒割り形で両方の内周部に過エ
レメント凹部と嵌合する凸部を有し、割り型の一
方または両方に着脱用ロツド部を有する事を過
エレメント固定用ホルダーである。

図面により詳細に説明すれば、第１図〜第３図
に本願考案に係るホルダーの形状を、第４図にそ
の利用方法を示す。

本願考案に係るホルダー１は、過エレメント
凹部２と嵌合する事により過エレメントを固定
する。さらにホルダー１は過装置のエレメント
装着部５に固定される事により、過エレメント
４が過装置に固定される。

第４図はその固定方法の１例であり、過エレ
メント装着部５はホルダー１の乗るエツヂ部９を
有しており、さらにホルダー１を上部からホルダ
ー外径よりも小さい内径をもつホルダー押へ板７
で固定する構造となつている。

ホルダー凸部３は過エレメントの凹部２と嵌
合しさえすれば良く、第１図の様にホルダー内周
全体にあつても、第２図の様に一部のみにあつて
もよく、形状も特に制限はない。ロツド部６は単
に丸棒でも、四角あるいは六角でもよい。また、
必要に応じ湾曲していてもよい。

ロツド部６はホルダー１の装着、脱着用のもの
である。装脱着に用いる治具あるいは装置に対応
し、第１〜第３図に示す種々の形状のものがある
が、いずれもホルダー１を過エレメント４とと
もに装脱着する必要から、ホルダーに充分な強度
で固着させておく必要がある。

ホルダー１の材質は特に制限されないが、強
度、安全性の面から、好ましくはステンレススチ
ールが用いられる。ホルダー１を構成する一対の
円筒割り型は、蝶番１０あるいは板バネで対応す
る２ケを連結しておけば装脱着時の作業性を上げ
る事が出来る。第３図にその１例を示す。また第
３図に示す毎く、一対の円筒割型のパーテイング
ラインにそつて嵌合性のある凹凸１１を形成すれ
ば装脱着時、過エレメントに力が均一にかかる
ので作業がスムーズとなる。

〔考案の効果〕

本願考案に従うと、過エレメントは１ケ所の
みで固定されているので過装置への着脱工程は
簡略である。割り型を利用している為、エレメン
トとホルダーとの着脱も同様に簡略で、遠隔操作
にても容易なので、安全上の効果は大きい。ま
た、全体として作業時間も短縮出来るのでメンテ
ナンス上のメリツトが得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による過エレメント固定用ホ
ルダーの上面図（第１図ａ）、側面図（第１図ｂ）
及び底面図（第１図ｃ）と斜視図（第１図ｄ）を
示す。第２図は本考案による過エレメントを固
定するためのホルダーの凸部が円筒状の割り形の
底部の一部に付してあるものを示す。第３図ａは
円筒状の割り形が蝶番で連結された状態を示す図
であり、第３図ｂは該割り形のパーテイングライ
ンが嵌合用の凹凸を有する過エレメント固定用
ホルダーを示す。第４図には本考案による過エ
レメント固定用ホルダーを用いた過エレメント
装着部の断面図を示す。 図中、１……過エレメント固定用ホルダー、
２……ホルダー凸部と嵌合する過エレメントの
凹部、３……ホルダー凸部、４……過エレメン
ト、５……過装置、過エレメント装着部、６
……ホルダーロツド、７……ホルダー押え板、８
……気密保持用○リング、９……過エレメント
装着部エツヂ部、１０……円筒状割り形連結用蝶
番、１１……円筒状割り形パーテイングライン嵌
合部凹凸、１２……中空糸状過膜。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 濾過エレメントを濾過装置に固定するための
   ホルダーにおいて、円筒状の割り形であり、該
   割り形は蝶番又は板バネで連結されて左右に開
   閉できる構造であり、該円筒状の内周の底部
   に、濾過エレメントに設けた凹状部２と嵌合さ
   せ固定するための凸状突起３を有し、かつ該円
   筒状の割り形の一方又は両方に着脱用のロツド
   ６を設けたことを特徴とする濾過エレメント固
   定用ホルダー。 ２ 円筒状の割り形が、そのパーテイング面にお
   いてそれぞれ相対する凹凸形状の嵌合部を有す
   る形状である実用新案登録請求の範囲第１項記
   載の濾過エレメント固定用ホルダー。 ３ 着脱用ロツドが、円筒状の割り形の内周部又
   は外周部に突起状に固定されている構造である
   実用新案登録請求の範囲第１項又は第２項記載
   の濾過エレメント固定用ホルダー。 ４ 着脱用ロツドが、円筒状の割り形の内周部に
   弦状に固定されている構造である実用新案登録
   請求の範囲第１項又は第２項記載の濾過エレメ
   ント固定用ホルダー。 ５ 着脱用ロツドが、円筒状の割り形の円弧の端
   部から内周内部又は外部に突起状に固定されて
   いる構造である実用新案登録請求の範囲第１項
   又は第２項記載の濾過エレメント固定用ホルダ
   ー。