JPH0468157B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、ゴム印等の印を用いて被印刷物品
（ワーク）に印刷を施すダイレクト印刷装置に関
し、特にその印刷速度の高速化手段に関する。

〔従来の技術〕

従来のダイレクト印刷装置には、大別すれば、
第３図ないし第５図に示す３種類がある。

第３図のダイレクト印刷装置２は、ゴム印６の
付いたレバー状の印台４がスタンプパツド８上で
上下してゴム印６の表面にインク（図示省略。以
下同じ）を供給し、そして印台４が横方向に被印
刷物品１４上へ移動し、かつ上下して、被印刷物
品１４に所定の印刷を施すよう構成されている。

スタンプパツド８に対するインクの供給は、ロ
ーラ１２で代表するローラ群よりインクをインク
ローラ１０の表面に均一に供給し、当該インクロ
ーラ１０を矢印Ａのようにスタンプパツド８の表
面上まで転がせて往復させることにより行われ
る。

第４図のダイレクト印刷装置１６は、ゴム印６
の付いたアーム状の印台４が、軸５を支点にし
て、スタンプパツド８と被印刷物品１４上に交互
に旋回し、そして上下するよう構成されている。
スタンプパツド８に対するインクの供給は、第３
図の場合と同様にインクローラ（図示省略）によ
つて行われる。

第５図のダイレクト印刷装置１８は、被印刷物
品１４の上方に昇降式の印台４を設け、それに取
り付けられたゴム印６に対するインクの供給は、
インクローラ１０をゴム印６の表面で転がせて往
復させることにより、スタンプパツド無しでイン
クローラ１０から直接行うよう構成されている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

上記ダイレクト印刷装置２および１６において
は、一つの被印刷物品１４に印刷を施すのに、図
中に〜で示すように６動作が必要であり、ま
た上記ダイレクト印刷装置１８においては、図中
に〜で示すように４動作が必要である。その
ため、このような従来のダイレクト印刷装置では
いずれも印刷速度の高速化が困難であり、具体例
を挙げれば印刷速度は70回／分程度が限界であつ
た。

そこでこの発明は、印刷速度の高速化を図つた
ダイレクト印刷装置を提供することを目的とす
る。

〔問題点を解決するための手段〕

この発明のダイレクト印刷装置は、軸と、当該
軸を昇降および180度ずつ回転させる駆動装置と、
前記軸にほぼ左右対称な位置に取り付けられた二
つの印台と、各印台の下面にそれぞれ取り付けら
れた互いに同一内容の二つの印と、これらの印に
インクを供給するスタンプパツドを有するスタン
プパツド機構および被印刷物品を間歇的に搬送す
る搬送路であつて、前記軸を降下させた時に、被
印刷物品の表面およびスタンプパツドの表面に前
記二つの印がそれぞれ当接するような位置に設け
られたものとを備えており、かつ前記スタンプパ
ツド機構が、プーリ台に所定間隔で回転自在にか
つ互いに平行に軸支された第１および第２のプー
リと、両プーリ間に懸け渡されたベルト状の前記
スタンプパツドと、第１のプーリの上方にそれに
平行に設けられていて表面にインクが供給される
インクローラと、当該インクローラを回転させる
駆動装置と、第１のプーリと第２のプーリ間の上
側のスタンプパツドの下方であつて前記印がスタ
ンプパツドと当接する位置の下側に設けられた受
け台と、プーリ台の第２のプーリ側を支点にして
第１のプーリ側を、前記軸の昇降に応じて、第１
のプーリ上のスタンプパツドがインクローラに当
接したり離れたりするように昇降させる駆動装置
とを備えることを特徴とする。

〔作用〕

前記軸を降下させると、二つの印の内の一方の
印によつて被印刷物品に印刷が施されるのと同時
に、他方の印にスタンプパツド機構のスタンプパ
ツドからインクが供給される。そして当該軸を上
昇させてそれらを180度回転させた後再び降下さ
せると、前記他方の印によつて次の被印刷物品に
印刷が施されるのと同時に、前記一方の印にスタ
ンプパツドからインクが供給される。

その場合、一つの印が元の位置に戻るまでには
６動作が必要であるが、その間に二つの被印刷物
品に印刷が施されるため、１被印刷物品当たりに
換算すれば３動作で済むことになる。従つて、印
刷速度の高速化が可能となる。

また、前記スタンプパツド機構においては、ベ
ルト状のスタンプパツドが前記軸の昇降に応じて
間歇運動させられるため、スタンプパツドにイン
クを供給するための待ち時間が無くなり、従つ
て、スタンプパツドにインクを供給する面からの
印刷速度に対する制限が殆ど無くなる。その結
果、印刷速度のより高速化が可能になる。

〔実施例〕

第１図は、この発明の一実施例に係るダイレク
ト印刷装置の要部を示す概略斜視図である。

このダイレクト印刷装置２２は、軸２８および
その上部にあつて当該軸２８を矢印Ｂのように昇
降および矢印Ｃのように180度ずつ回転させる駆
動装置３０を備えている。

そしてこの軸２８の下端部には、アーム２６
ａ，２６ｂを介して、二つの印台２４ａ，２４ｂ
が当該軸２８を中心にしてほぼ左右対称な位置に
取り付けられており、この各印台２４ａ，２４ｂ
の下面には、一対の互いに同一内容の（即ち同一
刻印の）ゴム印６ａ，６ｂがそれぞれ取り付けら
れている。

一方、軸２８や印台２４ａ，２４ｂ等よりも下
側には、軸２８を中心にしてほぼ左右対称な位置
に、ベルト状のスタンプパツド３８を有するスタ
ンプパツド機構５４および被印刷物品１４を間歇
的に搬送する搬送路３２が、当該スタンプパツド
３８の表面および被印刷物品１４の表面がほぼ同
一平面上に来るように設けられており、それによ
つて、軸２８を降下させた時に、スタンプパツド
３８の表面および被印刷物品１４の表面にゴム印
６ａ，６ｂがそれぞれほぼ同時に当接するように
している。

尚、第１図中においては、スタンプパツド３８
を含むスタンプパツド機構５４は簡略化して図示
しているが、このスタンプパツド機構５４の機構
の詳細は、後で第２図を参照して説明する。

被印刷物品１４の搬送は、軸２８の矢印Ｂのよ
うな昇降の合い間に、搬送路３２を矢印Ｄのよう
に間歇駆動することによつて行われる。勿論、被
印刷物品１４に印刷を施している間は、搬送路３
２は停止させる。搬送路３２の表面の突起３４
は、被印刷物品１４の係止用のものである。

このダイレクト印刷装置２２の全体的な動作例
を説明すると、まず第１図に示すようにスタンプ
パツド３８および被印刷物品１４上にゴム印６ａ
および６ｂがそれぞれ位置している状態で、駆動
装置３０によつて軸２８を降下させると、スタン
プパツド３８にゴム印６ａが、被印刷物品１４に
ゴム印６ｂがそれぞれ当接し、ゴム印６ｂ（これ
には後述するような動作で既にインクが供給され
ているものとする）によつて被印刷物品１４に印
刷が施されるのと同時に、ゴム印６ａにスタンプ
パツド３８からインクが供給される。

次いで軸２８を上昇させて180度回転させる。
ちなみにこの間に、搬送路３２を１ステツプ前進
させると共に、スタンプパツド３８が矢印Ｇのよ
うに回転させられる。上記軸２８の回転によつ
て、次の被印刷物品１４の上方にゴム印６ａが、
スタンプパツド３８の上方にゴム印６ｂがそれぞ
れ位置した状態になる。

そして軸２８を再び降下させると、被印刷物品
１４にゴム印６ａが、スタンプパツド３８にゴム
印６ｂがそれぞれ当接し、ゴム印６ａによつて被
印刷物品１４に印刷が施されるのと同時に、ゴム
印６ｂにスタンプパツド３８からインクが供給さ
れる。

以降同様の動作を繰り返すことにより、一方の
ゴム印６ａまたは６ｂによつて被印刷物品１４に
印刷を施すのと並行して、他方のゴム印６ｂまた
は６ａに対してスタンプパツド３８からインクが
供給されながら、搬送路３２上の複数の被印刷物
品１４に対して順次印刷が施される。

その場合、一つのゴム印６ａまたは６ｂが元の
位置に戻るまでには、第１図中に〜で示すよ
うに６動作が必要であるが、その間に二つの被印
刷物品１４に同一内容の印刷が施されるため、一
つの被印刷物品１４当たりに換算すれば、３動作
で済むことになる。従つて、前述したような従来
のいずれのダイレクト印刷装置２，１６，１８よ
りも所要印刷動作数が少なくなるため、印刷速度
の高速化を図ることができ、具体例を挙げれば印
刷速度は従来の２倍程度が可能となる。

第２図は、第１図中のスタンプパツド機構を示
す概略側面図であり、Ａは印台が最上昇位置にあ
る状態を、Ｂは印台が最降下位置にある状態を示
す。ちなみに同図は、第１図の矢印Ｊ方向に見た
ものである。

即ち、このスタンプパツド機構５４において
は、プーリ台４０に、第１のプーリ４２および第
２のプーリ４４が、所定間隔で回転自在にかつ互
いに平行に軸支されており、そして両プーリ４
２，４４間に、前述したベルト状のスタンプパツ
ド３８が懸け渡されている。このスタンプパツド
３８の幅は、前述したゴム印６ａ，６ｂの幅以上
としている。

そしてプーリ４２の上方には、それと平行にイ
ンクローラ５０が設けられており、当該インクロ
ーラ５０は、図示しない駆動装置によつて、例え
ば矢印Ｅのように連続回転させられる。また当該
インクローラ５０の表面には、ローラ５２で代表
するローラ群よりインクが均一に供給される。

また、プーリ４２，４４間の上側のスタンプパ
ツド３８の下方であつて前記ゴム印６ａ，６ｂが
スタンプパツド３８と当接する位置の下側には、
スタンプパツド３８にゴム印６ａ，６ｂを当接し
た時の当該スタンプパツド３８のたわみ防止のた
めに、ゴム印６ａ，６ｂと同等かそれより大きめ
の受け台４６が設けられている。そして図示例の
状態ではその上方に、ゴム印６ａが下面に取り付
けられた前述した印台２４ａが位置している。

一方、プーリ台４０のプーリ４２側には、駆動
装置４８が接続されており、それによて矢印Ｈの
ように、プーリ４４側を支点にしてプーリ４２側
を、前述した軸２８の、即ち印台２４ａ，２４ｂ
の昇降に応じて（例えば同期して）、プーリ４２
上のスタプパツド３８がインクローラ５０に当接
したり（第２図Ａの状態）離れたり（同図Ｂの状
態）するように昇降させるようにしている。

従つて動作例を説明すると、同図Ａで示すよう
に印台２４ａまたは２４ｂが最上昇位置にある状
態では、プーリ４２側も最上昇位置にあり、スタ
ンプパツド３８は、インクローラ５０に当接して
それによつて矢印Ｇのように回転させられると共
に、当該インクローラ５０から新しいインクが供
給される。

次に受け台４６上に位置で印台２４ａまたは２
４ｂを降下させると、それに同期してプーリ４２
側も降下して、同図Ｂに示すようにゴム印６ａま
たは６ｂがスタンプパツド３８に当接した状態に
なる。ちなみにその時は、第１図で説明したよう
に、他方のゴム印６ｂまたは６ａは被印刷物品１
４に当接した状態になる。しかもその途中で、イ
ンクローラ５０とスタンプパツド３８間には〓間
Ｐが生じ、それによつてスタンプパツド３８の回
転は止まる。ちなみに、スタンプパツド３８が回
転したままでそれにゴム印６ａ，６ｂを当接させ
ると、両者間が擦れ合つてインクむらが生じる
が、この例では上記のようにその前にスタンプパ
ツド３８の回転が止まるので、インクはスタンプ
パツド３８からゴム印６ａ，６ｂにむら無く供給
される。

そして再び印台２４ａ，２４ｂを上昇させる
と、プーリ４２側もそれに同期して上昇して同図
Ａの状態になる。その後は第１図で説明した動作
と同様であり、軸２８を180度回転させて印台２
４ａと２４ｂとを入れ替える。その間に、スタン
プパツド３８はインクローラ５０によつてインク
が供給されると共にゴム印６ａ，６ｂの長さＬ以
上回転させられ、このインクが供給された新しい
部分が受け台４６の上に来る。そしてそれ以降は
上記と同様の動作が適宜繰り返される。

上記のようなスタンプパツド機構５４の代わり
に、第３図等で説明した従来の、固定式のスタン
プパツド８にインクローラ１０の往復動作によつ
てインクを供給する方式を採用した場合は、イン
クローラ１０の往復動作にある程度の時間を要
し、その間は被印刷物品１４に対する印刷を行う
ことができないので、比較的大きな待ち時間が生
じ、これが印刷速度の高速化を阻害する一因にな
る。これに対して上記スタンプパツド機構５４で
は、ベルト状のスタンプパツド３８を軸２８、即
ちゴム印６ａ，６ｂの昇降に応じて間歇運動させ
るようにしているので、即ちゴム印６ａ，６ｂが
上昇している間はスタンプパツド３８を回転させ
てそれにインクローラ５０から新しいインクを供
給し、ゴム印６ａ，６ｂが降下した時はスタンプ
パツド３８の回転を止めるようにしているので、
スタンプパツド３８にインクを供給するための印
刷の待ち時間は全く無くなり、従つてスタンプパ
ツド３８にインクを供給する面からの印刷速度に
対する制限が殆ど無くなる。その結果、印刷速度
のより高速化が可能となる。

〔発明の効果〕

以上のようにこの発明によれば、一つの被印刷
物品当たりの所要動作数が少なくなるため、しか
もスタンプパツドにインクを供給する面からの印
刷速度に対する制限が殆ど無くなるため、印刷速
度の高速化を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この発明の一実施例に係るダイレク
ト印刷装置の要部を示す概略斜視図である。第２
図は、第１図中のスタンプパツド機構を示す概略
側面図であり、Ａは印台が最上昇位置にある状態
を、Ｂは印台が最降下位置にある状態を示す。第
３図ないし第５図は、それぞれ、従来のダイレク
ト印刷装置の要部の例を示す概略図である。 ６ａ，６ｂ……ゴム印、１４……被印刷物品、
２２……実施例に係るダイレクト印刷装置、２４
ａ，２４ｂ……印台、２８……軸、３０……駆動
装置、３２……搬送路、３８……スタンプパツ
ド、４０……プーリ台、４２……第１のプーリ、
４４……第２のプーリ、４６……受け台、４８…
…駆動装置、５０……インクローラ、５４……ス
タンプパツド機構。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 軸と、当該軸を昇降および180度ずつ回転さ
   せる駆動装置と、前記軸にほぼ左右対称な位置に
   取り付けられた二つの印台と、各印台の下面にそ
   れぞれ取り付けられた互いに同一内容の二つの印
   と、これらの印にインクを供給するスタンプパツ
   ドを有するスタンプパツド機構および被印刷物品
   を間歇的に搬送する搬送路であつて、前記軸を降
   下させた時に、被印刷物品の表面およびスタンプ
   パツドの表面に前記二つの印がそれぞれ当接する
   ような位置に設けられたものとを備えており、か
   つ前記スタンプパツド機構が、プーリ台に所定間
   隔で回転自在にかつ互いに平行に軸支された第１
   および第２のプーリと、両プーリ間に懸け渡され
   たベルト状の前記スタンプパツドと、第１のプー
   リの上方にそれに平行に設けられていて表面にイ
   ンクが供給されるインクローラと、当該インクロ
   ーラを回転させる駆動装置と、第１のプーリと第
   ２のプーリ間の上側のスタンプパツドの下方であ
   つて前記印がスタンプパツドと当接する位置の下
   側に設けられた受け台と、プーリ台の第２のプー
   リ側を支点にして第１のプーリ側を、前記軸の昇
   降に応じて、第１のプーリ上のスタンプパツドが
   インクローラに当接したり離れたりするように昇
   降させる駆動装置とを備えることを特徴とするダ
   イレクト印刷装置。