JPH046660B2 - - Google Patents
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- JPH046660B2 JPH046660B2 JP3518284A JP3518284A JPH046660B2 JP H046660 B2 JPH046660 B2 JP H046660B2 JP 3518284 A JP3518284 A JP 3518284A JP 3518284 A JP3518284 A JP 3518284A JP H046660 B2 JPH046660 B2 JP H046660B2
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Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03C—CHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
- C03C17/00—Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating
- C03C17/06—Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with metals
- C03C17/09—Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with metals by deposition from the vapour phase
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- Chemical & Material Sciences (AREA)
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- Materials Engineering (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Surface Treatment Of Glass (AREA)
- Physical Vapour Deposition (AREA)
Description
本発明はスパツタリング法により、耐摩耗性の
優れたTi被膜を有するガラス基体の製造方法に
関するものである。 近年、省エネルギーゥの観点から、ビル、住宅
等の建築物あるいは自動車、鉄道車輛等の交通車
輛、あるいは各種装置の窓ガラスとして、ガラス
板の表面に熱線反射性能に優れた被膜を形成した
熱線反射ガラス板がしばしば使用されている。こ
の熱線反射ガラス板は、そのガラス板表面に形成
された熱線反射被膜による太陽放射エネルギーの
反射とガラス自体の吸収によつて太陽放射エネル
ギーを遮断し、このため室内流入熱量が減少し、
冷房負荷の軽減に効果的であり、又熱線反射被膜
による独得な反射色調が得られ、そのミラー効果
とあいまつて高い意匠効果が得られ、又その熱線
反射被膜の防眩性能によつて室内環境の質的向上
効果が得られる。この熱線反射ガラスの中で、金
属のTi被膜やCr被膜を有するものは、熱線反射
性能に優れた銀、金や銅等の貴金属からなる熱線
反射被膜に比べ物理的、化学的耐久性が格段に優
れており、又物理的、化学的耐久性に優れたチタ
ン、錫、コバルト、クロム、鉄等の金属酸化物の
一種あるいはこれら金属酸化物の混合物からなる
熱線反射被膜に比べ熱線反射性能が優れており、
熱線反射被膜が外部に露出した状態で使用でき、
例えば単板としての使用が可能であり、熱線反射
ガラス板として有用である。しかしながら、Ti
被膜をガラス基板上にスパツタリング法により形
成した場合、かなり耐久性に優れたTi被膜が得
られるが、実験結果によれば耐摩耗性の点で充分
満足のゆくものでなかつた。 本発明は、かかる点を改良することを目的とし
て研究の結果得られたものであり、その要旨は、
アルゴンガス存在下において、Ti金属ターゲツ
トに電圧を印加し、スパツタリング法によりガラ
ス基体上にTi被膜を形成する方法において、上
記アルゴンガスに0.1%〜5%のO2を含ませるこ
とを特徴とするガラス基体上へのTi被膜の形成
方法に関するものである。 以下、本発明を更に詳細に説明する。 本発明において使用されるガラス基体は、ソー
ダ・ライム・シリケート・ガラス、ホウケイ酸ガ
ラス、アルミノ・シリケートガラス、あるいはそ
の他各種組成のガラスからなる板状体、管状体、
棒状体、ブロツク状体等の各種形状のガラス基体
が挙げられる。 本発明のスパツタリング法においては、ターゲ
ツトとしてTi金属が使用され、又放電を起こさ
せるためのスパツターガスとしては、アルゴンガ
スが使用される。Tiターゲツトの表面からTi原
子を叩き出すための陽イオンを発生させるための
方式としては、陽極と陰極とを対向させ、アルゴ
ンガスを導入し、陽極と陰極との間に直流電圧、
交流電圧、あるいは高周波電圧を加えて放電を起
こさせ、陽イオンを発生させる方式などが利用で
きる。 又、スパツタリング法によりガラス基体上に
Ti被膜を形成する際、ガラス基体は、付着性が
よく、又緻密なTi被膜が得られる様に30℃〜100
℃程度に加熱するのが好ましい。そして、スパツ
ター槽内の真空度は1×10-5〜5×10-5torr程度
とし、スパツターレートは150〜3000Å/min程
度とするのが好ましい。 本発明においては、スパツタリング時、アルゴ
ンガスに0.1%〜5%のO2ガスを存在させておく
ことを特徴とする。かかる範囲のO2ガスの存在
により、アルゴンガスのみの場合に比べ、ガラス
基体面、下層膜、あるいは上層膜との付着性に優
れたTi被膜を得ることができる。かかる付着性
の向上は、O2ガスの存在により少くともTi被膜
の界面において一部酸化物化しているためと考え
られる。アルゴンガス中のO2ガスの割合が0.1%
より低いと、Ti被膜の付着性の向上が得られず、
又5%より大であるとTi被膜の酸化物化が進み
金属Ti特有の反射率の高いTi被膜が得られなく
なり、又Tiターゲツト表面の酸化が進み、所定
のスパツターレート、例えば600〜1200Å/min
が得られなくなり好ましくない。なお、アルゴン
ガスにO2ガスを混入し、スパツターされた粒子
とO2ガスとを化学反応させ、酸化物被膜を生成
せしめる反応性スパツタリング法においては、ア
ルゴンガスに対して15%〜20%程度のO2ガスを
混入するが、かかる方法では酸化物化が著るしく
進み、所望のTi被膜が得られない。 本発明は、ガラス基体面に直接Ti被膜をコー
テイングする場合に最適であるが、ガラス基体面
に種々の下地膜を形成した表面に対しても同様に
適用できる。又本発明により形成されるTi被膜
は、わずかに酸化物化しているので、Ti被膜の
上層に種々の被膜を形成した場合にも、かかる被
膜のTi被膜の付着性を改善することができる。 次に、本発明の実施例について説明する。 実施例 1 充分に洗滌乾燥された寸法900mm×600mm×3mm
のソーダ・ライム・シリケートガラス板をDCプ
レーナーマグネトロンスパツタリング装置の真空
槽内に入れ、真空槽内を2×10-5Torrまで減圧
した後、真空槽内にアルゴンガスとO2ガスを導
入し、真空槽内のO2ガス/アルゴンガスの割合
を0.5Vol%となる様に調整した。この真空槽内の
真空度を3.0×10-3Torrに調整した後、スパツタ
ー装置の電極間に0.380〜0.400KVのDC電圧を印
加し、陰極上におかれた金属Tiの板状ターゲツ
トを2分間プレスパツターし、次いで真空槽内を
3.0×10-3Torrに調整し、スパツターパワー約
7KWを上記ターゲツトに加え、700Å/minのス
パツターレートで30秒間スパツターし、約350Å
のTi被膜を上記ガラス基板上に形成した。なお、
ガラス基板は約100℃に保持した。 この様にして製造されたTi被膜付きガラス
(サンプルNo.1)について光学特性及び耐摩耗性
試験結果を第1表に示す。 比較例 1 充分に洗滌乾燥された寸法900mm×600mm×3mm
のソーダ・ライム・シリケートガラス板をDCマ
グネトロンスパツタリング装置の真空槽内に入
れ、真空槽内を2×10-5Torrまで減圧した後、
真空槽内にアルゴンガスを導入した。この真空槽
内の真空度を3.0×10-3Torrに調整した後、スパ
ツター装置の電極間に0.380〜0.400KVのDC電圧
を印加し、陰極上におかれた金属Tiの板状ター
ゲツトを2分間プレスパツターし、次いで真空槽
内を3.0×10-3Torrに調整し、スパツターパワー
約7.0KWを上記ターゲツトに加え、700Å/min
のスパツターレートで30秒間スパツターし、約
350ÅのTi被膜を上記ガラス基板上に形成した。
なお、ガラス基板は約100℃に保持した。 この様にして製造されたTi被膜付きガラス
(サンプルNo.2)について、光学特性及び耐摩耗
性試験結果を第1表に示す。 実施例 2 充分に洗滌乾燥された寸法900mm×600mm×3mm
のソーダ・ライム・シリケート・ガラス板を第
1、第2のカソード(板状Tiターゲツト配置)、
第3のターゲツト(板状Cuターゲツト配置)が
連続して設けられたDCプレーナー型マグネトロ
ン・スパツタリング装置に入れ真空室内を2×
10-5Torrまで減圧した後、真空槽内にアルゴン
ガスとO2ガスを導入し、真空室内のO2ガス/ア
ルゴンガスの割合を0.5/99.5≒0.5Vol%となる様
に調整した。この真空槽内の真空度を3×
10-3Torrに調整した後、スパツター装置の各カ
ソードの電極間に350〜400VのDC電圧を印加し、
陰極上におかれた各板状ターゲツトを2分間プレ
スパツターし、次いで真空室内を3.0×10-3Torr
に調整した。上記ガラス板(板温:約100℃)を
搬送スピード770mm/分で搬送しながら上記各タ
ーゲツト前を順番に通し、第1、2ターゲツトに
おいて約220ÅのTi被膜を形成し第3のターゲツ
トにおいては前記Ti被膜上に45ÅのCr被膜を形
成した。なお、第1のカソード室においてはター
ゲツトに約18.0A、約380Vの直流電圧を、第2の
カソードにおいてはターゲツトに約18.0A、約
350Vの直流電圧を、第3のカソードにおいては
ターゲツトに4.5A、約260Vの直流電圧を加えた。
この様にして製造されたCr被膜/Ti被膜付きガ
ラス(サンプルNo.3)について光学特性及び耐摩
耗性試験結果を第1表に示す。 実施例 3 充分に洗滌乾燥された寸法900mm×600mm×3mm
のソーダ・ライム・シリケート・ガラス板を第
1、第2のカソード(板状Tiターゲツト配置)
及び第3のカソード(板状Crターゲツト配置)
が連続して設けられたDCプレーナー型マグネト
ロン・スパツタリング装置に入れ真空室内を2×
10-5Torrまで減圧した後、真空槽内にアルゴン
ガスとO2ガスを導入し、真空室内のO2ガス/ア
ルゴンガスの割合を1/99≒1Vol%となる様に
調整した。この真空槽内の真空度を、3×
10-3Torrに調整した後、スパツター装置の各カ
ソード室の電極間に350〜400VのDC電圧を印加
し、陰極上におかれた各板状ターゲツトを2分間
プレスパツターし、次いで真空室内を3.3×
10-3Torrに調整した。上記ガラス板(板温:約
100℃)を搬送スピード770mm/分で搬送しながら
上記各カソード前を順番に通し、第1、2カソー
ドにおいて略250ÅのTi被膜を形成し第3のカソ
ードにおいては前記Ti被膜上に45ÅのCr被膜を
形成した。なお、第1のカソードにおいてはター
ゲツトに約18.0A、約390Vの直流電圧を、第2の
カソードにおいてはターゲツトに約22.0A、約
360Vの直流電圧を第3の真空室においてはター
ゲツトに約4.5A、約260Vの直流電圧を加えた。
この様にして製造されたCr被膜/Ti被膜付きガ
ラス(サンプルNo.4)について光学特性及び耐摩
耗性試験結果を第1表に示す。 実施例 4 充分に洗滌乾燥された寸法900mm×600mm×3mm
のソーダ・ライム・シリケート・ガラス板を第
1、第2のカソード(板状Tiターゲツト配置)
および第3のカソード(板状Crターゲツト配置)
が連続して設けられたDCプレート型マグネトロ
ン・スパツタリング装置に入れ真空室内を2×
10-5Torrまで減圧した後、各真空槽内にアルゴ
ンガスとO2ガスを導入し、真空室内のO2ガス/
アルゴンガスの割合を2/98≒2Vol%となる様
に調整した。この真空槽内の真空度を3×
10-3Torrに調整した後、スパツター装置の各カ
ソードの電極間に350〜400VのDC電圧を印加し、
陰極上におかれた各板状ターゲツトを2分間プレ
スパツターし、次いで真空室内を3.3×10-3Torr
に調整した。上記ガラス板(板温:約100℃)を
搬送スピード770mm/分で搬送しながら上記各カ
ソード前を順番に通し、第1、2カソードにおい
ては計約220ÅのTi被膜形成し第3のカソードに
おいては前記Ti被膜上に45ÅのCr被膜を形成し
た。なお、第1のカソードにおいてはターゲツト
に約18A、約400Vの直流電圧を、第2のカソー
ドにおいてはターゲツト約28.0A、約380Vの直流
電圧を第3のカソードにおいてはターゲツトに約
4.5約260Vの直流電圧を加えた。この様にして製
造されたCr被膜/Ti被膜付きガラス(サンプル
No.5)について光学特性及び耐摩耗性試験結果を
第1表に示す。 比較例 2 充分に洗滌乾燥された寸法900mm×600mm×3mm
のソーダ・ライム・シリケート・ガラス板を第
1、第2のカソード(板状Tiターゲツト配置)
及び第3のカソード(板状Crターゲツト配置)
が連続して設けられたDCプレーナー型マグネト
ロン・スパツタリング装置に入れ真空室内を3×
10-3Torrまで減圧した後、真空槽内に純アルゴ
ンガスを導入した。この真空槽内の真空度を3×
10-3Torrに調整した後、スパツター装置の各カ
ソードの電極間に350〜400KVのDC電圧を印加
し、陰極上におかれた各板状ターゲツトを、2分
間プレスパツターし、次いで真空室内を3.3×
10-3Torrに調整した。上記ガラス板を搬送スピ
ード770mm/分で搬送しながら上記各室を順番に
通し、第1、2のカソードにおいては計約220Å
のTi被膜を形成し第3のカソードにおいては前
記Ti被膜上に50ÅのCr被膜を形成した。なお、
第1の真空室においてはターゲツトに約18A約
380Vの直流電圧を、第2の真空室においてはタ
ーゲツトに18A約350Vの直流電圧を第3の真空
室においてはターゲツトに約4.5A約260Vの直流
電圧を加えた。この様にして製造されたCr被
膜/Ti被膜付きガラス(サンプルNo.6)につい
て光学特性及び耐摩耗性試験結果を第1表に示
す。 比較例 3 充分に洗滌乾燥された寸法900mm×600mm×3mm
のソーダ・ライム・シリケート・ガラス板を第
1、第2のカソード(板状Tiターゲツト配置)
及び第3のカソード(板状Crターゲツト配置)
が連続して設けられたプレーナー型マグネトロ
ン・スパツタリング装置に入れ、真空室内を2×
10-5Torrまで減圧した後、各真空槽内にアルゴ
ンガスとO2ガスを導入し、各真空室内のO2ガ
ス/アルゴンガスの割合を20Vol%となる様に調
整した。この真空槽内の真空度を3×10-3Torr
に調整した後、スパツター装置の各室の電極間に
380〜400VのDC電圧を印加し、陰極上におかれ
た各板状ターゲツトを2分間プレスパツターした
が、ターゲツトの表面酸化が進み、Ti酸化物が
付着し、金属Ti被膜の形成はできなかつた。
優れたTi被膜を有するガラス基体の製造方法に
関するものである。 近年、省エネルギーゥの観点から、ビル、住宅
等の建築物あるいは自動車、鉄道車輛等の交通車
輛、あるいは各種装置の窓ガラスとして、ガラス
板の表面に熱線反射性能に優れた被膜を形成した
熱線反射ガラス板がしばしば使用されている。こ
の熱線反射ガラス板は、そのガラス板表面に形成
された熱線反射被膜による太陽放射エネルギーの
反射とガラス自体の吸収によつて太陽放射エネル
ギーを遮断し、このため室内流入熱量が減少し、
冷房負荷の軽減に効果的であり、又熱線反射被膜
による独得な反射色調が得られ、そのミラー効果
とあいまつて高い意匠効果が得られ、又その熱線
反射被膜の防眩性能によつて室内環境の質的向上
効果が得られる。この熱線反射ガラスの中で、金
属のTi被膜やCr被膜を有するものは、熱線反射
性能に優れた銀、金や銅等の貴金属からなる熱線
反射被膜に比べ物理的、化学的耐久性が格段に優
れており、又物理的、化学的耐久性に優れたチタ
ン、錫、コバルト、クロム、鉄等の金属酸化物の
一種あるいはこれら金属酸化物の混合物からなる
熱線反射被膜に比べ熱線反射性能が優れており、
熱線反射被膜が外部に露出した状態で使用でき、
例えば単板としての使用が可能であり、熱線反射
ガラス板として有用である。しかしながら、Ti
被膜をガラス基板上にスパツタリング法により形
成した場合、かなり耐久性に優れたTi被膜が得
られるが、実験結果によれば耐摩耗性の点で充分
満足のゆくものでなかつた。 本発明は、かかる点を改良することを目的とし
て研究の結果得られたものであり、その要旨は、
アルゴンガス存在下において、Ti金属ターゲツ
トに電圧を印加し、スパツタリング法によりガラ
ス基体上にTi被膜を形成する方法において、上
記アルゴンガスに0.1%〜5%のO2を含ませるこ
とを特徴とするガラス基体上へのTi被膜の形成
方法に関するものである。 以下、本発明を更に詳細に説明する。 本発明において使用されるガラス基体は、ソー
ダ・ライム・シリケート・ガラス、ホウケイ酸ガ
ラス、アルミノ・シリケートガラス、あるいはそ
の他各種組成のガラスからなる板状体、管状体、
棒状体、ブロツク状体等の各種形状のガラス基体
が挙げられる。 本発明のスパツタリング法においては、ターゲ
ツトとしてTi金属が使用され、又放電を起こさ
せるためのスパツターガスとしては、アルゴンガ
スが使用される。Tiターゲツトの表面からTi原
子を叩き出すための陽イオンを発生させるための
方式としては、陽極と陰極とを対向させ、アルゴ
ンガスを導入し、陽極と陰極との間に直流電圧、
交流電圧、あるいは高周波電圧を加えて放電を起
こさせ、陽イオンを発生させる方式などが利用で
きる。 又、スパツタリング法によりガラス基体上に
Ti被膜を形成する際、ガラス基体は、付着性が
よく、又緻密なTi被膜が得られる様に30℃〜100
℃程度に加熱するのが好ましい。そして、スパツ
ター槽内の真空度は1×10-5〜5×10-5torr程度
とし、スパツターレートは150〜3000Å/min程
度とするのが好ましい。 本発明においては、スパツタリング時、アルゴ
ンガスに0.1%〜5%のO2ガスを存在させておく
ことを特徴とする。かかる範囲のO2ガスの存在
により、アルゴンガスのみの場合に比べ、ガラス
基体面、下層膜、あるいは上層膜との付着性に優
れたTi被膜を得ることができる。かかる付着性
の向上は、O2ガスの存在により少くともTi被膜
の界面において一部酸化物化しているためと考え
られる。アルゴンガス中のO2ガスの割合が0.1%
より低いと、Ti被膜の付着性の向上が得られず、
又5%より大であるとTi被膜の酸化物化が進み
金属Ti特有の反射率の高いTi被膜が得られなく
なり、又Tiターゲツト表面の酸化が進み、所定
のスパツターレート、例えば600〜1200Å/min
が得られなくなり好ましくない。なお、アルゴン
ガスにO2ガスを混入し、スパツターされた粒子
とO2ガスとを化学反応させ、酸化物被膜を生成
せしめる反応性スパツタリング法においては、ア
ルゴンガスに対して15%〜20%程度のO2ガスを
混入するが、かかる方法では酸化物化が著るしく
進み、所望のTi被膜が得られない。 本発明は、ガラス基体面に直接Ti被膜をコー
テイングする場合に最適であるが、ガラス基体面
に種々の下地膜を形成した表面に対しても同様に
適用できる。又本発明により形成されるTi被膜
は、わずかに酸化物化しているので、Ti被膜の
上層に種々の被膜を形成した場合にも、かかる被
膜のTi被膜の付着性を改善することができる。 次に、本発明の実施例について説明する。 実施例 1 充分に洗滌乾燥された寸法900mm×600mm×3mm
のソーダ・ライム・シリケートガラス板をDCプ
レーナーマグネトロンスパツタリング装置の真空
槽内に入れ、真空槽内を2×10-5Torrまで減圧
した後、真空槽内にアルゴンガスとO2ガスを導
入し、真空槽内のO2ガス/アルゴンガスの割合
を0.5Vol%となる様に調整した。この真空槽内の
真空度を3.0×10-3Torrに調整した後、スパツタ
ー装置の電極間に0.380〜0.400KVのDC電圧を印
加し、陰極上におかれた金属Tiの板状ターゲツ
トを2分間プレスパツターし、次いで真空槽内を
3.0×10-3Torrに調整し、スパツターパワー約
7KWを上記ターゲツトに加え、700Å/minのス
パツターレートで30秒間スパツターし、約350Å
のTi被膜を上記ガラス基板上に形成した。なお、
ガラス基板は約100℃に保持した。 この様にして製造されたTi被膜付きガラス
(サンプルNo.1)について光学特性及び耐摩耗性
試験結果を第1表に示す。 比較例 1 充分に洗滌乾燥された寸法900mm×600mm×3mm
のソーダ・ライム・シリケートガラス板をDCマ
グネトロンスパツタリング装置の真空槽内に入
れ、真空槽内を2×10-5Torrまで減圧した後、
真空槽内にアルゴンガスを導入した。この真空槽
内の真空度を3.0×10-3Torrに調整した後、スパ
ツター装置の電極間に0.380〜0.400KVのDC電圧
を印加し、陰極上におかれた金属Tiの板状ター
ゲツトを2分間プレスパツターし、次いで真空槽
内を3.0×10-3Torrに調整し、スパツターパワー
約7.0KWを上記ターゲツトに加え、700Å/min
のスパツターレートで30秒間スパツターし、約
350ÅのTi被膜を上記ガラス基板上に形成した。
なお、ガラス基板は約100℃に保持した。 この様にして製造されたTi被膜付きガラス
(サンプルNo.2)について、光学特性及び耐摩耗
性試験結果を第1表に示す。 実施例 2 充分に洗滌乾燥された寸法900mm×600mm×3mm
のソーダ・ライム・シリケート・ガラス板を第
1、第2のカソード(板状Tiターゲツト配置)、
第3のターゲツト(板状Cuターゲツト配置)が
連続して設けられたDCプレーナー型マグネトロ
ン・スパツタリング装置に入れ真空室内を2×
10-5Torrまで減圧した後、真空槽内にアルゴン
ガスとO2ガスを導入し、真空室内のO2ガス/ア
ルゴンガスの割合を0.5/99.5≒0.5Vol%となる様
に調整した。この真空槽内の真空度を3×
10-3Torrに調整した後、スパツター装置の各カ
ソードの電極間に350〜400VのDC電圧を印加し、
陰極上におかれた各板状ターゲツトを2分間プレ
スパツターし、次いで真空室内を3.0×10-3Torr
に調整した。上記ガラス板(板温:約100℃)を
搬送スピード770mm/分で搬送しながら上記各タ
ーゲツト前を順番に通し、第1、2ターゲツトに
おいて約220ÅのTi被膜を形成し第3のターゲツ
トにおいては前記Ti被膜上に45ÅのCr被膜を形
成した。なお、第1のカソード室においてはター
ゲツトに約18.0A、約380Vの直流電圧を、第2の
カソードにおいてはターゲツトに約18.0A、約
350Vの直流電圧を、第3のカソードにおいては
ターゲツトに4.5A、約260Vの直流電圧を加えた。
この様にして製造されたCr被膜/Ti被膜付きガ
ラス(サンプルNo.3)について光学特性及び耐摩
耗性試験結果を第1表に示す。 実施例 3 充分に洗滌乾燥された寸法900mm×600mm×3mm
のソーダ・ライム・シリケート・ガラス板を第
1、第2のカソード(板状Tiターゲツト配置)
及び第3のカソード(板状Crターゲツト配置)
が連続して設けられたDCプレーナー型マグネト
ロン・スパツタリング装置に入れ真空室内を2×
10-5Torrまで減圧した後、真空槽内にアルゴン
ガスとO2ガスを導入し、真空室内のO2ガス/ア
ルゴンガスの割合を1/99≒1Vol%となる様に
調整した。この真空槽内の真空度を、3×
10-3Torrに調整した後、スパツター装置の各カ
ソード室の電極間に350〜400VのDC電圧を印加
し、陰極上におかれた各板状ターゲツトを2分間
プレスパツターし、次いで真空室内を3.3×
10-3Torrに調整した。上記ガラス板(板温:約
100℃)を搬送スピード770mm/分で搬送しながら
上記各カソード前を順番に通し、第1、2カソー
ドにおいて略250ÅのTi被膜を形成し第3のカソ
ードにおいては前記Ti被膜上に45ÅのCr被膜を
形成した。なお、第1のカソードにおいてはター
ゲツトに約18.0A、約390Vの直流電圧を、第2の
カソードにおいてはターゲツトに約22.0A、約
360Vの直流電圧を第3の真空室においてはター
ゲツトに約4.5A、約260Vの直流電圧を加えた。
この様にして製造されたCr被膜/Ti被膜付きガ
ラス(サンプルNo.4)について光学特性及び耐摩
耗性試験結果を第1表に示す。 実施例 4 充分に洗滌乾燥された寸法900mm×600mm×3mm
のソーダ・ライム・シリケート・ガラス板を第
1、第2のカソード(板状Tiターゲツト配置)
および第3のカソード(板状Crターゲツト配置)
が連続して設けられたDCプレート型マグネトロ
ン・スパツタリング装置に入れ真空室内を2×
10-5Torrまで減圧した後、各真空槽内にアルゴ
ンガスとO2ガスを導入し、真空室内のO2ガス/
アルゴンガスの割合を2/98≒2Vol%となる様
に調整した。この真空槽内の真空度を3×
10-3Torrに調整した後、スパツター装置の各カ
ソードの電極間に350〜400VのDC電圧を印加し、
陰極上におかれた各板状ターゲツトを2分間プレ
スパツターし、次いで真空室内を3.3×10-3Torr
に調整した。上記ガラス板(板温:約100℃)を
搬送スピード770mm/分で搬送しながら上記各カ
ソード前を順番に通し、第1、2カソードにおい
ては計約220ÅのTi被膜形成し第3のカソードに
おいては前記Ti被膜上に45ÅのCr被膜を形成し
た。なお、第1のカソードにおいてはターゲツト
に約18A、約400Vの直流電圧を、第2のカソー
ドにおいてはターゲツト約28.0A、約380Vの直流
電圧を第3のカソードにおいてはターゲツトに約
4.5約260Vの直流電圧を加えた。この様にして製
造されたCr被膜/Ti被膜付きガラス(サンプル
No.5)について光学特性及び耐摩耗性試験結果を
第1表に示す。 比較例 2 充分に洗滌乾燥された寸法900mm×600mm×3mm
のソーダ・ライム・シリケート・ガラス板を第
1、第2のカソード(板状Tiターゲツト配置)
及び第3のカソード(板状Crターゲツト配置)
が連続して設けられたDCプレーナー型マグネト
ロン・スパツタリング装置に入れ真空室内を3×
10-3Torrまで減圧した後、真空槽内に純アルゴ
ンガスを導入した。この真空槽内の真空度を3×
10-3Torrに調整した後、スパツター装置の各カ
ソードの電極間に350〜400KVのDC電圧を印加
し、陰極上におかれた各板状ターゲツトを、2分
間プレスパツターし、次いで真空室内を3.3×
10-3Torrに調整した。上記ガラス板を搬送スピ
ード770mm/分で搬送しながら上記各室を順番に
通し、第1、2のカソードにおいては計約220Å
のTi被膜を形成し第3のカソードにおいては前
記Ti被膜上に50ÅのCr被膜を形成した。なお、
第1の真空室においてはターゲツトに約18A約
380Vの直流電圧を、第2の真空室においてはタ
ーゲツトに18A約350Vの直流電圧を第3の真空
室においてはターゲツトに約4.5A約260Vの直流
電圧を加えた。この様にして製造されたCr被
膜/Ti被膜付きガラス(サンプルNo.6)につい
て光学特性及び耐摩耗性試験結果を第1表に示
す。 比較例 3 充分に洗滌乾燥された寸法900mm×600mm×3mm
のソーダ・ライム・シリケート・ガラス板を第
1、第2のカソード(板状Tiターゲツト配置)
及び第3のカソード(板状Crターゲツト配置)
が連続して設けられたプレーナー型マグネトロ
ン・スパツタリング装置に入れ、真空室内を2×
10-5Torrまで減圧した後、各真空槽内にアルゴ
ンガスとO2ガスを導入し、各真空室内のO2ガ
ス/アルゴンガスの割合を20Vol%となる様に調
整した。この真空槽内の真空度を3×10-3Torr
に調整した後、スパツター装置の各室の電極間に
380〜400VのDC電圧を印加し、陰極上におかれ
た各板状ターゲツトを2分間プレスパツターした
が、ターゲツトの表面酸化が進み、Ti酸化物が
付着し、金属Ti被膜の形成はできなかつた。
【表】
○耐摩耗性試験
ANSI、2−16−1の5−18項に基づき、
Taber AbraserでCS−10F摩耗リングを用い500
g荷重で100回摩耗した。かかる摩耗試験の評価
は下式の様に、この試験前後の可視光線透過率の
変化率により行なつた。変化率が大きいほどヘイ
ズの発生が大きく、耐摩耗性に劣ることを示す。 変化率=(試験前のTv)−(試験後のTv)/試験前のTv
×100 以上の様に、本発明によればスパツタリング法
により耐摩耗性に優れたTi被膜をガラス基体面
上に形成することができ、例えば、少くとも一層
のTi被膜を有する熱線反射ガラス板の製造に対
して有用である。
Taber AbraserでCS−10F摩耗リングを用い500
g荷重で100回摩耗した。かかる摩耗試験の評価
は下式の様に、この試験前後の可視光線透過率の
変化率により行なつた。変化率が大きいほどヘイ
ズの発生が大きく、耐摩耗性に劣ることを示す。 変化率=(試験前のTv)−(試験後のTv)/試験前のTv
×100 以上の様に、本発明によればスパツタリング法
により耐摩耗性に優れたTi被膜をガラス基体面
上に形成することができ、例えば、少くとも一層
のTi被膜を有する熱線反射ガラス板の製造に対
して有用である。
Claims (1)
- 1 アルゴンガス存在下において、Ti金属ター
ゲツトに電圧を印加し、スパツタリング法により
ガラス基体上にTi被膜を形成する方法において、
上記アルゴンガスに0.1%〜5%のO2を含ませる
ことを特徴とするガラス基体上へのti被膜の形成
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3518284A JPS60180935A (ja) | 1984-02-28 | 1984-02-28 | ガラス基体上へのTi被膜の形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3518284A JPS60180935A (ja) | 1984-02-28 | 1984-02-28 | ガラス基体上へのTi被膜の形成方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS60180935A JPS60180935A (ja) | 1985-09-14 |
JPH046660B2 true JPH046660B2 (ja) | 1992-02-06 |
Family
ID=12434705
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3518284A Granted JPS60180935A (ja) | 1984-02-28 | 1984-02-28 | ガラス基体上へのTi被膜の形成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS60180935A (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4501152B2 (ja) * | 2003-09-24 | 2010-07-14 | 日本電気硝子株式会社 | ガラス物品 |
CN108715995B (zh) * | 2018-05-08 | 2020-05-26 | 江阴恩特莱特镀膜科技有限公司 | 一种用于低辐射玻璃的钛钯材及其制备方法 |
-
1984
- 1984-02-28 JP JP3518284A patent/JPS60180935A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS60180935A (ja) | 1985-09-14 |
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