JPH0465074B2 - - Google Patents

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JPH0465074B2
JPH0465074B2 JP63070309A JP7030988A JPH0465074B2 JP H0465074 B2 JPH0465074 B2 JP H0465074B2 JP 63070309 A JP63070309 A JP 63070309A JP 7030988 A JP7030988 A JP 7030988A JP H0465074 B2 JPH0465074 B2 JP H0465074B2
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JP
Japan
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charge transfer
formula
electron
atoms
transfer complex
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JP63070309A
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JPH01242583A (ja
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Fumio Ogura
Tetsuo Ootsubo
Yoshio Aso
Yutaka Shiomi
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Osaka Soda Co Ltd
Original Assignee
Daiso Co Ltd
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Publication date
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  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Oxygen Or Sulfur (AREA)
  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野] 本発明は電子供与体となりうる新規な化合物及
び該化合物を一成分とした高導電性の有機電荷移
動錯体に関する。 [従来の技術] 有機高導電性物質は銅やアルミニウム等の金属
材料に比べ軽量であること、又は腐食性がないこ
と等の優れた利点を持つていることから、近年特
に注目されつつある。 有機高導電性物質はまた金属類に比べて豊富に
存在する有機資源を原料にして製造できる点でも
優れている。一般に有機物質は電気絶縁体として
の性質を有しており、これに導電性を付与するに
は電荷移動錯体を形成させるのが良く、これまで
に種々の電子供与体と電子受容体が合成され、そ
れらの組み合わせから多数の新しい導電性の電荷
移動錯体が提供されている。 例えばD.J.Sandman等(J.Chem.Soc.,Chem.
Commun.,1977677.)は新規な電子供与体であ
る2−(チオラピン−4−イソデン)−1,3−ジ
チオールを合成し、その7,7,8,8−テトラ
シアノキノジメタンとの電荷移動錯体を報告して
いる。 [発明が解決しようとする課題] 本発明はD.J.Sandman等の合成した電荷移動
錯体の電子供与体のイオウ原子をセレン原子に置
き換えた、あるいはそれに置換基を導入した新規
な化合物を提供し、及びそれらを適切な電子受容
体と組み合わせることにより、改善された導電性
を有する電荷移動錯体を提供することを目的とす
る。 [課題を解決するための手段] 本発明はすなわち一般式() (式中X,YはS原子又はSe原子を、R1,R2
は水素原子もしくはCH3S−基を表わし、又は
R1とR2とは閉環して−SCH2CH2S−基を形成し
ていてもよい。またR1,R2が水素原子のときは
XとYとは同時にS原子であるあることはない) で示される化合物及び該化合物を電子供与体とし
他成分の電子受容体とからなる導電性電荷移動錯
体である。 他方の電子受容体成分としては一般的には、
7,7,8,8−テトラシアノキノジメタンが使
用されるが、他にテトラフルオロテトラシアノキ
ノジメタン、ヘキサシアノブタジエン、テトラシ
アノエチレン、ジクロロジシアノベンゾキノン、
クロラニル等を挙げることができる。またこの錯
体における電子供与体成分と電子受容体成分との
モル比は通常1:1である。 本発明の式()化合物及び電荷移動錯体は次
のようにして合成することができる。 A:()式化合物の合成 ()式においてR1,R2が水素原子のものは
下記()()及び()式の経路で合成する
ことができる。 ()〜()式中、X,Yは()式と同一
の置換基を示し、R3は飽和のアルキル基である。
すなわち<1>及び<2>を亜リン酸トリアルキ
ル又は亜リン酸トリフエニルの存在下、溶媒中で
加熱すると<3>が得られる。亜リン酸トリアル
キルとしては亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリ
エチル、亜リン酸トリプロピル、亜リン酸トリオ
クチル等を挙げることができる。<3>をキノイ
ド化合物の存在下溶媒中で加熱すると<4>が得
られる。キノイド化合物としてはクロラニル、ブ
ロモアニル、ジシクロジシアノベンゾキノン等を
挙げることができる。<4>を臭化リチウムの存
在下ヘキサメチルホスホリツクトリアミド中で加
熱すると<5>が得られる。 ()式中でR1,R2がCH3S−基の場合、又
はR1,R2が次式のごとく閉環して−SCH2CH2
−基を形成する場合は、 ()及び()式の経路で合成することがで
きる。 ()及び()式中、R1,R2,X及びYは
()式と同一の置換基を示す。すなわち()
及び()式と同様の方法で<6>と<2>から
<7>を、また<7>から<8>を合成すること
ができる。 B:()式化合物と電子受容体とより電荷移動
錯体の合成 通常、有機溶媒中で()式化合物と電子受容
体成分とを混ぜ合わすことにより電荷移動錯体を
合成することができる。有機溶媒としてはベンゼ
ン、トルエン、クロロベンゼン、テトラヒドロフ
ラン、アセトニトリル、ジクロロメタン等を挙げ
ることができる。またこの電荷移動錯体は有機溶
媒を用いずに、相当量の()式化合物と電子受
容体成分とを乳鉢等でよく混合することにより合
成することができる。 以下本発明を実施例によつて具体的に説明する
が、本発明は下記実施例に限定されるものではな
い。 実施例 1 窒素気流下ビス(メトキシカルボニル)−1,
3−ジチオール−2−チオン(<1>,R3
CH3,X=S)1.3g、テトラヒドロ−4H−セレ
ノピラン−4−オン(<2>,Y=Se)3.5g、
トリエチルホスフアイト5ml、およびベンゼン40
mlの混合物を12時間還流攪拌する。放冷後溶媒を
留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
イーにより精製し、ベンゼン溶出部よりクロスカ
ツプリング生成物(<3>,R3=CH3,X=S,
Y=Se)444mgを得た(収率23%)。 得られたクロスカツプリング生成物290mg、ク
ロラニル430mg、およびキシレン25mgの混合物を
11時間還流攪拌した。反応後氷水で冷却し、析出
した黒色固体を別し、液より溶媒を減圧留去
する。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフイ
ーにより精製し、ベンゼン溶出部をベンゼン−ヘ
キサン混合溶媒より再結晶し、脱水素生成物(<
4>,R3=CH3,X=S,Y=Se)241mgが得ら
れた(収率84%)。 窒素気流下、得られた脱水素生成物193mg、臭
化カリウム1水和物223mg、およびヘキサメチル
ホスホリツクトリアミド10mlの混合物を155℃で
12時間攪拌した。放冷後水を加えてベンゼンで抽
出し、抽出液を水、次いで飽和食塩水で洗浄し、
無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下
留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
イーにより精製、ベンゼン−ヘキサン(1:1)
溶出部をヘキサンより再結晶し、電子供与性化合
物(<5>,X=S,Y=Se)91mgを得た(収
率70%)。 得られた電子供与性化合物13mgをクロロベンゼ
ン2mlに、7,7,8,8−テトラシアノキノジ
メタン(以下TCNQという)10.8mgをクロロベン
ゼン4mlに溶かした後、両溶液を混合すると沈澱
が生じる。これを別すると2−(4H−セレノピ
ラン−4−イリデン)−1,3−ジチオール(<
5>,X=S,Y=Se)とTCNQとの1:1錯
体21mgが得られる。得られた電子供与体、および
電荷移動錯体の物性を第1表及び第2表に示し
た。 実施例 2〜3 実施例1のビス(メトキシカルボニル)−1,
3−ジチオール−2−チオン(<1>,R3
CH3,X=S)とテトラヒドロ−4H−セレノピ
ラン−4−オン(<2>,Y=Se)の組み合わ
せの替わりに実施例2では<1>(R3=CH3,X
=S)と<2>(Y=Se)の組み合わせを、実施
例3では<1>(R3=CH3,X=Se)と<2>
(Y=Se)の組み合わせを出発原料として用いる
他は実施例1と全く同様にして電子供与体<5>
(X=Se,Y=S)と<5>(X=Se,Y=Se)
を得、また実施例1と同様にしてそれぞれの
TCNQとの1:1の電荷移動錯体を得た。得ら
れた生成物の物性を第1表及び第2表に示した。 実施例 4 4,5−ビス(メチルチオ)−1,3−ジチオ
ール−2−チオン(<6>,R1,R2=CH3S−,
X=S)2.17g、テトラヒドロ−4H−チオピラ
ン−4−オン(<2>,Y=S)5.0g、亜リン
酸トリエチル12ml、およびベンゼン65mlの混合物
を12時間還流攪拌した。放冷後、溶媒を減圧下留
去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フイーで精製し、20%ベンゼン−ヘキサン溶出部
をヘキサンより再結晶し、クロスカツプリング生
成物(<7>,R1,R2=CH3S−,X=S,Y
=S)1.26gを得た(収率45%)。得られたクロ
スカツプリング生成物1.04g、クロラニル1.96
g、トルエン70mlの混合物を2時間還流攪拌し
た。氷冷後、析出した固体を別し、液より溶
媒を留去し、残渣をGPCにて精製し、溶出部を
ヘキサンより再結晶すると電子供与性化合物(<
8>,R1,R2=CH3S−,X=S,Y=S)744
mgが得られた(収率72%)。 得られた電子供与性化合物を実施例1と同様
に、TCNQと反応させ、1:1の電荷移動錯体
を得た。得られた生成物の物性を第1表及び第2
表第1表に示した。 実施例 5〜6 実施例4の4,5−ビス(メチルチオ)−1,
3−ジチオール−2−オンおよびテトラヒドロ−
4H−チオピラン−4−オンの組み合わせの替わ
りに、実施例5では<6>(R1,R2は閉環して、
−SCH2CH2S−基を形成、X=S)と<2>(Y
=S)、実施例6では<6>(R1,R2は閉環して
−SCH2CH2S−基を形成、X=S)と<2>(Y
=Se)の組み合わせを原料として用いる以外は
実施例4と同様にして相当する電子供与体と電荷
移動錯体を得た。得られた生成物の物性を第1表
に示した。 比較例 1 上記実施例に準じた方法で下式 に示される化合物を合成しその生成物を第1表に
併記する。
【表】
【表】 2)C:クロロベンゼン,A:アセトニトリル
3)圧縮成形したペレツトを4点法で測定した。
【表】 [発明の効果] 本発明の一般式()で示される2−(カルコ
ゲノピラン−4−イリデン)−1,3−ジカルコ
ゲノール誘導体と電子受容体よりなる電荷移動錯
体は新規物質であつて、2−(チオピラン−4−
イリデン)−1,3−ジチオールの置換体、特に
セレン原子を導入した電子供与体を使用すること
により、導電性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第6図は各実施例1〜6で得られた電
荷移動錯体の赤外線吸収スペクトルである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 一般式() (式中X,YはS原子又はSe原子を、R1,R2
    は水素原子もしくはCH3S−基を表わし、R1
    R2とは閉環して−SCH2CH2S−基を形成してい
    てもよい。またR1,R2が水素原子のときはXと
    Yとは同時にS原子であるあることはない。) で表わされる化合物。 2 請求項1の式()で表わされる化合物を電
    子供与体とし、他成分の電子受容体とからなる導
    電性電荷移動錯体。 3 電子受容体成分が7,7,8,8−テトラシ
    アノキノジメタン、テトラフルオロテトラシアノ
    キノジメタン、ヘキサシアノブタジエン、テトラ
    シアノエチレン、ジクロロジシアノベンゾキノ
    ン、クロラニルのいずれかである請求項2に記載
    の導電性電荷移動錯体。 4 電子供与体成分と電子受容体成分のモル比が
    1:1である請求項2又は3に記載の導電性電荷
    移動錯体。
JP63070309A 1988-03-23 1988-03-23 新規電子供与体及びこれを成分とする導電性電荷移動錯体 Granted JPH01242583A (ja)

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