JPH0463315B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はタンクの表面に取付けるジヤケツト構
造に係り、特に、ジヤケツトを複数に分割して設
ける場合に好適なタンク表面のシヤケツト構造に
関する。

〔従来の技術〕 タンクの表面にジヤケツトを取付け、このジヤ
ケツト内に温熱媒や冷熱媒を通すことによつて、
タンク内の貯留物を加熱または冷却（以下、加熱
という用語で代表する。）することが従来から行
われている。第６図にその一例を示す。本図は、
タンク容量が非常に大きい場合の例であり、竪型
のタンクにはジヤケツト１２が複数箇所分割して
取付けてある。このようにジヤケツト１２を分割
して設ける理由は、単一のジヤケツトに比べて、
ジヤケツト内の熱媒温度を調節し易く、均一な加
熱が可能となるからである。各ジヤケツト１２に
はそれぞれ熱媒の供給管１４および排出管１６を
接続し、供給管１４は往路主管８に、排出管１６
は復路主管２０にそれぞれ集合している。往路主
管１８および復路主管２０は共に、熱媒の加熱装
置２２に接続している。したがつて、加熱装置２
２で加熱された熱媒は往路主管１８から供給管１
４を経て、各ジヤケツト１２に供給され、タンク
１０内の貯留物と間接的に熱交換したのち、排出
管１６から復路主管２０を経て、加熱装置２２に
戻される。以上の熱媒の循環によつて、タンク１
０内の貯留物を所望の温度にまで加熱したり、ま
たは一定の温度に保持する。この目的のために、
タンク１０およびジヤケツト１２の外面を図示し
ない保温材で覆うとともに、管路系も保温を施
す。

ところで、上記のようにジヤケツト１２を複数
箇所に分割したものでは、各ジヤケツトに接続さ
れる熱媒の供給管１４や排出管１６がタンクの廻
りに林立する。このため、タンクの周辺に配管の
ための占有域を必要とする。また、配管の支持、
塗装、保温にも手間を必要とする欠点があつた。

〔発明が解決しようとする問題点〕

本発明の目的は、前記従来技術の欠点を解消
し、タンク表面に複数に分割したジヤケツトを取
付けた場合においてもタンクの周辺に配管が林立
することがなく、タンク周辺の省スペース化を図
ることができるタンク表面のジヤケツト構造を提
供することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明に係るジヤケツト構造は、複数に分割し
たジヤケツトへの熱媒供給部、熱媒排出部の少く
とも一部が前記ジヤケツトを横断してタンク表面
に接して設けられたことを特徴とする。

〔作用〕

従来、ジヤケツトに接続されていた配管の少く
とも一部をジヤケツトを横断してタンク表面に接
して設けるようにした熱媒供給部、熱媒排出部に
代えたので、タンク周辺に配管を林立させる必要
がない。

〔実施例〕

第１図〜第３図に本発明の実施例を示す。

タンク３０には複数のジヤケツト４０，５０，
６０が設けられている。各ジヤケツトは熱媒供給
管４２，５２，６２および熱媒排出管４４，５
４，６４を備える。これらの熱媒供給管および排
出管はタンク３０の下方から立ち上げられ、タン
ク表面に並設して且つ接して設けられるととも
に、前記ジヤケツトの間を通る。例えば熱媒供給
管４２はジヤケツト６０を切り欠いて形成した溝
部とジヤケツト５０を切り欠いて形成した溝部と
を通過して、最上部のジヤケツト４０に接続され
る。また、熱媒排出管４２はジヤケツト４０に接
続されるとともに、ジヤケツト４０の溝部を通つ
たのち、ジヤケツト５０の溝部およびジヤケト６
０の溝部を通つている。各ジヤケツトの内部に
は、ジヤケツト内に熱媒の通路を規制する仕切板
４６，５６，６６が設けられている。また、熱媒
供給管および熱媒排出管のジヤケツトとは接続し
ない一端にはターミナル部７０が取付けてあり、
これらのターミナル部７０を介して、各熱媒供給
管４２，５２，６２は熱媒の往路主管７２に、ま
た各熱媒排出管４４，５４，６４は熱媒の往路主
管７４に接続している。熱媒の往路主管７２から
供給された熱媒は、前記ターミナル部７０を経
て、各熱媒供給管４２，５２，６２に分配され、
各ジヤケツト４０，５０，６０内を、第１図中矢
印方向に流れ、各熱媒排出管４４，５４，６４を
経たのち、復路主管７４に達し、図示しない熱媒
の加熱装置を経て、循環使用される。本実施例に
よれば、熱媒供給管４２，５２，６２および熱媒
排出管４４，５４，６４はタンク３０の表面に設
けられているので、熱媒がこの中を通過する間に
おいても、タンク３０内の貯留物との間接的な熱
交換が行われ貯留物を加熱する。すなわち、熱媒
の供給管、排出管がジヤケツトと同様の作用を分
担する。また、これらの供給管、排出管はジヤケ
ツトの溝を通るので、ジヤケツトと供給管、排出
管がタンク表面に対して積み重ねて排出されるこ
とがない。このため、タンク表面におけるジヤケ
ツト部などの突出部を平面的に維持でき、保温施
工などが容易になるとともに、美観上も好まし
い。

前記実施例においては、ジヤケツト及び熱媒供
給管、排出管は隣接する熱媒の通路毎に仕切板を
設けるような構造として図示した。しかし、この
ような構造では、あらかじめ製作するジヤケツト
や熱媒供給か、排出管の形状が複雑となる。

また、タンク胴板と内部仕切板との溶接等によ
る接合が実質上不可能となり、熱媒通路のシール
性が確保し難いという問題がある。したがつて、
本発明を実施するにあたつては、第４図に示すよ
うな断面コ字状のエレメント８０をタンクの胴体
８２に溶接してジヤケツトにおける熱媒の通路お
よび熱媒供給管、排出管を形成することが好まし
い。すなわち、第５図に例示するように、上記断
面を備えた直状エレメント８２、屈曲エメレント
８４、Ｕ字状エレメント８６などを適宜組み合わ
せてジヤケツトと熱媒の供給管、排出管を形成す
る。これらのエレメトはプレス加工によつて容易
に製作でき、必要に応じてタンク胴体に合致した
曲率半径を付与することもできる。

本発明は上記実施例に限らず、横型のタンクに
も適用できる。また、ジヤケツトは熱媒の通路を
規制する仕切板を必ずしも必要とはせず、全体が
空胴とされたものであつてもよい。また、ジヤケ
ツトとして鋼製または可撓性のプラスチツク管を
コイル状に巻き、熱媒の供給管や排出管も同様に
管によつて構成されたものであつてもよい。

〔発明の効果〕

本発明は複数に分割されたジヤケツトに接続す
る熱媒供給管、排出管の一部が前記ジヤケツトの
間の溝を通過して、タンク表面に接して設けられ
ているので、タンク周辺にジヤケツトに接続すべ
き配管を林立させる必要がない。したがつて、こ
れらの配管に対して従来、必要とされた支持、防
熱、塗装を省略でき、前記熱媒供給、排出部をタ
ンクと一体化して、ジヤケツトと同様の熱交換作
用を分担させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例を示す図であつて、熱
媒の通路断面を主として示した側面図、第２図は
第１図の−矢視図、第３図は第１図の−
矢視図、第４図は本発明に係るジヤケツトおよび
熱媒供給部、排出部を好適に形成するためのエレ
メントの断面図、第５図は第４図に示したエレメ
ントの適用例を示す一部切欠平面図、第６図は従
来技術の一例を示す説明図である。 ３０……タンク、４０，５０，６０……ジヤケ
ツト、４２，５２，６２……熱媒供給部、４４，
５４，６４……熱媒排出部、４６，５６，６６…
…仕切板、７０……ソケツト、７２……熱媒の往
路主管、７４……熱媒の復路主管、８０……エレ
メント。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ タンク表面に複数に分割したジヤケツトを所
   定間隔で取付け、これらのジヤケツトにタンク軸
   方向の互いに対応した位置を切欠いて溝部を形成
   し、この溝部にタンクの一方側から各ジヤケツト
   に熱媒を供給する複数の熱媒供給管を並設して通
   すと共にこれらの熱媒供給管をタンク表面に接触
   し、この溝部に各ジヤケツトからの熱媒を排出す
   る複数の熱媒排出管を並設して通すと共にこれら
   の熱媒排出管をタンク表面に接触し、前記熱媒供
   給管の入口はタンクの一方側に設けられたターミ
   ナル部に接続されると共に前記熱媒排出管の出口
   はターミナル部に接続されることを特徴とするタ
   ンク表面のジヤケツト構造。