JPH0462922B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、容器内に食用油脂等の高粘性物を空
気を巻き込むことなく、内部に密な状態で充填を
可能とする充填方法並びにその装置に関する。

〔従来の技術〕

従来の食用油脂等の高粘性物をダンボール、ガ
ロン缶等の容器に充填する為には、例えば充填用
のノズル端を容器内の底部まで挿入し、該容器内
にこれら高粘性物を充填しながら、上方へ引き上
げつつその内部に食用油脂を充填したり、人手で
押えていた。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかし、これらの従来技術にあつては、充填は
容易であるものの、粘度の高いものの充填には手
間がかかり効率が悪い上に、容器の隅々まで高粘
性物の充填ができず隅部には空気が介在した状態
で、これが原因としてカビの発生や油分の劣化が
起こる原因ともなる上に、充填物の外観が悪いと
いう問題点を有している。本発明は従来のこのよ
うな高粘性物の充填に際し、充填が容易でしかも
充填時に空気の巻き込みがなく、しかも充填後は
その外観が綺麗な状態に仕上がることのできる充
填方法並びにその装置を提供せんとするのにあ
る。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明の目的は、高粘性物供給管の端部を内部
中空板状の供給部を介して容器内面間の大きさよ
りもやや小さく容器内で上下に移動しうる形状の
蓋部に連結し、該蓋部下面には前記供給管と連通
連結し横方向両側になるに従いその開口巾が大き
くなるように設定した充填口を開設してなる高粘
性物充填手段の前記蓋部を高粘性物を充填する為
の容器内に位置づけし、前記充填口から高粘性物
を充填し容器内の充填物に供給管側から充填物を
通じて加圧状態を与えることで又は一定量充填後
容器底部と蓋部間の距離を短縮することにより加
圧状態を与え、蓋部下に高粘性物を残留空間部を
なくした密の状態で充填し、次いで容器底面と蓋
部間の距離を離間することで容器内の充填空間を
作成し、前記工程を複数回くり返すことにより達
成される。

〔発明の詳説〕

本発明は更に以下の如く、その詳細が示され
る。即ち、本発明にかかる高粘性物の容器への充
填は、第１図のフローシートによつて、その方法
が理解されると同時に、第２図以降によつてこれ
ら方法に使用される装置の構成概略が理解され
る。即ち、本発明にかかる高粘性物の充填方法
は、マーガリン、シヨートニング、ラード、バタ
ー等の食用油脂やチーズ、ゼリー等の食品、又グ
リス等の油等、高粘性物１を容器２に充填する為
の高粘性物供給管３、例えば金属製パイプの端部
を高粘性物を充填する為の容器、例えば内部に合
成樹脂シート袋を内装したダンボール箱の内面管
の大きさよりも稍小さく、容器２内で上下に移動
しうる平面形状の蓋部４に連結し、前記供給管３
と連通連結してなる充填口５を下面に開設してな
る高粘性物充填手段６によつて、容器２に対する
高粘性物充填がなされる。第１図では、前記高粘
性物充填手段６として、高粘性物供給管３の端部
に単なる板状の蓋部４を固定したものを示してい
るが、この高粘性物充填手段６の具体的構成は、
例えば第２図に示すように、高粘性物供給管３と
しては、上端に金属製パイプ７が固定され、パイ
プ下端には横方向への分散を可能とする横長の連
結部分８があり、この連結部８下方には板状で高
粘性物１を均一に下方へ充填することのできる前
記連結部８と略同巾の内部中空板状の供給部９を
下設し、該管端に内部を中空とした逆錐型の蓋部
４を固定し、この蓋部４下面には第４図で示す如
く、横方向両側になるに従い、その開口巾を大き
くした充填口５を設けて高粘性物充填手段６が構
成され、前記上部のパイプ７から高粘性物１が内
部中空板状の供給部９で帯状横長幅のものに変形
され、蓋部４に開設された横方向両側になるに従
い開口巾を大きくした充填口５から全体に均一な
吐出量で充填されるように設定されている。更に
は、これら蓋部４に対し加熱手段を与えることが
考慮される。この加熱手段１０としては、第５図
に示す如く例えば蓋部４内に電気式ヒーターを用
いたり、又は蓋部４内を中空とし、この内部に温
水を供給して、蓋部４を貫通する供給管３を加熱
したり、又は第２図の如き蓋部４にあつては、そ
の内部に温水を供給する為の熱交換用パイプを内
設するもの等が適宜採用される。供給管３から送
られてくる高粘性物１が該蓋部４部分で硬化した
り、又はその粘度が高くなつたときに、充填効率
を高める意味で高粘性物１の上昇融点まで加熱し
たり、又は上昇融点よりも10℃程度低い状態まで
加熱することで、高粘性物１の流度を高め充填を
容易とする。前記加熱温度が高粘性物１の上昇融
点よりも10℃程度低い状態に加熱することの意味
は、高粘性物１中には各種成分が含まれ、それぞ
れの最高融点まで加熱しなくとも、それよりもや
や低い温度、例えば10℃程度低い状態でも溶融す
る成分が一般に含まれているので該成分を溶融す
ることで流下可能な状態の流動性を、これら高粘
性物１、例えばマーガリンに与えることができ
て、融点以下の温度の加熱で流下充填を可能とす
る。又、蓋部４への付着を防止するものである。

次に、この高粘性物充填手段６の蓋部４を高粘
性物１を充填する為の前記容器２内、特にその下
部に位置づけし、前記充填枢着５から高粘性物１
を充填し、容器２内の充填物に供給管３側から充
填物を通じて加圧状態を与えることで、又は一定
量充填後、容器２底面と蓋部４巻の距離を短縮す
ることにより加圧状態を与え、蓋部４下の高粘性
物１に対し容器２内の隅々まで流入させて、高粘
性物１中に残留空間部を無くした密の状態で充填
し、次いで容器２底面と蓋部４間の距離を離間す
ることで、容器２内の充填空間を作成し、前記工
程と同様の充填工程を複数回繰返すことで容器２
への高粘性物１の充填をなすものである。

尚、前記高粘性物充填手段６の蓋部４下面は、
充填物の付着並びに衛生上の問題から研磨された
ステンレス、シリコンシート、テフロンシート、
セラミクス等を使用して形成することが望まれ
る。

次に、このような本発明にかかる高粘性物充填
方法を第１図のフローシートにより具体的に説明
する。

図中６が高粘性物充填手段で、２が充填すべき
容器である。まず容器２は搬送装置等のコンベア
１１上に移動され、これをコンベア１１下方から
該コンベア１１間を上下に通過して移動する昇降
機で第２図の如く上昇させ、側部に位置し且つ上
下動可能な容器支持装置１３によつて前記容器２
の底部を支持し（図中ハ）、これを図中（ニ）の
如く上限上昇させ、この状態において前記高粘性
物充填手段６の蓋部４が容器２の底部近くに位置
した状態で、図中ホの如く高粘性物１を充填し、
この充填状態で容器２内の充填物に供給管３側か
ら充填物を介して加圧状態を与えることで、又は
容器２底面と蓋部４間の距離を短縮すること、例
えば前記容器支持装置１３を更に高粘性物充填手
段６方法、即ち上方へ稍移動させて互いの距離を
短縮させ、内部の充填された高粘性物に圧力を与
えて密なる状態を与え、更に容器２を側部の容器
支持装置１３でコンベア１１上へ稍下降させた状
態で、前記ホの状態で充填した高粘性物表面と、
蓋部４下面間に空間部を形成し、ここに更に次の
高粘性物を充填し、前記の如く、充填物に加圧状
態を与えることで密な充填をなし、これを適数回
繰返すことで、容器２内に所望の高粘性物を内部
に残留空間部をなくして充填する。充填後は、容
器支持装置１３の下限位置には前記昇降機１２の
上端位置が待機しているので、その上に載置した
状態で前記容器支持手段１３の支持部を側方へ離
間させて、昇降機１２のみで支持させ、更に昇降
機１２を下降動させれば、この容器２は図中イの
状態のコンベア１１上に載置された状態となる。
この状態で容器２はコンベア１１上を移動され
る。これらの充填過程において、前記高粘性物充
填手段６の蓋部４に加熱手段１０を設けていると
きには、高粘性物供給管３からの高粘性物供給時
に該蓋部４付近で硬化し、流動性が低下した状態
が発生する場合でも、融点近くまで溶融して、又
は所望の流動性を得て容器内に充填することがで
きる上に、高粘性物充填手段６の蓋部４下面に付
着した該高粘性物１の除去は溶融による流下によ
つて達成できるのである。

〔発明の効果〕

以上の如く、本発明にかかる高粘性物の充填方
法並びにその装置は、これら用いることにより容
器内に高粘性物を硬化等の問題を心配せずに自動
的且つ連続して容器に充填できる上に、充填時に
は手間が省けて効率よくなるうえに種々の形状の
容器の隅々まで加圧工程を繰返すことで充填で
き、内部に空気が混入することがなく、カビの発
生や油分の劣化を起こさせることなく、又充填状
態の外観のよいものが得られるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施状態を示すフローシー
ト、第２図は高粘性物充填手段を示す正面説明
図、第３図はその側面説明図、第４図は底面説明
図、第５図は加熱手段を組込んだ状態の実施例断
面説明図である。 １……高粘性物、２……容器、３……供給管、
４……蓋部、５……充填口、６……高粘性物充填
手段、７……金属製パイプ、８……連結部分、９
……供給部、１０……加熱手段、１１……コンベ
ア、１２……昇降機、１３……容器支持装置。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 高粘性物供給管の端部を内部中空板状の供給
   部を介して容器内面間の大きさよりもやや小さく
   容器内で上下に移動しうる形状の蓋部に連結し、
   該蓋部下面には前記供給管と連通連結してなり横
   方向両側になるに従いその開口巾が大きくなるよ
   うに設定した充填口を開設してなる高粘性物充填
   手段の前記蓋部を高粘性物を充填する為の容器内
   に位置づけし、前記充填口から高粘性物を充填し
   容器内の充填物に供給管側から充填物を通じて加
   圧状態を与えることで又は一定量充填後容器底部
   と蓋部間の距離を短縮することにより加圧状態を
   与え、蓋部下に高粘性物を残留空間部をなくした
   密の状態で充填し、次いで容器底面と蓋部間の距
   離を離間することで容器内の充填空間を作成し、
   前記工程を複数回くり返すことによる容器への高
   粘性物の充填物方法。 ２ 蓋部下面を凸状としてなる特許請求の範囲第
   １項記載の高粘性物の充填方法。 ３ 蓋部内を中空として該蓋部を加熱し高粘性物
   の付着を防止した状態下で該蓋部から容器内に充
   填してなる特許請求の範囲第１項又は第２項記載
   の高粘性物の充填方法。 ４ 蓋部内にヒーターを設けた特許請求の範囲第
   １項から第３項記載の高粘性物の充填方法。 ５ 蓋部内に温水を供給してなる特許請求の範囲
   第３項記載の高粘性物の充填方法。 ６ 加熱温度が高粘性物の上昇融点である特許請
   求の範囲第３項から第５項記載の高粘性物の充填
   方法。 ７ 加熱温度が高粘性物の上昇融点よりも10℃程
   度低い状態である特許請求の範囲第３項から第５
   項記載の高粘性物の充填方法。 ８ 高粘性物を充填する為の容器と、 前記容器の内面大きさよりもやや小さく容器内
   で上下に移動可能な形状の蓋部であり該蓋部に内
   部中空板状の供給部を介して高粘性物充填用の供
   給管を連結し、蓋部下面に供給管と連通し、横方
   向になるに従いその開口巾が大きくなるように設
   定した充填口を開設してなる高粘性物充填手段
   と、よりなる高粘性物充填装置。 ９ 蓋部下面が逆錐型であり高粘性物供給管を中
   心上下に貫通させて互いに固定し管端を蓋部下面
   に位置してなる特許請求の範囲第８項記載の高粘
   性物充填装置。 １０ 蓋部が逆錐型で内部中空のものである特許
   請求の範囲第８項又は第９項記載の高粘性物充填
   装置。