JPH046266A - フッ素系高分子薄膜およびその製造方法 - Google Patents

フッ素系高分子薄膜およびその製造方法

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JPH046266A
JPH046266A JP2109458A JP10945890A JPH046266A JP H046266 A JPH046266 A JP H046266A JP 2109458 A JP2109458 A JP 2109458A JP 10945890 A JP10945890 A JP 10945890A JP H046266 A JPH046266 A JP H046266A
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JP
Japan
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thin film
vapor deposition
film
copolymer
comonomer
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JP2109458A
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Hiroaki Nakamura
浩昭 中村
Tadashi Kusumoto
正 楠本
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Idemitsu Kosan Co Ltd
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Idemitsu Kosan Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野〕 本発明は、フッ素系高分子薄膜およびその製造方法に係
り、特に、膜厚が100μm以下であるフッ素系高分子
薄膜およびその製造方法に関する。
[従来の技術] フッ素系高分子は、吸水性および吸湿性が低く、耐薬品
性や電気絶縁性に優れているため、従来より、板状ある
いは膜状に加工して、耐食材料や電気絶縁材料等として
利用されている。フッ素系高分子を膜状に加工する方法
としては、キャスト法、延伸法、スピンコード法、ホッ
トプレス法等が一般に適用されているが、フッ素系高分
子は成形加工性に劣るため、上記方法によりピンホール
のない均一な薄膜(例えば膜厚が100μm以下である
膜。以下、薄膜とは膜厚が100μm以下である膜を意
味するものとする。)を寿ることはできない。
ところで、光学素子や光学機器の保護コーテイング膜や
、エレクトロルミネッセンス素子、層間絶縁膜、レジス
ト材料等の電子材料における電気絶縁膜を成膜するにあ
たっては、成膜時の熱による光学素子、光学機器あるい
は電子材料の特性の劣化、損傷、破壊等を防止するため
に、できるだけ低温で成膜することが望ましい。このた
め近年では、吸水性および吸湿性が低く、耐薬品性や電
気絶縁性に優れ、比較的低温で成膜可能なフッ素系高分
子の特性を活かして、このフッ素系高分子を薄膜化する
ことにより、光学素子や光学機器の保護コーテイング膜
や、エレクトロルミネッセンス素子、層間絶縁膜、レジ
スト材料等の電子材料における電気絶縁膜として利用す
る試みがなされている。
そして、フッ素系高分子薄膜としては、スパッタ法によ
り成膜されたテトラフルオロエチレン単独重合体薄膜が
報告されている[「スイン ソリッド フィルムズ(T
hin 5olid Films) J第15巻、第8
7頁、1973年]。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、スパッタ法により成膜されたテトラフル
オロエチレン単独重合体薄膜は黄色を呈するため、光学
素子や光学機器の保護コーテイング膜としては不適当で
ある。また、スパッタ法により成膜されたテトラフルオ
ロエチレン単独重合体薄膜においては、薄膜が多結晶体
であるために結晶粒界に間隙が生じることに起因して、
バルクのテトラフルオロエチレン単独重合体よりも電気
抵抗率、絶縁破壊強度、防湿性等か低下する。このため
、半導体のパッシベーション膜、エレクトロルミネッセ
ンス素子の保護膜等の電気絶縁膜として用いるには不適
当である。
したがって本発明の目的は、透明でピンホールのない均
一なフッ素系高分子薄膜であって、電気絶縁性および防
湿性に優れたフッ素系高分子薄膜およびその製造方法を
提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明は、上記目的を達成するためになされたものであ
り、本発明のフッ素系高分子薄膜は、テトラフルオロエ
チレンと少なくとも1種のコモノマーとを含むモノマー
混合物を共重合して得られる共重合体の蒸着膜からなる
ものである。
また、本発明のフッ素系高分子薄膜の製造方法は、テト
ラフルオロエチレンと少なくとも1種のコモノマーとを
含むモノマー混合物を共重合して得られる共重合体を蒸
着源とする物理的蒸着法により成膜することを特徴とす
るものである。
以下、本発明の詳細な説明する。
まず、本発明のフッ素系高分子薄膜について説明すると
、このフッ素系高分子薄膜は、前述したように、テトラ
フルオロエチレンと少なくとも1種のコモノマーとを含
むモノマー混合物を共重合して得られる共重合体の蒸着
膜からなる。この共重合体は、結晶度が低い共重合体、
好ましくは無定形共重合体であることが望ましい。また
蒸着膜の膜厚は、100μm以下であることが好ましい
本発明のフッ素系高分子薄膜を形成する共重合体用のコ
モノマーとしは、テトラフルオロエチレンと共重合して
共重合体を形成するコモノマーであれば特に限定される
ものではないが、下記式%式% −C00−アルキル基、アルキル基、過フッ化アルキル
基、水素置換過ツフ化アルキル基(“アルキル基”は、
C1〜C6アルキル基)である。]を示す。) で示されるコモノマーが好ましい。式(I)のコモノマ
ーの特に好ましい具体例としては、下記式%式%: (式中、xSx’ は、F、CIまたはHであって、同
一であっても異なっていてもよい。
で示されるコモノマー、下記式(Ib)で示されるコモ
ノマーを挙げることができる。
前記式(I)で示されるコモノマーの含有量は、テトラ
フルオロエチレンとこのコモノマーとの総量に対して0
.01〜99重量%であることが望ましく、特に11〜
80重量%であることが好ましい。
また、本発明のフッ素系高分子薄膜を形成する共重合体
用のコモノマーとして、前記式(I)で示されるコモノ
マーとともに下記(a)〜(C)のコモノマーを使用す
ることができる。
(a)エチレン、1−ブテン、イソブチレン、トリフル
オロプロペン、トリフルオロエチレン、クロロトリフル
オロエチレン等のオレフィンコモノマー (b)フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のビニルコモ
ノマー (C)パーフルオロプロペン、パーフルオロ(アルキル
ビニルエーテル)、メチル3−[1[ジフルオロ−[(
トリフルオロエチニル)オキシコメチル] −1,2,
2,2−テトラフルオロエトキシ]−2,2,3,3−
テトラフルオロプロパノエート、3− [1−[ジフル
オロ−[(トリフルオロエチニル)オキシコメチル] 
−1,2,2,2−テトラフルオロエトキシ] −2,
2,3,3−テトラフルオロプロピオネート、2− [
1−[ジフルオロ−[(トリフルオロエチニル)オキシ
コメチル] −1,2,2,2−テトラフルオロエトキ
シ] −1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホ
ニルフルオライド等のパーフルオロコモノマー 上記(11)〜(C)のコモノマーの含有量は、テトラ
フルオロエチレンと前記式(I)で示されるコモノマー
との総量に対して0.005〜30重量%、特に1〜1
5重量%であることが好ましい。
なお、上記(a)〜(C)のコモノマーを前記式(I)
で示されるコノモマーと併用する場合には、上記(a)
〜(C)のコモノマーの含有量が、テトラフルオロエチ
レン、前記式(I)で示されるコノモマーおよび上記(
a)〜(C)のコモノマーの各含有量の中で最少となる
ようにすることが望ましい。
本発明のフッ素系高分子薄膜は、上述したテトラフルオ
ロエチレンと少なくとも1種のコモノマーとを含むモノ
マー混合物を共重合して得られる共重合体の蒸着膜から
なり、このような蒸着膜は、例えば後述する本発明のフ
ッ素系高分子薄膜の製造方法により成膜することができ
る。そして、本発明のフッ素系高分子薄膜の膜厚は、l
nm以上好ましくは10nm以上、100μm以下であ
る。
膜厚を1nm未満とした場合には、均一な薄膜とならな
い。また膜厚が100μmを超える膜は作製に時間がか
かり、実用的でない。
次に、本発明のフッ素系高分子薄膜の製造方法について
説明すると、本発明のフッ素系高分子薄膜の製造方法は
、前述したように、テトラフルオロエチレンと少なくと
も1種のコモノマーとを含むモノマー混合物を共重合し
て得られる共重合体を蒸着源とする物理的蒸着法により
成膜するものである。
本発明のフッ素系高分子薄膜の製造方法において蒸着源
として使用する共重合体は、ガラス転移点が50℃以上
であることが好ましい。このような共重合体用のコモノ
マーとしは、テトラフルオロエチレンと共重合して、ガ
ラス転移点が50℃以上である共重合体を形成するコモ
ノマーであれば特に限定されるものではないが、前記式
(I)で示されるコモノマー、特に前記式(Ia)、(
Ib)および(Ic)で示されるコモノマーが好ましい
。前記式(I)で示されるコモノマーの含有量は、テト
ラフルオロエチレンとこのコモノマーとの総量に対して
0.01〜99重量%であることが望ましく、特に11
〜80重量%であることが好ましい。
また、前記式(I)で示されるコモノマーとともに前記
(a)〜(C)のコモノマーを併用することができる。
前記(a)〜(C)のコモノマーの含有量は、テトラフ
ルオロエチレンと前記式(I)で示されるコモノマーと
の総量に対して0.005〜30重量%、特に1〜15
重量%であることか好ましい。なお、上記(a)〜(C
)のコモノマーを前記式(I)で示されるコノモマーと
併用する場合には、上記(a)〜(C)のコモノマーの
含有量が、テトラフルオロエチレン、前記式(I)で示
されるコノモマーおよび上記(a)〜(C)のコモノマ
ーの各含有量の中で最少となるようにすることが望まし
い。
上述したコモノマーとテトラフルオロエチレンとを原料
とする共重合体は、常法により得ることができ、この共
重合体からなる蒸着源の形状は、粉末状、粒状、バルク
状、ディスク状、ベレット状等、特に限定されるもので
はなく、成膜する際に適用する物理的蒸着法の種類に応
じて適宜選択される。
本発明のフッ素系高分子薄膜の製造方法において適用す
る物理的蒸着法とは、真空蒸着法およびスパッタ法を意
味し、それぞれの方法は例えば以下のように細分するこ
とかできるが、いずれの手法であっても適用することが
できる。
■真空蒸着法 抵抗加熱法、電子ビーム加熱法、高周波誘導加熱法、反
応性蒸着、分子線エピタキシー法、ホットウォール蒸着
法、イオンプレーテインク法、クラスターイオンビーム
法等。
■スパッタ法 2極スパツタ法、2極マグネトロンスパツタ法、3極お
よび4極プラズマスパツタ法、反応性スパッタ法等。
成膜条件は適用する物理的蒸着法の種類により異なるが
、例えば真空蒸着法(抵抗加熱法、電子ビーム加熱法、
高周波誘導加熱法)の場合は、真空度を蒸着前真空度で
I×1O−4Pa以下、好ましくは6X10−3Pa以
下とし、蒸着源の加熱温度を700℃以下、好ましくは
600°C以下とし、蒸着速度を50nm/s以下、好
ましくは3nm/S以下とし、基板温度を200℃以下
、好ましくは100℃以下として成膜することが望まし
い。
このときの基板は特に限定されるものではなく、プラス
チック、金属、セラミックス等を用いることができる。
また基板には、ITO膜からなる透明電極等が付設され
ていてもよい。膜厚は、得られるフッ素系高分子薄膜を
光学素子や光学機器の保護コーテイング膜や電子材料に
おける電気絶縁膜として利用するのに好適な、100μ
m以下とする。
本発明のフッ素系高分子薄膜の製造方法により得られる
フッ素系高分子薄膜は、蒸着源として使用した共重合体
と同様の共重合体からなり、透明でピンホールのない薄
膜であるため、薄膜化に伴う電気抵抗率、絶縁破壊強度
、防湿性等の低下が小さい。したがって本発明のフッ素
系高分子薄膜の製造方法によれば、透明で電気絶縁性お
よび防湿性に優れたフッ素系高分子薄膜が得られる。
なお、テトラフルオロエチレンと前記式(Ia)で示さ
れるコモノマーとを含むモノマー混合物を共重合して得
られる共重合体の蒸着膜において、モノマー混合物中の
前記式(Ia)で示されるコモノマーの含有量を23重
量%(10モル%)以上とすると、透明でピンホールか
なく、電気絶縁性および防湿性に優れ、さらに寸法安定
性及び耐熱性にも優れたフッ素系高分子薄膜が得られる
ため、LSIの誘電層等としても好適である。また、モ
ノマー混合物中の前記式(Ia)で示されるコモノマー
の含有量が23重量%(10モル%)以上の場合に得ら
れる共重合体の蒸着膜は、屈折率が低く、紫外線の深部
から近赤外の波長領域に亘って透光性に優れるため、マ
イクロウェーブレーダー等の保護コーテイング膜として
も好適である。
[実施例コ 以下、本発明の実施例について説明する。
実施例1 蒸着源として、テトラフルオロエチレンと、パーフルオ
ロ−2,2−ジメチル1,3−ジオキソール(前述の式
(Ia)で示されるコモノマー)との無定形共重合体粉
末[商品名:テフロンAF1600、デュポン(du 
Pont )社製]を用い、基板として、イソプロピル
アルコールで30分間超音波洗浄した後、純水で30分
間洗浄し、最後に再びイソプロピルアルコールで30分
間超音波洗浄したスライドガラスを用いて、真空蒸着装
置(昭和真空■製)により、以下の要領でフッ素系高分
子薄膜を成膜した。
まず、第1図に示すように、真空蒸着装置1を構成する
チェンバー2内に配設されているタングステン製のバス
ケット抵抗加熱体3に、上記蒸着源を収容したアルミナ
製坩堝4を入れ、このアルミナ製坩堝4の上に12μm
φのステンレス製メツシュ5をかぶせた。
一方、基板であるスライドガラス6は、タングステン製
のバスケット抵抗加熱体3の上方にシャッター7を介し
て配置した。
次いで、チェンバー2内を10=Paまで減圧した後、
タングステン製のバスケット抵抗加熱体3に通電して蒸
着源を450℃に加熱し、基板温度を室温として、0.
2nm/sの蒸着速度で膜厚0.25μm(250nm
)のフッ素系高分子薄膜をスライドガラス6上に成膜し
た。このときの蒸着速度は、チェンバー2内に配置され
ている水晶振動式膜厚計(日本真空技術■製)8により
蒸着膜の膜厚をモニターしながらシャッター7を制御す
ることにより調節した。また、得られた薄膜の膜厚は、
水晶振動式膜厚計8と触針式膜厚計とで測定し、いずれ
の測定結果も0.25μmであった。なお、水晶振動式
膜厚計8には、この水晶振動式膜厚計8を冷却するため
の冷却水用管を内包した支持具9が配設されており、こ
の支持具9は、チェンバー2の外側に配置されている支
持壁10により支持されている。
このようにして得られたフッ素系高分子薄膜は、目視観
察の結果、透明であることが確認された。
また、光学顕微鏡および電子顕微鏡で観察した結果、ピ
ンホールは認められなかった。
また、このようにしてなるフッ素系高分子薄膜の電気抵
抗率、絶縁破壊強度、誘電率、および透湿係数を以下の
要領で測定した。
・電気抵抗率 基板としてITO透明透明付極付ライドガラスを用いた
以外は実施例1と同じ条件で、ITO透明電極を設けた
側の基板表面上に膜厚0.25μmのフッ素系高分子薄
膜を成膜し、この薄膜上に、0.2nm/sの蒸着速度
で膜厚0.05μm (50nm)のアルミニウム膜を
成膜してサンプルとし、このサンプルのITO透明電極
とアルミニウム膜との間に一定電圧(8,2V)を印加
したときの厚み方向の電気抵抗率を測定した。
・絶縁破壊強度 電気抵抗率を測定する際に用いたサンプルのITO透明
電極とアルミニウム膜との間に徐々に高い電圧をかけ、
絶縁破壊したときの印加電圧から求めた。
・誘電率 静電容量測定装置(横用ヒユーレット・パラカード■製
)により、電気抵抗率を測定する際に用いたサンプルの
静電容量を測定し、次式から算出した。なお、測定周波
数は100Hzである。
C=ε・ε。S/d (Cは静電容量、εはフッ素系高分子薄膜の誘電率、ε
。は真空中の誘電率、Sは電極の面積、dは電極間距離
である。) ・透湿係数 まず、円板状の水晶発振子の上面および下面に電極とし
て金薄膜を成膜し、上面および下面のうちの一方の面に
成膜された金薄膜上にポリビニルアルコール層を形成し
てなる素子を用意し、この素子におけるポリビニルアル
コール層の吸湿量M(単位はg)と水晶発振子の周波数
減少量af (単位はHz)との関係を示す近似式を求
める。ここでは、下記の近似式となった。
M (g)=10−8(g/Hz)  ・Δf  (H
z)次に、上記素子を基板として用い、この基板のポリ
ビニルアルコール層を設けた面上に、実施例1と同じ条
件で膜厚0.25μmのフッ素系高分子薄膜を成膜した
後、このフッ素系高分子薄膜を成膜した素子を温度25
℃、湿度70%に保った恒温恒湿槽中にセットし、水晶
発振子の周波数変化を5時間連続して測定した結果から
単位時間当たりの周波数減少量、dF (単位はHz/
h)を求め、この7Fとポリビニルアルコール層の面積
(単位はrr1′)とから、上記式に基づいてポリビニ
ルアルコール層における単位面積および単位時間当たり
の吸湿量M。(単位はg”m’・h−りを求める。
この後、Moの値を1気圧における値に換算して、素子
に設けたフッ素系高分子薄膜の透湿係数(単位はg−m
−1・h−’−atm−’)とした。
このようにして求められる透湿係数が小さいフッ素系高
分子薄膜はど、防湿性が高い。
これらの結果を表−1に示す。
実施例2 蒸着源の加熱温度を470°C1蒸着速度を2nm/s
とした以外は実施例1と同様にして、膜厚0.25μm
 (250nm)のフッ素系高分子薄膜をスライドガラ
ス上に成膜した。
このようにして得られたフッ素系高分子薄膜は、目視観
察の結果、透明であることが確認された。
また、光学顕微鏡および電子顕微鏡で観察した結果、ピ
ンホールは認められなかった。
また、このようにしてなるフッ素系高分子薄膜の電気抵
抗率、絶縁破壊強度、誘電率、および透湿係数を実施例
1と同様にして測定した。これらの結果を表−1に示す
実施例3 蒸着源の加熱温度を450℃とした以外は実施例1と同
様にして、膜厚0.06μm(60nm)のフッ素系高
分子薄膜をスライドガラス上に成膜した。
このようにして得られたフッ素系高分子薄膜は、目視観
察の結果、透明であることが確認された。
また、光学顕微鏡および電子顕微鏡で観察した結果、ピ
ンホールは認められなかった。
また、このようにしてなるフッ素系高分子薄膜の電気抵
抗率、絶縁破壊強度、誘電率、および透湿係数を実施例
1と同様にして測定した。これらの結果を表−1に示す
なお参考として、各種高分子化合物の電気抵抗率、絶縁
破壊強度、誘電率、および透湿係数を、表−1に併記す
る。
(以下余白) 表−1から明らかなように、実施例1〜3で得られた各
フッ素系高分子薄膜は、いずれも1×1015Ωm以上
の高い電気抵抗率を有し、電気絶縁性に優れていること
が確認された。なお、蒸着源として用いたテトラフルオ
ロエチレンとパーフルオロ−2,2−ジメチル1,3−
ジオキソールとの無定形共重合体(フィルム)の電気抵
抗率は1×1016Ωmであるので、薄膜化に伴う電気
抵抗率の低下は非常に小さかった。また、実施例1〜3
で得られた各フッ素系高分子薄膜の絶縁破壊強度は、い
ずれも4.0XIO8V/m以上という非常に高いもの
であり、この点からも電気絶縁性に優れていることが確
認された。さらに、実施例1〜3で得られた各フッ素系
高分子薄膜の誘電率は、いずれも1.4 (100Hz
)という非常に小さいものであった。
また、実施例1〜3で得られた各フッ素系高分子薄膜の
透湿係数は、いずれも6.2X10−6g・m”・h−
1・atr1以下であり、防湿性に優れていることが確
認された。
なお、基板としてゲルマニウム基板を用いた以外は各実
施例と同様にして、ゲルマニウム基板上にそれぞれフッ
素系高分子薄膜を成膜し、これらフッ素系高分子薄膜の
赤外吸収スペクトルをそれぞれ測定して、これらの赤外
吸収スペクトルと蒸着源として用いた無定形共重合体の
赤外吸収スペクトルと比較したところ、実施例1〜3で
得られたいずれのフッ素系高分子薄膜も、蒸着源として
用いた無定形共重合体と同じものであることが確認され
た。−例として、実施例1で得られたフッ素系高分子薄
膜の赤外吸収スペクトルを第2図に、また、蒸着源とし
て用いた無定形共重合体の赤外吸収スペクトルを第3図
にそれぞれ示す。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明のフッ素系高分子薄膜は、
透明でピンホールのない均一なフッ素系高分子薄膜であ
って、電気絶縁性および防湿性に優れたフッ素系高分子
薄膜である。そしてこのフッ素系高分子薄膜は、本発明
のフッ素系高分子薄膜の製造方法により比較的低温で成
膜することができる。
したがって本発明によれば、成膜時の熱による光学素子
、光学機器あるいは電子材料の特性の劣化、損傷、破壊
等を防止しつつ、光学素子や光学機器については、透明
でピンホールがなく、電気絶縁性および防湿性に優れた
保護コーテイング膜を設けることが可能となり、またエ
レクトロルミネッセンス素子、層間絶縁膜、レジスト材
料等の電子材料については、透明でピンホールがなく、
電気絶縁性および防湿性に優れた電気絶縁膜を設けるこ
とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例で用いた真空蒸着装置を示す概略図であ
り、第2図は実施例1で得られたフッ素系高分子薄膜の
赤外線吸収スペクトル図であり、第3図は実施例におい
て蒸着源として用いた無定形共重合体の赤外線吸収スペ
クトル図である。 1・・・真空蒸着装置、 2・・・チェンバー  3・
・・タングステン製のバスケット抵抗加熱体、 4・・
・アルミナ製坩堝、6・・・スライドガラス(基板)。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)テトラフルオロエチレンと少なくとも1種のコモ
    ノマーとを含むモノマー混合物を共重合して得られる共
    重合体の蒸着膜からなるフッ素系高分子薄膜。
  2. (2)テトラフルオロエチレンと少なくとも1種のコモ
    ノマーとを含むモノマー混合物を共重合して得られる共
    重合体を蒸着源とする物理的蒸着法により成膜すること
    を特徴とするフッ素系高分子薄膜の製造方法。
JP2109458A 1990-04-25 1990-04-25 フッ素系高分子薄膜およびその製造方法 Pending JPH046266A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008133088A1 (ja) 2007-04-20 2008-11-06 Asahi Glass Company, Limited 含フッ素ポリマー薄膜とその製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008133088A1 (ja) 2007-04-20 2008-11-06 Asahi Glass Company, Limited 含フッ素ポリマー薄膜とその製造方法

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