JPH046185Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は商用電源を降圧して電球を点灯させる
照明器具等に用いるトランスに関する。

〈従来の技術〉 例えば照明器具には、第５図及び第６図に示す
如く商用電源の100又は200Vの電圧をトランス１
６により６〜24Vに降圧して電球１７を点灯させ
るようにしたものがあるが、この照明器具の器具
ケース１８の形状は一般に円筒形のものが多い。
ところが、器具ケース１８内に収納されるトラン
ス１６は日字型に組合わされた積層鉄心１９に１
次巻線２０及び２次巻線２１をコイルボビン２２
を介して巻装して成るものであり、立方体又は直
方体のような形状であつた。

〈考案が解決するための問題点〉 従つて、器具ケース１８とこれに収納したトラ
ンス１６との間に比較的大きい無駄な空間がで
き、従つて器具全体が大きな形状となり、器具の
コンパクト化が妨げられた。

本考案は上記問題点に鑑み、円筒形の器具ケー
ス等に大きな無駄な空間をつくることなく収納で
きるトランスを提供することを目的とする。

〈問題点を解決するための手段〉 この技術的課題を解決する本考案の技術的手段
は、円弧状に湾曲しかつ両者で円を形成するよう
に両端同志が相互に連結された一対の外磁路２，
２と、外磁路２，２間を径方向に通りかつ両端が
外磁路２，２の各両端に連結された中央磁路３と
を有する円筒形の積層鉄心１を１個備え、中央磁
路３の中央部に高圧側の１次巻線１１が巻回さ
れ、中央磁路３の両端部に低圧側の２次巻線１２
が巻回され、前記１次巻線１１及び２次巻線１２
は、中央磁路３と一方の外磁路２との間から積層
鉄心１の一方の積層端面外方を通つて中央磁路３
と他方の外磁路２との間に至ると共に、積層鉄心
１の他方の積層端面外方を通つて中央磁路３と一
方の外磁路２との間に戻るように、中央磁路３に
巻回されている点にある。

〈作用〉 トランス全体を円柱状に形成でき、従つてそれ
を円筒形状の器具ケース１８に対して無駄な空間
を形成することなく収まりよく収納し得る。

〈実施例〉 以下、本考案を図示の実施例に従つて説明する
と、第１図及び第２図において、１は積層鉄心
で、一対の外磁路２，２と中央磁路３とを有す
る。外磁路２，２は両者で円を形成するように円
弧状に湾曲しかつ両端同志が相互に連結され、中
央磁路３は外磁路２，２間を径方向に通りかつ両
端が外磁路２，２の各両端に連結されており、積
層鉄心１は円筒形に形成されている。この積層鉄
心１は中央磁路３に直交する径方向の線分ａで二
分割された状態の一対のけい素鋼板４ａ，４ｂを
円板形状に組合せて多数積層して成るものであ
る。

６はコイルボビンで、鉄心１の中央磁路３に外
嵌する筒部７と、筒部７の中途部に外方突設され
た一対の鍔部８，８と、筒部７の長手方向両端に
外磁路２，２内面に添うように突設された一対の
係止突部９，９とを有する。

１１は高圧側の１次巻線で、中央磁路３の長手
方向中央部にコイルボビン６を介して巻回されて
いる。１２は低圧側の２次巻線で、中央磁路３の
長手方向両端部にコイルボビン６を介して巻回さ
れている。そして、前記１次巻線１１及び２次巻
線１２は、中央磁路３と一方の外磁路２との間か
ら積層鉄心１の一方の積層端面外方を通つて中央
磁路３と他方の外磁路２との間に至ると共に、積
層鉄心１の他方の積層端面外方を通つて中央磁路
３と一方の外磁路２との間に戻るように、中央磁
路３に巻回されている。

１次巻線１１は２次巻線１２に比べて線径が細
く形成され、鍔部８，８間の筒部７に整列巻にし
て巻回され、２次巻線１２は１次巻線１１を両側
から挟むように各鍔部１１，１１と係合突部９，
９との間の筒部７上に分けて巻回され、１次巻線
１１は２次巻線１２よりも巻数が多くなつてい
る。例えば入力が200Vで出力が6V，3Aのトラン
スの場合、１次巻線１１の巻数が3000回でその線
径がφ0.2mm、２次巻線１２の巻数が90回でその線
径がφ1.0mmに形成される。

第３図は他の実施例を示し、積層鉄心１を構成
するけい素鋼板４ａ，４ｂを、第４図にも示す如
く中央磁路３に直交する方向に対してやや扁心し
た径方向の線分ｂで２分割した状態のものに形成
し、このけい素鋼板４ａ，４ｂを一対ずつ円板形
状に組合せ、多数のけい素鋼板４ａ，４ｂを積層
方向に隣り合うもの同志が交互にラツプするよう
にしたものである。その他の点は前記実施例と同
様の構成である。

なお、コイルボビン６両端の係止突部９，９を
第７図に示す如く外磁路２内面に添つて大きく突
出した場合、コイルボビン６の両端部への巻線が
困難になるが、前記実施例では係止突部９，９を
僅に突出させているだけであるから、２次巻線１
２の巻回が困難になるようなことはない。

〈考案の効果〉 本考案によれば、円弧状に湾曲しかつ両者で円
を形成するように両端同志が相互に連結された一
対の外磁路２，２と、外磁路２，２間を径方向に
通りかつ両端が外磁路２，２の各両端に連結され
た中央磁路３とを有する円筒形の積層鉄心１を備
え、１次巻線１１及び２次巻線１２は、中央磁路
３と一方の外磁路２との間から積層鉄心１の一方
の積層端面外方を通つて中央磁路３と他方の外磁
路２との間に至ると共に、積層鉄心１の他方の積
層端面外方を通つて中央磁路３と一方の外磁路２
との間に戻るように、中央磁路３に巻回されてい
るので、１次巻線１１及び２次巻線１２が円筒形
の積層鉄心１に対して軸方向外方に突出するのみ
で径方向外方には全く突出するようなことはな
く、トランス全体を径方向外方への突出部分のな
い円柱状に形成できる。従つて、トランスを円筒
形状の器具ケースに対して無駄な空間を形成する
ことなく収納することが可能になり、例えば器具
ケースに収納したトランスを有する器具の全体形
状を極力コンパクトになし得る。しかも、１次巻
線１１は巻数が多く電圧が高い為、整列巻にする
ことが望ましく、また２次巻線１２は巻数が少な
く電圧が低いし線径も太い為、巻線の被膜が厚く
整列巻でなくても良いが、中央磁路３の中央部に
高圧側の１次巻線１１が巻回され、中央磁路３の
両端部に低圧側の２次巻線１２が巻回されている
ので、外磁路２，２が円弧状に湾曲しているにも
拘わらず、整列巻を必要とする１次巻線１１を整
列巻きにすることができ、トランスの特性や絶縁
機能を損なうような惧れもなく、その実用的効果
は著大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す正断面図、第
２図は第１図のＡ−Ａ線断面図、第３図は他の実
施例を示す正断面図、第４図は同けい素鋼板の斜
視図、第５図は従来例を示す側断面図、第６図は
同正断面図、第７図は比較例を示すコイルボビン
部分の正断面図である。 １……積層鉄心、２……外磁路、３……中央磁
路、１１……１次巻線、１２……２次巻線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 円弧状に湾曲しかつ両者で円を形成するように
   両端同志が相互に連結された一対の外磁路２，２
   と、外磁路２，２間を径方向に通りかつ両端が外
   磁路２，２の各両端に連結された中央磁路３とを
   有する円筒形の積層鉄心１を１個備え、中央磁路
   ３の中央部に高圧側の１次巻線１１が巻回され、
   中央磁路３の両端部に低圧側の２次巻線１２が巻
   回され、前記１次巻線１１及び２次巻線１２は、
   中央磁路３と一方の外磁路２との間から積層鉄心
   １の一方の積層端面外方を通つて中央磁路３と他
   方の外磁路２との間に至ると共に、積層鉄心１の
   他方の積層端面外方を通つて中央磁路３と一方の
   外磁路２との間に戻るように、中央磁路３に巻回
   されていることを特徴とするトランス。