JPH046118Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は新規な電球の焦点リングに関する。詳
しくは、電球の口金部に取り付ける際における位
置合わせが容易であると共に、位置決めした後の
位置ずれを起し難い新規な電球の焦点リングを提
供しようとするものである。

背景技術とその問題点 電球、特に自動車用の灯具に使用される電球に
は、その口金部に焦点位置調整用の焦点リングが
形成されるものが多い。ところで、このような電
球において、焦点リングは電球をランプボデイに
取り付ける際の基準面を為すものであるから、電
球のフイラメントに対して正しく位置決めされて
いることが必要である。焦点リングは電球の口金
部に半田付けあるいは溶接等によつて固着される
ものであり、かかる固着を行なう前の位置合わせ
の段階では、焦点リングを電球の口金部に対して
スムースに移動できるものである必要があり、ま
た、位置合わせ後は、半田付け又は溶着等により
固着するまでの間、その位置が容易に動いてしま
うようなものであつてはならない。

ところが、位置合わせをスムースに行なえるよ
うにするために、嵌合部の内径を稍大きめ目にす
れば、完全に固着するまでの間に位置ずれを起す
危険があるし、また、位置ずれを起さないように
と、嵌合部の内径を小さ目にすると、位置合わせ
をやり難いという問題があつた。

考案の目的 そこで、本考案は、上記した問題点に鑑みて為
されたもので、電球の口金部に取り付ける際にお
ける位置合わせが容易であると共に、位置決めし
た後の位置ずれを起し難い新規な電球の焦点リン
グを提供することを目的とする。

考案の概要 本考案電球の焦点リングは、上記した目的を達
成するために、短い円筒状を為す嵌合環と、該嵌
合環の一端縁から外方へ向つて突設されたフラン
ジ部とから成り、嵌合環の他端縁には複数の小さ
な切欠が形成され、該切欠の間に形成される弾接
片が中心方向へと傾斜され、これら弾接片の端縁
が一の円周上に配列され、上記フランジ部は半径
方向の断面形状が波形になつていることを特徴と
する。

実施例 以下に、本考案電球の焦点リングの詳細を図示
した実施例に従つて説明する。

先ず、本考案に係る電球の焦点リングを使用し
た電球の例について説明する。

１は電球のガラス球であり、その内部にフイラ
メント２，２、遮光板３等の所要の要素及び適当
なガスが封入されており、かつ、このガラス球１
は既知の手段により円筒状の口金４の先端に固着
されており、また、口金４の後端からは端子５，
５，５が突設されている。

６は金属製の焦点リングであり、電球の口金４
に外嵌固定される嵌合環７と、該嵌合環７の一端
縁から外方へ向かつて突設されたフランジ部８と
が一体に形成されて成る。そして、嵌合環７の他
端縁には等間隔を隔てて３つの小さな切欠９，
９，９が形成され、各切欠９，９，９の間の部分
１０，１０，１０が弾接片とされている。これら
弾接片１０，１０，１０はその端縁が嵌合環７の
中心の方へ変位するように傾斜されており、か
つ、このように傾斜された弾接片１０，１０，１
０の各端縁１１，１１，１１が一の円周上にある
ように配列されている。尚、フランジ部８は半径
方向の断面形状が波形になつており、１２，１
２，１２はフランジ部８の外縁から更に突設され
た位置決め用の突片である。

しかして、上記の如き焦点リング６の嵌合環７
が口金４に外嵌され、そして、フイラメント２、
２と焦点リング６との位置関係が所定の関係とな
るように焦点リング６を口金４に対して移動さ
せ、焦点リング６の位置が定まつたところで、焦
点リング６を口金４に半田付け、溶着等により固
定する。

本考案に係る焦点リングによれば、上記のよう
にその位置を調整する作業を容易に行なうことが
できる。即ち、上記焦点リング６においては、嵌
合環７の一端縁に形成したフランジ部８の半径方
向の断面形状を波形にするとともに、嵌合環７の
他端縁に小さな切欠９，９，９を形成することに
よつて弾性がより与えられた弾接片１０，１０，
１０の端縁１１，１１，１１が口金４の外周面と
弾力的に接触するので、口金４と焦点リング６と
の嵌合作業が容易になり、口金４に対して焦点リ
ング６をスムースに動かして位置合わせを行なう
ことができる。また、各弾接片１０，１０，１０
の端縁１１，１１，１１が一の円周上にあるよう
に配列されているので、口金４と焦点リング６と
の弾接による結合関係がしつかりとし、位置合わ
せを行なつて両者を仮付けした後、本付けをする
までの間に口金４と焦点リング６との間の位置関
係がずれることがない。更に、弾接片１０，１
０，１０は傾斜されているため、ガラス球１の方
を下にした場合、これら弾接片１０，１０，１０
と口金４の外周面との間にＶ字状の溝が出来、こ
の溝に半田と流し込めば、半田が弾接片１０，１
０，１０と口金４との間に良く浸透し、半田付け
強度が高くなるという利点がある。

考案の効果 以上に記載したところから明らかなように、本
考案電球の焦点リングは、短い円筒状を為す嵌合
環と、該嵌合環の一端縁から外方へ向つて突設さ
れたフランジ部とから成り、嵌合環の他端縁には
複数の小さな切欠が形成され、該切欠の間に形成
される弾接片が中心方向へと傾斜され、これら弾
接片の端縁が一の円周上に配列され、上記フラン
ジ部は半径方向の断面形状が波形になつているこ
とを特徴とする。

従つて、本考案に係る電球の焦点リングは、電
球の口金部に取り付ける際における位置合わせが
容易であると共に、位置決めした後の位置ずれを
起し難い。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る電球の焦点リングを使用
した電球の一例を示す斜視図、第２図乃至第４図
は本考案電球の焦点リングの実施の一例を示し、
第２図は斜視図、第３図は平面図、第４図は第３
図のＡ−Ａ線に沿う断面図である。 符号の説明、６……電球の焦点リング、７……嵌
合環、８……フランジ部、９……切欠、１０……
弾接片、１１……弾接片の端縁。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 短い円筒状を為す嵌合環と、該嵌合環の一端縁
   から外方へ向つて突設されたフランジ部とから成
   り、 嵌合環の他端縁には複数の小さな切欠が形成さ
   れ、 該切欠の間に形成される弾接片が中心方向へと
   傾斜され、 これら弾接片の端縁が一の円周上に配列され、 上記フランジ部は半径方向の断面形状が波形に
   なつている ことを特徴とする電球の焦点リング。