JPH0461164B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はエンジンオイル給油装置の構造に関
し、具体的には、エンジン冷却用フアンを覆うフ
アンハウジングを備えたエンジンにおけるエンジ
ンオイル給油装置の構造に関する。

〔従来の技術〕

４サイクルエンジンではクランクケース内にエ
ンジンオイルが溜められ、該エンジンオイルをク
ランクシヤフトの主軸受や大端部あるいは吸排気
弁駆動部に導いて潤滑が行われる。このエンジン
オイルは所定期間使用ごとに交換または補充して
常に所定の量および所定の油性を確保する必要が
あり、そのためエンジン給油装置が設けられてい
る。

一方、空冷式エンジンではクランクシヤフトで
駆動される冷却フアンで冷却風を生起し、シリン
ダやシリンダヘツド等の高温部に冷却風を導くよ
う構成されている。この場合、冷却フアンを空気
取入れ口を有するフアンハウジングで覆い、該フ
アンハウジングをスパイラル形状など適当な形状
に設計することにより、冷却風を所望箇所へ導く
構造になつている。

第５図は従来のフアンハウジングを備えたエン
ジンのエンジンオイル給油装置の構造例を示す。

第５図は縦軸型エンジンの場合を示し、クラン
クケース１に上下に延びるクランクシヤフト２が
軸支され、クランクシヤフト２上端にフライホイ
ールを兼ねた冷却フアン３が固定され、クランク
シヤフト２の下端部が出力軸になつている。

エンジンの上側には前記冷却フアン３を覆うフ
アンハウジング４が取付けられている。一方、エ
ンジンオイル５はクランクケース１の底部を形成
するオイルパン（またはカバー）６内に溜められ
ている。

然して、エンジンオイル給油装置７は、オイル
パン６（クランクケース１）内に連通する給油パ
イプ８をフアンハウジング４の外部に沿つて配設
し、該フアンハウジング４にねじ止め等で固定さ
れるブラケツト９で給油パイプ８の途中を支持す
る構造を有していた。なお、給油パイプ８の上端
（給油口）には油面ゲージ１０を有するキヤツプ
１１が装着されている。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかし、第５図に示すような従来のエンジンオ
イル給油装置では、別体の給油パイプ８をねじ止
めブラケツト９などの保持部材で支持するため構
造が複雑でコストが嵩むとともに、給油パイプ８
が外部に突出しているのでエンジン運搬時に損傷
したり取扱い性に劣りかつ外観上も好ましくない
ということがあつた。

〔発明の目的〕

本発明は上記技術的課題に鑑みてなされたもの
であり、本発明の目的は、エンジンオイル給油装
置およびフアンハウジングの部品点数および組み
付け工数を大幅に節減することができ、給油系の
保護機能にすぐれ、給油系をフアンハウジングの
位置決め取り付け手段としても使用することがで
き、しかも、エンジンの取り扱い性および外観に
もすぐれたエンジンオイル給油装置を提供するこ
とである。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明のエンジンオイル給油装置は、クランク
シヤフトのクランクケースから上方へ突出した部
分に冷却フアンを固定し、該フアンを覆うように
プラスチツク成形品のフアンハウジングを装着し
た縦軸型のエンジンにおいて、前記フアンハウジ
ングの一部を側方へ延長し、この延長部に、上側
へ突出する中空の給油部と該給油部に連通する位
置から略垂直に下方へ延びる給油パイプ部を一体
成形し、前記給油パイプ部の下端部をクランクケ
ースの下部に設けられたオイルパンの開口部に密
封嵌合するとともに、該給油パイプ部の中間部を
クランクケースの一部に形成したガイド孔で案内
保持する構成とすることにより、上記目的を達成
するものである。

〔実施例〕

以下第１図〜第５図を参照して本発明を具体的
に説明する。

第１図は本発明の一実施例に係るエンジンオイ
ル給油装置を縦軸型エンジンに適用した場合を示
す縦断面図である。

第１図において、クランクケース１に上下に延
びるクランクシヤフト２が軸支され、クランクシ
ヤフト２の上端にフライホイールを兼ねた冷却フ
アン３が固定され、クランクシヤフト２の下端部
は出力軸になつている。

エンジンの上側には前記冷却フアン３を覆うフ
アンハウジング１２が取付けられている。このフ
アンハウジング１２はプラスチツク成形品で作ら
れている。

一方、クランクケース１の底部を形成するオイ
ルパン（またはカバー）６内にエンジンオイル５
が溜められている。

なお、参照番号１３はシリンダを、１４はピス
トンを、１５はコンロツドを、１６はシリンダヘ
ツドを、１７，１８は吸排気弁を、１９はヘツド
カバーをそれぞれ示す。

第１図において、エンジンオイル給油装置２０
は、前記プラスチツク成形品のフアンハウジング
１２の一部を延長して延長部２１を成形し、該延
長部２１の先端部に給油部２２を一体成形し、該
給油部２２にクランクケース１内のオイル溜め６
に通じる給油パイプ２３を固定的に設けた構造を
有し、前記給油部２２の上端には油面ゲージ１０
を有するキヤツプ１１が装着されている。

本実施例では、前記給油パイプ２３は前記給油
部２２とともにフアンハウジング１２と一体にプ
ラスチツク成形されている。

また、給油パイプ２３はクランクケース１の張
出し部２４に形成されたガイド孔２５に挿通さ
れ、その下端部はＯリング２６などのシール手段
で密封された状態でオイルパン６の接続開口部に
嵌合されたいる。

以上説明したエンジンオイル給油装置２０によ
れば、その給油部２２および給油パイプ２３がフ
アンハウジング１２と一体にプラスチツク成形さ
れているので、部品点数を大幅に減らすことがで
き、給油パイプ２３をクランクケース１のガイド
孔２５に挿通して該フアンハウジング１２をエン
ジンに取付けるだけで同時に組付けることがで
き、従来のように給油パイプをねじおよびブラケ
ツト等で固定する必要がないので、構造の簡単化
およびコスト低減を達成することができる。

また、給油パイプ２３は、従来のように外部に
単独露出しておらず、フアンハウジング１２に一
体的に形成され、かつクランクケース１の一部に
形成したガイド孔２５で途中を案内保持されるの
で、エンジンの取扱い性が向上するとともに外観
をすつきりした良好なものにすることができる。

さらに、給油パイプ２３の部分をクランクケー
ス１のガイド孔２５で案内保持するので、該給油
パイプ２３の保護機能を向上させることができる
とともに、該給油パイプ２３をフアンハウジング
１２の位置決め取り付け手段として使用すること
ができ、フアンハウジング１２の取り付け構造の
簡単化を達成することもできる。

第２図は本発明の他の実施例に係るエンジンオ
イル給油装置２０の要部（フアンハウジング部）
を示す部分縦断面図である。

本実施例は、プラスチツク成形品であるフアン
ハウジング１２の一部を充分に延長して比較的広
い延長部２１を成形するとともに、給油部２２お
よび給油パイプ２３をフアンハウジング１２の内
部を貫通させて一体成形する点で第１図の実施例
と相異し、その他の構造は実質上同じである。

この第２図の実施例によれば、前述の実施例と
同じ作用効果が得られる他、フアンハウジング１
２の内側周辺部に導風板を兼ねた仕切壁２７を接
着または熱融着等で密封固着し、その内部空間２
８を燃料タンクあるいはエアクリーナ設置場所と
して利用しやすいという利点が得られる。

第３図はエンジンオイル給油装置２０の一構造
例の要部（フアンハウジング部）を示す部分縦断
面図である。

本構造例では、給油部２２はフアンハウジング
１２と一体成形（プラスチツク成形）されている
が、給油パイプ２３は別部品で作つた後給油部２
２の嵌合部２９に圧入または接着することにより
一体的に固着されている。この構造によれば、給
油パイプ２３はフアンハウジング１２と異なる材
質例えば金属パイプや異質のプラスチツクパイプ
等にすることも可能である。

第３図の構造例のその他の部分は第２図の場合
と実質上同じ構造を有し、対応する部分をそれぞ
れ同一参照番号で示しその説明を省略する。

第４図はエンジンオイル給油装置２０のさらに
他の構造例の要部（フアンハウジング部）を示す
部分縦断面図である。

本構造例は、給油部２２をフアンハウジング１
２と一体成形（プラスチツク成形）し、給油パイ
プ２３を端面フランジ３０付きの別体のパイプ部
材で形成し、該端面フランジ３０を給油部２２の
端面に接着することにより給油パイプ２３をフア
ンハウジング１２に一体的に固着したものであ
る。

第４図の構造例のその他の部分は第２図または
第３図の場合と実質上同じ構造を有し、対応する
部分をそれぞれ同一参照番号で示し、その説明を
省略する。

〔発明の効果〕

以上の説明から明らかなごとく、本発明のエン
ジンオイル給油装置によれば、クランクシヤフト
のクランクケースから上方へ突出した部分に冷却
フアンを固定し、該フアンを覆うようにプラスチ
ツク成形品のフアンハウジングを装着した縦軸型
のエンジンにおいて、前記フアンハウジングの一
部を側方へ延長し、この延長部に、上側へ突出す
る中空の給油部と該給油部に連通する位置から略
垂直に下方へ延びる給油パイプ部を一体成形し、
前記給油パイプ部の下端部をクランクケースの下
部に設けられたオイルパンの開口部に誘封嵌合す
るとともに、該給油パイプ部の中間部をクランク
ケースの一部に形成したガイド孔で案内保持する
構成としたので、オイル給油装置をフアンハウジ
ングと完全に一体化して部品点数および組み付け
工数を大幅に節減することができ、給油パイプの
保護機能を向上させることができ、前記給油パイ
プをフアンハウジングの位置決め取り付け手段と
して使用することによりフアンハウジングの構造
をさらに簡単化することができ、前記給油パイプ
が単独で外部へ露出することを無くすことにより
エンジンの取り扱い性の向上およびエンジンの外
観処理の向上を達成することが可能なエンジンオ
イル給油装置が提供される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例に係るエンジンオイ
ル給油装置を備えたエンジンの縦断面図、第２図
は本発明の他の実施例に係るエンジンオイル給油
装置の要部（フアンハウジング部）を示す縦断面
図、第３図および第４図はそれぞれエンジンオイ
ル給油装置の要部（フアンハウジング部）の構造
例を示す縦断面図、第５図は従来のエンジンオイ
ル給油装置の構造例を示す縦断面図である。 １…クランクケース、２…クランクシヤフト、
３…冷却フアン、５…エンジンオイル、６…オイ
ルパン、１２…フアンハウジング、２０…エンジ
ンオイル給油装置、２１…延長部（フアンハウジ
ング）、２２…給油部、２３…給油パイプ、２５
…ガイド孔。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ クランクシヤフト２のクランクケース１から
   上方へ突出した部分に冷却フアン３を固定し、該
   フアン３を覆うようにプラスチツク成形品のフア
   ンハウジング１２を装着した縦軸型のエンジンに
   おいて、前記フアンハウジング１２の一部を側方
   へ延長し、この延長部２１に、上側へ突出する中
   空の給油部２２と該給油部２２に連通する位置か
   ら略垂直に下方へ延びる給油パイプ部２３を一体
   成形し、前記給油パイプ部２３の下端部をクラン
   クケース１の下部に設けられたオイルパン６の開
   口部に密封嵌合するとともに、該給油パイプ部２
   ３の中間部をクランクケース１の一部に形成した
   ガイド孔２５で案内保持することを特徴とするエ
   ンジンオイル給油装置。