JPH0461039B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は特定性状のカチオン界面活性剤結晶粒
子を含み、洗浄と同時に衣類を柔軟化することの
できる粒状洗浄剤に関する。 家庭において衣類を洗浄して柔軟性を付与する
場合は、通常、洗剤で洗浄した後、多量の水で洗
剤成分をすすぎ落とし、その後に４級アンモニウ
ム塩などのカチオン界面活性剤を主成分とする柔
軟仕上剤を添加して処理する方法が採られてい
る。しかしながら、洗濯と柔軟仕上げを別々に行
なうことは余分の時間と手間を必要とし、このた
め洗濯と柔軟化を兼ね備えた洗浄剤が要望されて
いる。 水難溶性のジ長鎖アルキルタイプの４級アンモ
ニウム塩は柔軟仕上げ効果に優れているが、洗剤
と共に用いた場合には十分な効果を得ることが困
難であつた。家庭用の洗剤は一般にアニオン界面
活性剤やノニオン界面活性剤を主成分とし、洗濯
時に添加された４級アンモニウム塩は、被洗布に
吸着する以前に洗剤成分の界面活性剤の攻撃を受
け、イオン性を失なつたり、分散安定化されて被
洗布に吸着されにくくなり、その結果、十分な柔
軟化効果を発揮することができなかつた。 そこで、４級アンモニウム塩を洗濯時に添加し
て衣類に柔軟性を与えるために、４級アンモニウ
ム塩を無機塩や有機分散剤で造粒したり、コーテ
イングして４級アンモニウム塩の洗濯中での分散
をコントロールする方法が提案されている（特公
昭36−8927号公報、米国特許第4073735号明細書、
特開昭53−41312号公報、特開昭49−98403号公
報）。しかしながら、これらの方法は水温や洗濯
時間などの洗濯条件が一定の場合にはある程度の
効果がえられるものの、実際には夏と冬とで水温
が異なるように洗濯条件はそのつど異なる場合が
多く、４級アンモニウム塩の分散が早すぎたり、
あるいは反対に分散が遅すぎたりして十分な効果
が得られないことが多い。 本発明者らは、アニオン界面活性剤やノニオン
界面活性剤を主成分とする洗剤との共存下での、
４級アンモニウム塩の分散と被洗布への吸着機構
に関して鋭意研究を重ねた結果、４級アンモニウ
ム塩の結晶形が重要な影響を及ぼすことを知り、
この知見に基いて本発明を完成するに至つた。 すなわち、本発明の衣類柔軟化粒状洗浄剤は、
一般式（）で表わされ、Ｘ線回折による長面間
隔の第１次回折ピーク強度(A)と短面間隔最大ピー
ク強度(B)との比(A)／(B)が2.0以下であるカチオン
界面活性剤粒子を含むことを特徴とする。 （式中、R₁およびR₂は炭素数14〜20の飽和ア
ルキル基を示し、かつ、炭素数16の飽和アルキル
基と炭素数18のアルキル基との比が１／９〜０／
10の範囲にあり、R₃およびR₄は炭素数１〜４の
アルキル基、ベンジル基、炭素数２〜４のヒドロ
キシアルキル基またはポリオキシアルキレン基を
示し、また、Ｘはハロゲン、CH₃SO₄，C₂H₅SO₄
または

【式】を示す。） 本発明ではC₁₆単独物、あるいは混合物であつ
て、この混合物中に含まれる炭素数16の飽和アル
キル基と炭素数18の飽和アルキル基との比が〜
１／９までの範囲でC₁₆アルキル基を含む４級ア
ンモニウム塩が用いられる。そしてこのジ長鎖ア
ルキル４級アンモニウム塩の具体例としては、ジ
ステアリルジメチルアンモニウム塩、ジステアリ
ルベンジルジメチルアンモニウム塩、ジステアリ
ルメチルヒドロキシエチルアンモニウム塩、ジス
テアリルジヒドロキシエチルアンモニウム塩、ジ
ステアリルジメチルアンモニウム塩あるいは、こ
れらとジパルミチルジメチルアンモニウム塩との
９／１〜10／０の混合物が例示でき、対イオンの
代表例としてはクロリド、ブロミドが例示でき
る。 ジ長鎖４級アンモニウム塩は、解離性の第４級
窒素を極性基とし、これに結合している４つの基
のうち２つが長鎖アルキル構造の疎水基であつ
て、分子形状が細長く非対称である。従つて一般
の界面活性物質あるいはトリグリセライドの様な
油脂類と類似の分子結晶を形成する。これらの物
質の結晶はその分子鎖方向と、分子鎖を平行に並
べた方向とに成長する。この様な結晶のＸ線回折
パターンには長面領域に分子鎖方向の繰返し単位
に由来する回折線が、短面領域に分子鎖断面の繰
返し単位に由来する回折線が得られる。ジ長鎖４
級アンモニウム塩でも同様で、分子鎖方向の結晶
成長の程度と、分子鎖断面方向の結晶成長の程度
を特定することにより柔軟性付与効果に優れた第
４級アンモニウム塩粒子が得られる。これには、
ジ長鎖アルキル４級アンモニウム塩のＸ線回折に
よる長面間隔の第１次回折ピーク強度(A)と短面間
隔最大ピーク強度(B)との比(A)／(B)が2.0以下、好
ましくは1.3以下であることが必要である。この
比が2.0を越えると衣類への柔軟性の付与効果が
十分ではない。 このようなジ長鎖アルキル４級アンモニウム塩
は、たとえば、一般式（）で表わされ、溶融物
を噴霧冷却するか、そのまま冷却した固形物を粉
砕することによつて得られ、さらに粉粒状洗剤と
混合して使われる。粒径は洗剤との併用の観点か
ら１mm以下程度が適当である。 本発明の粒状洗浄剤は、カチオン界面活性剤の
他に典型的に非カチオン界面活性剤と洗剤ビルダ
ーおよび他の添加剤からなる。非カチオン界面活
性剤としてはC_10〜14アルキルベンゼンスルホン酸
塩、C_10〜20α−オレフインスルホン酸塩、C_6〜14
アルコールエトキシレート、アルキルベタインな
どのアニオン、ノニオン、両性界面活性剤が挙げ
られる。洗剤ビルダーとしては、トリポリ燐酸
塩、ピロ燐酸塩、珪酸塩、炭酸塩、硫酸塩、ゼオ
ライト、クエン酸塩、ポリアクリル酸などの無機
または有機ビルダーが挙げられる。他の添加剤と
しては、カルボキシメチルセルロース、ポリエチ
レングリコールなどの再汚染防止剤、石けんなど
の泡コントロール剤、蛍光増白剤、色素、香料な
どが挙げられる。 本発明の粉状洗浄剤によれば、アニオン界面活
性剤、ノニオン界面活性剤などの洗浄剤成分の存
在下であつても、柔軟化効果を発揮でき、洗浄と
柔軟化を同時に行なうことができる。 実施例 種々の結晶形のジアルキルジメチルアンモニウ
ムクロライド〔C₁₃／C₁₆＝97／３（wt／wt）〕の
60メツシユ通過粒子（粒径250μ以下）を用意し、
試験用の試料とした。これらについて(A)／(B)およ
び柔軟化効果を次のようにして測定し、その結果
を後記の第１表に記した。 (1) (A)／(B)の測定法 幅：35mm、高さ：50mm、厚さ1.7mmのガラス板
の上辺より11.5mmあけて、その下に20mm×15mmの
両面テープを貼り、その上から上記のジアルキル
アンモニウム塩粒子を均一に落とし両面テープ全
面に付着させた。これを用いて以下の条件のもと
にＸ線回折スペクトルを得た。 Ｘ線：CuKα線（λ＝1.5418〓） フイルター：Ni スリツト：第１；1°×10mm、 第２；0.15mm×20mm、 第３；1°×20mm 管球電圧電流：30KV，10mA 時定数：１秒 変角速度：2.0°／分 スペクトルより(A)および(B)（Ａ：2.6゜，Ｂ：
18.8゜）のピークを、ベースラインからピーク高
さとして読み取り、この比を(A)／(B)とした。 (2) 柔軟性試験 綿タオル：160ｇ 綿メリヤス布：340ｇ 綿晒布：200ｇ アクリルジヤージ布：180ｇ ナイロントリコツト布：120ｇ 合 計：1.0Kg を、下記洗剤により60℃の水道水で洗浄し、60℃
の水道水で３分間すすぎを３回行なつた後、風乾
して被洗布とした。 ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ 20wt％ C_14〜18α−オレフインスルホン酸ソーダ3wt％ ゼオライト 15wt％ 炭酸ナトリウム 10wt％ 2.2号珪酸ナトリウム 10wt％ 水 10wt％ 芒 硝 バランス からなる洗剤と下記第１表のそれぞれのジアルキ
ルジメチルアンモニウム塩粒子を、重量で、４級
塩／洗剤＝５／95で混合した洗浄剤を使用して、
上記の被洗布を、噴流式家庭用電気洗濯機を用
い、25℃の水道水30（浴比：１／30）、洗浄剤
濃度0.133％（40ｇ／30）で10分間洗浄し、１
分脱水し、溜め水すすぎ３分、脱水１分、溜め水
すすぎ３分、脱水１分、ついで24時間風乾して評
価した。 (3) 評価方法 市販洗剤（ブルーダイヤ）洗浄を対象とした
Scheffeの一対比較テスター数：10名 ◎：１％危険率で有意な差をもつて対象より
柔軟性がある。 ○：１％危険率で有意な差はないが対象より
柔軟性がよい。 ×：柔軟性なし（対象と同等）

【表】

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 一般式（） （式中、R₁およびR₂は炭素数14〜20の飽和ア
   ルキル基を示し、かつ、炭素数16の飽和アルキル
   基と炭素数18の飽和アルキル基との比が１／９〜
   ０／10の範囲にあり、R₃およびR₄は炭素数１〜
   ４のアルキル基、ベンジル基、炭素数２〜４のヒ
   ドロキシアルキル基またはポリオキシアルキレン
   基を示し、また、Ｘはハロゲン、CH₃SO₄，C₂
   H₅SO₄または【式】を示す。） で表わされ、Ｘ線回析による長面間隔の第１次回
   析ピーク強度(A)と短面間隔最大ピーク強度(B)との
   比(A)／(B)が2.0以下であるカチオン界面活性剤粒
   子を含むことを特徴とする粒状洗浄剤。