JPH0460860B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、自動車のクラツチ作動装置のような
油圧系統作動装置に係り、その作動装置のための
発送および取り付け用クリツプに関する。

〔従来の技術および発明の課題〕

作動装置は一般に、マスターシンリンダと追従
シリンダと、その間をつなぐ油圧導管とを備え、
油圧媒体で満たされている。自動車製造作業にお
いては、一般に、この作動装置を工場において予
め組立て、作動油を充填し、自動車の組立ライン
に送る。従来、この予備組立品を輸送し、組立体
ラインにおいて自動車へ装着する迄の間、追従シ
リンダに、第１図に参照符号２２で示した抑止ス
トラツプを取り付け、追従シリンダの出力部材を
引き込み位置に保持していた。この保持作用は追
従シリンダを最初に作動させる際に解除され、以
後は正常なクラツチ操作が行われるようになつて
いる。このような予備組立、予備充填、予備試験
をされた作動装置は、例えばクラツチ操作装置な
どを組立ラインで装着する作業を簡単にする。

しかし、作動装置が工場から出荷され自動車に
取り付けられるまでの間に、誤つてマスターシリ
ンダの入力部材が押された場合には、抑止ストラ
ツプを追従シリンダに設けた上記目的は達成不可
能になつてしまう。詳しく説明すると、クラツチ
操作用の予備充填された油圧装置を自動車に組み
込む場合の通常の工程は、先ず、マスターシリン
ダを操縦室の隔壁または防火壁に取り付け、マス
ターシリンダの入力部材をクラツチ操作ペダルに
連結する。次に、マスターシリンダに連結された
追従シリンダを、組立ラインの適当な地点に到達
するまで防火壁の前面に取り付けておき、該点に
達した時、追従シリンダの装着方式に応じて、該
追従シリンダをクラツチベルハウジングの一部を
形成する搭載部材またはクラツチベルハウジング
自身の内部に装着する。しかし、もし、追従シリ
ンダを最終的に装着する前に、クラツチペダルが
誤つて押された場合には、抑制ストラツプが破壊
されてしまい、追従シリンダの出力部材は、追従
シリンダをその最終位置に取り付けることを容易
にする引き込み位置に保持されなくなる。その結
果、追従シリンダに抑制ストラツプを設けた利点
が失われてしまう。

本発明の目的は、上述したようなマスターシリ
ンダの入力部材に誤つて力が加わつた場合にも不
都合な作動を防止することの出来る装置の提供に
ある。

〔課題を達成する手段〕

そのために、本発明は、マスターシリンダのハ
ウジングの端面と入力部材の衝接手段の間に装着
されて、入力部材がハウジング内に引き込まれる
ことを阻止するクリツプを提供するものである。

より詳細に述べると、本発明の１つの特徴によ
れば、ハウジングと、このハウジングから突出し
た直線運動可能な入力部材とを有する作動装置の
ための発送および取り付け用クリツプであつて、
使用時に前記入力部材を伸長位置に保持する発送
および取り付け用クリツプにおいて、前記クリツ
プが、使用時に前記ハウジングの端部と前記入力
部材に設けられた衝接手段との間の前記入力部材
の周辺部分に装着されるほぼＵ字形の部材を有
し、このＵ字形の部材がみぞ孔を形成されて、前
記衝接手段よりも狭い幅をもつ該みぞ孔により隔
てられた一対の脚部を画成し、前記Ｕ字形の部材
はクリツプの使用時に、該Ｕ字形の部材の一つの
表面が前記衝接手段と係合したまま前記脚部が前
記入力部材を跨いで配置され、前記衝接手段が前
記入力部材に形成された溝の形態であり、前記Ｕ
字形部材はクリツプの使用時に、前記脚部が前記
溝内に配置された状態で取り外し可能に置かれ、
それにより、このクリツプが前記入力部材から取
り外されるまで、該入力部材の作動を阻止する。

また、本発明の別の特徴によれば、ハウジング
と、このハウジングから突出した直線運動可能な
入力部材とを有する作動装置のための発送および
取り付け用クリツプであつて、使用時に前記入力
部材を伸長位置に保持する発送および取り付け用
クリツプにおいて、該クリツプが、使用時に前記
ハウジングの端部と前記入力部材に設けられた衝
接手段との間の前記入力部材の周辺部分に嵌めら
れるほぼＵ字形の部材を有し、このＵ字形の部材
は、前記ハウジングの端部と前記入力部材に設け
られた衝接手段との間の前記入力部材の周辺部分
に嵌めるようにしたほぼ溝形状の本体を有し、該
溝形状の本体が一対のほぼ平行な側壁を備え、こ
れら側壁がそれぞれ、相手の側壁の向かい合つた
部分から前記入力部材の太さよりも小さい幅の間
隔で隔てられた部分を有し、これら側壁の部分
は、前記溝形状本体を前記入力部材に取り付ける
ために、該入力部材がこれら側壁の部分間を通り
得るように弾性状に拡がり可能であり、それによ
り、このクリツプが前記入力部材から取り外され
るまで該入力部材の作動を阻止する。

〔作用および効果〕

上記のいずれのクリツプにおいても、クリツプ
のほぼＵ字形の部材が、作動装置のハウジングと
作動装置の入力部材に設けた衝接手段の間に装着
されて、この入力部材が押し込まれて作動装置を
作動させるのを阻止する。

最初に述べたクリツプでは、ほぼＵ字形の部材
がみぞ孔により隔てられた一対の脚部を有し、こ
のみぞ孔は溝の形態の衝接手段よりも幅が狭いた
め、脚部が入力部材を跨いで衝接手段の溝に取り
付けらると、クリツプの抜け落ちを防止する。

また、次に説明したクリツプでは、Ｕ字形の部
材が一対のほぼ平行な側壁を備えたほぼ溝形状の
本体を有し、これら側壁が作動部材の入力部材の
太さよりも小さい幅で隔てられた弾性状に拡がり
可能な部分を有しており、溝形状の本体が側壁部
分を押し拡げて入力部材上へ装着されると、これ
ら部分がクリツプの抜け落ちを防止する。

この様に、いずれのクリツプも取り付け取り外
しが容易である上に、入力部材上にしつかりと止
どまり、作動装置の作動を確実に阻止し、その取
り付け作業を容易にする。また、いずれのクリツ
プも簡単な構造で安価に提供することが可能であ
り、殊に、最初に説明したクリツプは金属板のプ
レス成形等で容易に作ることができ、一方、次に
述べたクリツプはその溝形状本体が入力部材を覆
つて保護することが出来る等の格別の効果を奏す
る。

〔実施例〕

本発明にしたがつた輸送および取付け用抑止要
素を以下において添付図面を引用して一例として
述べる。

第１図には可撓ホースの形の導管１６により追
従シリンダ１４に油圧的に相互に接続されたマス
タシリンダ１２から成る油圧装置溝体１０が概略
的に例示されている。マスタシリンダ１２は直線
的に往復動可能な入力部材１８を有し、この入力
部材はマスタシリンダハウジング１９内で往復動
可能であるピストン（図示されていない）に一端
部で連結されている。追従シリンダ１４は直線的
に往復動可能な出力部材２０を有し、この出力部
材２０は追従シリンダハウジング２１内に配置さ
れた往復動可能なピストン（図示されていない）
により作動される。周知のとおり、マスタシリン
ダの入力部材１８が内方へ移動されると、それに
対応し、油圧流体がマスタシリンダから管路また
は導管１６を通して追従シリンダ１４へ転送され
る結果として、追従シリンダ出力部材２０が外方
へ移動される。

各種の成分の組立て後に、この装置はわずかな
圧力状態にある油圧流体を詰込まれ、また本装置
から空気を逸出させる適当な抽気弁（図示されて
いない）ができれば追従シリンダ１４上に装架さ
れることが好ましい。そのかわりとして、装置１
０への油圧流体の詰込みが大気の空気を本装置か
ら先ず排出し且つ本装置に油圧流体を詰込むこと
により達成されてもよい。

抑止用ストラツプ２２はたとえば自動車製造業
者への予め詰込み済の油圧装置１０の発送中およ
び装置１０が自動車の組立て線上にある自動車に
完全に取付けられるまで追従シリンダの出力部材
２０を引込み位置に保持するように追従シリンダ
１４上に取付けられる。この抑止用ストラツプ２
２はエラストマ性の材料かまたは比較的に非弾性
の材料から作くられてもよいがその場合にはこの
抑止用ストラツプ２２は、追従シリンダ１４が出
力部材２０の端部をたとえば機械的クラツチ作動
レバー２４と係合させて自動車に取付けられた後
に、捨てられる。この抑止用ストラツプはマスタ
シリンダ入力部材１８が最初に作動され、それに
ついで追従シリンダ出力部材２０が作動されるや
追従シリンダ出力部材２０を自由にするように破
断する、強さを弱められた部分を含むことができ
る。

クリツプ留めスペーサ２６の形の取り外し自在
な発送および取付け用要素がマスタシリンダ１２
の入力部材１８の周りに取り付けられている。こ
のクリツプ留めスペーサ２６は、装置１０の組立
て後、自動車製造業者へのこの装置の発送中およ
び装置１０が自動車の組立て線上の自動車内に完
全に取付けられるまで、マスタシリンダ入力部材
１８を伸長位置に保持する。

マスタシリンダ入力部材１８は、ピストン作動
ロツド２８と、自動車の運転者区画内に装架され
た枢動自在なクラツチペダル腕３２にロツド２８
の端部を連結するようにされている延長部材３０
との２つの部分から作くられ、またマスタシリン
ダ１２は、入力部材１８を運転者区画内に突出さ
せて、運転者区画の隔壁または防火壁３４に設け
られている開口を貫通し所定位置に取付けられて
いる。その目的で、連結用延長部材３０はその自
由端部にクレビス鳩目孔３６を設けられ、この鳩
目孔は、たとえば、適当なピン３８と、クレビス
の鳩目孔３６がピン３８の周りから係合を分離さ
れるようになるのを防止する適当な抑止装置、た
とえばコツターピンまたはそれに類似したもの
（図示されていない）とによりクラツチペダル腕
３２に枢動自在に連結している。

延長部材３０は任意の適当な手段、たとえば溶
接により、あるいはできれば第２図および第３図
に図示されているようにロツド２８の端部上にプ
レス嵌めされた管状の端部分４０を有しているこ
とによりロツド２８に取り付けられる。ロツド２
８の端部への延長部材３０の適当な取り付けは第
１図に符号４２で示されているようにロツド２８
の端部に配置された適当な周辺みぞ内へ延長部材
３０の管状部分の壁の端を曲げ込むことで達成さ
れる。ロツド２８に取り付けられた延長部材３０
の端部はクリツプ留めスペーサ２６の端部表面４
６に衝接する環状肩部４４を形成する。クリツプ
留めスペーサ２６の他方の端部はフランジ４８を
有し、このフランジ４８は作動用ロツド２８が貫
通突出しているマスタシリンダ１２の端部を覆つ
ているエラストマ製のブーツ５０の端面と衝接係
合する端面４９を有している。エラストマ製のブ
ーツ５０はロツド２８の往復動を許すがマスタシ
リンダ内部へのほこりの導入を防止する保護シー
ルをなしている。その目的で、第２図および第３
図に詳細に図示されているように、ブーツ５０は
ロツド２８の周表面と弾力的に係合される突縁を
形成するほぼ中心の開口５２を有していて、ほこ
りがシリンダ端部カバー５４に設けられている開
口を貫通してマスタシリンダ１２内へ進入するの
を防止するようにされている。クリツプ留めスペ
ーサ２６のフランジ４８の端面４９が、通常はエ
ラストマ製ブーツ５０の端面と係合されている
が、全ての実際上の目的で、シリンダカバー５４
の端面により長手方向の運動を機能的に阻止され
ることが容易に理解されるであろう。きわめて限
られた圧縮性を有する弾性クツシヨンが、マスタ
シリンダ１２のピストン押し棒２８が貫通して往
復動する開口５２に最も近いブーツ５０の部分に
より画定されるカバー５４の端面とフランジ４８
の端面４９との間に介在されている。

例示されている構造体においては、クリツプ留
めスペーサ２６は、できれば比較的に非圧縮性で
あるを可とするわずかに弾性のプラスチツク材料
から作くられることが好ましいほゞＵ形状のチヤ
ンネル部材の形の部分的に管状の物体５６から成
つている。便利なプラスチツク材料の一例はガラ
スフアイバで補強されたポリメリツクアミド、ま
たはナイロン、E.I.デユポンデネマース社により
Zytelなる商標の下に販売されているがごとき樹
脂である。

スペーサ本体５６はできれば１対の長手方向に
延びた１体のリブ５８をその外側表面に提供され
ることが好ましく、またマスタシリンダピストン
押し棒２８の周囲をその円周の約180°だけ取り囲
む半円形の円筒状内側表面６０と、１対の一体を
なした実質上平行な側壁６２とを有している。各
の側壁６２の頂部から長手方向の補強リブ５８の
近くまで延びた１対の平行なみぞ孔６４が内方に
突出したランド部６８をその内部に提供されてい
る弾力的に分離可能なウイング部分６６を各の側
壁６２に形成している。２つの互いに対向したラ
ンド部６８の表面を分離する距離は押し棒２８の
直径よりわずかに小さい。ランド部６８を提供さ
れている各の弾力的に分離自在な側壁のウイング
部分６６の頂部内方端縁は符号７０で示されてい
るようにテーパーにされて、ウイング部分６６の
相互間への押し棒２８の導入を容易ならしめ、か
くして、押し棒２８の周表面の一部分がスペーサ
２６のＵ形状のチヤンネル本体５６の半円形の円
筒状表面６０に底をつけるまで、クリツプ留めス
ペーサ２６が押し棒２８上に手で押圧された場
合、側壁のウイング部分６６を互いに弾力的にた
わみ離隔するようにされている。上記側壁ウイン
グ部分６６は第３図から第５図までに例示されて
いる位置へはね戻り、その結果として押し棒２８
は半円形の円筒状表面６０と係合した状態でスペ
ーサ２６のＵ形状チヤンネル本体５６内に且つ側
壁ウイング部分６６の内側表面上の突出したラン
ド部６８より下方に落し込まれる。かくして、ク
リツプ留めスペーサ２６は、端面４６が環状肩部
衝接体４４と係合しまたフランジ４８の端部表面
４９がブーツ５０の端面と係合した状態にある結
果として、マスタシリンダ入力部材１８の偶発的
な早期の引込みを防止する。

スペーサ端部フランジ４８は押し棒２８を通り
越すための切欠き部分を有し、この切欠き部分は
符号７２で示されているようなテーパーにされた
端縁を有し、このテーパー端縁は先導兼案内装置
として作用して、押し棒２８の周囲の囲りに手で
押圧された場合のスペーサ本体５６を中心に位置
決めする働きをなす。各の側壁６２の頂端縁の隅
部は、クリツプ留めスペーサ２６の取り付け中、
および本装置を作用状態にしようとする場合の、
自動車上への装置１０の取り付け後における除去
中に、入力部材１８上の環状衝接体４４に関しあ
る程度の隙間を提供するため、第２図、第３図お
よび第４図に符号７４で示されているようなテー
パーを形成するように定められた角度で切る欠か
れている。

衝接端面４６を配備された端部においてスペー
サ本体５６から半径方向外方に突出した、少くと
も１つで、できれば符号７５，７６および７７で
示されているように３個を可とする耳部が本体５
６と一体をなして成形されている。前記耳部の中
の２つ７５および７７は実質上直径を通る平面内
に配置され、また第３の耳部７６は耳部７５およ
び７７が配置されている平面に実質上垂直をなす
平面内に配置されている。耳部の中の１つ、たと
えば耳部７６は符号７８で示されているように穿
孔されて、スペーサ２６をマスタシリンダ入力部
材１８の周りの発送−取付け位置から除去するた
めの便利な、指で掴持可能な手段を耳部７５から
７７までに提供する以外に、スペーサ２６は、フ
ツクまたはアイスピツクの先きを耳部７６に設け
られている開口７８内へ導入し且つマスタシリン
ダ入力部材１８から部分的に除去されているスペ
ーサ２６を示している第６図に例示されているよ
うに引張ることで、フツクまたはアイスピツクの
形の工具により、組立て線上のある位置におい
て、マスタシリンダ入力部材１８を文字通りには
がされる。

第７図から第９図までの図において、第１図か
ら第６図までの図に示されているクリツプ留めス
ペーサ２６と同一であるが、側壁６２がマスタシ
リンダ入力部材１８の環状肩部４４と通常は係合
している端部衝接表面４６近くの部分に頂部延長
部分８０を備えている構造を有している発送−取
付け用クリツプ留めスペーサ２６が例示されてい
る。伸長された側壁部分８０は、第７図から第９
図までのクリツプ留めスペーサ２６がピストン棒
２８上に配置された場合はさらに先導−案内部材
として、またピストン棒２８上からクリツプ留め
スペーサ２６を除去する間は付加的な指での押し
出し装置として作用する。分離可能な側壁部分６
６は斜路７０（第８図）をそれぞれの内側表面に
設けられているが上記斜路は、スペーサ２６がピ
ストン棒２８上に押圧されることで所定位置に取
付けられる場合、前記棒の周表面がクリツプ本体
５６の円筒状の内側表面６０に確りと嵌り込んで
押し当てられ、対向した斜路７０の先端８０がそ
れぞれの保持位置（第８図）へはね戻るまで側壁
部分６６を弾性的に押し広げさせる。

第７図から第９図までの図に示されている構造
においては、マスタシリンダ入力部材１８は片面
に衝接肩部４４を形成されているばねクリツプリ
ング８４を内部に配置される周囲みぞ８２を設け
られているピストン棒２８自体である。

組立てられ且つ油圧流体を詰込まれた後に、こ
の装置が自動車の組立て線上にある自動車に完全
に取り付けられるまで、本装置の偶発的早期作動
を防止する安全装置を提供する以外に、本発明の
クリツプ留めスペーサ２６はピボツトピン３８
（第１図）の周りへの取付けのため適当に割出さ
れた入力部材１８の端部にクレビス小孔３６を提
供することで、組立て線上の特定の作業位置にて
入力部材１８をクラツチペダル腕３２に連結する
ことから成る組立て段階の途中にマスタシリンダ
入力部材１８に支持部材を提供することは当業者
には理解されるであろう。さらにその上に、この
クリツプ留めスペーサ２６はマスタシリンダ入力
部材１８の押し棒２８の周りへの取付け後押し棒
２８の表面のための保護被覆となつて、クラツチ
制御装置１０が正常に作動されるばかりとなるま
で、輸送中および自動車への取付け中における他
の物体との偶発的接触の結果としてのひつかきお
よび損傷により押し棒の周表面が害なわれるのを
防止する。

マスタシリンダ発送−取付け用クリツプの簡単
化された一変化が第１０図から第１２図までの図
に符号８６で例示されている。クリツプ８６は金
属製であり且つ大体においてわずかに皿形にされ
た座金８８の形をなしまた上記座金は、ピストン
棒２８自体の形を採つているマスタシリンダ入力
部材１８の外径よりも小さい幅を有するみぞ孔９
２により形成された１対の二また形状の脚部９０
を有しているほゞＵ形状の部材を画定する。円周
みぞ９４が棒２８の周表面に形成されて、クリツ
プ８６が第１０図および第１１図に図示されてい
るように棒２８上に装架された場合に、クリツプ
８６のみぞ孔９２を受け入れるようにされてい
る。できればクリツプ８６はみぞ９４内に取り付
けられまたこのみぞから除去される場合にクリツ
プ８６を保持するための補助器具としての延長舌
状部９６を備えることが好ましい。クリツプ８６
が棒２８のみぞ９４内の所定位置にある場合、棒
２８は、シリンダブーツ５０の端壁に衝接する前
記クリツプのわずかに湾曲された前面により、引
込まされるのを防止される。湾曲された面をブー
ツ５０の弾力的にたわまされる端面に向けて配置
されて対応して内方に湾曲された表面を提供する
クリツプ８６の湾曲部はクリツプ８６を棒２８に
設けられているみぞ９４内の所定位置に保持する
のに役立つ。自動車へのマスタシリンダ１２の取
り付け後に、クリツプ８６が除去されると、マス
タシリンダ入力部材１８は自由に正常どおりに作
動することができる。すなわち、クリツプ８６が
所定位置にある限りシリンダ端部カバーまたはキ
ヤツプ５４（第１０図）と係合した状態に弾性的
に押し戻されていたシリンダブーツ５０の端壁は
クリツプ８６が除去された後にはブーツ制御開口
５２の突縁を弛緩し且つみぞ９４を越えて伸長さ
せる。かくしてピストン棒２８に設けられている
みぞ９４はマスタシリンダ１２の正常作動中はブ
ーツの中心開口５２の背後に常時配置され、かく
して開口５２の突縁を棒２８の周表面と弾性的に
係合せしめて、みぞ９４の鋭利な端縁との繰返え
される接触により損傷されることなくその目的を
達成させる。

【図面の簡単な説明】

第１図は追従シリンダと、本発明にしたがつた
発送−取付け用クリツプを備えたマスタ・シリン
ダとから成る油圧装置の概略図、第２図は拡大さ
れて画かれた、第１図の装置の一部を示した図、
第３図は第２図の３−３線に沿つて矢印方向に見
た平面図、第４図は第２図の４−４線に沿つて断
面して矢印方向に見た断面図、第５図は第２図の
５−５線に沿つて断面して矢印方向に見た断面
図、第６図は第１図から第５図までに示されてい
る要素の作動を例示した、第２図に似た図、第７
図、第８図および第９図は一変更を示した以外第
２図、第４図および第６図に類似した図、第１０
図は本発明にしたがつたさらに他の形式のクリツ
プを示した以外、第２図に類似した図、第１１図
は第１０図の11−11線に沿つて断面して矢印方向
に見た断面図、第１２図は第１０図と第１１図の
発送−取付け用クリツプの斜視図、第１３図は前
記クリツプに除去されたマスタシリンダ棒を示し
た以外は第１０図に類似した図である。 １０……油圧装置構体、１２……マスタシリン
ダ、１４……追従シリンダ、１６……導管、１８
……直線的に往復動可能な入力部材、１９……マ
スタシリンダハウジング、２０……直線的に往復
動可能な出力部材、２１……追従シリンダハウジ
ング、２２……抑止ストラツプ、２４……機械的
クラツチ作動レバー、２６……クリツプ留めスペ
ーサ、２８……ピストン作動棒、３０……延長部
材、３２……枢動自在なクラツチペダル腕、３４
……隔壁、３６……クレピス小孔、３８……ピ
ン、４０……管状端部分、４２……縁曲げ込み、
４４……環状肩部、４６……端部表面、４８……
フランジ、４９……端面、５０……エラストマ製
ブーツ、５２……中心開口、５４……シリンダ端
部カバー、５６……部分的管状本体、５８……長
手方向の一体の補強リブ、６０……半円形の円筒
状内側表面、６２……１対の一体の実質上平行側
壁、６４……１対の平行みぞ孔、６６……弾力的
に分離自在なウイング部分、６８……ランド部、
７０……テーパー、７２……テーパー端縁、７
５，７６および７７……耳部、８０……頂部延長
部分、８２……周みぞ、８４……ばねクリツプリ
ング、８６……クリツプ、８８……わずかに皿状
の座金、二また脚部、９２……みぞ孔、９４……
みぞ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ハウジング１９と、このハウジングから突出
   した直線運動可能な入力部材１８とを有する作動
   装置１２のための発送および取り付け用クリツプ
   ８６であつて、使用時に前記入力部材１８を、伸
   長位置に保持する発送および取り付け用クリツプ
   ８６において、前記クリツプ８６が、使用時に前
   記ハウジングの端部と前記入力部材１８に設けら
   れた衝接手段との間の前記入力部材１８の周辺部
   分に装着されるほぼＵ字形の部材を有し、このＵ
   字形の部材がみぞ孔を形成されて、前記衝接手段
   ９４よりも狭い幅をもつ該みぞ孔９２により隔て
   られた一対の脚部９０を画成し、前記Ｕ字形の部
   材はクリツプの使用時に、該Ｕ字形の部材の一つ
   の表面が前記衝接手段と係合したまま前記脚部が
   前記入力部材１８を跨いで配置され、前記衝接手
   段が前記入力部材１８に形成された溝９４の形態
   であり、前記Ｕ字形部材８６はクリツプの使用時
   に、前記脚部９０が前記溝内に配置された状態で
   取り外し可能に置かれ、それにより、このクリツ
   プは、前記入力部材から取り外されるまで、該入
   力部材の作動を阻止することを特徴とするクリツ
   プ。 ２ 特許請求の範囲第１項記載のクリツプにおい
   て、前記ほぼＵ字形の部材が前記みぞ孔９２を有
   する僅かな皿状の座金の形態であるクリツプ。 ３ 特許請求の範囲第２項記載のクリツプにおい
   て、前記皿状の座金８８は湾曲した表面を備え、
   該湾曲した表面がクリツプの使用時に前記作動装
   置１２の弾性状にたわんだブーツ５０と係合する
   ように配置され、この弾性状にたわんだブーツが
   クリツプ８６を前記入力部材上の所定位置に保持
   する助けとなるクリツプ。 ４ 特許請求の範囲第１項から第３項までの何れ
   か一項記載のクリツプにおいて、前記ほぼＵ字形
   の部材が、クリツプ取り付け取り外し時に該クリ
   ツプの保持を可能にする延長舌状部９６を備えて
   いるクリツプ。 ５ ハウジング１９と、このハウジングから突出
   した直線運動可動な入力部材１８とを有する作動
   装置１２のための発送および取り付け用クリツプ
   ２６であつて、使用時に前記入力部材１８を伸長
   位置に保持する発送および取り付け用クリツプ２
   ６において、該クリツプ２６が、使用時に前記ハ
   ウジングの端部と前記入力部材１８に設けられた
   衝接手段４４との間の前記入力部材１８の周辺部
   分に嵌められるほぼＵ字形の部材を有し、このＵ
   字形の部材は、前記ハウジングの端部と前記入力
   部材１８に設けられた衝接手段４４との間の前記
   入力部材１８の周辺部分に嵌めるようにしたほぼ
   溝形状の本体２６を有し、該溝形状の本体２６が
   一対のほぼ平行な側壁６２を備え、これら側壁が
   それぞれ、相手の側壁の向かい合つた部分から前
   記入力部材の太さよりも小さい幅の間隔で隔てら
   れた部分６８を有し、これら側壁の部分は、前記
   溝形状本体を前記入力部材に取り付けるために、
   該入力部材１８がこれら側壁の部分間を通り得る
   ように弾性状に拡がり可能であり、それにより、
   このクリツプが前記入力部材から取り外されるま
   で該入力部材１８の作動を阻止することを特徴と
   するクリツプ。 ６ 特許請求の範囲第５項記載のクリツプにおい
   て、前記本体の一端に外方に延びるフランジ４８
   が設けられているクリツプ。 ７ 特許請求の範囲第５項または６項記載のクリ
   ツプにおいて、前記側壁６２の一つにみぞ孔６４
   が設けられて、前記弾性状に拡がり可能な側壁部
   分を前記側壁から分離しており、前記弾性状に拡
   がり可能な側壁部分の内部に傾斜面が形成され
   て、該傾斜面を他の側壁から隔てている距離を前
   記入力部材１８の太さよりも小さくしているクリ
   ツプ。 ８ 特許請求の範囲第５から第７項までのいずれ
   か一項記載のクリツプにおいて、部分的に環状な
   端面４６が前記本体２６に形成されて前記衝接手
   段４４と係合するクリツプ。 ９ 特許請求の範囲第５項から第８項までのいず
   れか一項記載のクリツプにおいて、前記本体２６
   の一端に突出した耳部７６が設けられているクリ
   ツプ。 １０ 特許請求の範囲第９項記載のクリツプにお
   いて、前記突出した耳部に孔７８が形成されて、
   クリツプを取り外すための指で把握可能な手段を
   供するクリツプ。