JPH0460684B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明はフイルタ装置に関する。

フイルタ装置として、２つのろ過領域およびこ
れらのろ過領域内に配設された流体分配器を備
え、この流体分配器がフイルタ部材およびフイル
タ本体に対して回転自在に設けられているものが
既に知られている。

上記公知のフイルタ装置において、流体分配器
の一端は、フイルタ本体の一端部に設けられたモ
ータに連結され、他端部は枢軸状に形成されフイ
ルタ本体の他端部内に設けられた軸受に回転自在
に支持されている。ろ過される流体は、流体分配
器の一端を収容しているフイルタ本体の端部近傍
から流入し、一方のろ過領域内でろ過された流体
は、流体分配器の枢軸状の端部を収容しているフ
イルタ本体の他端部近傍に設けられた出口を通し
て排出される。

この種のフイルタ装置はフイルタとして充分な
機能を有しているが、多数の密閉部材を必要とす
る。つまり、密閉部材を、モータとフイルタ本体
との間、２つのろ過領域を仕切る仕切り部材とフ
イルタ本体との間、流体分配器の枢軸状の端部を
支持している軸受と流体分配器との間、更には、
この軸受とフイルタ本体との間に、に設ける必要
がある。そのため、構成が複雑になるとともに、
流体の漏洩に対する信頼性が低下する。

この発明は以上の点に鑑みなされたもので、そ
の目的は、軸受、密閉部材等の構成部材を減少さ
せることができ、構造の簡略化、製造コストの低
減および信頼性の向上を図ることのできるフイル
タ装置を提供することにある。

上記目的を達成するため、この発明のフイルタ
装置は、互いに独立した２つのろ過領域を内部に
有するフイルタ本体と、各ろ過領域内に配設され
ているとともに中心孔を有するろ過部材と、ろ過
される流体用の少なくとも１つの流入オリフイス
と、上記中心孔内に挿通され上記ろ過部材と同軸
的に配設された回転自在な流体分配器と、流体分
配器の第１の端部に連結され流体分配器を駆動す
るモータと、を備えている。そして、流体分配器
の第２の端部は、フイルタ本体に支持されること
なくフイルタ本体に対して自由な状態となつてい
るとともに、ろ過部材に形成された中心孔のみに
よつて回転がガイドされている。

また、フイルタ装置の好ましい態様によれば、
流体分配器の第２の端部は、一方のろ過領域内に
配設され、このろ過領域内で流体は上記ろ過部材
の外周から中心孔に向かつて流れる。上記中心孔
は、流体分配器の周囲に設けられた複数のチエン
バに連通しており、流体分配器内に形成された内
部導管は上記チエンバを流体分配器の第１の端部
に接続している。

流入オリフイスと、上記内部導管を通つてろ過
された流体をフイルタ本体から排出するための出
口オリフイスとは、流体分配器の第１の端部側に
位置したフイルタ本体の端部に設けられている。

上記内部導管は、ろ過された流体を直接フイル
タ本体から排出するための出口にも連通してお
り、上記モータに流体を供給する回路内には、制
御手段が設けられている。

上記出口には、流体をモータの外方へ導くため
の出口パイプが接続されている。

以下図面を参照しながら、この発明の実施例に
ついて詳細に説明する。

第１図に示すように、この発明の実施例に係る
フイルタ装置は、略円筒形状のフイルタ本体１を
備えている。フイルタ本体１の内周面には、環状
の上部支持面２および下部支持面３が形成され、
フイルタ本体の軸方向に沿つて互いに離間してい
る。フイルタ本体１の下端は、フイルタ本体と一
体に形成された底壁４によつて閉塞されている。
また、フイルタ本体１の上端開口にはねじ１８に
よりケース５が取付けられており、このケースは
その上端に開口６を備えている。ケース５とフイ
ルタ本体１との間は、密閉部材により密閉されて
いる。

フイルタ本体１内には、ほぼ円盤状の上部プレ
ート２７、中間プレート９および下部プレート４
４がフイルタ本体の軸方向に沿つて互いに離間し
て配設されている。上部プレート２７と中間プレ
ート９との間には、多数のろ過部材を積層して形
成された積層体７が、また、中間プレート９と下
部プレート４４との間には、多数のろ過部材を積
層して形成された積層体８がそれぞれ配設されて
いる。そして、これらの上部プレート２７、積層
体７、中間プレート９、積層体８および下部プレ
ート４４は、フイルタ本体１の軸方向に延びる複
数の連結ロツド１０により互いに連結され、か
つ、ケース５の底に固定されている。

上部プレート２７の外周面は上部支持面２に密
接に接触しており、これらの間には、密閉部材２
８が設けられている。また、中間プレート９の外
周面は下部支持面３に密接に接触しており、これ
らの間には密閉部材２９が配設されている。それ
により、フイルタ本体１内は、ケース５の周囲に
位置したチエンバ３７と、積層体７を収容したチ
ヤンバ３１と、積層体８を収容したチヤンバ３２
とが形成され互いに分離されている。

ケース５の上端にはねじ１２によりカバー１１
が取り付けられ、ケースの開口６を閉塞してい
る。そして、ケース５内には公知の流体圧式のモ
ータ１２が配設され、フイルタ本体１の軸方向に
延びるガイドロツド１４に沿つて移動可能となつ
ている。

上部プレート２７、積層体７、中間プレート
９、積層体８および下部プレート４４には、フイ
ルタ本体１と同軸的に延びる中心孔１６が形成さ
れている。中心孔１６内には、細長い円柱形状の
流体分配器１５が挿通され、フイルタ本体１と同
軸的に延びている。流体分配器１５の上端は、ケ
ース５と流体分配器との間に設けられた玉軸受１
７により支持され、流体分配器の外周面の内、上
部プレート２７、中間プレート９および下部プレ
ート４４と対向する部分は、中心孔１６の内周面
に摺動自在に嵌合している。それにより、流体分
配器１５は、積層体７，８、上部プレート２７、
中間プレート９および下部プレート４４に対して
回転自在に配設されている。また、流体分配器１
５の下端４３は、下部プレート４４を越えて延出
することなく、中心孔１６により回転自在に支持
されているとともに、フイルタ本体１の底壁４か
ら充分離間している。従つて、流体分配器１５の
下端４３は、どの様な場合でもフイルタ本体１に
よつて直接ガイドされることはない。

モータ１３には、公知のフリーホイール２２に
より駆動軸１９が連結され、フイルタ本体１と同
軸的に延びている。駆動軸１９の上端部は、カバ
ー１１を貫通してフイルタ本体１の外方へ延出し
ているとともに、この上端には溝２０が形成され
ている。駆動軸１９の下端は、流体分配器１５の
第１の端、つまり、上端４１に形成された凹所内
に嵌合されて、クロスピン２１により流体分配器
１５の上端に連結されている。駆動軸１９とケー
ス５との間には密閉部材４２が配設されている。
駆動軸１９内には中心孔２３が形成されており、
この中心孔の下端は流体分配器１５内に形成され
た内部導管２４の上端に連通している。中心孔２
３および内部導管２４は、流体分配器１５の回転
中心軸線２６と同軸的に形成されている。また、
中心孔２３の上端は、カバー１１内に形成された
環状溝２５に連通している。

ケース５の周囲に形成されたチエンバ３０は、
ろ過される流体のフイルタ装置内への流入を許容
する流入チヤンバを構成しており、フイルタ本体
１に形成された流入オリフイス３３に連通してい
る。中間のチヤンバ３１は、ろ過部材の積層体７
を収容した第１のろ過領域を形成しているととも
に、積層体７によつてろ過された流体の大部分を
収容する。また、チヤンバ３１は、ろ過された流
体をフイルタ本体１から排出するためにフイルタ
本体に形成された出口オリフイス３４に連通して
いる。下部のチヤンバ３２は、ろ過部材の積層体
８を収容した第２のろ過領域を形成しているとと
もに、積層体７によつてろ過され出口オリフイス
３４から排出されなかつた流体を収容する。

流入チヤンバ３０に流入したろ過される流体
は、ケース５に形成されたオリフイス３５を通
り、中心孔１６と流体分配器１５との間に形成さ
れたチヤンバ３６内へ流入する。なお、中心孔１
６と流体分配器１５との間には、チヤンバ３６お
よびチヤンバ３０と分離された他のチヤンバ３７
が形成されている。チヤンバ３６内に流入した流
体は、ろ過部材の積層体７を通つて円周方向外方
へ流れ、流体内の不純物が取り除かれ、その後、
チヤンバ３１内へ流入する。積層体７によりろ過
された流体の大部分は、出口オリフイス３４を介
して排出され、残りの流体は、積層体７の周囲か
ら、チヤンバ３７と連通した積層体７の部分を通
つて中心孔１６内へ流入し、積層体に付着した不
純物をろ過部材から取り除く。ろ過部材の他の部
分、つまり、チヤンバ３７と連通していない部分
に付着した不純物は、流体分配器１５の回転に伴
う摩擦力により定期的に取り除かれる。そして、
不純物を含んだ流体は、流体分配器１５内に形成
された導管３８を通して下部のチヤンバ３２へ流
入する。

積層体８と流体分配器１５との間には環状のチ
ヤンバ３９が形成されている。チヤンバ３２内の
流体は、積層体８の周囲からろ過部材を通つて中
心孔１６側へ流れ、ろ過部材によりろ過された後
にチヤンバ３９内へ流入する。チヤンバ３９は、
流体分配器１５に形成された導管４０を介して内
部導管２４に連通している。

フイルタ装置の上部でカバー１１およびケース
５には、導管４５，４６がそれぞれ形成されてい
る。カバー１１に形成された環状溝２５は、これ
らの導管４５，４６を介して、ろ過部材の積層体
８によつてろ過された流体を排出するための出口
４７に接続されている。また、フイルタ装置の上
部には、上述したように、ろ過される流体の流入
オリフイス３３およびろ過された流体の出口オリ
フイス３４，４７が形成されており、特に、流入
オリフイス３３と出口オリフイス４７とは互いに
隣接して設けられている。

チヤンバ３２から導管４０、内部導管２４、中
心孔２３を介してフイルタ装置の上部へ送られた
流体は、導管４５，４６を通して出口オリフイス
４７へ送られる。

モータ１３は、ガイドロツド１４に形成された
複数の供給流体流入オリフイス４８を有し、これ
らの流入オリフイス４８は導管４５内へ開口して
いる。ケース５には出口オリフイス４７に連通し
た導管５０が形成され、モータ１３は、ケース５
内を介して導管５０に連通した出口オリフイス４
９を有している。導管４５内には制御部５２ａが
形成されており、この制御部は、モータ１３に供
給される導管４５内の流体を加圧する。

なお、駆動軸１９の上端に形成された溝２０に
キー５１を取付け、このキーにより駆動軸を手動
で回転できるようにしてもよい。

第２図はこの発明の他の実施例を示しており、
モータ１３が流体分配器１５内の内部導管２４を
通つて送られ流体の供給を受けない点を除いて上
記実施例と略同一である。流体圧式のモータ１３
がフイルタ装置のろ過回路から分離した流入口お
よび流出口を有している場合、また、モータが電
気モータの場合、モータ１３は内部導管２４を通
つて送られる流体の供給を受けない。第２図に示
す実施例において、流体分配器１５の上端は、モ
ータ１３の出力軸と一体の駆動ブロツク５３と共
働する駆動フオーク５２として形成されている。
そして、内部導管２４は、その上端部がチヤンバ
５４に連通しており、このチヤンバ５４はケース
５によつて規定されているとともに出口オリフイ
ス４７と直接連通している。

なお、この実施例においても、上記実施例と同
様に、流体分配器１５の下端部は、ろ過部材の積
層体内に形成された中心孔によつて回転自在に支
持され、この下端部とフイルタ本体１の底壁との
間にはチヤンバが形成されている。そして、流体
分配器１５の下端部は、フイルタ本体１の底壁に
ガイドされていない。

以上のように構成された両実施例に係るフイル
タ装置によれば、流体分配器の第２の端、つま
り、下端は、フイルタ本体に直接ガイドされるこ
となく、中心孔内に回転自在に支持されている。
そのため、流体分配器の下端部とフイルタ本体と
の間に軸受、密閉部材等を設ける必要がなく、従
来のものに比較して、構成が簡単であるとともに
安価に製造することができる。また、密閉部材の
数を減少でき、流体の漏洩に対する信頼性が向上
する。

また、このフイルタ装置は、モータが流体圧式
でろ過された流体の供給を受ける場合（第１図）、
あるいは、モータがろ過された流体の供給を受け
ない場合（第２図）のいずれにも適用することが
できる。

更に、流入オリフイス３３、および出口オリフ
イス３４，４７は互いに隣接して設けられている
ため、フイルタ装置にパイプ等を取り付ける際に
有利である。また、上部のろ過領域は、流体分配
器の上端４１，５２をも収容している。

なお、この発明は上述した実施例に限定される
ことなく、この発明の範囲内で種々変形可能であ
ることは言うまでもない。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の第１の実施例に係るフイル
タ装置の縦断面図、第２図はこの発明の第２の実
施例に係るフイルタ装置の要部を示す縦断面図で
ある。 １……フイルタ本体、２，３……支持面、７，
８……積層体、１３……モータ、１５……流体分
配器、１６……中心孔、１９……駆動軸、３３…
…流入オリフイス、３４，４７……出口オリフイ
ス。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 互いに分離して設けられているとともに、そ
   れぞれろ過部材の積層体を収容した２つのろ過領
   域をその内部に有するフイルタ本体と、ろ過され
   る流体をフイルタ本体内へ流入させる少なくとも
   １つの流入オリフイスと、上記ろ過部材の積層体
   に形成された中心孔内に挿通され、上記積層体と
   同軸的にフイルタ本体内に配設された回転自在な
   流体分配器と、上記流体分配器の第１の端に連結
   され流体分配器を駆動するモータと、を具備し、
   上記流体分配器の第２の端は、フイルタ本体に対
   して自由であるとともに、上記中心孔によつて回
   転自在に支持されていることを特徴とするフイル
   タ装置。 ２ 上記流体分配器の第２の端は、２つのろ過領
   域内の一方に収容され、上記一方のろ過領域内の
   流体は上記一方のろ過領域内に位置したろ過部材
   の積層体の周囲から上記中心孔に向かつて流れ、
   上記中心孔は上記流体分配器の周囲に形成された
   複数のチエンバ内に連通し、上記流体分配器は上
   記チエンバを流体分配器の第１の端に接続する内
   部導管を有していることを特徴とする特許請求の
   範囲第１項に記載のフイルタ装置。 ３ 上記内部導管内へ流入するろ過された流体を
   フイルタ本体から排出するための出口オリフイス
   および上記流入オリフイスは、上記流体分配器の
   第１の端に隣接して位置したフイルタ装置の端部
   に形成されていることを特徴とする特許請求の範
   囲第２項に記載のフイルタ装置。 ４ 上記モータは加圧された流体によつて駆動さ
   れるモータであり、上記内部導管は上記モータへ
   流体を供給するための流入口に接続されているこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第２項に記載のフ
   イルタ装置。 ５ 上記内部導管はろ過された流体を直接フイル
   タ本体から排出するための出口に連通され、上記
   モータに流体を供給する回路内に制御部が設けら
   れていることを特徴とする特許請求の範囲第４項
   に記載のフイルタ装置。 ６ 上記出口には、上記モータから流体を排出す
   るための導管が接続されていることを特徴とする
   特許請求の範囲第５項に記載のフイルタ装置。