JPH0460513B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0460513B2
JPH0460513B2 JP7803485A JP7803485A JPH0460513B2 JP H0460513 B2 JPH0460513 B2 JP H0460513B2 JP 7803485 A JP7803485 A JP 7803485A JP 7803485 A JP7803485 A JP 7803485A JP H0460513 B2 JPH0460513 B2 JP H0460513B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
radiation image
image conversion
phosphor
range
numerical value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP7803485A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS61235489A (ja
Inventor
Kenji Takahashi
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP7803485A priority Critical patent/JPS61235489A/ja
Publication of JPS61235489A publication Critical patent/JPS61235489A/ja
Publication of JPH0460513B2 publication Critical patent/JPH0460513B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Conversion Of X-Rays Into Visible Images (AREA)
  • Radiography Using Non-Light Waves (AREA)
  • Luminescent Compositions (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
[発明の分野] 本発明は、放射線像変換方法およびその方法に
用いられる放射線像変換パネルに関するものであ
る。さらに詳しくは、本発明は、輝尽性の二価ユ
ーロピウム賦活複合ハロゲン化物蛍光体を使用す
る放射線像変換方法、およびその方法に用いられ
る放射線像変換パネルに関するものである。 [発明の背景] 従来より、放射線像を画像として得る方法とし
て、銀塩感光材料からなる乳剤層を有する放射線
写真フイルムと増感紙(増感スクリーン)との組
合わせを使用する、いわゆる放射線写真法が利用
されている。上記従来の放射線写真法にかわる方
法の一つとして、たとえば、特開昭55−12145号
公報等に記載されているような輝尽性蛍光体を利
用する放射線像変換方法が知られている。この方
法は、被写体を透過した放射線、あるいは被検体
から発せられた放射線を輝尽性蛍光体に吸収さ
せ、そののちにこの蛍光体を可視光線、赤外線な
どの電磁波(励起光)で時系列的に励起すること
により、蛍光体中に蓄積されている放射線エネル
ギーを蛍光(輝尽発光)として放出させ、この蛍
光を光電的に読取つて電気信号を得、この電気信
号を画像化するものである。 上記放射線像変換方法によれば、従来の放射線
写真法を利用した場合に比較して、はるかに少な
い被曝線量で情報量の豊富なX線画像を得ること
ができるという利点がある。従つて、この放射線
像変換方法は、特に医療診断を目的とするX線撮
影などの直接医療用放射線撮影において利用価値
が非常に高いものである。 上記放射線像変換方法に用いられる輝尽性蛍光
体として、従来より、二価ユーロピウム賦活アル
カリ土類金属弗化ハロゲン化物蛍光体(M〓FX:
Eu2+、ただしM〓はBa、SrおよびCaからなる群
より選ばれる少くとも一種のアルカリ土類金属で
あり、Xは弗素以外のハロゲンである)が提案さ
れている。この蛍光体は、X線などの放射線を吸
収したのち、可視光乃至赤外線領域の電磁波の照
射を受けると近紫外領域に発光(輝尽発光)を示
すものである。 上述のように放射線像変換方法は蛍光体の輝尽
性を利用するものであるが、輝尽性を示す蛍光体
自体、この二価ユーロピウム賦活アルカリ土類金
属弗化ハロゲン化物蛍光体以外はあまり知られて
いない。 本出願人は、下記組成式で表わされる新規な二
価ユーロピウム賦活アルカリ土類金属ハロゲン化
物蛍光体を用いる放射線像変換方法および放射線
像変換パネルについて、既に特許出願している
(特願昭58−193162号(特公昭63−28953号公
報))。 組成式: M〓X2・aM〓X′2:xEu2+ (ただし、M〓はBa、SrおよびCaからなる群
より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属
であり;XおよびX′はCl、BrおよびIからなる
群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであつ
て、かつX≠X′であり;そしてaは0.1≦a≦
10.0の範囲の数値であり、xは0<x≦0.2の範
囲の数値である) さらに、本出願人は、上記の新規な蛍光体に特
定量のアルカリ金属ハロゲン化物を添加した下記
組成式で表わされる二価ユーロピウム賦活複合ハ
ロゲン化物蛍光体を用いる放射線像変換方法およ
び放射線像変換パネルについても、既に特許出願
している(特願昭59−22170号(特公平2−14393
号公報))。 組成式: M〓X2・aM〓X′2・bM〓X″:xEu2+ (ただし、M〓はBa、SrおよびCaからなる群
より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属
であり;M〓はRbおよびCsからなる群より選ばれ
る少なくとも一種のアルカリ金属であり;Xおよ
びX′はいずれもCl、BrおよびIからなる群より
選ばれる少なくとも一種のハロゲンであつて、か
つX≠X′であり;X″はF、Cl、BrおよびIから
なる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンで
あり;そしてaは0.1≦a≦10.0の範囲の数値で
あり、bは0<b≦10.0の範囲の数値であり、x
は0<x≦0.2の範囲の数値である) これらの新規な蛍光体は、上記の出願明細書に
記載されているようにそのX線回折パターンか
ら、前記M〓FX:Eu2+蛍光体とは結晶構造を異
にする別種の蛍光体であることが判明しており、
X線、紫外線、電子線などの放射線を照射したの
ち450〜1000nmの波長領域の電磁波で励起する
と、405nm付近に発光極大を有する近紫外乃至青
色発光(輝尽発光)を示すものである。 上記輝尽性蛍光体からなる放射線像変換パネル
を用いる放射線像変換方法は、上述のように非常
に有利な画像形成方法であるが、この方法におい
てもその感度はできる限り高いものであることが
望ましい。放射線像変換パネルの放射線に対する
感度は一般に、それに用いられる蛍光体の輝尽発
光輝度が高いほど高くなる。従つて、パネルに用
いられる輝尽性蛍光体はその輝尽発光輝度ができ
る限り高いものであることが望まれる。 [発明の要旨] 上記特願昭59−22170号の放射線像変換方法は、
上記特願昭58−193162号の放射線像変換方法に用
いられる二価ユーロピウム賦活アルカリ土類金属
ハロゲン化物蛍光体に、ハロゲン化ルビジウムお
よび/またはハロゲン化セシウムを特定量添加す
ることによつて得られた二価ユーロピウム賦活複
合ハロゲン化物蛍光体を用いることによりその感
度が向上したものであるが、本発明は、さらにこ
の特願昭59−22170号の放射線像変換方法よりも
高感度の放射線像変換方法およびその方法に用い
られる放射線像変換パネルを提供することをその
目的とするものである。 本発明者は、上記目的を達成するために、上記
特願昭59−22170号の放射線像変換方法に用いら
れる二価ユーロピウム賦活複合ハロゲン化物蛍光
体のうち、ハロゲン化セシウムが添加された蛍光
体(すなわち、上記組成式においてM〓=CSであ
る)について種々の研究を行なつた。その結果、
該蛍光体に特定量のハロゲン化スズを添加するこ
とによつて得られる蛍光体は、高輝度の輝尽発光
を示すことを見出し、本発明に到達したものであ
る。 すなわち、本発明の放射線像変換方法は、被写
体を透過した、あるいは被検体から発せられた放
射線を、下記組成式()で表わされる二価ユー
ロピウム賦活複合ハロゲン化物蛍光体に吸収させ
た後、この蛍光体に450〜1000nmの波長領域の電
磁波を照射することにより、該蛍光体に蓄積され
ている放射線エネルギーを蛍光として放出させ、
そしてこの蛍光を検出することを特徴とする。 組成式(): M〓X2・aM〓X′2・bCsX″・ cSnX2:xEu2+ …() (ただし、M〓はBa、SrおよびCaからなる群
より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属
であり;XおよびX′はいずれもCl、BrおよびI
からなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲ
ンであつて、かつX≠X′であり、X″およびX
はそれぞれF、Cl、BrおよびIからなる群より
選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;そし
てaは0.1≦a≦10.0の範囲の数値であり、bは
0<b≦10.0の範囲の数値であり、cは10-6≦c
≦2×10-2の範囲の数値であり、xは0<x≦
0.2の範囲の数値である) また、本発明の放射線像変換パネルは、支持体
とこの支持体上に設けられた輝尽性蛍光体層とか
ら実質的に構成された放射線像変換パネルであつ
て、該輝尽性蛍光体層が、上記組成式()で表
わされる二価ユーロピウム賦活複合ハロゲン化物
蛍光体を含有することを特徴とする。 本発明は、上記の特願昭59−22170号明細書に
記載されている新規な二価ユーロピウム賦活複合
ハロゲン化物蛍光体のうち、ハロゲン化セシウム
が添加された蛍光体に特定量のハロゲン化スズを
添加することにより、該蛍光体にX線などの放射
線を照射したのち450〜1000nmの波長領域の電磁
波で励起したときの輝尽発光輝度が顕著に向上す
るという新たな知見に基づいて完成されたもので
ある。 従つて、上記組成式()で表わされる二価ユ
ーロピウム賦活複合ハロゲン化物蛍光体を用いる
ことにより、放射線像変換方法の感度を向上させ
ることができる。また、上記蛍光体からなる本発
明の放射線像変換パネルは感度の向上したもので
ある。 [発明の構成] 本発明に用いられる二価ユーロピウム賦活複合
ハロゲン化物蛍光体は、組成式(): M〓X2・aM〓X′2・bCsX″・ cSnX2:xEu2+ …() (ただし、M〓はBa、SrおよびCaからなる群
より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属
であり;XおよびX′はいずれもCl、BrおよびI
からなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲ
ンであつて、かつX≠X′であり、X″およびX
はそれぞれF、Cl、BrおよびIからなる群より
選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;そし
てaは0.1≦a≦10.0の範囲の数値であり、bは
0<b≦10.0の範囲の数値であり、cは10-6≦c
≦2×10-2の範囲の数値であり、xは0<x≦
0.2の範囲の数値である) で表わされる。 上記組成式()で表われる蛍光体において輝
尽発光輝度の点から、ハロゲン化スズ(SnX2
の量を表わすc値は10-5≦c≦5×10-3の範囲に
あるのが好ましい。また、ハロゲン化セシウム
(CsX″)の量を表わすb値は0<b≦2.0の範囲
にあるのが好ましい。同じく輝尽発光輝度の点か
ら、組成式()におけるM〓X2とM〓X′2との割
合を表わすa値は0.3≦a≦3.3の範囲にあるのが
好ましく、さらに好ましくは0.5≦a≦2.0の範囲
であり、X′およびX″はそれぞれ、ClおよびBrの
いずれかであるのが好ましい。また、ユーロピウ
ムの賦活量を表わすx値は10-5≦x≦10-2の範囲
にあるのが好ましい。 上記組成式()で表わされる蛍光体の一例で
あるBaCl2・BaBr2・0.1CsBr・cSnCl2
0.002Eu2+蛍光体において、蛍光体中の塩化スズ
の量を表わすc値と輝尽発光輝度は第1図に示す
ような関係にある。 第1図は、BaCl2・BaBr2・0.1CsBr・
cSnCl2:0.002Eu2+蛍光体におけるc値と輝尽発
光輝度[80KVpのX線を照射した後、半導体レ
ーザー光(780nm)で励起した時の輝尽発光輝
度]との関係を示すグラフである。第1図から明
らかなように、c値が10-6≦c≦2×10-2の範囲
にあるBaCl2・BaBr2・0.1CsBr・cSnCl2
0.002Eu2+蛍光体は、塩化スズを添加しない蛍光
体(c=0)よりも高輝度の輝尽発光を示す。本
発明の放射線像変換方法に用いられる二価ユーロ
ピウム賦活複合ハロゲン化物蛍光体におけるc値
を10-6≦c≦2×10-2の範囲に規定したのは、こ
のような事実に基づいてである。また第1図か
ら、特にc値が10-5≦c≦5×10-3の範囲にある
蛍光体は、著しく高輝度の輝尽発光を示すことが
明らかである。 なお、M〓、X、X′、X″、X、aおよびbが
上記以外の本発明に用いられる二価ユーロピウム
賦活複合ハロゲン化物蛍光体についても、c値と
輝尽発光輝度との関係は第1図と同じような傾向
にあることが確認されている。 なお、上記組成式()で表わされる二価ユー
ロピウム賦活複合ハロゲン化物蛍光体の輝尽発光
スペクトルおよび輝尽励起スペクルはそれぞれ、
前記特願昭59−22170号明細書に記載されている
二価ユーロピウム賦活複合ハロゲン化物蛍光体の
輝尽発光スペクトルおよび輝尽励起スペクトルと
ほぼ同じである。そして、その輝尽性励起スペク
トルの波長領域は450〜1000nmと広く、そのため
にこの蛍光体を使用する本発明の放射線像変換方
法においては励起光の波長を適当に変えることが
できる、すなわちその励起光源を目的に応じて適
宜選択することが可能となる。たとえば、上記蛍
光体の輝尽励起スペクトルは約1000nmにまで及
んでいるために、輝尽光源として小型で駆動電力
の小さい半導体レーザー(赤外領域に発光波長を
有する)を利用することができ、従つて、放射線
像変換方法を実施するための装置を小型化するこ
とが可能となる。また、輝尽発光の輝度および発
光光との波長分離の点からは、本発明の放射線像
変換方法における励起光は500〜850nmの波長領
域の電磁波であるのが好ましい。 上記組成式()で表わされる二価ユーロピウ
ム賦活複合ハロゲン化物蛍光体はたとえば、以下
に記載するような製造法により製造することがで
きる。 まず、蛍光体原料として、 1) BaCl2、SrCl2、CaCl2、BaBr2、SrBr2
CaBr2、BaI2、SrI2およびCaI2からなる群より
選ばれる少なくとも二種のアルカリ土類金属ハ
ロゲン化物、 2) CsF、CsCl、CsBrおよびCsIからなる群よ
り選ばれる少なくとも一種のハロゲン化セシウ
ム、 3) SnF2、SnCl2、SnBr2およびSnI2からなる
群より選ばれる少なくとも一種のハロゲン化ス
ズ、 4) ハロゲン化物、酸化物、硝酸塩、硫酸塩な
どのユーロピウムの化合物からなる群より選ば
れる少なくとも一種の化合物、 を用意する。 ここで、上記1)の蛍光体原料としては、少な
くともハロゲンが異なる二種もしくはそれ以上の
アルカリ土類金属ハロゲン化物が用いられる。場
合によつては、さらにハロゲン化アンモニウムな
どをフラツクスとして使用してもよい。 蛍光体の製造に際しては先ず、上記1)のアル
カリ土類金属ハロゲン化物、2)のハロゲン化セ
シウム、3)のハロゲン化スズおよび4)のユー
ロピウム化合物を用いて、化学量論的に 組成式(): M〓X2・aM〓X′2・bCsX″ ・cSnX2:xEu …() (ただし、M〓、X、X′、X″、X、a、b、
cおよびxの定義は前述と同じである) に対応する相対比となるように秤量混合する。 上記の混合物操作は、たとえば水溶液の状態で
行なわれる。そして、この蛍光体原料混合物の水
溶液から水分を除去することにより固形状の乾燥
混合物が得られる。この水分の除去操作は、常温
もしくはあまり高くない温度(たとえば、200℃
以下)にて、減圧乾燥、真空乾燥、あるいはその
両方により行なわれるのが好ましい。もちろん混
合操作は上記の方法に限られるものでない。 なお、上記2)のハロゲン化セシウムおよび
3)のハロゲン化スズは、蛍光体原料の秤量混合
時に添加しないでこの乾燥混合物に添加されても
よい。 次に、得られた乾燥混合物は微細に粉砕され、
その粉砕物は石英ボート、アルミナルツボなどの
耐熱性容器に充填されて、電気炉中で焼成が行な
われる。焼成温度は400〜1300℃の範囲が適当で
あり、焼成時間は蛍光体原料混合物の充填量およ
び焼成温度などによつても異なるが、一般には
0.5〜6時間が適当である。焼成雰囲気としては、
窒素ガス雰囲気、アルコンガス雰囲気等の中性雰
囲気、または少量の水素ガスを含有する窒素ガス
雰囲気、一酸化炭素を含有する二酸化炭素雰囲気
等の弱還元性雰囲気を利用する。使用されるユー
ロピウム化合物が三価のユーロピウムを含む場合
には、焼成過程において三価のユーロピウムは二
価のユーロピウムに還元される。 なお、上記の焼成条件で蛍光体原料混合物を一
度焼成したのちにその焼成物を放冷後粉砕し、さ
らに再焼成(二次焼成)を行なう方法を利用して
もよい。再焼成は上記の中性雰囲気または弱還元
性雰囲気下で、400〜800℃の焼成温度にて0.5〜
12時間かけて行なわれる。 上記焼成によつて本発明に用いられる粉末状の
蛍光体が得られる。なお、得られた粉末状の蛍光
体については、必要に応じて、さらに、洗浄、乾
燥、ふるい分けなどの蛍光体の製造における各種
の一般的な操作を行なつてもよい。 以上に説明した製造法を利用することによつて
前記の組成式()で表われる二価ユーロピウム
賦活複合ハロゲン化物蛍光体が得られる。 本発明の放射線像変換法において、上記組成式
()で表わされる二価ユーロピウム賦活複合ハ
ロゲン化物蛍光体は、それを含有する放射線像変
換パネル(蓄積性蛍光体シートともいう)の形態
で用いるのが好ましい。 放射線像変換パネルは、基本構造として、支持
体と、その片面に設けられた少なくとも一層の輝
尽性蛍光体層とからなるものである。輝尽性蛍光
体層は、輝尽性蛍光体とこの輝尽性蛍光体を分散
状態で含有支持する結合剤からなる。なお、この
蛍光体層の支持体とは反対側の表面(支持体に面
していない側の表面)には一般に、透明な保護膜
が設けられていて、蛍光体層を化学的な変質ある
いは物理的な衝撃から保護している。 すなわち、本発明の放射線像変換方法は、前記
の組成式()で表わされる二価ユーロピウム賦
活複合ハロゲン化物蛍光体からなる蛍光体層を有
する放射線像変換パネルを用いて実施するのが望
ましい。 組成式()で表わされる輝尽性蛍光体を放射
線像変換パネルの形態で用いる本発明の放射線像
変換方法においては、被写体を透過した、あるい
は被検体から発せられた放射線は、その放射線量
に比例して放射線像変換パネルの蛍光体層に吸収
され、放射線像変換パネルには被写体あるいは被
検体の放射線像が放射線エネルギーの蓄積像とし
て形成される。この蓄積像は、450〜1000nmの波
長領域の電磁波(励起光)で励起することによ
り、輝尽発光(蛍光)として放射させることがで
き、この輝尽発光を光電的に読み取つて電気信号
に変換することにより、放射線エネルギーの蓄積
像を画像化することが可能となる。 本発明の放射線像変換方法を、組成式()で
表わされる輝尽性蛍光体を放射線像変換パネルの
形態で用いる態様を例にとり、第2図に示す概略
図を用いて具体的に説明する。 第2図において、11はX線などの放射線発生
装置、12は被写体、13は上記組成式()で
表わされる輝尽性蛍光体を含有する放射線像変換
パネル、14は放射線像変換パネル13上の放射
線エネルギーの蓄積像を蛍光として放射させるた
めの励起源としての光源、15は放射線像変換パ
ネル13より放射された蛍光を検出する光電変換
装置、16は光電変換装置15で検出された光電
変換信号を画像として再生する装置、17は再生
された画像を表示する装置、そして、18は光源
14からの反射光を透過させないで放射線像変換
パネル13より放射された蛍光のみを透過させる
ためのフイルターである。 なお、第2図は被写体の放射線透過像を得る場
合の例を示しているが、被写体12自体が放射線
を発するもの(本明細書においてはこれを被検体
という)である場合には、上記の放射線発生装置
11は特に設置する必要はない。また、光電変換
装置15〜画像表示装置17までは、放射線像変
換パネル13から蛍光として放射される情報を何
らかの形で画像として再生できる他の適当な装置
に変えることもできる。 第2図に示されるように、被写体12に放射線
発生装置11からX線などの放射線を照射する
と、その放射線は被写体12をその各部の放射線
透過率に比例して透過する。被写体12を透過し
た放射線は、次に放射線像変換パネル13に入射
し、放射線像変換パネル13の蛍光体層に吸収さ
れる。すなわち、放射線像変換パネル13上には
放射線透過像に相当する放射線エネルギーの蓄積
像(一種の潜像)が形成される。 次に、放射線像変換パネル13に光源14を用
いて450〜1000nmの波長領域の電磁波を照射する
と、放射線像変換パネル13に形成された放射線
エネルギーの蓄積像は、蛍光として放射される。
この放射される蛍光は、放射線像変換パネル13
の蛍光体層に吸収された放射線エネルギーの強弱
に比例している。この蛍光の強弱で構成される光
信号を、たとえば、光電子増倍管などの光電変換
装置15で電気信号に変換し、画像再生装置16
によつて画像として再生し、画像表示装置17に
よつてこの画像を表示する。 放射線像変換パネルに蓄積された画像情報を蛍
光として読み出す操作は、一般にレーザー光でパ
ネルを時系列的に走査し、この走査によつてパネ
ルから放射される蛍光を適当な集光体を介して光
電子増倍管等の光検出器で検出し、時系列電気信
号を得ることによつて行なわれる。この読出しは
観察読影性能のより優れた画像を得るために、低
エネルギーの励起光の照射による先読み操作と高
エネルギーの励起光の照射による本読み操作とか
ら構成されていてもよい(特開昭58−67240号公
報参照)。この先読み操作を行なうことにより本
読み操作における読出し条件を好適に設定するこ
とができるとの利点がある。 また、たとえば光電変換装置として光導電体お
よびフオトダイオードなどの固体光電変換素子を
用いることもできる(特願昭58−86226号、特願
昭58−86227号、特願昭58−219313号および特願
昭58−219314号の各明細書、および特開昭58−
121874号公報参照)。この場合には、多数の固体
光電変換素子がパネル全表面を覆うように構成さ
れ、パネルと一体化されていてもよいし、あるい
はパネルに近接した状態で配置されていてもよ
い。また、光電変換装置は複数の光電変換素子が
線状に連なつたラインセンサであつてもよいし、
あるいは一画素に対応する一個の固体光電変換素
子から構成されていてもよい。 上記の場合の光源としては、レーザー等のよう
な点光源のほかに、発光ダイオード(LED)や
半導体レーザー等を列状に連ねてなるアレイなど
の線光源であつてもよい。このような装置を用い
て読出しを行なうことにより、パネルから放出さ
れる蛍光の損失を防ぐと同時に受光立体角を大き
くしてS/N比を高めることができる。また、得
られる電気信号は励起光の時系列的な照射によつ
てではなく、光検出器の電気的な処理によつて時
系列化されるために、読出し速度を速くすること
が可能である。 画像情報の読出しが行なわれた放射線像変換パ
ネルに対しては、蛍光体の励起光の波長領域の光
を照射することにより、あるいは加熱することに
より、残存している放射線エネルギーの消去を行
なつてもよく、そうするのが好ましい(特開昭56
−11392号および特開昭56−12599号公報参照)。
この消去操作を行なうことにより、次にこのパネ
ルを使用した時の残像によるノイズの発生を防止
することができる。さらに、読出し後と次の使用
直前の二度に渡つて消去操作を行なうことによ
り、自然放射能などによるノイズの発生を防いで
更に効率良く消去を行なうこともできる(特開昭
57−116300号公報参照)。 本発明の放射線像変換方法において、被写体の
放射線透過像を得る場合に用いられる放射線とし
ては、上記蛍光体がこの放射線の照射を受けたの
ち上記電磁波で励起された時において輝尽発光を
示しうるものであればいかなる放射線であつても
よく、例えばX線、電子線、紫外線など一般に知
られている放射線を用いることができる。また、
被検体の放射線像を得る場合において被検体から
直接発せられる放射線は、同様に上記蛍光体に吸
収されて輝尽発光のエネルギー源となるものであ
ればいかなる放射線であつてもよく、その例とし
てはγ線、α線、β線、中性子線などの放射線を
挙げることができる。 被写体もしくは被検体からの放射線を吸収した
蛍光体を励起するための励起光の光源としては、
450〜1000nmの波長領域にバンドスペクトル分布
をもつ光を放射する光源のほかに、たとえばAr
イオンレーザー、Krイオンレーザー、He−Ne
レーザー、ルビー・レーザー、半導体レーザー、
ガラス・レーザー、YAGレーザー、色素レーザ
ー等のレーザーおよび発光ダイオードなどの光源
を使用することもできる。なかでもレーザーは、
単位面積当りのエネルギー密度の高いレーザービ
ームを放射線像変換パネルに照射することができ
るため、本発明において用いる励起用光源として
好ましい。それらのうちでその安定性および出力
などの点から、好ましいレーザーはHe−Neレー
ザー、ArイオンレーザーおよびKrイオンレーザ
ーである。また、半導体レーザーは小型であるこ
と、駆動電力が小さいこと、直接変調が可能なの
でレーザー出力の安定化が簡単にできること、な
どの理由により励起用光源として好ましい。 また、消去に用いられる光源としては、輝尽性
蛍光体の励起波長領域の光を放射するものであれ
ばよく、その例としてはタングステンランプ、蛍
光灯、ハロゲンランプ、高圧ナトリウムランプを
挙げることができる。 本発明の放射線像変換方法は、輝尽性蛍光体に
放射線のエネルギーを吸収蓄積させる蓄積部、こ
の蛍光体に励起光を照射して放射線のエネルギー
を蛍光として放出させる光検出(読出し)部、お
よび蛍光体中に残存するエネルギーを放出させる
ための消去部を一つの装置に内蔵したビルトイン
型の放射線像変換装置に適用することもできる
(特願昭57−84436号および特願昭58−66730号明
細書参照)。このようなビルトイン型の装置を利
用することにより、放射線像変換パネル(または
輝尽性蛍光体を含有してなる記録体)を循環再使
用することができ、安定した均質な画像を得るこ
とができる。また、ビルトイン型とすることによ
り装置を小型化、軽量化することができ、その設
置、移動などが容易になる。さらにこの装置を移
動車に搭載することにより、巡回放射線撮影が可
能となる。 次に、本発明の放射線像変換方法に用いられる
放射線像変換パネルについて説明する。 この放射線像変換パネルは、前述のように、実
質的に支持体と、この支持体上に設けられた前記
組成式()で表わされる二価ユーロピウム賦活
複合ハロゲン化物蛍光体を分散状態で含有支持す
る結合剤からなる輝尽性蛍光体層とから構成され
る。輝尽性蛍光体層は、たとえば次のような方法
により支持体上に形成することができる。 蛍光体層の結合剤の例としては、ゼラチン等の
蛋白質、デキストラン等のポリサツカライド、ま
たはアラビアゴムのような天然高分子物質;およ
び、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、ニ
トロセルロース、エチルセルロース、塩化ビニリ
デン・塩化ビニルコポリマー、ポリアルキル(メ
タ)アクリレート、塩化ビニル・酢酸ビニルコポ
リマー、ポリウレタン、セルロースアセテートブ
チレート、ポリビニルアルコール、線状ポリエス
テルなどような合成高分子物質などにより代表さ
れる結合剤を挙げることができる。このような結
合剤のなかで特に好ましいものは、ニトロセルロ
ース、線状ポリエステル、ポリアルキル(メタ)
アクリレート、ニトロセルロースと線状ポリエス
テルとの混合物、およびニトロセルロースとポリ
アルキル(メタ)アクリレートとの混合物であ
る。 まず粒子状の上記輝尽性蛍光体と結合剤とを適
当な溶剤に加え、これを充分に結合して、結合剤
溶液中に輝尽性蛍光体が均一に分散した塗布液を
調製する。 塗布液調製用の溶剤の例としては、メタノー
ル、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノ
ールなどの低級アルコール;メチレンクロライ
ド、エチレンクロライドなどの塩素原子含有炭化
水素;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトンなどのケトン;酢酸メチル、酢酸
エチル、酢酸ブチルなどの低級脂肪酸と低級アル
コールとのエステル;ジオキサン、エチレングリ
コールモノエチルエーテル、エチレングリコール
モノメチルエーテルなどのエーテル;そして、そ
れらの混合物を挙げることができる。 塗布液における結合剤と輝尽性蛍光体との混合
比は、目的とする放射線像変換パネルの特性、蛍
光体の種類などによつて異なるが、一般には結合
剤と蛍光体との混合比は、1:1乃至1:100(重
量比)の範囲から選ばれ、そして特に1:8乃至
1:40(重量比)の範囲から選ぶのが好ましい。 なお、塗布液には、該塗布液中における蛍光体
の分散性を向上させるための分散剤、また、形成
後の蛍光体層中における結合剤と蛍光体との間の
結合力を向上させるための可塑剤などの種々の添
加剤が混合されていてもよい。そのような目的に
用いられる分散剤の例としては、フタル酸、ステ
アリン酸、カプロン酸、親油性界面活性剤などを
挙げることができる。そして可塑剤の例として
は、燐酸トリフエニル、燐酸トリクレジル、燐酸
ジフエニルなどの燐酸エステル;フタル酸ジエチ
ル、フタル酸ジメトキシエチルなどのフタル酸エ
ステル;グリコール酸エチルフタリルエチル、グ
リコール酸ブチルフタリルブチルなどのグリコー
ル酸エステル;そして、トリエチレングリコール
とアジピン酸とのポリエステル、ジエチレングリ
コールとコハク酸とのポリエステルなどのポリエ
チレングリコールと脂肪族二塩基酸とのポリエス
テルなどを挙げることができる。 上記のようにして調製された蛍光体と結合剤と
を含有する塗布液を、次に、支持体の表面に均一
に塗布することにより塗布液の塗膜を形成する。
この塗布操作は、通常の塗布手段、たとえば、ド
クターブレード、ロールコーター、ナイフコータ
ーなどをを用いることにより行なうことがきる。 支持体しては、従来の放射線写真法における増
感紙(または増感スクリーン)の支持体として用
いられている各種の材料、あるいは放射線像変換
パネルの支持体として公知の材料から任意に選ぶ
ことができる。そのような材料の例としては、セ
ルロースアセテート、ポリエステル、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリアミド、ポリイミド、ト
リアセテート、ポリカーボネートなどのプラスチ
ツク物質のフイルム、アルミニウム箔、アルミニ
ウム合金箔などの金属シート、通常の紙、バライ
タ紙、レジンコート紙、二酸化チタンなどの顔料
を含有するピグメント紙、ポリビニルアルコール
などをサイジングした紙などを挙げることができ
る。 ただし、放射線像変換パネルの情報記録材料と
しての特性および取扱いなどを考慮した場合、本
発明において特に好ましい支持体の材料はプラス
チツクフイルムである。このプラスチツクフイル
ムにはカーボンブラツクなどの光吸収性物質が練
り込まれていてもよく、あるいは二酸化チタンな
どの光反射性物質が練り込まれていてもよい。前
者は高鮮鋭度タイプの放射線像変換パネルに適し
た支持体であり、後者は高感度タイプの放射線像
変換パネルに適した支持体である。 公知の放射線像変換パネルにおいて、支持体と
蛍光体層の結合を強化するため、あるいは放射線
像変換パネルとしての感度もしくは画質(鮮鋭
度、粒状性)を向上させるために、蛍光体層が設
けられる側の支持体表面にゼラチンなどの高分子
物質を塗布して接着性付与層としたり、あるいは
二酸化チタンなどの光反射性物質からなる光反射
層、もしくはカーボンブラツクなどの光吸収性物
質からなる光吸収層を設けることが知られてい
る。本発明において用いられる支持体について
も、これらの各種の層を設けることができ、それ
らの構成は所望の放射線像変換パネルの目的、用
途などに応じて任意に選択することができる。 さらに、特開昭58−200200号公報に開示されて
いるように、得られる画像の鮮鋭度を向上させる
目的で、支持体の蛍光体層側の表面(支持体の蛍
光体層側の表面に接着性付与層、光反射層あるい
は光吸収層などが設けられている場合には、その
表面を意味する)には微小の凹凸が形成されてい
てもよい。 上記のようにして支持体上に塗膜を形成したの
ち塗膜を乾燥して、支持体上への輝尽性蛍光体層
の形成を完了する。蛍光体層の層厚は、目的とす
る放射線像変換パネルの特性、蛍光体の種類、結
合剤と蛍光体との混合比などによつて異なるが、
通常は20μm乃至1mmとする。ただし、この層厚
は50乃至500μmとするのが好ましい。 また、輝尽性蛍光体層は、必ずしも上記のよう
に支持体上に塗布液を直接塗布して形成する必要
はなく、たとえば、別にガラス板、金属板、プラ
スチツクシートなどのシート上に塗布液を塗布し
乾燥することにより蛍光体層を形成したのち、こ
れを、支持体上に押圧するか、あるいは接着剤を
用いるなどして支持体と蛍光体層とを接合しても
よい。 輝尽性蛍光体層は一層だけでもよいが、二層以
上を重層してもよい。重層する場合にはそのうち
の少なくとも一層が組成式()の二価ユーロピ
ウム賦活複合ハロゲン化物蛍光体を含有する層で
あればよく、パネルの表面に近い方に向つて順次
放射線に対する発光効率が高くなるように複数の
蛍光体層を重層した構成にしてもよい。また、単
層および重層のいずれの場合も、上記蛍光体と共
に公知の輝尽性蛍光体を併用することができる。 そのような公知の輝尽性蛍光体の例としては、
前述の蛍光体のほかに、特開昭55−12142号公報
に記載されているZnS:Cu,Pb、BaO・
xAl2O3:Eu(ただし、0.8≦x≦10)、およびM〓
O・xSiO2:A(ただし、M〓はMg、Ca、Sr、
Zn、Cd、またはBaであり、AはCe、Tb、Eu、
Tm、Pb、Tl、Bi、またはMnであり、xは、0.5
≦x≦2.5である)、 特開昭55−12143号公報に記載されている
(Ba1-x-y,Mgx,Cay)Fx:aEu2+(ただし、Xは
ClおよびBrのうちの少なくとも一つであり、x
およびyは、0<x+y≦0.6、かつxy≠0であ
り、aは、10-6≦a≦5×10-2である)、および、 特開昭55−12144号公報に記載されている
LnOX:xA(ただし、LnはLa、Y、Gd、および
Luのうちの少なくとも一つ、XはClおよびBrの
うちの少なくとも一つ、AはCeおよびTbのうち
の少なくとも一つ、そしてxは、0<x<0.1で
ある)、 などを挙げることができる。 通常の放射線像変換パネルにおいては、前述の
ように支持体に接する側とは反対側の蛍光体層の
表面に、蛍光体層を物理的および化学的に保護す
るための透明な保護膜が設けられている。このよ
うな透明保護膜は、本発明の放射線像変換パネル
についても設置することが好ましい。 透明保護膜は、たとえば、酢酸セルロース、ニ
トロセルロースなどのセルロース誘導体;あるい
はポリメチルメタクリレート、ポリビニルブチラ
ール、ポリビニルホルマール、ポリカーボネー
ト、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニルコ
ポリマーなどの合成高分子物質のような透明な高
分子物質を適当な溶媒に溶解して調製した溶液を
蛍光体層の表面に塗布する方法により形成するこ
とができる。あるいは、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリ
アミドなどから別に形成した透明な薄膜を蛍光体
層の表面に適当な接着剤を用いて接着するなどの
方法によつても形成することができる。このよう
にして形成する透明保護膜の膜厚は、約0.1乃至
20μmとするのが望ましい。 なお、特開昭55−163500号公報、特開昭57−
96300号公報等に記載されているように、本発明
の放射線像変換パネルは着色剤によつて着色され
ていてもよく、着色によつて得られる画像の鮮鋭
度を向上させることができる。また特開昭55−
146447号公報に記載されているように、本発明の
放射線像変換パネルは同様の目的でその蛍光体層
中に白色粉体が分散されていてもよい。 以下に、本発明の実施例および比較例を記載す
る。ただし、これらの各例は本発明を制限するも
のではない。 実施例 1 臭化バリウム(BaBr2・2H2O)333.2g、塩化
バリウム(BaCl2・2H2O)244.3g、および臭化
ユーロピウム(EuBr3)0.783gを蒸留水(H2O)
800mlに添加し、混合して水溶液とした。この水
溶液を60℃で3時間減圧乾燥した後、さらに150
℃で3時間の真空乾燥を行なつた。 次に、得られた蛍光体原料混合物に塩化スズ
(SnCl2・2H2O)45.1mg、臭化セシウム(CsBr)
21.3gを充分に混合した後アルミナツボに充填
し、これを高温電気炉に入れて焼成を行なつた。
焼成は、一酸化炭素を含む二酸化炭素雰囲中にて
850℃の温度で1.5時間かけて行なつた。焼成が完
了した後、焼成物を炉外に取り出して冷却した。
このようにして、二価ユーロピウム賦活複合ハロ
ゲン化物蛍光体(BaCl2・BaBr2・0.1CsBr・
0.0002SnCl2:0.002Eu2+)を得た。 実施例 2 実施例1において、塩化スズの添加量を0.451
gに変えること以外は実施例1の方法と同様の操
作を行なうことにより、二価ユーロピウム賦活複
合ハロゲン化物蛍光体(BaCl2・BaBr2
0.1CsBr・0.0002SnCl2:0.002Eu2+)を得た。 実施例 3 実施例1において、塩化スズの添加量を4.51g
に変えること以外は実施例1のの方法と同様の操
作を行なうことにより、二価ユーロピウム賦活複
合ハロゲン化物蛍光体(BaCl2・BaBr2
0.1CsBr・0.02SnCl2:0.002Eu2+)を得た。 比較例 1 実施例1において、蛍光体原料混合物に塩化ス
ズを添加しないこと以外は実施例1の方法と同様
の操作を行なうことにより、二価ユーロピウム賦
活複合ハロゲン化物蛍光体(BaCl2・BaBr2
0.1CsBr・0.002Eu2+)を得た。 次に、実施例1〜3および比較例1で得られた
各蛍光体に管電圧80KVpのX線を照射したのち、
半導体レーザー光(780nm)で励起したときの輝
尽蛍光輝度を測定した。その結果を第1図にまと
めて示す。 第1図は、BaCl2・BaBr2・0.1CsBr・
cSnCl2:0.002Eu2+蛍光体における塩化スズの含
有量(c値)と輝尽発光輝度との関係を示すグラ
フである。 第1図から明らかなように本発明のBaCl2
BaBr2・0.1CsBr・oSnCl2:0.002Eu2+蛍光体は、
c値が10-6≦c≦2×10-2の範囲にある場合に輝
尽発光輝度が向上した。特に、c値が10-5≦c≦
5×10-3の範囲にある蛍光体は高輝度の輝尽発光
を示した。 実施例 4 実施例1で得られた蛍光体(BaCl2・BaBr2
0.1CsBr・0.0002SnCl2:0.002Eu2+)を用いて以
下のようにして放射線像変換パネルを製造した。 粉末状の二価ユーロピウム賦活複合ハロゲン化
物蛍光体と線状ポリエステル樹脂との混合物にメ
チルエチルケトンを添加し、さらに硝化度11.5%
のニトロセルロースを添加して蛍光体を分散状態
で含有する分散液を調製した。次に、この分散液
に燐酸トリクレジル、n−ブタノールそしてメチ
ルエチルケトンを添加したのち、プロペラミキサ
ーを用いて充分に撹拌混合して、蛍光体が均一に
分散し、かつ結合剤と蛍光体との混合比が1:
10、粘度が25〜35PS(25℃)の塗布液を調製し
た。次に、ガラス板上に水平に置いた二酸化チタ
ン練り込みポリエチレンテレフタレートシート
(支持体、厚み:250μm)の上に塗布液をドクタ
ーブレードを用いて均一に塗布した。そして塗布
後に、塗膜が形成された支持体を乾燥器内に入
れ、この乾燥器の内部の温度を25℃から100℃に
徐々に上昇させて、塗膜の乾燥を行なつた。この
ようにして、支持体上に層厚が250μmの蛍光体層
を形成した。 そして、この蛍光体層の上にポリエチレンテレ
フタレートの透明フイルム(厚み:12μm、ポリ
エステル系接着剤が付与されているもの)を接着
剤層側を下に向けて置いて接着することにより、
透明保護膜を形成した。 このようにして、支持体、蛍光体層および透明
保護膜から構成された放射線像変換パネルを製造
した。 実施例 5 実施例4において、実施例2で得られた蛍光体
(BaCl2・BaBr2・0.1CsBr・0.002SnCl2
0.002Eu2+)を用いること以外は実施例4の方法
と同様な操作を行なうことにより、支持体、蛍光
体層および透明保護膜から構成された放射線像変
換パネルを製造した。 実施例 6 実施例4において、実施例3で得られた蛍光体
(BaCl2・BaBr2・0.1CsBr・0.02SnCl2
0.002Eu2+)を用いること以外は実施例4の方法
と同様な操作を行なうことにより、支持体、蛍光
体層および透明保護膜から構成された放射線像変
換パネルを製造した。 比較例 2 実施例4において、比較例1で得られた蛍光体
(BaCl2・BaBr2・0.1CsBr・0.002Eu2+)を用い
ること以外は実施例4の方法と同様な操作を行な
うことにより、支持体、蛍光体層および透明保護
膜から構成された放射線像変換パネルを製造し
た。 次に、実施例4〜6および比較例2で得られた
各放射線像変換パネルに、管電圧80KVpのX線
を照射した後、半導体レーザー光(780nm)で励
起したときのパネルの感度(輝尽発光輝度)を測
定した。その結果を第1表に示す。
【表】 第1表から明らかなように、二価ユーロピウム
賦活複合ハロゲン化物蛍光体を用いた本発明の放
射線像変換パネル(実施例4〜6)は、塩化スズ
が添加されていない二価ユーロピウム賦活複合ハ
ロゲン化物蛍光体を用いた放射線像変換パネル
(比較例2)と比較して高い輝尽発光輝度を示し
た。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に用いられる二価ユーロピウ
ム賦活複合ハロゲン化物蛍光体の具体例である
BaCl2・BaBr2・0.1CsBr・cSnCll2:0.002Eu2+
光体におけるc値と輝尽発光輝度との関係を示す
グラフである。第2図は、本発明の放射線像変換
方法を説明する概略図である。 11:放射線発生装置、12:被写体、13:
放射線像変換パネル、14:光源、15:光電変
換装置、16:画像再生装置、17:画像表示装
置、18:フイルター。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 被写体を透過した、あるいは被検体から発せ
    られた被射線を、下記組成式()で表わされる
    二価ユーロピウム賦活複合ハロゲン化物蛍光体に
    吸収させた後、この蛍光体に450〜1000nmの波長
    領域の電磁波を照射することにより、該蛍光体に
    蓄積されている放射線エネルギーを蛍光として放
    出させ、そしてこの蛍光を検出することを特徴と
    する放射線像変換方法。 組成式(): M〓X2・aM〓X′2・bCsX″ ・cSnX2:xEu2+ …() (ただし、M〓はBa、SrおよびCaからなる群
    より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属
    であり;XおよびX′はいずれもCl、BrおよびI
    からなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲ
    ンであつて、かつX≠X′であり;X″およびX
    はそれぞれF、Cl、BrおよびIからなる群より
    選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;そし
    てaは0.1≦a≦10.0の範囲の数値であり、bは
    0<b≦10.0の範囲の数値であり、cは10-6≦c
    ≦2×10-2の範囲の数値であり、xは0<x≦
    0.2の範囲の数値である) 2 組成式()におけるcが10-5≦c≦5×
    10-3の範囲の数値であることを特徴とする特許請
    求の範囲第1項記載の放射線像変換方法。 3 組成式()におけるaが0.3≦a≦3.3の範
    囲の数値であることを特徴とする特許請求の範囲
    第1項記載の放射線像変換方法。 4 組成式()におけるbが0<b≦2.0の範
    囲の数値であることを特徴とする特許請求の範囲
    第1項記載の放射線像変換方法。 5 組成式()におけるM〓がBaであることを
    特徴とする特許請求の範囲第1項記載の放射線像
    変換方法。 6 組成式()におけるXおよびX′がそれぞ
    れ、ClおよびBrのいずれかであることを特徴と
    する特許請求の範囲第1項記載の放射線像変換方
    法。 7 組成式()におけるxが10-5≦x≦10-2
    範囲の数値であることを特徴とする特許請求の範
    囲第1項記載の放射線像変換方法。 8 上記電磁波が500〜850nmの波長領域の電磁
    波であることを特徴とする特許請求の範囲第1項
    記載の放射線像変換方法。 9 上記電磁波がレーザー光であることを特徴と
    する特許請求の範囲第1項記載の放射線像変換方
    法。 10 支持体とこの支持体上に設けられた輝尽性
    蛍光体層とから実質的に構成された放射線像変換
    パネルにおいて、該輝尽性蛍光体層が、下記組成
    式()で表わされる二価ユーロピウム賦活複合
    ハロゲン化物蛍光体を含有することを特徴とする
    放射線像変換パネル。 組成式(): M〓X2・aM〓X′2・bCsX″ ・ cSnX2:xEu2+ …() (ただし、M〓はBa、SrおよびCaからなる群
    より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属
    であり;XおよびX′はいずれもCl、BrおよびI
    からなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲ
    ンであつて、かつX≠X′であり;X″およびX
    はそれぞれF、Cl、BrおよびIからなる群より
    選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;そし
    てaは0.1≦a≦10.0の範囲の数値であり、bは
    0<b≦10.0の範囲の数値であり、cは10-6≦c
    ≦2×10-2の範囲の数値であり、xは0<x≦
    0.2の範囲の数値である) 11 組成式()におけるcが10-5≦c≦5×
    10-3の範囲の数値であることを特徴とする特許請
    求の範囲第10項記載の放射線像変換パネル。 12 組成式()におけるaが0.3≦a≦3.3の
    範囲の数値であることを特徴とする特許請求の範
    囲第10項記載の放射線像変換パネル。 13 組成式()におけるbが0<b≦2.0の
    範囲の数値であることを特徴とする特許請求の範
    囲第10項の放射線像変換パネル。 14 組成式()におけるM〓がBaであること
    を特徴とする特許請求の範囲第10項記載の放射
    線像変換パネル。 15 組成式()におけるXおよびX′がそれ
    ぞれ、ClおよびBrのいずれかであることを特徴
    とする特許請求の範囲第10項記載の放射線像変
    換パネル。 16 組成式()におけるxが10-5≦x≦10-2
    の範囲の数値であることを特徴とする特許請求の
    範囲第10項記載の放射線像変換パネル。
JP7803485A 1985-04-11 1985-04-11 放射線像変換方法およびその方法に用いられる放射線像変換パネル Granted JPS61235489A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7803485A JPS61235489A (ja) 1985-04-11 1985-04-11 放射線像変換方法およびその方法に用いられる放射線像変換パネル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7803485A JPS61235489A (ja) 1985-04-11 1985-04-11 放射線像変換方法およびその方法に用いられる放射線像変換パネル

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS61235489A JPS61235489A (ja) 1986-10-20
JPH0460513B2 true JPH0460513B2 (ja) 1992-09-28

Family

ID=13650527

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7803485A Granted JPS61235489A (ja) 1985-04-11 1985-04-11 放射線像変換方法およびその方法に用いられる放射線像変換パネル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS61235489A (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPS61235489A (ja) 1986-10-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5198679A (en) Phosphor and image storage panel
JPS5975200A (ja) 放射線像変換方法およびその方法に用いられる放射線像変換パネル
JPS6328954B2 (ja)
JPH0214394B2 (ja)
US4780376A (en) Phosphor and radiation image storage panel
US4780375A (en) Phosphor, and radiation image storage panel
JPH0475951B2 (ja)
US4999515A (en) Radiation image recording and reproducing method
JPH089716B2 (ja) 蛍光体並びに放射線像変換方法および放射線像変換パネル
US4698508A (en) Phosphor, radiation image recording and reproducing method and radiation image storage panel
JPH0475949B2 (ja)
JPH0526838B2 (ja)
JPH0214393B2 (ja)
JPH0460515B2 (ja)
US4891277A (en) Phosphor, and radiation image storage panel
JPH0554639B2 (ja)
JPH0248596B2 (ja)
JPH0548276B2 (ja)
JPS60217354A (ja) 放射線像変換方法
JPH0527675B2 (ja)
JPH0460513B2 (ja)
JPH0662948B2 (ja) 放射線像変換方法およびその方法に用いられる放射線像変換パネル
JPH0526836B2 (ja)
JPH0460151B2 (ja)
JPH0214395B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees