JPH045950Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は水槽の湯沸し装置に関し、さらに詳し
くは蒸気を利用して効率的な温度上昇が図られ、
かつ騒音及び振動のない湯沸し装置に関する。

〔従来技術と問題点〕

従来、水槽内の貯溜水を沸す装置としては、蒸
気ボイラに連結した蒸気配管ノズルを直線状に形
成して水槽内に直接配置するものが知られてい
る。

しかるに、従来の装置ではノズルから噴出した
蒸気が貯溜水と充分に混ざることなく水面から空
中に放散されており、熱交換率が不充分であるの
みならず、蒸気の水中からの放出で騒音及び振動
も発生する等の問題点があつた。

〔考案の目的〕 本考案の目的は、上記の問題点を解消した水槽
の湯沸し装置を提供することにある。

〔考案の構成〕

本考案は、ボイラに連通して取付けられた蒸気
管の先端付近を略Ｕ字状に曲設し、この蒸気管の
先端に蒸気吹出し用のノズルを取付け、該蒸気管
の外側に空隙部を確保しつつ外管を包設し、該外
管の先端を前記ノズル先端よりも前方に延伸する
とともに、外管の先方を略Ｕ字状に曲設し、かつ
外管の一部に給水口を穿設し、該給水口の穿設位
置が前記ノズル対応位置よりも根元側にあること
を特徴とする水槽の湯沸かし装置である。

〔考案の実施例〕

つぎに本考案を図面の実施例について説明す
る。

第１図は本考案の縦断面図、第２図及び第３図
は斜視図である。

本考案の蒸気管１は、ボイラ（図示しない）の
配管と蒸気取入口２にて連通しており、蒸気管１
の先端には蒸気を吹出すためのノズル３が取付け
られている。本考案の蒸気管の先端付近は略Ｕ字
状に曲折されているため、各種水槽に後から個別
に取付けて利用されるものであるから、取付ける
べき水槽の寸法により適用できなくなることを防
止する目的で、装置が不必要に大きくならないよ
うに工夫している。

また蒸気管１の外側には、空隙部４を確保して
外管５が包設されており、外管５と蒸気管１の間
には適宜ステー６が介在されている。さらに外管
５は、前記ノズル３先端よりも前方に延伸して広
い混合室７を確保し、この混合室７の先で外管５
の先方は略Ｕ字状に曲設し、その先端開口部８は
温水の吹出口となる。

ついで外管５の一部には吸水口９が穿設されて
おり、この吸水口９の穿設位置は、外管における
ノズル対応位置よりも根元側となつている。

図中符号１０は水槽、１１は取付金具である。
つぎに本考案の使用方法を述べると、まずボイラ
から蒸気取入口２を経由して蒸気管１内に蒸気を
導き、特殊鋼で製作されたノズル３より絞り込み
で流速の速くなつた蒸気を噴出させる。このとき
ノズル３の先の混合室７内には、水槽内の水が充
満しており、蒸気からの熱エネルギーが水を攪拌
混合して温水流となつて外管５の先端開口部８よ
り水槽内に吐き出される。

そのため、吸水口９より連続水流となるべき冷
水が外管５の空隙部４内に入り込み、蒸気管１の
外壁からの伝導熱で温められ、さらに上述の如く
混合室７内で蒸気と効率よく攪拌混合されること
となる。

特に本考案では、外管５が混合室７の先で略Ｕ
字状に曲設されているので、蒸気と水が外管の内
壁に当接して効率的に混合してエネルギー伝導が
充分行われる。

また外管の先端開口部８の向きを水槽１０の長
手方向に一致させると、水槽内で長手方向の対流
が起き、湯の沸き具合が良好となる。

〔考案の効果〕

よつて本考案によれば、蒸気が装置内で水と充
分混合するので、生蒸気として無駄に排出される
ことがなくなり、そのため熱交換率が向上し、騒
音及び振動も発生しないすぐれた効果を具有す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の縦断面図、第２図及び第３図
は斜視図である。 １……蒸気管、２……蒸気取入口、３……ノズ
ル、４……空隙部、５……外管、６……ステー、
７……混合室、８……先端開口部、９……吸水
口、１０……水槽、１１……取付金具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ボイラに連通して取付けられた蒸気管の先端付
   近を略Ｕ字状に曲設し、この蒸気管の先端に蒸気
   吹出し用のノズルを取付け、該蒸気管の外側に空
   隙部を確保しつつ外管を包設し、該外管の先端を
   前記ノズル先端よりも前方に延伸するとともに、
   外管の先方を略Ｕ字状に曲設し、かつ外管の一部
   に給水口を穿設し、該給水口の穿設位置が前記ノ
   ズル対応位置よりも根元側にあることを特徴とす
   る水槽の湯沸かし装置。