JPH045887B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は燃焼ガスと燃焼用空気との混合気を
燃焼室へ送給し燃焼室で爆発的に燃焼させるパル
ス燃焼器に関し、貯湯式給湯器の加熱源等に適用
して効果的としたものである。

〔従来の技術〕

従来のパルス燃焼器は第１図ａ，ｂに示したよ
うに、エアーフラツパーバルブ８の作動にしたが
つて通気孔７より混合室３内に供給される燃焼用
空気と、ガスチヤンバー１に接合され混合室内に
臨ませて設置したガスデイストリビユータヘツド
２から噴出せられる燃焼ガスとを混合室３にて混
合し、燃焼室１０と混合室３との間に介設したフ
レームトラツプ１２を通して混合気を燃焼室１０
に送給し、燃焼初期は点火プラグ１５により点火
し以後は自己着火によりパルス燃焼を行うもので
あるから、着火が容易であり燃焼（CO／CO₂）
も良好であるが、燃焼室１０の入口１１と燃焼室
１０が連続的に形成されているため、円形の空洞
を有するかたつむり形状で接線方向から混合気を
流入させる構造の燃焼室においては、燃焼炎がテ
ールパイプ１６へと導かれる過程で燃焼室１０の
入口１１に回り込んでいくため（第１図ａ，ｂ矢
印参照）引火性の高いガス種ではフレームトラツ
プ１２から混合室３内に燃焼炎が入りいわゆるバ
ツクフアイヤーを起こし易く、あるいは燃焼室１
０の入口１１の近傍で拡散燃焼を起こし易い欠点
があつた。また、ガス種によつては燃焼室入口１
１に回り込んできた燃焼炎により燃焼室１０内に
送給される混合気の流入が妨げられて流入抵抗が
増大し、インプツト（混合気の流入量）が減少し
易い欠点があつた。

〔発明の目的〕

この発明は上記欠点を解消して都市ガス等の引
火性の高いガス種の使用に際して起こり易いバツ
クフアイヤーあるいは拡散燃焼を防止し、また天
然ガス、プロパンガス等の引火性の低いガス種の
使用に際して発生する混合ガスの燃焼室内への流
入抵抗の増大によるインプツトの減少を防止する
ことを目的とするものである。

〔発明の構成〕

その構成は燃焼ガスと燃焼用空気との混合気を
燃焼室１０に送給しパルス燃焼せしめるものにお
いて、パルス燃焼により燃焼炎が燃焼室入口に回
り込む構造の燃焼室１０の入口１１に、燃焼炎の
該入口１１への回り込みを防ぎ、混合気の燃焼室
１０への流入を促進するための燃焼室ガイド９を
嵌装し、かつ、燃焼室１０内にその先端吐出口９
ａを若干臨ませて設けたことを特徴とするもので
ある。

〔作 用〕

この発明は上記構成としたから、パルス燃焼に
より燃焼室１０内を旋回してテールパイプへ導か
れる燃焼炎の流れは、燃焼室１０の入口１１に設
けた燃焼室ガイド９により該燃焼室ガイド９から
の噴出ガスと衝突することなく円滑にテールパイ
プ側へ方向変換されるため、燃焼炎は燃焼室１０
の入口１１を避けて通り該入口１１に回り込むこ
とはない。

〔実施例〕

以下この発明の実施例を図面に基づいて詳細に
説明する。

第２図においてガスチヤンバー１に基端を接合し
たガスデイストリビユータヘツド２を混合室３に
臨ませて設置し、該ガスデイストリビユータヘツ
ド２の先端周側に穿設したガス噴出孔４から燃焼
ガスを混合室３内へ噴出するようにし、一方、エ
アーチヤンバー５と混合室３との隔壁６に通気孔
７を設けエアーフラツパーバルブ８の作動にした
がつて燃焼用空気を混合室３内に供給するように
なつている。１０は円形の空洞を有するかたつむ
り形状で接線方向から混合気を流入させる構造の
燃焼室で、該燃焼室１０の入口１１に燃焼室ガイ
ド９が設置され、燃焼室１０と混合室３の間に介
設したフレームトラツプ１２に燃焼室ガイド９の
基端を接合して燃焼室１０内に嵌装し、かつ、先
端吐出口９ａを燃焼室１０内に若干臨ませて設置
されている。この燃焼室ガイド９は、第３図ａに
示すようにフレームトラツプ１２側に先端径が
φAの先細状テーパ孔１３を備え、先端吐出口９
ａ側には中空部１４を備えた構造とするほか、第
３図ｂに示した短筒状、又は第３図ｃに示したよ
うにフレームトラツプ１２側には先端径がφAの
先細状テーパ孔１３を備え、先端吐出口９ａ側に
は先太状のテーパ孔１４´を備えたベンチユリー
構造のものなど、ガス種に応じて形状寸法を決定
するものである。１５は点火プラグで燃焼室１０
内に臨設され燃焼室１０内に送給された混合気に
燃焼初期だけ火花により着火するものであり、１
６は燃焼室１０から燃焼排ガスを排出するテール
パイプである。

上記構成によりエアーチヤンバー５よりエアー
フラツパーバルブ８の作動により通気孔７を介し
て混合室３内に燃焼用空気が供給され、ガスチヤ
ンバー１よりガスデイストリビユータヘツド２の
ガス噴出孔４より燃焼ガスが混合室内に噴出され
燃焼用空気と混合し、混合気はフレームトラツプ
１２とこれに連設した燃焼室ガイド９を通つて円
形の空洞を有するかたつむり形状の燃焼室１０内
に送給され燃焼室ガイド９の出口付近で燃焼炎が
発生し、該燃焼炎は燃焼室１０内を第２図ａの矢
印のように旋回してテールパイプ１６へ導かれ排
気管を介して排気室に送られる。このとき燃焼炎
の流れが燃焼室１０の入口１１に設置した燃焼室
ガイド９により該燃焼室ガイド９よりの噴出ガス
と衝突することなく円滑にテールパイプ１６側へ
方向変換されるため燃焼炎は燃焼室１０の入口１
１を避けて通り該入口１１に回り込むことがな
い。したがつて都市ガス等の引火性の高いガス種
を使用してもバツクフアイヤー及び拡散燃焼が発
生しない。更に、混合気が燃焼室１０内へ送給さ
れる際に燃焼室１０内を旋回する燃焼炎により妨
げられることが少ないので、後述する燃焼室ガイ
ド９による混合気の流入促進効果と相まつて混合
気の流入抵抗が減少しインプツトが増加する。す
なわち、第３図ａに示す燃焼室ガイド９を使用す
る場合は、先細状テーパ孔１３の長さをl₁、中空
部１４の長さをl₂とするとl₁、l₂、φAを適当に選
択することにより燃焼室１０内へ送給される混合
気の流速を変化することができガス種に応じバツ
クフアイヤーの防止効果を一層高め、かつ、イン
プツトの増大が計られ、また、燃焼室ガイド９内
に発生する乱流により燃焼ガスと燃焼用空気との
混合状態がよくなる。次に第３図ｂに示す燃焼室
ガイド９を使用する場合もｌを適当に選択するこ
とで混合気の流入促進効果が変化し、燃焼炎の流
れの変化と相まつてガス種によつて混合気の流入
抵抗が低下しインプツトが増加する。また、これ
により通気孔７からの吸気量が増える。第３図ｃ
に示すノズル管９の場合はl₁、l₂、φAを適当に選
択することによりインプツトの増加量を変化させ
ることができ、第３図ａの燃焼室ガイドに比べガ
ス種によつてはインプツトの増え方は大きくなる
という特性を示す。尚、上記説明においてインプ
ツトが増加すると通気孔７からの燃焼用空気の吸
気量が増大するのでエアースペーサαを短くした
り、通気孔７を小さくすることができるのでエア
ーフラツパーバルブ８の寿命を長くできる。同様
に図示しないが燃焼ガスの供給機構においても同
様にバルブ等の寿命を長くすることができる。

〔発明の効果〕

上述したようにこの発明によれば、燃焼室ガイ
ドを燃焼室入口に嵌装し、かつ、燃焼室内にその
先端吐出口を若干臨ませて設置したので、燃焼室
ガイドの出口付近で燃焼炎が発生するようになり
燃焼室入口に燃焼炎が回り込むのを防ぐので、フ
レームトラツプから混合室に炎が入る、いわゆ
る、バツクフアイヤーが防止でき、かつ、拡散燃
焼も防止し得る。また、燃焼室内における燃焼炎
の流れが円滑となり燃焼室入口に燃焼炎が回り込
むことがなくなるので、フレームトラツプを通し
て送給される混合気の流入抵抗が小さくなりイン
プツトの減少を防止でき、更に、燃焼室ガイドの
選択によりガス種によるインプツト差を減らすこ
ともできる。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ，ｂは従来のパルス燃焼器の縦断正面
図及び腰部の横断面図、第２図ａ，ｂはこの発明
の一実施例を示す縦断正面図及び要部の横断面
図、第３図ａ，ｂ，ｃは燃焼室ガイドの異なる実
施例を示す断面図である。 ９……燃焼室ガイド、９ａ……吐出口、１０…
…燃焼室、１１……燃焼室入口。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 燃焼ガスと燃焼用空気との混合気を燃焼室１
   ０に送給しパルス燃焼せしめるものにおいて、パ
   ルス燃焼により燃焼炎が燃焼室入口に回り込む構
   造の燃焼室１０の入口１１に、燃焼炎の該入口１
   １への回り込みを防ぎ、混合気の燃焼室１０への
   流入を促進するための燃焼室ガイド９を嵌装し、
   かつ、燃焼室１０内にその先端吐出口９ａを若干
   臨ませて設けたことを特徴とするパルス燃焼器。